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鷲田小彌太さんはこんなことを ⑨-「現代知識人の作法」青弓社 1995年 (2) /「教師の生きがいとつらさ」 諸富祥彦(出典不明)【再掲載 2017.1】 [読書記録 一般]

一昨日、Yahoo!ニュースを見ていて驚きました。
週刊「女性自身」の記事
-【御巣鷹山から37年】「なぜ、救助は翌朝に?」天国の夫に誓う墜落の真相究明
が紹介されていたからです。
[日航123便墜落事故]に関連した記事で、御遺族の吉備素子さんの特集記事でした。

「日航123便が墜落した原因は、自衛隊模擬ミサイルか朱色の標的機が垂直尾翼
 に衝突したこと。墜落現場の位置がわかっていたのに、救援開始が遅れたのは、
 証拠隠滅の時間をかせぐため。」

等記されていました。

一部の書籍では書かれていましたが、週刊誌に載るとは思っていませんでした。
いろいろなところからさまざまな圧力があるかと思います。
記者、出版社の大きな勇気を感じました。




今回は、8月5日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」9回目、
「現代知識人の作法」2回目の紹介です。




出版社の案内には

「知が社会と切り結ぶための有効な作法とは? アカデミズムとジャー
 ナリズムが異種交配する現代知の変容やその系譜を分析し、大衆知識
 社会と化した時代における新しい知識人の発現する可能態を、新教養
 主義=知的ゼネラリズムとして導き出す。」

とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「ビジネスジャーナリストは「理論」を拒否する。現代と未来を常に
  分析認識対象とする」


・「長谷川,堺屋太一,大前研一,山本七平の鋭い現実感覚は『一語で
要約する能力』に現れている。」


・「アカデミズム・大学から新聞社へと移った夏目漱石。
大学  - 真理 - 学問の府
新聞社 - 事実 - 世論形成の府」


・「ジャーナリズムの巨人たち 小林秀雄、吉本隆明、立花隆」




もう一つ、再掲載となりますが、諸富祥彦さんの
「教師の生きがいとつらさ」を載せます。

- これでは、教師はやりがいが見いだせません。つまり、喜びは全部
 つらさにはね返ってくるのです。順調にいっていたときの喜びが大き
 ければ大きいほど、つらさも大きくなるのです。

わたしも同じように感じます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆鷲田小彌太さんはこんなことを ⑨-「現代知識人の作法」青弓社 1995年 (2) 

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◇現代知識人の変容 教養知の可能性(1)

□ビジネスオピニオンとアカデミズム

 ジャーナリズムとアカデミズムの文体
丸山真男と大宅壮一  
     大きな相違

   佐々木毅と立花隆   
     殆ど違いがない

   ビジネスジャーナルとアカデミー
長谷川慶太郎,堺屋太一,大前研一,山本七平(ビジネスジャーナル)
森嶋通男,佐和隆光,加藤尚武,岩井克人(ジャーナルアカデミー)
本当の意味の知的ゼネラリストとしての振るまい



□現実主義と理論

 「理論」を遠ざける
 ビジネスジャーナリストは「理論」を拒否する

現代と未来を常に分析認識対象とする


 +点 理論を現実分析の手段にすることで現在の大部分は分析可能
手持ちの理論で分析不可能-現実主義
理解しやすく正しい


 -点 観念(アイデア)概念(問題意識)仮説(命題)

テオトリック(理論的)なるものを前提とせずにアプローチは
     不可能

現実をなぞるだけのものになってしまう
↑↓

  ◎ 動きの取れない「理論体系」なるものを拒否するが,フットワークの
   軽いアイデア,キーワード,テーゼをとても重要視する。つまりテオト
   リック(仮説的)な要素を十分に駆使する


 現実感覚
長谷川,堺屋太一,大前研一,山本七平の鋭い現実感覚
= 一語で要約する能力
堺屋太一 「油断」「団塊の世代」
山本七平 「空気的判断」

   変わるのはいいことだ
  現実主義者は常に思考や命題を修正するだけの人ではない。
自分の判断ミス思考ミスを修正する人である。


 理論と現実 - アカデミージャーナルの思考法
理論信仰を遠ざける 
     嘗て何より重視されたのは思想的立場・体系性・整合性
理論信仰ではなく理論的思考
分析認識の手段として歴史的に蓄積されてきた
   理論的成果をふるいに掛けて進むやり方
理論的富の再構成
現実にあった理論体系
佐和隆光(京大)『経済学とは何だろう』岩波新書
森嶋通男(ロンドン大)『イギリスと日本』岩波新書
修正主義者 ・純理論的修正主義
・実践的課題に動かされての修正主義
パラダイムチェンジに気を付けよ
パラダイムチェンジ=認識図の変換
加藤尚武(京大)『哲学の使命』未来社
認識のための道具はそれが生まれた時代にかかわらず等価
 = 古い道具を現実に使えるように整備し直す



□アカデミズムとジャーナリズムの交差点

 アカデミズムからの脱走
大学から新聞社へ - 夏目漱石
大学  - 真理 - 学問の府
新聞社 - 事実 - 世論形成の府
※ 小説 = 自由になる術の獲得


 自然科学から自然学へ - 今西錦司
芸術と技術のもとは同じ
アカデミズムを徹底していけばアカデミズムを突き抜けていく
日本サル学創始者・今西錦司(1902~1992)
最後にたどり着いたのはサル学の否定 = 自然学の提唱
総合的な教養学を主張 ~ アカデミーを開く


 分水嶺を越えてみれば - 西部邁
東大アカデミズムに決別
西部の批判 
     - 知の大衆的形態に対するアパシー
西部
    = アカデミズムともジャーナリズムとも共振できない言説の徒



□ジャーナリズムの巨人たち

 見えない大学①-小林秀雄
小林秀雄(1902~1983)
文芸ジャーナルの世界で圧倒的支配権
国文出身教師が取りすがったモデル
      - 文芸アカデミーのマルクス
     文藝春秋の筆頭相談役
独裁 - 死して衰退


 見えない大学②-吉本隆明
吉本隆明(1924~)
社会構造論と大衆論


 思考の技術者-立花隆
立花隆(1940~)
  ニュージャーナリズムの旗手
オールラウンドのゼネラリスト
インタビュー主軸に文献とつき合わせる
技術が大好き










☆「教師の生きがいとつらさ」 諸富祥彦(出典不明)【再掲載 2017.1】

教師の生きがいは、次の六つです。

1 「子どもとのふれあい」
 …「先生、大好き」と子どもに言われること。

2 「学級経営の達成感」
  …「このクラスにいられてうれしいな」と言われること。

3 「授業の達成感」
 …「先生の授業は面白くて、もっと勉強したくなるよ」と言われるこ
  と。

4 「部活動の達成感」
 …「先生を中心に部活のみんながまとまって、試合に勝っていい結果
   が出せました」と言われること。

5 「学校づくりの達成感」
 …「先生方みんなで、力を合わせて取り組んでいただいたおかげで、
   よい学校づくりができて、感謝しています」と管理職に言われる
   こと。

6 「保護者からの感謝」
 …「うちの子、遠足でとてもいい経験をさせていただいたようです。
   ありがとうございます」と言われること。



 ところが、仕事がうまくいかなくなってくると、すべてがつらさに
反転していきます。

1 「子どもから嫌われる」
 …「クソじじい」「クソばばあ」呼ばわりされること。

2 「学級が荒れ、崩壊に陥る」
 …「こんなクラス、やってらんねえよ」と言われること。

3 「授業はしらけ、教師は漫然と教科書を読む状態」
 …「おまえの授業、受けてやっているだけ、ありがたく思えよ」と言
  われること。

4 「部活内の目配りが不足していた」
 …「先輩にいじめられてばかりいるのに、見て見ぬふりをされた」と
  言われること。

5 「学校づくりに必要ない存在とみなされる」
 …「いつ辞めてもらってもかまわないからね」と管理職に言われるこ
  と。

6 「保護者からのクレーム」
 …「うちの子、先生の授業、つまらないって言っていますよ。いっそ
  教師を辞めてもらえませんか」と保護者から言われること。



 これでは、教師はやりがいが見いだせません。つまり、喜びは全部つ
らさにはね返ってくるのです。順調にいっていたときの喜びが大きけれ
ば大きいほど、つらさも大きくなるのです。


(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリ
ング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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yokomi

教師はとてもやりがいのある仕事なのに本当に大変な仕事ですね(>_<)
 「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」は買いましたが、まだ読み終えていません(>_<) でも明日、家内に週刊誌を買ってきてもらいます(^_^;) 
by yokomi (2022-08-08 23:39) 

ハマコウ

yokomiさん ありがとうございます。
日航123便墜落は握力隔壁の修理によるものと、しばらく前までわたしも思い込んでいました。しかし、何冊かの本を読み、それに疑いをもつようになりました。「疑問」に多くの方が目にする機会となると思います。昨日買おうと思っていた週刊誌、うっかり忘れてしまいました。今日こそ求めます。
教員は、喜びと辛さの差が大変大きな職業だと感じています。他では味わえないような喜びのために我慢ができるのかなとも思っています。
by ハマコウ (2022-08-09 07:42) 

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