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「やさいのうえかたそだてかた」小宮山洋夫 岩崎書店 1995年 /「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの -今の時代に何が欠けているのか…」 中村 諭 宝塚市高司中学校長(記事執筆当時) 『致知』より ①【再掲載 2014.12】 [読書記録 一般]

今回は小宮山洋夫さんの、
「やさいのうえかたそだてかた」を紹介します。


出版社の案内には、

「鉢や箱を使った身近な野菜の作り方や畑での作り方を、美しい絵と文
で解説。苗作り、病虫害予防、水や肥料のやり方まで紹介。」

とあります。


小学生向けに書かれた本です。
今回紹介するのは、
トマト、ナス、ピーマン、オクラ、トウモロコシ、キュウリ、カボチャ
です。



もう一つ、再掲載になりますが、中村諭さんの、
「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの」①を載せます。
保護者が我が子への本気のすがたをみたとき、
教員もより頑張らなくてはと思うのではないでしょうか。






☆「やさいのうえかたそだてかた」小宮山洋夫 岩崎書店 1995年

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◇トマト
  ・ わき芽はすべて摘み取って一本立てにする
  ・ 梅雨明け前、根本に土寄せ、草かわらを敷く
  ・ 実が付いたら、株の周りに油かすひとにぎり


◇ナス
  コツ   
   ・ 株元に草やわら
  手入れ   
   ・ 一番はなのすぐ下のわき芽を2本残し、他のわき芽はみんな
    摘み取り、主枝を3本伸ばす
   ・ 枝が伸びたら支柱を立てる
・ 枯れた下葉は取り除く
・ 実が付いたら2か月に1回、株の周りに油かす二にぎり


◇ピーマン
 コツ   
   ・ 花が咲き始めたら支柱は早めに立てる
   ・ 追肥 油かすを1~2回
  手入れ  
   ・ 2か月に1回 株の周りに油かすひとにぎり
   ・ 梅雨明け前に株元に土寄せ 刈り取った草やわらを敷く
   ・ 花が咲いたら支柱


◇オクラ   
  コツ   
   ・ 種は一晩ぬるま湯につけてから
・ 直まきがよい
・ アブラムシは手で取り除く
  手入れ
   ・ 梅雨明け前に株元に土を寄せ刈り取った草やわらを敷く
   ・ 2か月に1回、株の周りに油かす一握り


◇トウモロコシ
  コツ   
   ・ たくさんの方がよい
   ・ 収穫した株は小さく切って腐葉土にする
  手入れ  
   ・ 本葉2枚で間引き
   ・ 50㎝高で株の周りに油かす一握り + 土寄せ
   ・ 花が咲いたらもう1回油かす    


◇キュウリ
  コツ
   ・ 株元に草やわら
・ つるは早めに支柱に導く
  手入れ  
   ・ 元肥(1㎡に腐葉土20つかみ、油かす4~5握り)
・ 梅雨明け前に刈り取った草やわらを株元に敷く


◇カボチャ
  コツ   
   ・ 直径30㎝、深さ30㎝円柱状に
1㎡腐葉土6~7つかみ
油かす2握り
  手入れ  
   ・ 夏草やわらをつるの下に
・ 整枝は不要
・ 初めて実が付いた頃株の周りに油かす2握り
   ・ 収穫  
      爪が立てられないくらい固くなったら収穫時期 

<以下略>






☆「成熟社会の子育ての狭間に見えるもの -今の時代に何が欠けているのか…」 中村 諭 宝塚市高司中学校長(記事執筆当時) 『致知』より ①【再掲載 2014.12】

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◇私の体験から                                 

 私は教育現揚で30年以上が経過した。この間、随分いろんな人生の
狭間をのぞいてきた。


 中学校現場での多くの事例に接し、子どもの様子に苦しみ、子育ての
悩みを抱えながら、子どもが思いがけなく成長する婆を見てきた。


 いくつか、考えさせられた事例をあげてみよう。


 ある時は闇も多くある青春の危険なつり橋を転落しそうになった子も
いる。


 あわてて手を延ばし、なんとか間に合った子もいた。


 またある子は、暗やみの底に沈んでしまったように見えた。


 光をあて、紐を垂らすと姿が見え、なんとか紐にくらいついた子もい
た。


 いろんな狭間を覗いてきた。そんな時、その子の復元力の決め手は、
ほとんどが母親に愛情があるかどうかであった。父親が勝負をするかど
うかであった。


 そんないくつかをあげて、現代教育事情の狭間を覗いてみたいと思う。
子育て体たらくの現代教育事情とは大きく違うことに気づいてもらえる
に違いない。

 今の時代に何が欠けているのか、事例が如実に語ってくれると思う。



◇あの子には私の血が流れているんです

 約30年前、当時持った女生徒が、急に男性遍歴をはじめた。


 大変、チャーミングな子であったが、当時としては中学生が男性遍歴
をするなどというのは破天荒なこととして、不道徳の筆頭みたいなもの
で、母親はひどく困惑した。


 今なら、そういう事もそう珍しいことではなくなってしまっている。


 それなりになんとか、対処しながら、いろいろ言い含めたりし、粘り
強く指導しながらも、どこかまあ止むを得ないものとして、胸に納めて
しまうこととなることも多い。


 当時はそんなことはとんでもないことであった。


 まあ、私たちや親の感覚は、そこそこまともであったのである。


 何度も何度もその子のことで、家庭訪問は言うに及ばず、深夜かけず
り回ったりして付き合った。


 話が母親と深まるにつれ、母親との信頼感が増してきたある日のこと、
その子が何回目かのいわゆる不純異性交遊をしたとき、思いがけない打
ち明け話を聞かされることとなった。


「先生、私はいま苦しくてたまらないんです。あの子の様子を見ている
 と、主人に本当に申し訳ないんです。実は、あの子は主人の子ではな
 いんです。私が妊娠しているのを承知して、私と結婚してくれたんで
 す。大事に育ててくれたんです。今のあの子の様子を見ても、私を責
 めず、本当に心配しています。先生、あの子に私の若いときの血が流
 れているんです。……あの子はこのことを知りません」


と言って、顔を臥し泣かれたことがある。


 子どもにも言っていない秘密を打ち明けられ、私自信もどうしたらよ
いか胸がつまってしまった。


 だが、なんとしても、ズルズルと転落していってしまいかねない娘を
なんとかしたいという必死の母親の思いは伝わってきた。


 私が本気になって彼女と格闘しようと決心した由縁である。


 ここには、30年前の母親の良心がある。


 子どもに寄り添い、なんとかしなければと思いつつ、うまく行かない
悩みと向きあいながら、子育てと格闘している母親の婆があった。


 今の時代と隔世の感があるではないか。



 その子はやがて成人して、力のある男性と巡り合い、結婚し、小さい
ながら事業所を開き、やがて手広く商売を始め成功したと聞いている。


 姉御肌の力強い大人へと変身していた。


 母親の絶対見捨てない愛情と育ての父親の愛情が彼女を支え、蘇らせ
たに違いない。    
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