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大村はまさんはこんなことを ⑭-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年(1) /「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ②【再掲載 2015.9】 [読書記録 教育]

今回は、9月21日に続いて、大村はまさんの
「大村はまさんはこんなことを」の紹介13回目です。
「灯し続けることば」の要約の1回目です。


出版社の案内には、


「『国語教育の神様』とまで言われた国語教師・大村はま、98歳になる今日までの著作・
 執筆から選びだした珠玉のことば52本と、その周辺。自らを律しつつ、人を育てるこ
 とに人生を賭けてきた大村はまの神髄がここに凝縮された。『熱心と愛情、それだけや
 れることは、教育の世界にはないんです』『したことの悪さより、しかられた傷のほう
 が大きいということはないでしょうか』『熱心結構、いい人あたり前です』『スタート
 ラインが一緒でも、ゴールには同時に入りません』『しかられ上手であることが必要で
 す』etc.子どもにかかわるすべての大人、仕事に携わるすべての職業人に、折に触れて
 ページを開いて読んでほしい。」


とあります。



厳しい言葉が続きます。時々読み直し、気持ちを引き締めます。




もう一つ、再掲載となりますが、武光誠さんの
「地名から歴史を読む方法」②を載せます。
平成の大合併以前に出版された本ですが、興味深く読むことができます。
平成の大合併で消えてしまった地名も多いのではないでしょうか。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆大村はまさんはこんなことを ⑭-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年(1)

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◇今日の新たな一滴が要るのです

 教師の仕事は、生きている子どもに生きた知恵を育てることです。


 そのためには、初々しい感動、新しい命のようなものが教師の側にないと、子どもを惹
きつけられません。


 学者の方でしたら、研究を深める、高めるということでいいのでしょうが、教師の場合
はちょっと違います。


 何度も読んだ教材、何度も感動した作品であっても、教室に持っていくときは、新しく
加わった感動が必要なのです。


 今日の太陽が昇って、昨日の自分とは違う新しい自分がいる、そういう激しい成長力の
ようなものが子どもを動かします。


 これまで研究して蓄えていた知恵が、そこで初めて生きた力となって、子どもに伝わっ
ていきます。


 人を育てるというのはそういうことです。


 積み重ねた努力、人柄の良さや、研究の深さ、子どもへの愛情、そういったもの何もか
もを生かすには、今日の新たな一滴が要るのです。





◇熱心結構、いい人あたり前です

 教師は一個の職業人です。


 「聖職」という方もいますが、私はその名に隠れて精神主義に偏っていく態度には賛成
できません。心さえあればいい、熱意さえあればいいというわけではないと思うからです。


 熱心、結構です。いい人あたり前です。悪い人であったら、たまったものではありませ
ん。


 なのに、教師の世界というのは、いろいろな職業と比べても、「いい人」ということが
かなり幅をきかせているように思います。


 他の社会では、仕事の能力と切り離して「いい人」をここまで尊重しないのではないで
しょうか。


 いい人であっても、やはり業績を上げて、仕事をちゃんとやれる人でないと、価値を認
められないのではないでしょうか。


 教師という職業の拠って立つものは何か。


 子どもに一人で生きていける力をつけること、そのための技術を持っていることでしょ
う。


 それを忘れた「いい人」ではちょっと困るのです。





◇熱心と愛情、それだけでやれることは、教育の世界にはないんです

 これから教師になる若い方が、今の気持ちをきかれて、「自分には何もできないけれど、
教育への愛がある、真心がある、これでやっていくんだ」とおっしゃっていました。


 そこらへんが不安です。


 熱心と愛情、それだけでやれることは、教育の世界にはないんです。


 子どもがかわいいとか、よく育ってほしいとか、そんなことは大人がみんな思っている
ことで、教師だけのことではありません。


 そんなものを教師の最大の武器のように思って教師になったとしたら、とてもやってい
けないと思います。


 教師としては、人を育てる能力、教師の教師たる技術を持っていなければ困ります。


 たとえば、お話ひとつとっても、魅力的に話せる、騒いでいた子どもが思わず耳を傾け
るようなお話ができなくてはならないのです。











☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ②【再掲載 2015.9】

<出版社の案内>
由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘められ
ている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸時代の城
下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかりにこの国の成
り立ちを明らかにする。

地名は、私たちにとって極めて身近なもの。そして、我が国の歴史を雄弁に物語る。県名
ができたいきさつや、古い時代につくられた自然地名、大和朝廷がつくった古代地名など
を説明し日本の歴史を探る。
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◇企業と共に発展した歴史が分かる地名

□豊田市  
 
 昭和34(1959)年
   挙母市 → 豊田市 

  挙母 = 許呂(鉄製品の古代語)の母



□全国に広がる企業地名

府中市東芝町  


 池田市ダイハツ町  


 日野市さくら町・富士町


 旭川市パルプ町


 小野田市セメント町
  


□近代の多用な地名 

静岡県函南町 = 「新幹線」



□宗教地名   

 奈良県天理市 昭和29(1954)年


 岡山県金光町 大正12(1923)年





◇平仮名や片仮名の地名に秘められた歴史

□なぜ漢字2字の地名が多いのか

奈良時代初期
 
  「地名を二字の好ましい字に改めよ」という命令


 国ごとに「風土記」がつくられたとき、国名・郡名・郷名が二字に改められた
例 山口県防府市 「多々良」→「達良」

しかし平安時代末期「多々良」に戻される
  


□日本最初の平仮名地名 

古代 漢字2字政策 

 →  中世 漢字3字4字地名も


 江戸時代  漢字2字にこだわらないようになった


 ◎ しかし全国的には漢字2字を好む 明治時代の北海道地図にも…
  


□平仮名地名 

昭和37(1962)年「住居表示に関する法律」により増加


 市  昭和35(1960)年 むつ市 = 大湊町+田名部町の合併による
  


□市町村合併と仮名書き地名 

 市町村合併の時仮名書き地名が増加

  滋賀県マキノ町 昭和30(1955)年 公募による

   マキノスキー場に因む

   
  いわき市    昭和41(1966)年 5市9町村合併


   
□イメージアップ観光地名

ニセコ町  昭和39(1964)年 狩太町から


 えりも町  昭和45(1970)年 幌泉町から
  


□平仮名の植物名を冠した地名 

富良野市の植物地名
豊かな農村になることを願って入植した人々がつけた


 ニュータウン
「丘」「台」地名が多い = 日当たりの良い小高い土地をイメージ

◎ 丘や台の前に「草木」名をかぶせることが多い
あさみ野 つつじが丘 さつきが丘 たちばな台

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