「子どもを変えた親の一言作文25選」明治図書出版 1998年 ⑨ /「心の危機を救え」梅原猛 光文社 1995年 ①(前半)【再掲載 2015.7】 [読書記録 教育]
今回は、10月10日に続いて、明治図書出版の
「子どもを変えた親の一言作文25選」の紹介 9回目です。
編集は野口芳宏さん、水野茂一さん、向山洋一さん。
サブタイトルに「教室で読み聞かせ 子どもの作文珠玉集」とあります。
子どもの「感覚」を教えてくれます。
もう一つ、再掲載となりますが、梅原猛さんの
「心の危機を救え」①を載せます。
心の危機が話題となって早四半世紀なのですね。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「子どもを変えた親の一言作文25選」明治図書出版 1998年 ⑨
20.心の耳 HT(2年)
「シユガー、おさんぽにいくよ。」
そう言って話しかけると、おへんじがかえってきます。
みじかいしっぽを、せい一ぱいふって、顔をしわくちゃにしてわらいます。
シュガーというのは、うちのあばれんぼうの犬のことです。
私はどうぶつが大すきなので、犬の言っていることがぜんぶわかります。
もちろん、ねこの言っていることだって、鳥の言っていることだってわかるつもりです。
でも、はじめから、犬やねこの言ばがわかるようになったわけではありません。
前に、お母さんが先生をしていた ようご学校へ行った時のことです。
そこは、耳の聞こえない子や、お話ができない子が行く学校です。
それなのにお母さんは、
「おはようって言ってるよ。」
とか、
「一しょにあそぼう だって。」
と言って、お兄さんたちのお話がわかるのです。
どうしてかなと思って、聞いてみると、
「心の耳で聞いてごらん。チィには犬やねこの言ばもわかるんだから、わかるはずだよ。」
といわれました。
その後、耳の聞こえないつとむくんという お兄さんに会った時、お母さんの言ったこ
とを思いだして、心の耳をかたむけてみました。
そうしたら、つとむくんの言っていることが大たいわかりました。
私はうれしくなりました。そのことがあってから手話にきょうみをもって、本でべん強
しています。
そんなことがあってから、どうぶつの言っていることも心の耳で聞いたらわかるときづ
きました。
ありの行れつをじつと見ていると仲間同しがしょっ角としょっ角を合わせて
「あっちに、あまくておいしそうなキャンディーがおちてるよ。」
「ほんと。あとでいってみるよ。」
という会話が聞こえてきます。
にわのうめの木にとまっているむく鳥は、
「きょうは、お日さまがポカポカしてねむくなっちゃうな。」
とひとりごとを言っています。
どんな生きものでも、心の耳で聞けば話していることがわかります。
心の耳をつかって、もっとたく山の友だちを作りたいな。
21.小さなことのできる人 KG(3年)
9才になった夕方、お母さんに
「どんな人間になってほしい。」
と聞いてみたら
「お便所のトイレットペーパーが無くなっていたら新しいのと取り変えるとか、お風呂場
の洗面器とかイス、石けんをすみに片付けて出て来るとか、見過ごしてしまいそうな小
さなことを人に言われなくても自然にできる人間になってほしい。」
と言ったので、
(何だ、そんな簡単な事か。)と思ってみたものの時間がたつにつれて、何でもない様な
ことだけど大変難しいことに気が付いて考え込んでしまいました。
お母さんが望んでいる人間になれたら地球制はしたのと同じぐらいの気持ちになるだろ
うなあと思った。
僕は、そんな人間になりたいなと思った。
22.思いやりとやさしさ KG(3年)
自分でも、あきれる程に兄弟げんかをしています。
その時、お父さんは、静かな口調で、
「自分にやさしく、相手に厳しくの考え方だから、いつまでたっても、けんかが続くんだ
ね。自分に厳しく、相手にやさしくの気持ちさえあれば、けんかもおこらないのにね。」
と言います。
また、お母さんと激しく口論している時も、お父さんは、
「相手に村しての不満を十、思っている事を全部言ってしまうのは簡単だけど、学人にも
欠点があるのだから、十の内六ぐらいで、とどめる思いやりがないと人間として失格だ
し、十、全部言ってしまったら、その人との関係は、終わりになってしまうよ。」
と言います。
お父さんの言葉は、いつも相手に対しての思いやりとやさしさがこめられているので、
僕自身の我がままに反省してしまうのです。そして、我がままいっぱいの僕の言葉に、お
母さんは、
「もう、知らない」
と言う時があるけれど、少し時間がたつと、何事もなかったかの様に、笑顔で会話が始ま
り、ミルク紅茶などを入れてくれたりして、僕の我がままを許してくれ、忘れてくれる事
に対して、心から感謝するのです。
戦争と平和…。
どちらが良くて悪いかはあまり世の中の事を知らない僕でも分かります。
でも何が戦争で、何が平和かと聞かれると、胸を張って答える事が出来ません。
とても恥ずかしい事です。
でも僕は両親から、自分に厳しく相手にやさしく。十を六でとどめる思いやりと相手の
欠点を不満を許してあげる、忘れてあげる事を教えてもらった事で、人と人との関係、国
と国との関係でも、ほのぼのした親子関係になる事ができたなら、平和で戦争などおこる
事がないし、地球の青さは、いま以上に美しく輝くと思います。
そして僕は、お父さん、お母さんからの一つ一つの言葉を、教えを忘れずに、また、嬉
しいときは一緒になって喜び、悲しい時は一緒になって涙して、当たり前の事だけど、そ
れが、ごく自然に表現できる青年に成長し、心から、お父さん、お母さんに、
「僕をここまで育ててくれてありがとう。」
と言える僕に、なっていきたいと思いました。
平和も、また、思いやりとやさしさのかたまりでできているものだと僕は、信じていま
す。
☆「心の危機を救え」梅原猛 光文社 1995年 ①(前半)【再掲載 2015.7】
<出版社の案内>
日本の教育現場はいま、危機に瀕している。多くの人びとにショックを与えたオウム真理
教の事件は、その象徴的なあらわれであろう。この危機を見過ごすことは哲学者としての
怠慢であると考える著者は、今日の行きすぎた自由、道徳的頽廃、価値基準の崩壊を憂え、
現代日本のあり方について語る。日本独自の文化を生み出すための心の教育論。
◇地蔵
仏教 - 地獄に堕ちた人間を救うのは地蔵のみ
◇道徳に対する懐疑
道徳的価値基準を与えたイデオロギー2回の崩壊
① 戦前 忠君愛国イデオロギー
② 戦後 マルクス主義的イデオロギー
↓
◎ 道徳懐疑主義
◎父親は教育を母親に任せた
- 大部分の母親は我が子の幸福のみを考えた
◇悪霊 ドストエフスキー
ネチャーエフ事件をテーマ
ルサンチマン(隠された怨恨)-罪の意識
無神論者
① 家庭の崩壊
② 自由思想
◇オウム真理教
麻原
ルサンチマン - 自分を捨てた父親に対する恨み
↓
※ 盲学校の生徒支配により憂さ晴らし
権力意識
東大法学部 × 宗教的世界の王者に
↓
・出家の概念を変える 財産強奪
・キリスト教の終末論を麻原流に変える
∥
※神は財産強奪と殺人肯定
→ 秩序破壊の神に
◎ 宗教的人格と権力意志・征服の意志
◇戦後教育がサリン事件を
戦後日本教育 - 日本を科学技術の発展した豊かな経済国家に
|
◎ 道徳心の教育の欠如
◇近代日本の教育
近代日本の成功
科学技術文明 + 近代化条件デモクラシー
↓
① 同質化された一億二千万人
二つの日本人 旧モンゴロイド(縄文系)
新モンゴロイド(弥生人)
② 道徳的倫理性の高さ
治安の良さ - 村の宗教的伝統(厳しさ)
③ 平均的知的水準の高さ
文化の移入
④ 平等思想
戦後日本社会も下克上
- 仏教の平等主義 聖徳太子以後 氏姓制の崩壊
↓
◎ 相続税の高さ
◇戦前の教育
小学校 修身教育
中学校 英語 数学 (近代西欧文明移入し国を強くする)
大学 法学部と工学部
「子どもを変えた親の一言作文25選」の紹介 9回目です。
編集は野口芳宏さん、水野茂一さん、向山洋一さん。
サブタイトルに「教室で読み聞かせ 子どもの作文珠玉集」とあります。
子どもの「感覚」を教えてくれます。
もう一つ、再掲載となりますが、梅原猛さんの
「心の危機を救え」①を載せます。
心の危機が話題となって早四半世紀なのですね。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「子どもを変えた親の一言作文25選」明治図書出版 1998年 ⑨
20.心の耳 HT(2年)
「シユガー、おさんぽにいくよ。」
そう言って話しかけると、おへんじがかえってきます。
みじかいしっぽを、せい一ぱいふって、顔をしわくちゃにしてわらいます。
シュガーというのは、うちのあばれんぼうの犬のことです。
私はどうぶつが大すきなので、犬の言っていることがぜんぶわかります。
もちろん、ねこの言っていることだって、鳥の言っていることだってわかるつもりです。
でも、はじめから、犬やねこの言ばがわかるようになったわけではありません。
前に、お母さんが先生をしていた ようご学校へ行った時のことです。
そこは、耳の聞こえない子や、お話ができない子が行く学校です。
それなのにお母さんは、
「おはようって言ってるよ。」
とか、
「一しょにあそぼう だって。」
と言って、お兄さんたちのお話がわかるのです。
どうしてかなと思って、聞いてみると、
「心の耳で聞いてごらん。チィには犬やねこの言ばもわかるんだから、わかるはずだよ。」
といわれました。
その後、耳の聞こえないつとむくんという お兄さんに会った時、お母さんの言ったこ
とを思いだして、心の耳をかたむけてみました。
そうしたら、つとむくんの言っていることが大たいわかりました。
私はうれしくなりました。そのことがあってから手話にきょうみをもって、本でべん強
しています。
そんなことがあってから、どうぶつの言っていることも心の耳で聞いたらわかるときづ
きました。
ありの行れつをじつと見ていると仲間同しがしょっ角としょっ角を合わせて
「あっちに、あまくておいしそうなキャンディーがおちてるよ。」
「ほんと。あとでいってみるよ。」
という会話が聞こえてきます。
にわのうめの木にとまっているむく鳥は、
「きょうは、お日さまがポカポカしてねむくなっちゃうな。」
とひとりごとを言っています。
どんな生きものでも、心の耳で聞けば話していることがわかります。
心の耳をつかって、もっとたく山の友だちを作りたいな。
21.小さなことのできる人 KG(3年)
9才になった夕方、お母さんに
「どんな人間になってほしい。」
と聞いてみたら
「お便所のトイレットペーパーが無くなっていたら新しいのと取り変えるとか、お風呂場
の洗面器とかイス、石けんをすみに片付けて出て来るとか、見過ごしてしまいそうな小
さなことを人に言われなくても自然にできる人間になってほしい。」
と言ったので、
(何だ、そんな簡単な事か。)と思ってみたものの時間がたつにつれて、何でもない様な
ことだけど大変難しいことに気が付いて考え込んでしまいました。
お母さんが望んでいる人間になれたら地球制はしたのと同じぐらいの気持ちになるだろ
うなあと思った。
僕は、そんな人間になりたいなと思った。
22.思いやりとやさしさ KG(3年)
自分でも、あきれる程に兄弟げんかをしています。
その時、お父さんは、静かな口調で、
「自分にやさしく、相手に厳しくの考え方だから、いつまでたっても、けんかが続くんだ
ね。自分に厳しく、相手にやさしくの気持ちさえあれば、けんかもおこらないのにね。」
と言います。
また、お母さんと激しく口論している時も、お父さんは、
「相手に村しての不満を十、思っている事を全部言ってしまうのは簡単だけど、学人にも
欠点があるのだから、十の内六ぐらいで、とどめる思いやりがないと人間として失格だ
し、十、全部言ってしまったら、その人との関係は、終わりになってしまうよ。」
と言います。
お父さんの言葉は、いつも相手に対しての思いやりとやさしさがこめられているので、
僕自身の我がままに反省してしまうのです。そして、我がままいっぱいの僕の言葉に、お
母さんは、
「もう、知らない」
と言う時があるけれど、少し時間がたつと、何事もなかったかの様に、笑顔で会話が始ま
り、ミルク紅茶などを入れてくれたりして、僕の我がままを許してくれ、忘れてくれる事
に対して、心から感謝するのです。
戦争と平和…。
どちらが良くて悪いかはあまり世の中の事を知らない僕でも分かります。
でも何が戦争で、何が平和かと聞かれると、胸を張って答える事が出来ません。
とても恥ずかしい事です。
でも僕は両親から、自分に厳しく相手にやさしく。十を六でとどめる思いやりと相手の
欠点を不満を許してあげる、忘れてあげる事を教えてもらった事で、人と人との関係、国
と国との関係でも、ほのぼのした親子関係になる事ができたなら、平和で戦争などおこる
事がないし、地球の青さは、いま以上に美しく輝くと思います。
そして僕は、お父さん、お母さんからの一つ一つの言葉を、教えを忘れずに、また、嬉
しいときは一緒になって喜び、悲しい時は一緒になって涙して、当たり前の事だけど、そ
れが、ごく自然に表現できる青年に成長し、心から、お父さん、お母さんに、
「僕をここまで育ててくれてありがとう。」
と言える僕に、なっていきたいと思いました。
平和も、また、思いやりとやさしさのかたまりでできているものだと僕は、信じていま
す。
☆「心の危機を救え」梅原猛 光文社 1995年 ①(前半)【再掲載 2015.7】
<出版社の案内>
日本の教育現場はいま、危機に瀕している。多くの人びとにショックを与えたオウム真理
教の事件は、その象徴的なあらわれであろう。この危機を見過ごすことは哲学者としての
怠慢であると考える著者は、今日の行きすぎた自由、道徳的頽廃、価値基準の崩壊を憂え、
現代日本のあり方について語る。日本独自の文化を生み出すための心の教育論。
◇地蔵
仏教 - 地獄に堕ちた人間を救うのは地蔵のみ
◇道徳に対する懐疑
道徳的価値基準を与えたイデオロギー2回の崩壊
① 戦前 忠君愛国イデオロギー
② 戦後 マルクス主義的イデオロギー
↓
◎ 道徳懐疑主義
◎父親は教育を母親に任せた
- 大部分の母親は我が子の幸福のみを考えた
◇悪霊 ドストエフスキー
ネチャーエフ事件をテーマ
ルサンチマン(隠された怨恨)-罪の意識
無神論者
① 家庭の崩壊
② 自由思想
◇オウム真理教
麻原
ルサンチマン - 自分を捨てた父親に対する恨み
↓
※ 盲学校の生徒支配により憂さ晴らし
権力意識
東大法学部 × 宗教的世界の王者に
↓
・出家の概念を変える 財産強奪
・キリスト教の終末論を麻原流に変える
∥
※神は財産強奪と殺人肯定
→ 秩序破壊の神に
◎ 宗教的人格と権力意志・征服の意志
◇戦後教育がサリン事件を
戦後日本教育 - 日本を科学技術の発展した豊かな経済国家に
|
◎ 道徳心の教育の欠如
◇近代日本の教育
近代日本の成功
科学技術文明 + 近代化条件デモクラシー
↓
① 同質化された一億二千万人
二つの日本人 旧モンゴロイド(縄文系)
新モンゴロイド(弥生人)
② 道徳的倫理性の高さ
治安の良さ - 村の宗教的伝統(厳しさ)
③ 平均的知的水準の高さ
文化の移入
④ 平等思想
戦後日本社会も下克上
- 仏教の平等主義 聖徳太子以後 氏姓制の崩壊
↓
◎ 相続税の高さ
◇戦前の教育
小学校 修身教育
中学校 英語 数学 (近代西欧文明移入し国を強くする)
大学 法学部と工学部