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「小さな人生論」藤尾秀昭 致知出版社 2005年 ② /「特別支援教育のための100冊」愛知教育大学教育実践センター特別支援教育プロジェクトチーム 創元社 2007年 ②【再掲載 2017.1】 [読書記録 一般]

今日は4月13日、土曜日です。



今回は、4月9日に続いて、藤尾秀昭さんの
「小さな人生論 2」の紹介 2回目です。

出版社の案内には、

「『致知』創刊25周年の刊行以来、好評のうちに増刷を重ねて
 いる『小さな人生論』。本書は川島廣守氏(日本プロ野球組織
 コミッショナー)からヤンキースの松井秀喜選手に贈られた
 書としても話題を呼んだ作品の続篇だ。
 『自分を高める』『人生に残すもの』『何のために生きるのか』
 『命を伝承する』『人生の法則』『先哲の英知をくむ』の各章
 テーマのもと、著者の折々の思いが記している。
 『人は皆、一個の天真を宿してこの世に生まれてくる、という。
  その1個の天真を深く掘り下げ、高め、仕上げていくことこ
  そ、各人が果たすべき人生のテーマといえる……』
 人生と向き合うための座右の書として、活用いただきたい一冊。」

とあります。


- 馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない

ことわざを思い出しました。


もう一つ、再掲載になりますが、
「特別支援教育のための100冊」②を載せます。
特別支援教育について学ぶことは、
通常学級の教育にも大変役立つと考えます。
特別支援教育の本が、教員、保護者、一般の方に広く読まれることを期待します。





☆「小さな人生論」藤尾秀昭 致知出版社 2005年 ②

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◇運命をひらく

 過日、古い友人に頼まれ、ある大学で学生に話す機会があっ
た。


 教授に伴われて教室に入った途端、唖然とした。百人ほど入
れる教室。

 前方はほとんど空席で、50人ほどが後方に固まっている。

 それもジュースを飲んだり食べ物を頬張ったり。

 教授の姿を認めても様子に変化はない。挨拶するでなし、私
語がとめどもない。


 正直、これが大学生かと思った。


 そこには授業に向かう緊張感も講義に対する好奇心も、いさ
さかも感じられない。どんよりした倦怠感が漂うばかりである。


 まず前方の席に詰めてもらった。


 きびきび移る学生は1人もいない。


 ロにこそ出さないが、迷惑げな気配がありありである。

 若者たちがよく口にする「かったるい」とはこのことか、と
思った。


 その時点で、準備していったすべてを話すことは放棄した。
話題を絞り、質問を発し、感想文を書いてもらい、拙いなりに
関心を引くように努めて一時間半の責任を果たした。


 帰途、電車の中で彼らの感想文を読んだ。おや、と思った。


 当方の伝えたかったことをそれぞれが真剣に受け止めていた。

 
 教室をおおっていた倦怠感とこの感想文の落差は意外だった。


 思うに、彼らも立派な感受性を備えているのだと思う。


 ただ、心をコップに例えれば、心のコップがきちんと立って
いないのだ。


 心のコップが倒れたり引っくり返ったりしていては、いくら
水を注いでもこぼれるばかりである。


 彼らは心のコップが立たないまま、20歳近くまで人生を歩
んでしまったのではないか。


 焦点の定まらない生き方を心から惜しいと思った。


 運命とは定まっているものではない。


 自ら選び、ひらいていくものである。


 そのためには心のコップを立てなければならない。


 それをなすのが教育である。


 教育は心のコップを立てることから始まるといっても過言で
はない。


 まず心のコップを立てる
- 運命をひらく第1条件である。


 第2の条件は、決意すること。小さなことでいい。小さなよ
きことを決意する。そこから運命の歯車は回転していく。


 そして決意したら、それを持続すること。花は一瞬にして咲
かない。木も瞬時には実を結はない。自明の理である。


 次に、「敬するもの]を持つこと。

 [敬するもの」とは人が心の中に持った太陽である。

 すべての生命は太陽に向かって成長する。心もまた敬するも
のを持つ時、それに向かって成長する。


 最後に、「縁」を大事にすること。

 縁を疎かにして大成した人は1人もいない。


 「不幸の三定義」というのがある。
 友人の西田文部氏から聞いた。


 一、決して素直に「ありがとう」といわない人

 一、「ありがとう」といっても、恩返しをしない人

 一、「ありがとう」と唱えただけで恩返しはできたと思って
   いる人


 縁のある人に、この逆のことを心がけていくところに、運
命をひらく道がある。

 心したいことである。








☆「特別支援教育のための100冊」愛知教育大学教育実践センター特別支援教育プロジェクトチーム 創元社 2007年 ②【再掲載 2017.1】

[出版社の案内]
現場で本当に役立った本だけを厳選。教師やスクールカウンセラー、親
たちの理解と実践を支えた100冊。

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◇特別支援教育を知る 19冊
□目的
 … 一人一人の教師が、自分の学級にいる軽度発達障害児のニードに
  あった、そして自分自身が実践しやすい方法を身に付けること

□「特別支援教育」     
  ・同一性保持
・変化への抵抗    ・脅迫的な同一行動

□「個別支援教育」実践
  「複雑に発展変化する社会の規則性に、彼らが共についていけず、
   自分たちに理解できる規則性を独自に広げることで生きていこ
   うとする精一杯の生きる工夫」
    → 共感的に理解しようと努力することが大切



□『発達障害のある子の困り感に寄り添う支援』佐藤暁 学習研究社 2004
    
   『月刊実践障害児教育』連載
     ◎ 個別支援と学級経営は車の両輪


□『僕のこころを病名で呼ばないで思春期外来から見えるもの』青木省三 
   岩波書店2005
   
  居眠りしない子
   → 周りの子が気になる
    → 休み上手に!
  居場所 
   ① 家族と共に過ごす時と場       
      居間・家族旅行
② 一人になれる時と場         
      自分の部屋・トイレ・一人旅
③ 同年配の人と安心して集える時と場
      保健室 下宿 修学旅行 キャンプ


□『ピアジェ晩年に語る』 J.C.ブランギエ 国土社 1985
 「わたしたちの方法は何よりも過程が分かってくるまで子どもと話
   そうと努めることです。子どもを理解しなくてはなりません。尊
   敬することが必要です」


□『十人十色なカエルの子』落合みどり 東京書籍 2003
 絵本


□『特別支援教育と心理的援助』金剛出版 2006
    <精神療法vol32№1>


□『特別支援教育における臨床発達心理学的アプローチ』
   ミネルヴァ書房 2006


□『小中学校におけるLD ADHD 高機能自閉症の子どもへの教育
  支援』 上野一彦 教育開発研究所 2004
   H14.10 全国調査(通常級)
LD等学習困難           4.5%
  ADHD 高機能自閉症等行動面困難 2.9%
   → 6.9% 支援を要する子供の6.3%が通常級に


□『みんな違ってみんないい』品川裕香 えじそんくらぶ 2003
 教育における複数のものさしをもつこと
   ガードナー 7つの知能
    ① 言語的知能 
② 論理的数学的知能
③ 空間的知能
④ 音楽的知能
⑤ 体感運動的知能
⑥ 内面的知能
⑦ 対人的知能(社会性)
自分たちの地域にあった特別支援教育


□『ことばをはぐくむ』中川信子 ぶどう社 1986
 言語


□『教室でできる特別支援教育のアイディア172<小学校編>』
   月森久江 図書文化社 2005
見えなかった視点 
  → 柔軟な対応


□『軽度発達障害のあるこのライフサイクルに合わせた理解と対応』
   田中康雄 学習研究社 2006
◎「仮」に理解して「実際に」支援する


□『自閉症』村瀬学 筑摩書房 2006


□『わかってほしい!気になる子』田中康雄 学習研究社 2004
   保育 
   リソースシステム


□「こころの本質とは何か」荒川一廣 筑摩書房 2004


□『ぼくもみんなといっしょに』池田勝昭・保田修・木内正範 2006
 池田先生と教え子である豊田市立堤小学校長の保田修先生


□「特別支援教育基本用語100」上野一彦・緒方亜希子・柘植雅美 
   明治図書 2005


□「発達障害の臨床」中根晃 金剛出版 1999


□「学級崩壊事例から学ぶ教育相談」生島博之・長坂政 
   愛知教育大学出版会 2006


□「軽度発達障害の心理アセスメント」WISC-Ⅲの活用
    日本文化科学社 2005
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