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「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7 中央公論社 1989年 (2) [読書記録 一般]

今回は、9月12日に続いて井上ひさしさんのエッセイ集、
「悪党と幽霊」の紹介 2回目です。

およそ30年前の本。
時代に関係なく読むことができます。


出版社の案内には、

「菊五郎の芸談から円朝の人情ばなし、さらに徳川夢声の話術談や戦後浅草の軽演劇論な
 ど、常に民衆の眼を失なわない著者が、大衆芸能の魅力を通して現代日本を語る、井上
 流文化論。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「子供に面白いものは大人にも面白い」


・「物語の正体 = 謎(謎の提起と解明)」


・「日常用語を異様に加工したものが文字言葉」


・「『読者が一番エライ』読み方」



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☆「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7 中央公論社 1989年 (2)

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◇児童文学名作全集・解説

(1)雑誌  自己陶酔 や 自己満足



童心主義や教育啓蒙主義への反感

子供に面白いものは大人にも面白い
   
       
(2)小説 = 物語と言葉


(3)芝居 = 物語と言葉と俳優の身体




 ◎物語の正体 = 謎(謎の提起と解明)

  「作者は答えを与えるまでの間に自分が言いたかったことを言ってしまう」




□冒頭に気になる謎

「この時代錯誤の夢を見る騎士は,現実にどういう扱いを受けるだろうか」
                               (ドン・キホーテ)



「父親はなぜ我が子の許へかくもしばしば亡霊となって現れるのだろうか」
                                 (ハムレット)



「ジムは宝島に行き着くことができるだろうか」
                                   (宝島)

 ◎ これどうして? これどうなるの?



□日常言葉 

 ① 冗漫である(冗長率70%)
他人の交際が固定化するにつれて冗長率低下


 ② 文法が無視される


 ③ 無意識の自動化した発語行為



 ◎日常用語を異様に加工したものが文字言葉

「文字表現があまりにも異様に加工されているのでコトバを意識しなければいられな
   くなる」




□文芸作品 

 読まれ方の特徴

 1 作者にすべての関心を集めていくもの

  「作者の実生活とこの作品とをどう関連づけて読むのが一番正しいか」


 2 構造主義的な読み方

小説言語の分析

本質の構造を解明するけれど本質そのものには目が届かない


 3 「読者が一番エライ」読み方
 






◇昭和庶民伝三部作 

□大戦 = 「強盗どもの喧嘩」

英米仏の強盗がアジアを荒らし回った



□新入り強盗が
   「ここは全部俺の縄張りだ」



□東京裁判  

 勝った強盗が負けた強盗にお灸を据えただけ


 誰も強盗行為そのものを裁いてはいない
 
                    |


 日本の政治システム
「責任の所在を明らかにしない制度」


 ※戯曲 「きらめく星座」「花よりダンゴ」「闇に咲く花」「雪やコンコン」



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