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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑦ /「新しい歴史教科書の絶版を勧告する」谷沢永一 ビジネス社 2001年【再掲載 2015.2】 [読書記録 民俗]

今回は、11月25日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 7回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生き
 ている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よ
 く考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)
 にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を
 出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「最澄は故郷へ。空海は異郷へ」


・「豆大師は観音三十三化身であり豆粒状画像の農作物の虫除け。
  角大師は降魔の姿の疫鬼の画像であ鋭く尖った針状のものに魔除け
  の力。」


・「院政期、貴族は石卒塔婆、中世武士は五輪塔、宝筺印塔、板碑」







☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑦

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◇比叡山の水脈

1 最澄 - 極愚の水源
    なぜ比叡山か
    神と仏の山 
      当時山林修行の場
    最澄と比叡山 
      近江平野を見下ろす
故郷と異郷
回帰飛翔
      最澄 - 故郷
空海 - 異郷へ


2 良源 - 権化の奔流
  権化の人 良源 18代天台座主(912-985)
①「権化の人」並はずれた能力
② 藤原氏に接近 
          異例の昇進
③ 石造墓塔造立供養方式先駆け
祈祷調伏
良源画像 
      山門の悪僧 
      暴徒の調伏の護符

飢饉 疫病外敵調伏

豆大師・角大師
      元三大師の豆大師や角大師の護符のもと
良源 
      永観3(985)年正月3日に入寂
       → 元三大師
元三大師のお札  
        虫除け・厄除け効験
豆大師:(観音三十三化身)
        - 豆粒状画像
        ~ 農作物の虫除け
角大師:(疫鬼退散・降魔の姿)
        - 疫鬼の画像~疫病除け・厄災除け

◎ 鋭く尖った針状のものに魔除けの力

 
3 別所と創造
得度と昇進 
      行基以来当代初の大僧正に昇進

右大臣 藤原師輔の後援
後継者 
      伊勢国朝明郡の郡領船木良見の尽力による
義昭(興福寺法相宗の英傑)と対論し弁舌の才が認められた
世俗権力 
      師輔と良源の接近
966年 55歳の若さで第18代天台座主に

宗外での活躍  
       - 巧みな朝廷工作
隠棲と研鑽 
      横川への隠棲
円仁との関連
藤原師輔
     - 横川に法華三昧堂の建立寄進
円仁という伝統的権威の巧みな活用
別所論 
      別所 - 僧の集まる自由の場
東塔の神蔵寺
西塔の黒谷
横川の帝釈寺・釈迦院・安楽谷

◎ 比叡山の五別所
京都大原も横川の別所
寺院から離脱した聖が住む

 別所が寺に
       → また別に
           別所再生のメカニズム
 墓所と別所 
      葬送造墓の先駆け
石卒塔婆 
      横川の良源の墓所
        - 恐れられる場所「みみょうの森」
    長い水脈 
      葬送造墓方式 
        良源 → 源信 → 法然 → その門流へ
院政期 貴族の石卒塔婆

中世武士 - 五輪塔 宝筺印塔 板碑

◎近世以降  石造墓塔








☆「新しい歴史教科書の絶版を勧告する」谷沢永一 ビジネス社 2001年【再掲載 2015.2】

◇私の検定では合格にならない
とかくメダカは群れたがる 
    中川八洋「新・日本国憲法草案」(昭和59.5.3山手書房) ↑↓
  つくる会 
◎「事前の大宣伝+人集め」
期待はずれのつくる会 
検定制度を考える  
   文部省が一流でないために検定が生まれた
   → 自分たちの仕事を多くしようとして必要のない検定制度
      を明治19年につくる
     → 「社会問題+国際問題」
      ◎つくる会 - 大宣伝と人集めのため
中国韓国の横やり
    -  内政干渉のため 
三つある近代国家の基準
  ① 条例を守れるかどうか
  ② 時効の概念
    ③ 内政干渉すべきでない


◇口絵は初歩的な見当違いで通す
「相当する」は逃げの常道
基本文献ぐらい読むべし 
    岡倉天心 
      美術紹介
       → 不倫で東洋美術学校追放
用語の誤用,卑屈な日本文化理解
西欧コンプレックスに取り憑かれた執筆陣
  江戸時代 
      第一芸術 雅
     第二芸術 俗   雅俗折衷の江戸文化へ

◇「序章歴史への招待」 は議論倒れと右脳左
中村幸彦学説の変装
和時計は西洋時計をさらに進化させたもの


◇第一章 原始と古代の日本
孔子は? 
    仁 礼に基づく自己抑制 + 他者への思いやり
愛 仁の内のある一面

 「三国志」司馬を讃えるために書かれた
   - 晋の功績 正史にしたかった
   → 架空の国 邪馬台国の誕生
神話を読解する問題意識の欠如
  朝貢 = 臣従ではない
   天皇 大王 → 天皇?
       天王 → 天皇?
百済と日本は親しい関係


◇藤原氏を低く扱い国家構造の原理をぼかす

<以下略>

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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑥ /「遠江」28号【再掲載 2014.12】 [読書記録 民俗]

今回は、11月22日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 6回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「しっぺい太郎の伝説は東北から九州の日本各地にある。犬の名前は地方
により、『きんとも』、『三毛犬』、『こんぶの太郎』とも」


・「アジアに広がる信仰の一つに『厩につながられる猿』がある。かつて猿
回しは、『見せ物芸+馬医者』であった」


・「光東照宮の三猿は、庚申信仰、中国道教の三尸の説と関連がある(彭候
尸、彭矯尸、彭質尸が『見ザル言わザル聞かザル』に)。61日ごとに
めぐる干支の庚申の日の夜、三尸が入りその人のことを天使に報告す
ると言われていた。報告されないようにと徹夜する(『守庚申』
 『庚申(かのえさる)待ち』)。申の日をめぐる信仰が動物の猿に結びついた」


・「庚申の日にできた子、生まれた子は盗人になると言われていた(代表
石川五右衛門の伝)。それを防ぐため『金』という字を名前につけた。
夏目漱石も慶応3(1867)年1月5日庚申の日の生まれであり、金之
助と命名された」



もう一つ、再掲載になりますが、
「遠江」28号を載せます。
 - 浜松は爆撃を終了するためのごみ箱だった
この言葉に驚きました。


☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑥

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◇暮らしと信仰(3)

4 犬と信仰
□なぜ安産のお守りか  
  糸口「人身御供」伝説
    

□しっぺい太郎の伝説
犬の名前は地方により
    「きんとも」
    「三毛犬」
    「こんぶの太郎」
※ 東北から九州 日本各地で
「人間・文化」←→「自然・野生」
二つの世界の媒介項


□若い女性と人身御供伝説
成女式の隠喩?
    儀礼的処女破棄
見付天神社光前寺 
    しっぺい太郎
へいぼう太郎  
      へいぼう = 灰色の山犬、狼

※ 狼のイメージがある
  「おくり狼」
    - 狼の恩返し
人間と山犬の長い交流史


□人間と犬の結婚
犬供養
「犬婿入り」昔話



5 猿と信仰
□馬を守る霊力
人類 
   「死の発見」 = 生の発見
生と死、あの世とこの世
霊魂観念と高い観念の発生 
       = 宗教の誕生
石田英一郎「河童駒引考」


□アジアに広がる信仰
厩につながられる猿
かつて猿回しは「見せ物芸 + 馬医者」


□日光東照宮の三猿
庚申信仰 
   - 中国道教の三尸の説
61日ごとにめぐる干支の庚申の日の夜三尸が入り天使に報告

◎ 徹夜する 守庚申 庚申(かのえさる)待ち
申の日をめぐる信仰が動物の猿に結びつく


□遊宴から信仰行事へ


□庚申信仰と修験道  
  青面金剛と主尊
17世紀末江戸時代・元禄以降


□泥棒の守り神 
  彭候尸、彭矯尸、彭質尸が「見ザル言わザル聞かザル」に

夏目漱石
    慶応3(1867)年1月5日庚申の日の生まれ
金之助と命名
庚申の日は夫婦同衾も禁忌

※ 庚申の日にできた子、生まれた子は盗人になると言われていた
代表:石川五右衛門との伝
「金」という字を名前に
  新潟県津南町赤沢
60年に一度の庚申の土地に盛大な供養

庚申塔の下に60年間埋めた酒を掘り出し皆で飲む
再び60年後のために新しい酒を埋める






☆「遠江」28号【再掲載 2014.12】 

◇小笠原源太夫と伊藤東涯
小笠原源太夫基長 正徳・享保・元文(1711-1740)
  浜松藩主 
      松平安芸守資俊・資訓 2代に仕える
源太夫堀を開き新田開発  
    馬込川 ~ 天竜川
昭和8年2月  関市三編 『郷土史』五島村
古義堂学派領袖・伊藤東涯


◇岸田劉生のコレクター 浜松の山本貞次郎
山本貞次郎の劉生コレクションと山本家の家系
  「松竹山房」文化の店
     ~ 浜松駅前  竹村啓介
  貞次郎旧蔵は19点あった 
    ※2005年現在 浜松市に国宝が一点もない不思議さ
山本貞次郎 1890-1923


◇浜松艦砲射撃
C・E・ルメイの回想
    カーティス・E・ルメイ 
      米陸軍航空隊第21爆撃機集団司令官 
◎ 浜松は名古屋の南東,天竜川と浜名湖の間にあり海岸確認が容易
   だった
  「来る月も来る月もB29にとって浜松はなじみの場所だった。日本
   に侵入したもののトラブルに遭遇(故障等)した場合,パイロットた
   ちは浜松に積荷(爆弾)を捨てるように指示されていた。そして,浜
   松は数え切れないほどの爆弾を投下された。なぜなら,当時のB29
   には数え切れないほどの問題が発生したから…」  

「わたしは,浜松が何トンの爆弾を投下されたのか正確には知らない。
   誰だってそうだろう。そこは,本当に徹底的にやられた。我々は,
   搭乗員が浜松に爆撃しても,出撃に対する功績を認めることはでき
   なかった。浜松は爆撃を終了するためのごみ箱だったのだ…」


◇浜松名木 渥美登良男
颯颯之松(ざざんざの松)  
    938年八幡宮が小沢渡より曳馬野に遷座
音羽松   
    旧音羽松は音羽慎一家内、新音羽松は六所神社内
社より600m東(倉松町)に松振川という沼地
   → 鶴松
今も六所神社のすぐ北に「八幡山」「八幡河岸」の地名
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑤ /「職員室の経営学」 飯田稔 ぎょうせい 1998年 ①【再掲載 2015.3】 [読書記録 民俗]

今回は、11月18日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 5回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「道祖神は道路の神さま、村境で人々の安全を守る神さま」


・「道祖神は人々を病気にする神さま。人々の厄災を除くために焼かれる神。
  人々の厄災を一身に集めて祓え清めたるための人形の神さま」


・「神武天皇の軍が熊野の山中で険路に迷い、苦しんだとき天照大神、もし
  くは高木の神 に派遣され天皇の軍を大和に道案内した八咫烏」
 


もう一つ、再掲載になりますが、飯田稔さんの
「職員室の経営学」①を載せます。



☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ⑤

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◇暮らしと信仰(2)

2 道祖神と性

□人々の安全を守る神
道祖神
   = 道路の神さま、村境で人々の安全を守る神さま


□平安京の道祖神
路傍 
  男女双体像、陰陽を描く
    ~ 平安京で流行
石造
   - 江戸期  それぞれに地域的特徴


□近親婚タブーの匂い


□焼かれる神
兄妹婚の禁忌     
    群馬・長野・新潟
サイトヤキに投げ込む 
    神奈川・静岡県西部
新潟県か
    ドウロクジン焼き(わら人形を焼く)
一年間に病気にする予定の村人一人一人

道祖神
      人々を病気にする神さま


□人々の厄災を除く
焼かれる神

人々の厄災を一身に集めて祓え清めたるための人形の神さま


□伝播論の可能性
性的要素の強調 
   = 汚らわしいものではあるが、それが逆に人々に生命力を賦与する
    神になるということを象徴的に表現している



3 カラスと信仰

□鳴き声を聞き分ける人々
ハシボソカラス     
    ~ 環境変化の一つのバロメーター
  鳴き声を聞き分ける人間
    ~ 環境変化の一つのバロメーター  


□葬儀とカラス
葬式団子をほしがって鳴く?


□八咫烏神話と御烏喰神事
八咫烏  
     神武天皇の軍が熊野の山中で険路に迷い、苦しんだとき天照大神、
    もしくは高木の神に派遣され天皇の軍を大和に道案内した
     ~ 賀茂県主の先祖伝 神社も 
烏喰の儀
    烏に供物
烏喰の神事
    安芸の厳島神社


□神事の中の共感
  厳島神社
   - 養父崎神社 
       御烏喰神事
烏との共感


□烏呼びと烏占い 
東北 
   1月11日「山入り」烏に焼き餅を投げあげた





☆「職員室の経営学」 飯田稔 ぎょうせい 1998年 ①【再掲載 2015.3】

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◇出会いの印象・出会いの評価
リーダーの条件 
    『統帥綱領』(昭和3年)
    高邁ノ品性 公明の資質 無限ノ包容力
    堅確ノ意志 卓見ノ識見 非凡ノ洞察力
Q校長
    「当地不案内,校長初体験,非力なわたしをたすけてほしい」
 - 要点を押さえて具体的 同行を促す
        「一緒に考えよう」「一緒に進もう」
◎ 話し方のトレーニングを
底に:実践の蓄積,何を話すかの判断力


◇挨拶は人間関係の潤滑油
されてからする人
学校の廊下 
   ~ 気軽に会釈を
   だれにでも挨拶の言葉をかけるとよい
<礼儀正しくガードの堅い学校>
「ございます」が抜けた
   「実るほど頭の垂れる稲穂かな」
「お世話様」の一言が 
    仕事の手伝い・助勤

 
◇管理職のあり方・生き方
海外旅行を
   ~ おみやげは見聞だ
  博物館・美術館・遺跡
話・報告文・挨拶文に抽象的な言葉を並べない
   - リアリズムの目
酒席のスマートさ 
    ◎酒の席で兵を語るのは戦の下の下


◇なぜ校長室があるのか
艦船の例から
   - 「高度の判断」のため
テレビ・ラジオ
    ~ 非常災害時の情報
  緊急用通報連絡
    ~ 電話
  書棚    
    ~ 運営の策を練るため
教頭は職員室の中央で
  教頭
     ~ 様々な案件処理
     = 副長 オフィサールームの中心
教頭の役割の重大さ 
    校内の伝声管の役割・レーダーの役割

  ◎ 自重・自戒・自律・自粛・自制・自学
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ④ /「日本例話大全書」有馬明人・中西進ほか 四季社 2001年 ⑥【再掲載 2015.6】 [読書記録 民俗]

今回は、11月15日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 4回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「過去からの不満と未来への不安」


・「『境界』はどっちつかずで曖昧で不安定な場所であり、空間的境界と時
間的境界がある」


・「初物はもともと神さまに供えるものであり、それをおろして食すから縁
起物となる。初物を食べるには一定の手続きがいる。東を向いて(太陽
信仰)笑いながら食べること。」



もう一つ、再掲載になりますが、四季社から出されている
「日本例話大全書」⑥を載せます。





☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ④

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◇暮らしと信仰(1)
1 縁起を担ぐ
□縁起担ぎ 
  心の負担 
    過去からの「不満」
未来への 「不安」

心の癒し
   
□「類感呪術」
   類感呪術
接触呪術

□古代人の「言霊信仰」
    寿(ことほ)ぎ(言祝ぎ(ことほぎ))の気持ち

□「境界」としての正月

□「境界」としての玄関
   胎盤処理

□歓迎会という儀礼
境界 
   = どっちつかずで曖昧で不安定な場所
       空間的境界、時間的境界  

□禁忌、儀礼集中
 
□A.V.ジェネップ(仏民俗学者)
  「通過儀礼」(1907 1977訳) 
分離-過渡-統合
    
□境界から周縁へ  
  独身者 
  → 婚約者
  → 夫婦者
V.ターナー「儀礼の過程」(1969 1976訳)
中 心  と   周 縁
秩序 反構造・無秩序
芸術・宗教
コミュタニス論

□古い世界から新しい世界へ
「初物七十五日」
    美味く 縁起物

初物はもともと神さまに供えるもの
それをおろして食すから縁起物
  ↓
◎ 初物を食べるには一定の手続き
       東を向く(太陽信仰) 笑いながら
           ∥
       最初が肝心

□呪術信仰の秘密
女性髭の毛
   - 船魂様の御神体
女性陰毛
   - 兵士の弾除け
fetico フェティーノ
聖遺物 お守り

もと15世紀後 西アフリカの呪物

□不気味なもの不潔なもの
呪物 
   ① 珍奇なもの   
四つ葉のクローバー、茶柱
② 不気味なもの
陰毛、蛇の抜け殻






☆「日本例話大全書」有馬明人・中西進ほか 四季社 2001年 ⑥【再掲載 2015.6】

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◇人生の道しるべ
□障害者にしかできないこと
   乙武洋匡

□こころで思う長寿法
   良寛 「少欲知足」

□小食を心がける健康法 細川幽斎
細川幽斎(534~1610) 武人・歌人

□一休
一休(1394~1481) 室町中期・臨済宗の禅僧
とんち話は江戸時代に作られた
一休
    = 後小松天皇の皇子 幼くして寺に
足利義満が皇位を狙い皇子は皆出家
五山派
    → 反主流派の大徳寺派の弟子に
  貧窮の中で厳しく自己を鍛え自由独立の自己

      外見ばかりを飾る偽僧の仲間にはなりたくない!
  |
  ◎ 風狂の人
 権威主義・形式主義を批判し
      真実を生きることの大切さを教えている

□こころとからだの養生訓 
   貝原益軒(1630~1714)

□老いてこそ活力を養え 朝倉宗滴
朝倉宗滴(教景 1474~1555)
越前国守護朝倉孝景の子 生涯12回合戦
人生訓「朝倉宗滴話記」

□貧乏な人との問答 山上憶良
山上憶良(660~733) 
   生きることは苦しみを伴う
    = 苦しみつつ生きることに人間存在価値

□故国故郷を思う歌 阿倍仲麻呂(698~770)

□流罪の地で月を眺める 菅原道真(845~903)

□方丈の庵に自足する 鴨長明
鴨長明(1155~1216)
  こころの持ち方ひとつでこの世界をどのようにも受け止めるこ
    とができる
◎ 自足することの大切さ

□無常の風景にたたずむ 松尾芭蕉
松尾芭蕉(1644~1694)
  奥の細道の旅
      元禄2(1689)年3月
5月 平泉 
          滅び去るものと不朽の姿をとどめているもの(自然)
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ③ /「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑤【再掲載 2015.4】 [読書記録 民俗]

今回は、11月9日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「正月は、大人も子どもも一斉に一つずつ年を取る日。数え年、たましい
の数の年齢を数える方法で生まれたときはだれでも1歳」


・「旧暦(太陰太陽暦)は、月のリズム、太陽のリズムの両者を併せ用いる。
大の月(30  日)6ヶ月と小の月(29日)6ヶ月、1年は12か月、
354日。しかし、それでは、太陽の一回り1年と約11日と6時間のずれ
  が生じる。そのために2つの工夫をした。一つは、閏月で約5年に2度
  の割合で1年を13か月として調整した。もう一つは、月の満ち欠けに
  関係なく太陽の黄道の一回りを24等分する24節気を儲けた」


・「月の満ち欠けの『正月 もち』と太陽の巡りの『立春 豆』」


・「3月3日の上巳の節句習俗は室町時代から始まった。一般農民は草餅と
御馳走を重箱に詰め、山遊び・町遊び・磯遊びに出かけた」



もう一つ、再掲載になりますが、大橋敦夫さん、西山秀人さんの
「三日でわかる古典文学」⑤を載せます。





☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ③

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◇四季おりおり(3)

4 禊祓と祝福の季節
□1月 正月行事の意味は?
大人も子どもも一斉に一つずつ年を取る日
    数え年 
     = 年玉の数 
       たましいの数の年齢を数える方法 
生まれたときはだれでも1歳

◎ 正月が来るたびに一つずつ年を取る
        年玉・稲魂・穀霊
    元旦
小正月 
      1月14日~15日 
        行事集中 豊作祈願 年占 除災招福
              ∥
    ◎ 基本は 年取り と 除災招福    
                      

□2月 節分の由来は何か?
今でも 
     … 「伝統文化の商品化」
        立春の前日節分 1年の変わり目
かつては旧暦(太陰太陽暦)
月のリズム、太陽のリズムの両者を併せ用いる
  1か月 
        月の満ち欠けの一巡 = 平均29.5日
大の月(30日)6ヶ月 小の月(29日)6ヶ月

1年 12か月 354日
◎太陽一回り1年と約11日と6時間のずれ

◎2つの工夫
       ① 閏月 19年7閏
          約5年に2度の割合で1年を13か月として調整
② 月の満ち欠けに関係なく太陽の黄道の一回りを24等分
             する24節気を儲けた

   ・月の満ち欠けの  正月 もち
・太陽の巡りの   立春 豆
    豆まきのもとは
朝廷 12月晦日の晩の追儺の行事
           |
      古代中国から 
方相氏が疫鬼を追い払う行事
          ↓  
鬼やらいの節分の豆まき行事として一般化


□3月 ひな人形に込められた意味とは?
ひな祭りの由来
      1 3月3日の曲水の宴
2 貴族幼女たちの雛遊び
 3 祓えの呪具 人形(ひとかた)

◎ 3月3日の上巳の節句習俗は室町時代から
一般農民は山遊び・町遊び・磯遊び
         - 草餅と御馳走を重箱に







☆「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑤【再掲載 2015.4】

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◇「伊勢物語」と「大和物語」
  建前の「伊勢」,本音の「大和」
  「筒井筒」の段に描かれる理想と現実
  「伊勢」 
     ~ 「もののあはれ」を漂わす理想的女性に価値を
「大和」は「伊勢」の裏を暴く
    伊勢(陽の神社)と熊野(陰の神社)
「大和物語」の中心は散文 
     ゴシップ的内容が強い


◇土佐日記
中期の女流作家の誕生を促した日記文学
女流日記文学の先駆け 
     実録 → 文芸作品に
  土佐から京へ帰る道筋で出会う人の物語

 紀貫之の姿勢
   「生きし生きるものいづれか歌を詠まさせりけり」
人間の変わりやすい心と変わらない心とは…
  変わらないのは子を思う親の気持ち
  名声の高い紀貫之も出世はいまいち


◇菅原道真
異例のスピード出世
32歳で学問の道のトップ = 文章博士
「日本の白楽天」漢詩上手

 宇多天皇の寵愛 ← 周囲の反発
藤原時平が謀反の罪を着せる


 道真 57歳  
    右大臣 → 太宰府で二年後没
追放に関わった人が次々に死去
  → 北野天満宮


◇平安期
宮廷貴族文化 
   女流作家活躍
平安中期 969~1086 
  - 摂関政治全盛時代
一夫多妻制・夫の通い婚が基本
   → 女性・自分の存在理由にもがき苦しむ


◇蜻蛉日記
自分の反省を回想した日本初の私小説の誕生
名を残しても名前を知られない女性
  「道綱母」
     本朝第一の美人三人の内の一人
   和歌にも才
   正妻も子供もいた兼家の妻に
   19~40歳 
     女盛りの半生の回想録
  新しいジャンルを生み出した「蜻蛉日記」
 一夫多妻制の下での妻たちの葛藤
結婚生活への夢が破れ自分と向き合う
正妻の地位は安泰
    - 天皇正規の配偶者も正妻(中宮・女御)
兼家 
    9人の妻 → だんだんと許せなくなる
 「百人一首」の名歌には切実さと嫌味が混在
 儚い存在の平安時代の妻たち
20年間の結婚生活に終止符 → 別荘に住む
兼家 権力を手に
   → 正妻時媛との間に三男二女
男子は全員摂政・関白(三男が道長)
女子二人とも皇后
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「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ② /「学校って何だろう」苅谷剛彦 講談社 1998年 ③【再掲載 2015.6】 [読書記録 民俗]

今回は、11月6日に続いて新谷尚紀さんの
「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」の紹介 2回目です。



出版社の紹介には


「超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きてい
 る。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれ
 ば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ
 投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者
 になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自
 らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「七夕は、中国伝来牽牛織女の伝説を日本古来の聖なる乙女による神祭りの
信仰とが習合して織女が『たなはたつめ』」
「水に関する伝承は不浄を禊ぎ祓うこととつながる」


・「暑ければ汗はかくものとして、それを行水でさっと流して浴衣に着替え、
夜風に当たる。汗をかきたくないためのぜいたく」


・「『七つ前は神さま』伝承が残っている。 七つの祝いを境として、彼等は鎮
守社の氏子となり神さまを祀る側になると考えられた」


・「忘年会も精神的な大掃除」
- 今年の年末は何年かぶりの大掃除を楽しむことができそうです。




もう一つ、再掲載になりますが、苅谷剛彦さんの
「学校って何だろう」③を載せます。




☆「なぜ日本人は賽銭を投げるのか」新谷尚紀 文春文庫 2003年 ②

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◇四季おりおり(2)
2 太陽と月の季節

□7月 七夕はなぜたなばたというのか
古事記
     - 棚機の訓読み
平安中期 
      織女のよみ「たなほたつめ」

折口信夫 
       中国伝来牽牛織女の伝説を日本古来の聖なる乙女による神祭り
      の信仰とが習合して織女が「たなはたつめ」
水に関する伝承
     - 不浄を禊ぎ祓う


□8月 納涼・避暑の工夫は?
「清流と緑陰」がキーワード
      暑ければ汗はかくものとして、それを行水でさっと流して浴衣に
     着替え、夜風に当たる 
      - ぜいたく
    汗をかきたくないため 
      クーラーとは根本的に発想が違う         


□9月 中秋の名月はなぜ8月15夜か?
新暦・旧暦に一か月のずれ
旧暦では7,8,9月が秋
月の満ち欠けが基
晦日は必ず新月の闇夜で十五夜は必ず満月
折口信夫 
     「満月には女性の生殖力を連想させる」
月見
     - 団子や栗などの供物はどこの家のも子どもたちが盗んでよいこ
      とになっていた

 

3 稲と生命の季節
□10月 なぜ「神無月」か?
睦月「むつび」から
     如月「更衣」から
     弥生「いや生い」から
宗教学者・原田敏明
神無月は「神」の月 
        - 収穫に感謝する神祭りの月
       ◎ 音を重視すべき
出雲 
      神在祭神事  
       - 海蛇を神として迎え祀る

   
□11月 七五三の意味 
3歳 男女の髪置き  
          髪の毛を伸ばし始める
5歳 男子の袴着   
          袴を着せる
7歳 女子の帯解き  
          付けひも → 帯
霜月の真ん中の日だから
背景に「七つ子祝い」の伝統
         「七つ前は神さま」伝承
 ◎ 七つの祝いを境として、彼等は鎮守社の氏子となり神
          さまを祀る側になると考えられた 
           → 甘えは許されず


□12月 年末行事の意味は?
年末
      = 借金返済の月
大掃除 
       忘年会も精神的な大掃除






☆「学校って何だろう」苅谷剛彦 講談社 1998年 ③【再掲載 2015.6】

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◇教科書って何だろう
学校で教える知識
教科書に載る知識とは 
    学習指導要領
学校で教える知識の決め方 
    国という大きな単位 
     = まとまり
先生による違い 
    「どのクラスも同じ」という仕組み
地域ごとの教育 
  どうして国が決めるのか
ナショナル・カリキュラム
経済の国際競争と教育 
    1980年代 日本の教育の優秀さ
ばらつきの少ない教育
  イギリス 
     十年くらい前まで 地域や学校が決めていた
      → 学力差が生じた
→ 日本を見習いナショナル・カリキュラム作り
画一教育とナショナル・カリキュラム
 日本はイギリスと反対の方向に…
教科書の知識は役に立つのか
  自分なりのものの見方や考え方をつくりあげるときつながりとして…
   隠れたカリキュラム  
     - もう一つの知識


◇隠れたカリキュラム
教科書以外の知識
    隠れたカリキュラム
授業中に何を習うのか
時間を守る
我慢する
    忍耐力をつける訓練
コミュニケーションの仕方
学校と隠れたカリキュラム
  隠れたカリキュラム 
     = 知らず知らずのうちに学校生活を通じて学ぶことから、ついで
      に教えられること
= 集団として活動をスムーズに行おうとすることが隠れたカリキュ
      ラムに
男子と女子
自分の位置
学年と年齢 
    発達 
    年齢による区別
 「日本」というまとまり
学校と社会 
    隠れたカリキュラム
① 学校生活をスムーズに行うために入り込む
② 知らず知らずのうちに入り込む 男女区別年齢
→ 学校は秩序を重んじる場所
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