SSブログ

「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ① /「先着順採用、会議自由参加で世界一の小企業をつくった」松浦元男 講談社 2003②【再掲載 2012.2】 [読書記録 教育]

今回は、辻本雅史さんの
「学びの復権-模倣と習熟」1回目の紹介です。



出版社の案内には、


「近代教育が普及する以前、日本人はどのように学んでいたのか。江戸時代の寺子
 屋、藩校、内弟子制度などにおける学びの実態と学習方法を具体的に解き明かし、
 荒廃する現代教育社会の中で学ぶことの意味を問い直す。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「しみこみ型は、本来、教える者であるはずの母親が、ことさら学ぶ者の立場に
  立つことによって、子どもが学ぶことを教えようとする。『花伝書』内弟子制
  度につながる日本の伝統的な学習文化である。」


・「貨幣経済が都市や農村に入ってきて、灌漑用水・水田開発に高度な数学的知識
  が必要になっていた。江戸時代は当初から識字層が広範に存在していることを
前提として成り立った社会である。」


・「入門と師弟関係  個別の学習+自学自習」
- やはり自学自習が前提だったのですね。


・「江戸時代は話し言葉においては地方差が大きい一方、文書の世界では書法、文
体、文書形式に至るまで地方差はなかった。書き言葉においては違いはなく共
通していた。」





もう一つ、再掲載となりますが、松浦元男さんの
「先着順採用、会議自由参加で世界一の小企業をつくった」②を載せます。
20年前にこんなことをと今さらながら驚きます。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ①

1.jpg

◇辻本雅史 1949(昭和24)年 愛媛県生 
      
 光華女子大・甲南女子大 → 京都大学 

 文学博士 日本教育史専攻




◇「しみこみ型」と「教え込み型」
   
□心理学者 東洋  

 アメリカの母親「教え込み型」
   育児 - 知識伝達 = 学校教育

 日本の母親「しみこみ型」
   見て習わせる-見習う教え方   


「しみこみ型」
   本来<教える者>であるはずの母親が、ことさら<学ぶ者>の立場に立つこ
  とによって<子どもが学ぶことを教えようとする>

  ~ 「花伝書」内弟子制度~日本の伝統的な学習文化



□日本の伝統的「学習文化」

 1 江戸時代 
     「手習い塾」や「藩校」の多様な学び方

      内弟子制・民俗の教育
        

 2「しみこみ型」
     日本の思想家たちによっての言説化 

近世前期 貝原益軒「和俗童子訓」


 3「しみこみ型」学習文化の特質
① 立志、身体的な模倣と習熟の学習
  
    ② 独学

    ③ 自己教育の文化


 4 学校化された現代社会下、伝統的な学び方の文化はいかなる形で意味合いを
  持ちしみこんでいるのか?

◎ いまの教育を江戸時代の眼で見ればどのように見えてくるのかということ




◇手習塾(寺子屋)の学習

 1 手習塾とは何か
手習塾と寺子屋  
       手習いの教授
寺子屋の呼称は○○方面 → 歌舞伎の人気により全国へ
      
     手習塾の普及   
       前期は都市中心 → 後期は全国へ普及
      
     なぜ庶民は文字学習を必要としたのか?   
18世紀後半以後識字民衆が飛躍的に増加した(=19世紀の教育爆発) ∥
◎江戸時代は文字を知らなければ損をする時代になっていた

     貨幣経済が都市・農村に入ってきた
灌漑用水・水田開発に高度な数学的知識が必要になっていた
                  ∥
◎ 江戸時代は当初から識字層が広範に存在していることを前提とし
       て成り立った社会



 2 手習塾の学習法
入門と師弟関係  個別の学習+自学自習
入塾は手習師匠の弟子になることを意味している-入学とは違う

◎ 信頼できる師匠と弟子の人と人との教育の関係が成り立つ場として
      塾があった

     手習塾の日常 山川菊江「武家の女性」より
7時半~14時半  弁当持ち 規制はなく自由
     
       登校時間 一人一人違う-その家による 個別学習だから

    ◎学習者の生活時間が優先され生活の中に学習が主体的に織り込まれた

     往来物という教材 横長の経机(天神机-天板裏に天満天神の書)
教材(手習本)「往来物」読書用漢文テキスト「実語経」「童子経」

      声に出して暗唱すること = 読書
一種の素読学習

      往来物 = 手紙のやりとりができる

       江戸時代の往来物は約七千種類
      

     文字を書く学習 ひたすら手本を臨書する単調な稽古の繰り返し
      = 自学自習
         
   ◎ 師匠は手本を与えるときに、手本に書いてある文字の読みと意味も同時
    に教えた。子どもたちはその意味を頭に置き、あるいはその読みを口に唱
    えながら手本と手習いと稽古をした。

  → 明日から意味も     


   ◎ 文字を書くことよりも書くこと、しかも美しく書くことを第1に優先した学習
↑↓
アルファベット文化圏 朱は音声言語


   共通の文字文化の成立


   お家流 「いろは」文字の手習いから
 ◎ 江戸時代は話し言葉に置いては地方差が大
↑↓
◎ 文書の世界では書法、文体、文書形式に至るまで地方差なし

書き言葉に置いては違いはなく共通していた

    = 近代国家が成立するための文化的な前提


   学習の順序 手習い 自学学習型
     ① いろは 
     ② 数字 
     ③ 単漢字や熟語の意味 寄型往来
④ 短歌・単文の稽古 
     ⑤ 多様な手紙のパターンの往来文


 師匠の役割
  1 子ども一人一人に適切な手本を書いて与えたり選択して文を与えたりする
    こと

  2 巡回しながら子どもたちの悪い部分を矯正

  
  3 清書の添削

    競争原理のない学習

  
    机の並べ方 
     江森一郎の実証的分析 パターンはあるが定型はない
↑↓
※ 今の学校に見られる教育・学習の画一化



 3 手習い塾は小学校ではない
近代からのまなざし 
      学校ではなく指南書
他に書芸塾もあった 裁縫、算盤 等
「わざ」(芸術) 中学以上の部活


    文化史の空間の中で
      手習い塾は断じて小学校ではない - 稽古塾 私塾








☆「先着順採用、会議自由参加で世界一の小企業をつくった」松浦元男 講談社 2003②【再掲載 2012.2】

<出版社の案内>
愛知県豊橋市に本社をおくプラスティック製小型精密部品メーカー、樹研工業。
資本金4400万円。従業員はパートさんを入れても98人。科学技術立国ニッポ
ンをリードする「小企業」は、世界最小、100万分の1グラムの歯車を作って
ギネスにも掲載されました。世界的権威の教授に大学院出と間違えられた中学
卒の工場長。外国人といつの間にやら英語で交渉していた元ツッパリの女子社
員…。人に育てられ、人を育てるカリスマ社長の、時代の先ゆく会社成長物語。

1.jpg


◇出勤簿から契約書まで書類ゼロ

 無駄なルールはいらない


 樹研工業 樹(樹脂)プラスチック研(研究)
  合い言葉 
     「刃物で加工できる世界最小のパーツ」

  プラスチックの極小精密 
     - 国内トップメーカーに成長


 年商30億 金型も射出成型機 すべて自社製
  客先  ソニー、デンソー、スウォッチなど

   将来的にはマイクロマシンや医療機械の分野


 社員90名(社員90名とパートタイマー20名)


 無駄なルールなし 
   ◎ 出勤簿なし
  ◎ 出張はクレジットカードで 運賃・ホテル代・食事等


 最初の工場は6坪の木造平屋 
   昭和40(1965)年8月15日


 樹研工業は「トミノー鉢」でスタート
  鉢の底が円形で上は正方形
     3~4倍の価格
   
   大手の低価格化で敗戦 
     1年半後


 黒塗りの高級車がオンボロ車にぶつかってきた


 採用は先着順、無試験 学歴、国籍、性別は問わず
  今でも採用は早い者順、初任給は年齢で決まる

   どんな子でも親御さんにとってはかけがえのない宝物
     - 振り分けられない


 成人式
  ~ 大人の側はどうか?
 
    心から成長を願っているか?

  若者は鋭い感性を持っているのではないか


 同じフィルターで選ばれた人間は、同じような中身
   = 知的な中肉中背の集団になる


 試験の方が日常業務の成績より大切か?
  「トヨタ自動車」には昇格試験はない


 定年制なし、くたばるまでやめさせないぞ!


 目指すは「1日7時間労働」体制への一番乗り
 ◎ どんなに大きくても、どんなに有名でも、給料が安く労働時間の長い
   企業、男女・国籍・学歴による差別がある企業は三流


 合理化 = 頭脳労働への移行?


 タイムカードなし、残業は申告制 - 仕事は自己責任で
  すべてパソコンのメールにより自己申告  
 
   大人 = 自己管理、自己責任


 出戻り大歓迎、外での修行は大いに結構


 会社 責任をとらない経営者
    3年間休んでもその間給料・ボーナスは全額支給


 わたしにも意見を言わせて
   … 役員会議が全体会議に


 パートの女性もメールアドレスを持ち、お買い物の情報交換
マッキントッシュとクラリスワーク  各自一台


 非常に便利、当時は魔法の機会だったオフコン
  生産管理にオフコン オフコン1250万円 ソフト700万円

   パソコンへの移行も容易


 数学嫌いが微分・積分をすらすら解答
  70年代末 
     NECからパソコンを27台(社員数分)購入
→ ゲームでキーボードアレルギーから解放

◎ NC化に対応


 変だなあ、オレのマシン、バカに動きが遅いなあ
  NEC、ソード、リコー、シャープ、東芝、‥アップル それぞれ買う

  パソコン担当社員
     第一の目的はネットワークを使っての情報交換
 
マックを選択 しかし、高価格


 新しい技術をどう理解し、いつ導入するか
  インクス㈱ 山田眞次郎社長 
 
   金型製作と三次元CADのトレーニング


 チャンスとモチベーションさえあれば能力を発揮する若い人たち


 社長、首にするのはちょっと待って - 茶髪のバイク


 人生ですれ違った人が金科玉条を手渡してくれる
  ローランド所長 
     「目に見えないくらいの小さいものを作ってみたら?」

→ マイクロクォーク


「どうでしょう。完璧でしょう。世界初です」 元番長の誇りに満ちた顔
   インボリュート曲線
     ~ パウダーパーツ 若いエンジニアが開発


 アービーグリーンのCDとニューヨーク語学留学の条件


 ちょっとけばかった女の子がいつの間にか英語で会社説明


 43歳のわたしは生徒の最年長 まわりは高校生、大学生の駅前留学
  ホリディイン ホテルの英会話教室


「微細加工の研究に参加しませんか」姫工大から誘いの電話
   先生は工業高校卒、中学卒、生徒は工学博士や理学博士


 一人一人が責任を持って完成品を作るシステムを選んだ
   チャンスとモチベーションがカギ
     ~ 今の若者は進歩のスピードが速い   

   新機種は1、2年自社工場で苛酷使用 → 外へ
5~10年間リペア不必要
   
     しかし、びた一文値引きなし(射出成型機)


 おい、いつの間にそんなに腕を上げたのだ?

nice!(138)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

nice! 138

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。