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「家族学ことはじめ」小此木啓吾 講談社 1999年 ⑦ [読書記録 一般]

「『いない いない ばあ』の親
  親から離れてしまって『俺は俺だ』というのが『いない』とすれば、また、困ったと
 きには『ばあ』と頼りにして現れる。」






今回は、5月22日に続いて、小此木啓吾さんの
「家族学ことはじめ」7回目の紹介です。




出版社の案内には、


「人生の大半を一緒に過ごし、日常の悩みや喜び、将来の不安や希望をともにする家族。
 その形態は、時代とともに変化しているため従来の家族意識には歪みが出ています。長
 年精神科医として活躍してきた著者のこれまでの新聞、講演などからわかりやすいエッ
 センスを抜き出し、家族という小さな共同体の中でのそれぞれの役割の重要性を具体的
 に教えてくれます。」



とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「父親は本来子供を家庭の中から社会・世界に発展させていくモデル」
「最近憎まれ役になるのを面倒がるお父さんが増えている」


・「自分はただお金を稼いできて,欲しい物を買って与えて大事にし、過保護にする。け
 れども『それ以上はつらいからいやです』と言う親が増えてきている。」


・「思春期の親の最大の課題
 = 子供が自分から見えなくなったことに耐える能力」


・「(新しい課題)父親不在 + 母子密着家庭 = 疑似母子家庭」




本日、勤務校は運動会。
晴天に恵まれそうですが、暑くなりすぎないか少し心配です。




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☆「家族学ことはじめ」小此木啓吾 講談社 1999年 ⑦

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◇父として母として

□父親本来の役割を意識して

 日本的母子家庭

  → マザーコンプレックスの強い子に


 日本には「夫不在」の認識が少ない



反対に 子供と遊ぶお父さんの時代

 父親は本来子供を家庭の中から社会・世界に発展させていくモデル


子供からすると社会に出るときのモデルを提供してくれない不満


○父親の存在意義

① 避難場所になるお父さん


② お母さんの代理になるお父さん


 ③ 邪魔な存在 = 煙たい存在

※ 家庭の雰囲気が変わることが大切

※ 最近憎まれ役になるのを面倒がるお父さんが増えている

   


□今母親がなすべきこと

○家庭内暴力の子供  

 「どうして俺を生んだのか」

 「どうして自分をこんなに育てたのか」



 今まで愛着していた深い仲の相手と別れなければならないときのトラブル
 

○最近の親  

 自分はただお金を稼いできて,欲しい物を買って与えて大事にし、過保護にする。けれ
ども「それ以上はつらいからいやです」と言う親が増えてきている。



□性の問題から目をそらさずに

 女の子の感情はすごく古い

 - 高校・大学 女性の傷付きが深刻で大きい



□上手な子離れ親離れを

 親離れ = 対象喪失(オブジェクト・ロス)

       分離(セパレーション)と個別化(インディビデュエーション)
          ↓

思春期の孤独感

   大切なのは秘密を持つこと
  
   秘密 = 親から離れた自分 

知らないでも大丈夫



 ◎思春期の親の最大の課題

  「子供が自分から見えなくなったことに耐える能力」

必要なときに耐える

 ◎「いない いない ばあ」の親

  親から離れてしまって「俺は俺だ」というのが「いない」とすれば、また、困ったと
 きには「ばあ」と頼りにして現れる。

= 離れたり戻ったりの力学
 







◇愛と憎しみが親子関係の原点

□アメリカ 

 家庭内部の荒廃 ~ 日本へ?


愛と憎しみは表裏




□新しい課題 

親への反抗,家庭内暴力,登校拒否,思春期の親子関係の危機



父親不在 + 母子密着家庭 = 疑似母子家庭



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キーワード「学級経営」⑨ [読書記録 教育]

今回は5月21日に続いて、
キーワード「学級経営」の紹介 9回目です。






今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「学級の子供たちに付けたい力」

- かつてと比べ、現在の全体としてのレベルは決して高まっていないように感じます。


・「築地学級」

- かつての「築地学級」での取り組み、現在におくとどのように評価されるでしょうか。


・「聞き取る」








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☆キーワード「学級経営」⑨



◇学級づくり

 ① 心の通い合う仲間づくり


 ② 学び合う学習環境づくり


③ 活動への意欲を生む教室環境づくり~継続


 ④ 保護者との信頼関係づくり







◇学級の子供たちに付けたい力(高学年)

 ・ その学年の新出漢字の85%以上は書ける


・ 説明文における「問題提起」と「結論」の段落対応が分かる


・ 説明文における「はじめ 中 終わり」の公正が分かる
 

 ・ 物語文における「主題」について自分の意見がまとめられる
 

 ・ 国語辞典 漢和辞典を使って20秒以内に調べることができる
 

 ・ 計算問題 文章題で90%以上正解することができる
 

 ・ 社会科で絵や写真 統計資料から「はてな」を5つ以上見つけることができる
 

 ・ 理科の実験で「統一する条件」と「区別する条件」が分かる
 

 ・ 実験や観察の「結果」と「結果から分かったこと」の区別を付けてまとめることが
  できる


 ・ 男女混合の小集団をつくるときに,不満の声があがることなく5分以内で作ること
  ができる


 ・ リーダー,サブリーダーの役割について共通理解ができていて,何をすればいいか
  分かっている
 

 ・ リーダーや司会になったこの指示を聞いて動くことができ,リーダーや司会の子も
  学級全体のことを考えて仕切ることができる
 

 ・ 教師が事細かに指示することなく,当番活動を子供たちの手で勧めることができる
 

 ・ 継続して活動している係が全体の係の2/3以上ある
 

 ・ 学級イベントを自分たちで企画し運営することができる


 ・ 話し合いを行うための方法や段取りがはっきりしていて,突然の話し合いにも対応
  できる
 

 ・ 教師が出張や不在の時,課題を伝える子や他クラスの教師との連絡役が決まってい
  て支障なく自分たちで生活できる







◇築地学級

□指示待ち人間からの脱却

 ① 「~しなさい」という指示を出す


 ② 常に子供が時間を見て動く


 ③ 授業の終わりを自分で判断させる


 ④ 自発的な行動をほめる







◇聞き取る

□教師 
 ① おもしろい話をする


② 易しい言葉をつかって目に見えるように話す


③ 人間性を磨く



□ポイント

 ① 話し手を見つめさせる


 ② 誠実に,素直に耳を傾けさせる


 ③ 頷きながら聞かせる


 ④ 最後まで静かに聞かせる


 ⑤ 質問は発言がすんでからさせる
 

 ⑥ 課題を与えて聞かせる


 ⑦ メモをしつつ聞かせる


 ⑧ 指を折りながら聞かせる


 ⑨「要するに…」とまとめさせる



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