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「京都近代の記憶」中川理 思文閣出版 2015年 前半 [読書記録 一般]

今回は、中川理さんの
「京都近代の記憶」要約の前半を紹介します。





出版社の案内には、


「京都は『千年のみやこ」と言われる。確かに平安京ができて千年以上たつ都市である。
 しかし、平安京の姿そのままの遺構など実はどこにも残されていない―。東京遷都によ
 り没落の危機に見舞われ、都市改造や近代建築の導入に積極的に取り組む一方で、まさ
 に生き残りを懸けて『千年のみやこ』を演じてきた街、京都。いまある京都の魅力はい
 つ、どのように作られたのか?『歴史都市』の近代化の過程で生まれたさまざまなエピ
 ソードを、場所・人・建築をキーワードとして写真とともに綴る。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「京都は『千年のみやこ』を努力して演出し、実体化してきた都市」


・「近代化を可視化した琵琶湖疎水」


・「テーマパークだった銭湯 別格は船岡温泉 国登録文化財」


・「仏教寺院による洋風の受容   西本願寺 伝道院」




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☆「京都近代の記憶」中川理 思文閣出版 2015年 前半

1.jpg

◇はじめに

 京都は「千年のみやこ」を努力して演出し、実体化してきた都市




◇近代化の舞台となった岡崎

□9~11世紀

岡崎に藤原摂関家の別荘白河殿



 白河上皇に献上



歴代の天皇により周囲に次々と6つの寺院(六勝寺)

  ↓

南北朝内乱・応仁の乱で焼失・荒廃



近世武家屋敷
   明治維新でほとんど消滅 畑地に



琵琶湖疎水
   トンネル出口に岡崎

博覧会 - 平安神宮 
  別荘群(日本庭園をもつ)

多くの文化施設



 京都の歴史性と近代が重層する特異な場所となる



1 近代化を可視化した琵琶湖疎水

 田辺朔郎(土木工学)
府知事・北垣国道の執念(前任の槇村正直も)

トンネルで入り口に洋風デザイン



2 工業用水から日本庭園の水へ

 明治23 完成

明治28 第4回内国勧業博覧会

水が日本庭園の水として使われるようになった

実業家・塚本与三次 
   庭師・小川治兵衛(7代目)

→ 日本庭園付き別荘を次々に手がけた



3 西洋式洞窟

 稲畑勝太郎(実業家)日本で最初に映画上映


南禅寺南側に広大な敷地
隧道として掘られたのが洞窟
小川治兵衛 設計 
   建築家・武田五一



4 博覧会を契機として成立した歴史都市

 観光都市・京都のイメージは明治28年から


 明治28 第4回内国勧業博覧会:岡崎

隣接して平安神宮が創建
  もう一つの都 岩倉具視(公家出身)



5 財閥が彩る住宅文化

 藤井善助一族(藤井紡績)
  大正15 個人美術館・藤井有麟館 中国美術コレクション
  
   次男・藤井彦四郎(藤井商店)和中庵 昭和2年オープン
                   (現ノートルダム教育修道会)   



6 祝意を示す場

 昭和3年 平安神宮の大鳥居 24m





◇場所と空間・建築


7 芸術が町をつくる

 画家・芸術家の校外居住 北区・等持院界隈
   木島 鹿子 本野精吾  コンクリートむきだし



8 建築博覧会となった同志社キャンパス 

 京都の人々に西洋建築を最初に伝える役割

 彰栄館(明治17) 内部の小屋組が日本式

 礼拝堂(明治18) アメリカン・ゴシック

 ハリス聖化学館(明治23) イギリス・ゴシック

 クラーク記念館(明治26) ドイツ・ネオ・ゴシック

 アーモスト館(昭和7) アメリカン・コロニアル  米人・ウォリーズ
   
 武田五一 ~ 和風も ~ 同志社女子大学



9 スパニッシュと赤銅御殿 

 北白川 住宅地 スパニッシュ様式 白い外壁・スペイン瓦・アーチの窓

 駒井邸 京大駒井博士邸 ウォリアーズ設計

 デベロッパー 日本土地商事 谷川茂郎



10 御旅町の新様式

 絵葉書 ~ 御旅町の町並み ~ 市電が走る  模範設計



11 テーマパークだった銭湯

 別格 船岡温泉 国登録文化財

もとは造園業 大野松野介  料理旅館 + 浴場 + 理髪店

  → 現在は浴場だけ





◇歴史と空間・建築

12 公家の町から御苑へ

 大きな変化 御所周辺

大正昭和の即位式 もう一つのみやこ



里内裏の一つ土御門東洞院内裏を基に整備・拡充されたもの

  明治11年 - 町家も立ち退き  



京都御苑が完成



13 小学校が語る町衆の近代

 小学校 伝統的なコミュニティの中心施設 ~ 寄付金も


 明倫小学校(京都芸術センター)



14 太鼓楼が伝えた近代

 有済小学校 明治期の太鼓楼



15 校舎は町のシンボル

 京都市立明倫小学校舎利用(S6)

  → 京都芸術センター2006



16 土地区画整理がつくる街



17 京電の痕跡  

 道の拡幅





◇街に寄り添う様式

18 武徳殿が発信した「国風」

 平安神宮東 京都武徳殿



19 仏教寺院による洋風の受容

 西本願寺 伝道院



20 東洋趣味の近代デザイン



21 スパニッシュの波及

 武田五一と東畑謙三



22 銀行建築の威厳

  日本銀行京都支店(京都文化博物館別館)

  第一銀行京都支店(みずほ銀行京都中央支店)



23 看板建築 平滑な建物の…



24 町家の近代化 武田五一

約3万軒の京町家


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コメント 2

hideta-o

「京都は『千年のみやこ』を努力して演出し、実体化してきた都市」なるほどよくわかります。それで、観光で京都へ行くと気持ちがいいのでしょうね。
by hideta-o (2020-01-22 08:46) 

ハマコウ

hideta-oさん ありがとうございます。
京都は何度行っても楽しむことができる街ですね。
気持ちよく過ごすことができます。
by ハマコウ (2020-01-22 18:33) 

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