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キーワード 読書について61-「子どもの本の作家たち」西本鶏介 東京書籍 1982年 (5) /「公立小学校の挑戦」志水宏吉 岩波ブックレット №611 2003年 ③【再掲載 2015.6】 [読書記録 教育]

今回は2月11日に続いて、
「キーワード 読書について」61回目、
「子どもの本の作家たち」の紹介 5回目です。



出版社の案内には、

「リアリズム小説、ファンタジー、幼年童話等、さまざまなジャンルに
 わたる作家たちの作風を、作家ごとにエピソードをまじえながら豊富
 な作品解説によって描く、現代児童文学作家・作品論。」

とあります。


わたしが大好きな、子どもたちに読んだ作品が多く紹介されています。



佐藤さとるさんのファンタジー、
寺村輝夫さんのナンセンス、
たかしよいちさんのロマン、
山中恒さんの熱血とユーモア、


古い本となってしまいましたが、
楽しめる本ばかりだとわたしは思います。





もう一つ、再掲載になりますが、志水宏吉さんの
「公立小学校の挑戦」③を載せます。
現在、小学校の荒れが課題になっているようにわたしは感じます。
コロナ感染症拡大による休校の影響が、
今頃顕著に表れているように感じてなりません。
本書が再び必要になっているように思います。
そのためには、教育に予算を割くことが必要だとも。





☆キーワード 読書について61-「子どもの本の作家たち」西本鶏介 東京書籍 1982年 (5)

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◇佐藤さとる
ファンタジーの魔術師
     ファンタジー 
     心の解放宣言
 「だれも知らない小さな国」S34 
   「じゃんけんねこ」S52
 「どんぐりたろう」S54 
   「おおきなきがほしい」S47
「つくえのうえのうんどうかい」S38
「りゅうのたまご」S56

 
◇寺村輝夫
常識への抵抗者としての王さま
  「おしゃべりなたまごやき」S34 
      子どもの心をユーモラスに刺激
= 子どもへの徹底した共感
「ぼくは王さま」S36 
   「おにのあかべえ」S48 
      アイロニーナンセンス童話

 
◇たかしよいち
太古へのロマンと冒険と
考古学者か児童文学者か?
「遺跡は役所や学者だけのものでなく,そこに住む住民も含めた
    国民のものだ」
   「月の輪の子供たち」国土社・昭和54年
住民の立場での古代の謎解き
「狩人タロの冒険」S37 
   「埋もれた日本」牧書店S39
「古代発掘物語全集」S42~43 
   「日本発掘物語全集」国土社S45~50
「マンモスの悲劇」S45 
   「化石どうぶつ記」S51
  ◎「現地実証主義+豊富な文献史料+作家の空想力」
= 考古学と古生物学
構成力の巧みさ,平明でダイナミックな文体,スリルとサスペン
   ス,男のロマン
   「竜のいる島」
      サンケイ児童文化賞,国際アンデルセン賞優良作品賞
「クレタ島のひみつ」S53 
   「しらぬい」S45 
   「りゅうじん」S47

 
◇山中恒
生の原理と読み物のおもしろさ
自ら「児童読み物作家」
自らのエネルギーで現実と闘い逞しく生きていく
「赤毛のポチ」S35先駆的リアリズム小説
底辺に生きる人間の怒りと悲しみ 
       - 感動
今ある子どもの代弁者
佐藤紅緑
       「ああ玉杯に花うけて」
       「一直線」
       「夾竹桃の花咲けば」
わくわくどきどきハラハラ
「火と光の子」S43 
     「三人泣きばやし」S48
◎ 土着的底辺でとらえられる余計者のエネルギー
「山中恒児童読み物撰集」S52
◎ 芸術的・教育的であることを拒否してバイタリティ溢
       れる作品
◎ 子どもの世界をユーモラスたっぷりに
「六年四組ズッコケ一家」
   「くたばれかあちゃん」
   「のんたんぴん」
「おれがあいつであいつがおれで」S55 
   「あばれはっちゃく」
◎ 熱血小説

 







☆「公立小学校の挑戦」志水宏吉 岩波ブックレット №611 2003年 ③【再掲載 2015.6】

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3 布小とはどんな学校か

□1873年 
  堺県下河内国第32番小学校 
  130年年の歴史
  いびつな校区編成が70年代半ばまで
- かつて布忍小学校は荒れていた
   → かなりの部分が隣接小へ越境していた
   → 「越境反対運動」 1968年「教育白書運動」

□1970年代半ば
「家庭学習運動」
   教師が家庭訪問を繰り返し、学習習慣や生活規律の定着のた
    めの指導
     = 基礎学力定着

□1980年代 
  「親の自分史を聞き取る学習」
  生活の厳しさ・苦しさ、子に対する思いを聞く
   →「タウンワークス」

□1990年代
  「授業改革」
基 ① 少人数授業    
          コース別学習
② 放課後学習  
          昼休みの毎日学習
③ 情報教育の充実
④ タウンワークス
         → 学習の総合化
⑤ 高学年で教科担任制
→ 実践校としての名声

□現在 
  就学援助3割 単身家庭2割
→ 「人間を信じるようには育っていない子」が多い



4 布小における「集団づくり」
□「ムラの子を中心にした集団づくり」
 ① 子どものよさを見つける  
       学級会、語る改、親子学習
    怒る指導(子どもに対しての愛情と教師としての冷静な
      指導)
   ② 集団を読む

□キーワード 
  ◎「集団の中の矛盾」 ◎「ゆがんだ関係」
個々の子どもの利害 
     - 目に見える力を利用してわがままを通す         
  教師の「集団を読む目」 
子どもの群れという「自然発生的なつながり」によりはびこっ
   ていた「ゆがんだ人間関係」を「豊かな人間関係」に変えようと
   するエネルギーを子どもたち自身の中に起こしてゆくこと

□用語 
  ◎「リーダー(層)」
◎「ポイントになる子」 
      やんちゃだが熱い思いをもっており、学級づくりの鍵を握
      る子
◎「依拠する子」    
      教師がその子の気持ちにこだわって指導を展開する準拠点
     になる子
◎「課題の子」     
      生活や学力や友人関係に不安を抱えている子
→ 学級・学年集団づくり

□班編制
 「新しい班を作るのは、自分の気持ちをきちんと伝えられる友達を増
  やしていくためです。この子と一緒になってよかったと思えるよう
  な友達をつくってください。
  最初は、もめると思うだけで、班の友達が悪いと思うのではなく、
  一人一人がしっかりできることが大切です」

→ ◎ 教師主導での班替え
   班活動こそ仲間づくりの基礎 学期に2回ほど
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