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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑨ /『日本例話大全書』有馬朗人・中西進他 四季社 2001年 ⑦【再掲載 2015.7】 [読書記録 民俗]

今回は、12月1日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 9回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生き
 ている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よ
 く考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)
 にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を
 出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、
 自らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「霊長学者・水原洋城『死は事実でなく概念だ』」


・「天から大地へそして海原へと恵みと災害を与えながら流れ落ちる両
義的な『雨』の表象がスサノオの神格に組み込まれている可能性」


・「死の世界が黄泉という漢語で表現されていることは、死の世界を顕
  す古代の日本語が存在しなかったことを示すのではないか」


・「神々を生み成したイザナミは神黄津大神になった。イザナミは生死
両界の創造者」




もう一つ、再掲載になりますが、有馬朗人さん、中西進さんらによる
「日本例話大全書」⑦を載せます。




☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑨

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◇死の神話

1 死の神話
死の発見  霊長学者・水原洋城「死は事実でなく概念だ」
「古事記」と「日本書紀」
三つの神話 
     A イザナギ・イザナミ神話
B アマテラス・スサノオ神話
C スサノオ・オオクニヌシ神話
A イザナギ・イザナミ神話
[高天原・大八島・黄泉の国]
① イザナギ・イザナミの高天原からの天降り
② 二神の結婚と大八島及び神々の生成
③ 火の神迦具土に焼かれたイザナミの死
④ 黄泉の国での黄泉戸喫(よもつぐい)
⑤「見るな」の禁忌とその破禁
       ⑥ 追跡と逃亡 
⑦ 黄泉比良坂での事戸渡し
⑧ 死穢の禊祓(ばっけい)による三貴神の誕生 
⑨ アマテラスへの高天原とスサノオへの海原の委譲
B アマテラス・スサノオ神話
[根の堅州国・天岩戸・高天原・蘆原中国]
       ① イザナキによるスサノオの追放
② アマテラスとスサノオの天安河の誓約
③ スサノオの乱暴
④ 天岩戸
⑤ スサノオの高天原からの追放
C スサノオ・オオクニヌシ神話
      [根の堅州国・葦原中国]
① 八十神の迫害
② 根の堅州国訪問
③ スセリヒメとの結婚
④ スサノオによる迫害
⑤ スセリヒメや鼠の援助
⑥ スセリヒメの逃亡
⑦ 黄泉比良坂でのスサノオの声援
⑧ オオクニヌシによる葦原中国の国づくり

◎ 神々と国々の生成の物語

◎ 神々の役割分担と領域設定の物語

 ◎ 天から大地へそして海原へと恵みと災害を与えながら流
     れ落ちる両義的な「雨」の表象がスサノオの神格に組み込
     まれている可能性
  死の世界
1 死の世界が黄泉という漢語で表現されている
~ 死の世界を顕す古代の日本語が存在しなかったことを
       示す
2 神々を生み成したイザナミこそ人間をくびり殺す恐怖の死の
    神黄津大神になった
イザナミは生死両界の創造者
◎ 死には生者を引きずり込む危険な力がある
→ みそぎはらい、穢れ観念の発生
死穢の逆転が神々の誕生
死穢はイザナギにより小門の阿波岐原で禊ぎ祓われた

三貴神の誕生 
        目
鼻 アマテラス ツクヨミ スサノオ
死穢の逆転の結果誕生  
死の豊饒性
A イザナギ
        - 黄泉の国
        - イザナミ
        - 逃走と帰還
        - 黄泉比良坂での事戸渡し       
        - 三貴神の誕生 
C オオクニヌシ
        - 根の堅州国
        - スサノオ
        - 逃走と帰還
        - 黄泉比良坂での応援
        - 国づくり
◎ 共通するのは死の豊饒性


2 地獄・論 - 地獄の起源
女性と生死
     - シュメール
死後の審判
     - エジプト
地獄の起源
     - ゾロアスター
   霊魂の永遠性
     - ギリシア
天国と地獄
     - ヘブライ
仏教の地獄
     - インド
地獄と地獄絵
     - 日本
地獄と東西
     - 無化と融合  
日本の地獄イメージ  
     源信の「往生要集」
西洋の地獄
     = インフェルノ  
       墜ちたら終わり永遠に     
↑↓
日本の地獄   
     ◎ 救済する仏の生存







☆『日本例話大全書』有馬朗人・中西進他 四季社 2001年 ⑦【再掲載 2015.7】

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□お金と無縁と過ごした画家 
  池大雅(1723~1776) 江戸期・南画家
 
□貧しさの中の洒落ごころ 
  十返舎一九(1765~1831)
 
□未熟さを知ってバネとする 
  葛飾北斎(1760~1849)

□借金を
  十返舎一九(1765~1831)

□清貧に甘んじた慈悲の尼 太田垣蓮月
  太田垣蓮月(1791~1875)歌人・陶芸家
権勢や名利と無縁にひたすら慈悲に生きた

□貧乏を平然とできる人 
  橘曙覧(1812~1868)江戸期末・歌人

□貧乏よりも友情に泣く
直木三十五(1891~1934) 本名=植村宗一
  植の字を直と木に → 名は三十一から三十二…三十五
菊池寛 昭和10(1935)年
直木の大衆文芸における業績を記念して直木賞を創設
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