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「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ③ /「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ②【再掲載 2015.8】 [読書記録 一般]

今回は、1月8日に続いて、木村尚三郎さんの
「歴史の風景」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「『進歩と発展』から『調和と連帯』へ、『技術』より『いのち』へ、
 歴史への問いかけが、始まるとき-。創文社の月刊パンフレット
 『創文』の連載に、各年を回想するエッセイ、簡単な年表と著者の
 出来事を添えてまとめる。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「OHP、電子機器は、一瞬分かった気になるが、画面が切り替わっ
た途端、パッと目の前の画面を忘れてしまう。まことにはかなく影
法師のように実感がない。商品説明会とか学会、株式総会などで人
を説得するのには便利であろうが、人を教育させるには不向きてで
ある」


・「時代劇『水戸黄門』の黄門様を相手側の立場になると、人のいい田
舎じじいが、最後になって突如豹変し、仏の顔が鬼の顔になって本
心を表すように考えられる。はた迷惑、アンフェアではないか。水
戸側が最初から印籠を見せていれば、そんなに悪いことをしないは
ず」


・「『水戸黄門』は、コミュニケーション不在のドラマだといえるのか
もしれない。嫌な相手とも、いや、嫌な相手だからこそ手を結ぼう
とするのが真のコミュニケーション感覚だと考える」


・「身体の動きが休息に近ければ近いほど考えを見破られにくい。ゆっ
たりとした動作には威厳がつきまとう。常にじっとしておられず、
街頭や駅で少しでも人の先に出ようとし、車内で座席を奪い合う私
たち日本人は、全体が『動く下品』ととられるかもしれない」



もう一つ、再掲載になりますが、池上彰さんの
「みんなの学校問題」②を載せます。
四半世紀前に出された本です。



☆「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ③

1.jpg

◇影法師
 OHP、電子機器は、一瞬分かった気になるが画面が切り替わっ
  た途端、パッと目の前の画面を忘れてしまう

まことにはかなく影法師のように実感がない
商品説明会とか学会、株式総会などで人を説得するのには便利
   であろうが、人を教育させるには不向き

  影法師
    大半が個性とか存在感に乏しい


◇「水戸黄門」への疑問
水戸黄門側はなぜ最初から印籠を出さないのだろうか?

相手側の立場
水戸側が最初から印籠を見せていれば、そんなに悪いことをし
   ないはず
   → 人のいい田舎じじいが、最後になって突如豹変し、仏の顔が
    鬼の顔になって本心を表す
      = はた迷惑、アンフェア

  (例)西欧
まず、自分の立場、自分の意見を相手側にはっきり示して、
     相手に折り合える線を発見しようと努めるだろう

  ◎コミュニケーション
その努力を重ねてもダメな場合、初めて戦いが始まる
水戸黄門側にコミュニケーション能力はゼロ

  「鉄腕アトム」も時代劇も、欧米人には「破壊的・暴力的」
理由 
       = コミュニケーション不在のドラマだから
  ◎ 嫌な相手とも、いや、嫌な相手だからこそ手を結ぼうとするの
   が真のコミュニケーション感覚


◇アメリカ
聖書 「箴言」10-9 
   ◎「真っ直ぐに歩む者は安全である」

道がどこまでも真っ直ぐで、良くも悪しくも単純明快な信心
    の篤い、あるいは、思い詰めた国のようなもの


◇歩き方は動く思想
19世紀前 フランス文豪 オノレ・ド・バルザック
「歩き方は動く思想である」
身体の動きが休息に近ければ近いほど考えを見破られにく
     い。
ゆったりとした動作には威厳がつきまとう。
↑↓
常にじっとしておられず、該当や駅で少しでも人の先に出
     ようとし、車内で座席を奪い合う私たち日本人は、全体が
     「動く下品」

  「女神は歩む姿に御身を顕し給う」(ウェルギリウス)
= ヨーロッパの文化特性


◇心眼
仏  「理想の窓」である眼感覚は使わないが、感性の器官である
     聴覚・嗅覚・触覚などは鋭く働かせ、耳でよく聞き、鼻でよ
     くかぎ、手でよく感じるのが仏の姿

ルソー  「エミール」1762年







☆「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ②【再掲載 2015.8】

1.jpg

<ニッポンの学校の不思議>
◇日本の学校
  ① 指示の多さ
② 授業時間数の多さ 
      アメリカ 年間 890時間
日本  年間 1200時間
※ 余計なお世話

◇班で身に付く集団意識

◇学校で身に付いた集団意識は社会でも

◇江戸時代の五人組制度

◇集団行動を促進する学校給食
  グループの一員たらしめる訓練

◇「みんなと違う」事で生まれるいじめ

◇分量の少ない日本の教科書
  国語算数薄くて小型
アメリカ
    … 教科書はありとあらゆる題材を盛り込み,教育内容や指導
     をほとんど独習できるような形にプログラム 
      = 独学できる
日本   
   → 無難なきれい事ばかり書かれている


<学習指導要領がすべてを決める>
 
◇学習指導要領
  法律ではないが「まるで法律のように守らなければならないもの」
 5回変わった 10年に1度
  小・中・高・盲・聾・養護の六種類

◇時代と共に内容変化
  ①手引き     創意工夫
  ②告示 1958年  知識促進型
  ③改訂 1968年 「教科の現代化」内容増
     881字 → 996字
詰め込み・消化不良・墜ちこぼれ
④改訂 1977年  ゆとり
  ⑤改訂 1989年  新しい学力観 生活科
⑥告示 1998年  教育内容削減
総合的な学習 = 現場の創意工夫

◇仏・ジャック・コリノー
  平等主義的教育 
   ◎日本とアメリカのみ
      アメリカ
       = 機会均等
      日本   
       = 結果の平等
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萌田かずきち

木村尚三郎さん、懐かしいですね。小学生の時読んだ、集英社の
歴史漫画の監修やられてましたね。
まだその漫画集持っててたまに読みます(*´ω`*)。
by 萌田かずきち (2024-01-14 03:40) 

ハマコウ

萌田かずきちさん ありがとうございます。
まんがは大きな力を持っていますね。
友人の埋蔵文化財調査員は、「ドラえもん歴史シリーズ」がきっかけで歴史に興味を持ったと言っていました。
6年生は戦国時代に詳しい子がいますが、
やはり「まんが歴史シリーズ」がそのきっかけになっているようです。
by ハマコウ (2024-01-14 14:44) 

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