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「世界一大きな火口、阿蘇山」(「社会科が好きになる5分間話」大原綾子 黎明書房 1981年 より) /「丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評」 丸谷才一 都市出版 2001年 ① ② 【再掲載 2017.4】 [読書記録 教育]

今回は、10月15日に続いて、大原綾子さんの『社会科が好きになる5分間話』より、
「世界一大きな火口、阿蘇山」を紹介します。



40年も前に出版された本ですが、社会科の授業で時々読んでいます。
楽しそうに聞いてくれますが、データが古く、話すには調整が必要です。


おもしろそうな話をまとめられた大原さんのご努力、うれしくなります。


今回は阿蘇の話ですが、子どもたちに読んだすぐ後で、
噴火のニュースがあったのには驚きました。


そういえば、はるか三十数年前、新婚旅行で行った際も、活動が活発になり、
近くまでいけなかったことを思い出しました。





もう一つ、再掲載となりますが、丸谷才一さんの
「丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評」①とその②を載せます。
昨日、先の土曜日の午後、区役所に期日前投票に行ったことを記しました。
実は、投票を終え、区役所の玄関に来たとき、3社ほど出口調査をしていました。
わたしは、○○新聞社のアンケートに答えましたが、投票先を正しくは伝えませんでした。
「嘘をつけ!」と何かの本で読み、なるほどと納得したからです。
だれの本から教えられたのだろうと調べたところ、丸谷才一さんの本書でした。

-「出口調査」は憲法違反であり選挙の楽しみを奪う

わたしのように大いに納得するのは、少数派なのでしょうか。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「世界一大きな火口、阿蘇山」(「社会科が好きになる5分間話」大原綾子 黎明書房 1981年 より)

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「阿蘇山の火口に、人が住んでいます」


「町もあり、村もあり、もちろん学校だってあります。」


「鉄道だってあるんですよ。」

といったら、だれでもびっくりするでしょうね。


 そうなのです。


 阿蘇山の火口には、町も村もあり、約6万人の人が住んでいます。


 といっても、今もけむりをはいて活動を続けている火口の中ではありません。


 阿蘇山は、初めに噴き出した大火山が、真ん中が落ち込んで火口原(カルデラ)になりま
した。


 これが東西17キロメートル、南北に24キロメートル、周りが80キロメートルもある
カルデラで世界一大きいのです。


 その後、カルデラの中央に、根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の5つの火山がで
きたのです。


 この5つの火山を阿蘇五岳と呼んでいます。


 阿蘇山が噴火したと、ニュースでいうことがあるでしょう。


 それは、中岳のことで、中岳は、今でも煙を吐き、時々噴火する危険な山です。


 このように、阿蘇山は、世界一大きいカルデラの中に、また火山があるのです。


 つまり、二重式火山なのです。


 外側の古い火口をとりまいているところを外輪山といいますが、その外輪山の中、カル
デラに人が住んでいるのです。


 カルデラは、真ん中に五岳ができたので、二つに分かれています。


 北側に二つの町、南側に一つの町といくつかの村があります。


 その町と村の人が全部で6万人もいて、古い火口の中で、煙を吐いている中岳や、その
他の山を見ながら生活しているのです。


 二つの鉄道もあるし、バスも通っているし、火口の中だといっても、ほかの生活と少し
も変わりません。


 それに、毎日のように大勢の人が、世界一大きい火口や、激しく活動している火山の様
子を見物するためにやってきます。


 中岳の火口を見るためには、火口の上までロープウェイでいくことができます。

 
 そのロープウェイは、121人乗りで、世界一大きなものです。


 世界一大きな火口の阿曽なら、その中のロープウェイまで世界一なのです。


 でも、中岳は、今までときどき爆発して、環境客が何人も死んだり、ケガをしたりしま
した。


 それで、爆発に備えて避難するところも建てられています。


 カルデラというものは、もとはポルトガル語で、なべとか、かまの意味のようです。


 ですから阿蘇は、世界一大きいおなべになります。


 そして、今も盛んに煙を噴き出し、中は、1000度という熱で煮えたぎっている中岳は
おなべの真ん中なのです。


 阿蘇山の高さは、阿蘇五岳のうち、一番高い高岳の高さをいいますが、どれくらいある
か知っていますか。


 1592メートルです。熊本のことを、昔、肥後の国いいました。ですから、ヒゴクニメ
ートルと読むと、覚えやすいでしょう。












☆「丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評」 丸谷才一 都市出版 2001年 ① 【再掲載 2017.4】

<出版社の案内>

日本の出版事情、野球映画、選挙報道、似顔絵、テレビのサッカー中継…。一つの議題を
元にして具体的に議論する鼎談集。ジャーナリズム志望者や関係者に批評の原点を示す。

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◇はじめに

『東京人』  誌上の座談会




◇草思社は出版の基本の形を示す 向井敏・諸井薫・丸谷才一
  
□草思社 

 ①雑誌を持たない 

 ②何でも来い(ベストセラーねらい)



□社長 加瀬昌男

 元『現代詩』編集長



□社員は未だに10人 

 ・全員でベストセラーを競う

 ・「出したい本」と「売れる本」づくり



□書名に演出

 『平気でうそをつく人たち』

『ツルはなぜ一本足で眠るのか』



□人脈を大切にする社風

  主題 + 人脈  → 自己啓発書手法



□草思社らしい品格はどこから生まれたか

  ポピュラーサイエンス 
    リチャード・ドーキンス『遺伝子の川』

  ポール・ディビス『宇宙最後の3分間』


  中年以上むきの編集



□アパレル業界でも成功 

 「アンヌ・モネ」ブランド



□読みやすい本 

  → 手を入れさせる 

  = 書き直し



□年に60冊ぐらい 

 ・テーマの厳選主義

 ・中味に手を掛ける



□広告はうまいが装幀はもう一つ

  文学は今一歩

  広告 … 題名そのものがキャッチフレーズ



□雑誌を出して損をする所が多い



□人数が少なくてうまくいっている

  出版社は巨大化してはいけない


  出版は蒸留酒ばかりではいけない
  → 地酒のような醸造酒を大切にしなければならない





◇野球映画の名作を選び野球小説についてひとこと 井上ひさし・豊田泰光・丸谷才一
   
□「打撃王」でG.クーパーの野球技術を測定する 

  打撃王 ルー・ゲーリック 


  背番号4 大学工学部卒 野球を捨てられず
  G.クーパーの野球技術はひどい



□日本で「くたばれジャイアンツ」

 「甦る熱球」1949 J.スチュワート

  義足投手 モンティ・ストラットンをモデルにした愛妻物語


 「くたばれヤンキース」1958 
    
    野球 + 映画 + ミュージカル



□最高におもしろいパロディ映画「春の珍事」

 「がんばれベアーズ」1976  W.マッソー T.オニール



□野球を童話或いは神話に仕立てた「ナチュラル」

 「ナチュラル」1984 

 「メジャーリーグ」1989



□過去を救済する「フィールド・オブ・ドリームス」

 「フィールド・オブ・ドリームズ」1989  
    御霊信仰的映画


 「ワン・カップ・オブ・コーヒー」1991
    どこまでも野球の道



□野球映画の行き詰まり「タイ・カップ」

 「タイ・カップ」1995 







☆「丸谷才一と22人の千年紀ジャーナリズム大合評」丸谷才一 都市出版 2001年 ②【再掲載 2017.4】

◇「筑摩 世界文学大系」は最後の世界文学全集か - 鹿島茂 沼野充義 丸谷才一
   
□ゲーテから美知子皇后までの世界文学 

 「世界名作選」美知子皇后 新潮社

   文庫と全集 全集はセット売り



□「筑摩 世界文学大系」 - 詩・戯曲・歴史・哲学まで



□どうして日本人は「人間と文学」が好きなのか

 日本人は人と文学が好き



□完結までの時間が不満を生んだ

商業性は? 損をしている



□「世界文学全集」

 ①読書指導性 

 ②祝祭性 

 ③家具


 教養主義が消えて残ったのは祝祭性のみ








◇「朝日ジャーナル」の運命と日本人の知識 丸谷才一

□1959「朝日ジャーナル」

大正期 「サンデー毎日」「週刊朝日」

 昭和21 「週刊新潮」

 昭和24 「週刊朝日ジャーナル」ターゲットは60年安保

      冷戦期の政治経済 - 高度成長時代

 岸田秀 「日本陸軍の軍事政権をそのまま延長すると北朝鮮になる」



極左 日本陸軍に対する憧れ



□ワイマール時代とは「圧縮された朝日ジャーナル」

 1965,1966年までは良かった 

 - 「思想の科学」へ



□探り損なった高級週刊誌の条件

 スターをつくらない雑誌
  - スターは立花隆のみ


 編集部の力



□近代日本知識人の哀れさを表現していた

 民主主義の民の程度が低かった
  「三十年一世代」





◇選挙報道はテレビと新聞のお祭り - 猪口邦子・黒岩徹・丸谷才一

□ジャーナリストは選挙と戦争が好き

  日本の芝居は父子相伝
   = 日本の芝居政治が博物館型


  職業人が選挙に出にくい構造になっている


  どんどん女性議員が出てきて二世議員の時代は終わる



□「世論調査」に嘘をつくのが選挙民の正しい選択

  イギリスはニヒリズム ←→ 日本は正直


  世論調査は遊びの一つ
   → もっと複雑な選挙政治的国民になれ



□新聞は言論で勝負できる



□日本の選挙は言葉の祝祭性もユーモアもない

  ◎政治は言葉が武器

   ~ 日本の政治ではもの凄く言葉が貧しい


 「粛々と」「不退転の決意」のオンパレード

  = 言葉に責任感がない


  選挙の時こそ言葉の祝祭性を!
   「自分の国の言葉で」


  言葉が生きていないから地盤・看板・鞄のオンパレード



□安全保障が最大の争点では国民は安心できない

  政策を引き出すのも政治の責任



◎「出口調査」は憲法違反であり選挙の楽しみを奪う

  ◎選挙の祝祭性を破壊している



  ◎嘘をつけ! 
    「自由で秘密の選挙?」 
    ◎人権侵害ではないか!


  村だったらわかる 
  
   ← マスコミが入り口にいるだけで影響



□選挙をおもしろくするためのジャーナリズム入門

  イギリス
    ~ 地方が候補者を選ぶ ブレア首相


  ◎日本の有権者は候補者に関する情報があまりに少ない

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