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「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑬ [読書記録 一般]

今回は 6月16日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門」、13回目の紹介です。



出版社の案内には、


「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
 代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
 のニッポン・オリジナル。」


とあります。



今回紹介するのは、「洋学」についてです。



今回紹介分から強く印象に残ったことばは…

・「洋学者は愛国者 = 学問の力で日本の生産力文化水準を押し上げたい」


・「洋学者2つのタイプ
   ① 研究家タイプ   ② 経世家(社会活動家)タイプ」


・「海保青陵(1755~1817)
  幕藩体制を崩さずに経済立て直し
  = 武士の君臣関係はビジネス的な契約関係だとの割り切り」




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☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑬

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◇洋学者二つのタイプ

□江戸初期 

 オランダ ~ 蘭学 

 → 後期 英仏も 洋学



□1720年 

 吉宗 洋書解禁 幕府財政建て直しのため



殖産興業が目的の史学「実学」
理系学問 医学・天文学・工学



□洋学者は愛国者 

 学問の力で日本の生産力文化水準を押し上げたい



現体制維持の朱子学者と対立
洋学者は反体制のイメージに

  医学・語学 前野良沢(1723~1803) 医学 杉田玄白(1733~1817)

  物理化学  平賀源内(1728~1779) 植物学 宇田川榕庵(1798~1846)

  天文学 志筑忠雄(1760~1806)


①研究家タイプ


②経世家(社会活動家)タイプ

渡辺崋山(1793~1841)
田原藩の家老 
   日本への危機感 → ヨーロッパ諸国との交流(国益)
   志向・社会観までも視野に
ヨーロッパの「自然科学優先の合理的発想」
  「人材の育成」
一流の画家 情熱的~政治犯
永蟄居~自殺
長男宛遺書「不忠不孝之父登」






◇武士が唱えた重商主義

□武士層の経済思想家



□本多利明(1743~1820)

 私塾 生涯浪人 市井の知識人

政府主導の経済で国の立て直し

人口問題に着眼 - 人々を食わす為の思想



 「官船による官営貿易」しか日本の庶民の窮状を救う道はない



 藩毎の自治を越えた中央集権的な統一国家



□海保青陵(1755~1817)

幕藩体制を崩さずに経済立て直し

武士の君臣関係はビジネス的な契約関係だとの割り切り

~「理」を経済学的に捉えた
  人の心も道徳も数値化できない(カネに換えられない)ものではない

 武士の意義とカネ
運上金(流通ルート管理)
藩専売制(特産品開発)



□本多海保

楽観的な平和主義者
  武力でなく経営能力 ~ 楽天的すぎる

 藩制に取り入れられず - 「忘れられた思想家」に
明治になって再評価

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