「大人になれないこの国の子供たち」町沢静夫 PHP 1999年 ② /山本夏彦さんはこんなことを④「私の岩波物語」文藝春秋 1994年②【再掲載 2018.2】 [読書記録 教育]
今回は、7月2日に続いて、町沢静夫さんの
「大人になれないこの国の子供たち」の紹介 2回目です。
出版社の案内には
「本書は、精神科医の視点から、今の子どもたちがいかに成熟を拒否し、
大人になる責任から逃れようとしているかを論じたものである。そも
そも大人になるとはどのようなことか。著者は4つのポイントをあげ
ている。まず、自己の内面や感情のコントロールができること。第二
に、独立心の獲得。第三に、人生の目標や計画を主体的に形成できる
こと。第四に、他人への思いやりや共感があることである。このよう
な点から見れば、現代の子ども(青年)たちがいかに幼稚であるかが
わかるだろう。そして数々の症例をもとに解説している。不登校の原
因、普通の子どもによる凶悪犯罪、行きすぎた潔癖主義、ボーダーラ
インと閉じこもり、拒食症と強迫神経症等々。 著者の考えでは、こ
れらの根本問題は『母子密着』をどう解決するかであると指摘する。
母性社会ニッポンのゆがんだ構造がみえてくるだろう。豊かな国の寂
しい子どもたちの心の危機がリアルに伝わってくる好著である。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「…彼等は既に中学生の段階で『自分の人生は決まっている』あるい
は『失敗している』と自分を悲観的に見ている」
・「ナイフを持つ少年の顕示欲 - 圧迫感と苦しさ
『自分はこんなものではない。もっと凄い人間なんだ。』」
・「小学校入学前の『初期のしつけ』で決まる
今の社会は大人,親が社会で活動するために,子どもが邪魔にな
り,ついには子どものしつけがおろそかになってしまうことが多い。
あるいはまた,単にものを与えればよいとして過保護による愛情だ
けで子どもに接する親が多い。」
・「大切なのは初期のしつけと子どもの集う場を設けること」
もう一つ、再掲載となりますが、山本夏彦さんの
「私の岩波物語」②を載せます。
山本夏彦さんの小気味いいリズムの文章がわたしは好きでした。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人になれないこの国の子供たち」町沢静夫 PHP 1999年 ②
◇豊かな国の寂しい子供たち(1)
□悲観的な中高生の心の実態
40%が「私はどんな人間か分からない」
◎きしみが中学生に集中している
→ 進路を決める分かれ目に
|
彼等は既に中学生の段階で「自分の人生は決まっている」
あるいは「失敗している」と自分を悲観的に見ている
1992年 全国調査
○40%がアイデンティティに苦しんでいる
○33%が「何かを決めるのは私には難しい」
○30%が「ときどき心がバラバラになるように感じる」
|
◎ 自分の判断力,心のまとまり,感情のまとまりがない
ナイフを持つ少年の顕示欲
学校が心の事由を奪う場所になっている - 圧迫感と苦しさ
ナイフ
「自分はこんなものではない。もっと凄い人間なんだ。」
ナイフにより追い込まれる - 人間の弱さ
中高生の疲労感,大学生の解放感
大学がディズニーランド化
創造的冒険をしない教師
学校は中世から聖域だった
→ 利益に結びついた
◎ 利益社会(ゲゼルシャフト)の中に組み込まれ,ゲマイン
シャフト(共同社会)を失った
◎ 日本の学校制度は徳川幕府と同じ → 民主主義とは?
小学校入学前の「初期のしつけ」で決まる
◎ 良い悪い(基本的なしつけ)を十分に
↑
今の社会は大人,親が社会で活動するために,子どもが邪
魔になり,ついには子どものしつけがおろそかになってしま
うことが多い。
あるいはまた,単にものを与えればよいとして過保護によ
る愛情だけで子どもに接する親が多い。
↓
◎ 先進国ではこの初期しつけの低下が大きな社会問題に!
【大切なのは】
① 親がしつけの大切さに気付くこと
② 子供が集い遊ぶ場を学校が十分提供すること
|
生きた勉強
○ 人との心の交わり方の学習
○ 否応なく感情をコントロールすること
|
◎ 初期のしつけと子どもの集う場を設けること
叱られただけで会社を辞めるひ弱な青年
ひ弱で批判に弱い青年をだれがつくり出したか
- 母子密着
= 教員
☆山本夏彦さんはこんなことを④「私の岩波物語」文藝春秋 1994年②【再掲載 2018.2】
<出版社の案内>
岩波書店、講談社、中央公論以下の版元から電通、博報堂など広告会社
まで、日本の言論を左右する面々の過去を、自ら主宰する雑誌『室内』
の回顧に仮託しつつ忌憚なく論じる。
◇暮れの二十九日だというのに
「当人論」
当人は自分の利益と見れば他人の島まで自分のだと言い張る
∥
健康な個人 健康な国家
すべての企業は損得で動く。モラルでは動かない。
◇建築雑誌というもの
昭和五十年小住宅ベスト10
清家清 吉阪隆正 篠原一男 吉村順三 桝沢洵 東孝光
菊竹清訓 池辺陽 西澤文隆 林雅子
◇電通世界一
マスコミの恥
= 恥を知れと言う言葉は他を攻撃するためだけであって決して自分
の内部には向かないもの
□花森安治
◎ 耳で聞いて分かる言葉を使え
◎ 全部ひらがなで書いてみてそのままで分かる言葉を使え
◎ いい文章を暗記せよ,写せ
◎ 英和辞典に出ている言葉は日本語だと思うな
□電通は言論を左右する力がある
日本が金持ちだとは思わないが平気で捨てられる時代になった
◇電通以前
□子どもに新聞を禁じる(大正末~昭和初)
新聞は嘘を書く、誇張する、好んで醜聞を掲げる
↓
◎ 読むなと言われれば読む
□電通
通信部が独立して
→ 同盟通信
→ 共同通信
広告部
(同盟広告部を吸収)1割5分の手数料
復員した社員を雇い人脈を生かした
◇筑摩書房の30年
小川菊松
誠文堂 明治45年
筑摩書房
売れなくても良い本なら出し,そのため潰れた。
千曲 から
◇作品社・文淵堂
古本屋こそ本屋の中の本屋
主人の眼鏡にかなった本だけ置いてある
◇赤本
江戸時代の言葉
絵双紙 お伽噺 双六 カルタ
↑
大正7年
「赤い鳥」 鈴木三重吉
昭和11年
「講談社の絵本」 野間
買い切り
◇菊池寛
流行作家
- 通俗小説家
→ ジャーナリスト
父帰る
真珠夫人
文藝春秋
∥
佐々木茂索(文春社長) 戦中和服
戦争が和服を滅ぼした
作者としてより編集者として有名
↓
池島信平
◇中央公論と改造文庫
滝田ちょくいん 千部の雑誌を四万部に
正宗白鳥 谷崎潤一郎 広津和郎 室生犀星 夏目漱石 徳富蘇峰
嶋中雄作
文庫
角川以後 在庫を持たないように
文庫の寿命1,2か月に
→ 中身の善し悪しを問わなくなった
「大人になれないこの国の子供たち」の紹介 2回目です。
出版社の案内には
「本書は、精神科医の視点から、今の子どもたちがいかに成熟を拒否し、
大人になる責任から逃れようとしているかを論じたものである。そも
そも大人になるとはどのようなことか。著者は4つのポイントをあげ
ている。まず、自己の内面や感情のコントロールができること。第二
に、独立心の獲得。第三に、人生の目標や計画を主体的に形成できる
こと。第四に、他人への思いやりや共感があることである。このよう
な点から見れば、現代の子ども(青年)たちがいかに幼稚であるかが
わかるだろう。そして数々の症例をもとに解説している。不登校の原
因、普通の子どもによる凶悪犯罪、行きすぎた潔癖主義、ボーダーラ
インと閉じこもり、拒食症と強迫神経症等々。 著者の考えでは、こ
れらの根本問題は『母子密着』をどう解決するかであると指摘する。
母性社会ニッポンのゆがんだ構造がみえてくるだろう。豊かな国の寂
しい子どもたちの心の危機がリアルに伝わってくる好著である。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「…彼等は既に中学生の段階で『自分の人生は決まっている』あるい
は『失敗している』と自分を悲観的に見ている」
・「ナイフを持つ少年の顕示欲 - 圧迫感と苦しさ
『自分はこんなものではない。もっと凄い人間なんだ。』」
・「小学校入学前の『初期のしつけ』で決まる
今の社会は大人,親が社会で活動するために,子どもが邪魔にな
り,ついには子どものしつけがおろそかになってしまうことが多い。
あるいはまた,単にものを与えればよいとして過保護による愛情だ
けで子どもに接する親が多い。」
・「大切なのは初期のしつけと子どもの集う場を設けること」
もう一つ、再掲載となりますが、山本夏彦さんの
「私の岩波物語」②を載せます。
山本夏彦さんの小気味いいリズムの文章がわたしは好きでした。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人になれないこの国の子供たち」町沢静夫 PHP 1999年 ②
◇豊かな国の寂しい子供たち(1)
□悲観的な中高生の心の実態
40%が「私はどんな人間か分からない」
◎きしみが中学生に集中している
→ 進路を決める分かれ目に
|
彼等は既に中学生の段階で「自分の人生は決まっている」
あるいは「失敗している」と自分を悲観的に見ている
1992年 全国調査
○40%がアイデンティティに苦しんでいる
○33%が「何かを決めるのは私には難しい」
○30%が「ときどき心がバラバラになるように感じる」
|
◎ 自分の判断力,心のまとまり,感情のまとまりがない
ナイフを持つ少年の顕示欲
学校が心の事由を奪う場所になっている - 圧迫感と苦しさ
ナイフ
「自分はこんなものではない。もっと凄い人間なんだ。」
ナイフにより追い込まれる - 人間の弱さ
中高生の疲労感,大学生の解放感
大学がディズニーランド化
創造的冒険をしない教師
学校は中世から聖域だった
→ 利益に結びついた
◎ 利益社会(ゲゼルシャフト)の中に組み込まれ,ゲマイン
シャフト(共同社会)を失った
◎ 日本の学校制度は徳川幕府と同じ → 民主主義とは?
小学校入学前の「初期のしつけ」で決まる
◎ 良い悪い(基本的なしつけ)を十分に
↑
今の社会は大人,親が社会で活動するために,子どもが邪
魔になり,ついには子どものしつけがおろそかになってしま
うことが多い。
あるいはまた,単にものを与えればよいとして過保護によ
る愛情だけで子どもに接する親が多い。
↓
◎ 先進国ではこの初期しつけの低下が大きな社会問題に!
【大切なのは】
① 親がしつけの大切さに気付くこと
② 子供が集い遊ぶ場を学校が十分提供すること
|
生きた勉強
○ 人との心の交わり方の学習
○ 否応なく感情をコントロールすること
|
◎ 初期のしつけと子どもの集う場を設けること
叱られただけで会社を辞めるひ弱な青年
ひ弱で批判に弱い青年をだれがつくり出したか
- 母子密着
= 教員
☆山本夏彦さんはこんなことを④「私の岩波物語」文藝春秋 1994年②【再掲載 2018.2】
<出版社の案内>
岩波書店、講談社、中央公論以下の版元から電通、博報堂など広告会社
まで、日本の言論を左右する面々の過去を、自ら主宰する雑誌『室内』
の回顧に仮託しつつ忌憚なく論じる。
◇暮れの二十九日だというのに
「当人論」
当人は自分の利益と見れば他人の島まで自分のだと言い張る
∥
健康な個人 健康な国家
すべての企業は損得で動く。モラルでは動かない。
◇建築雑誌というもの
昭和五十年小住宅ベスト10
清家清 吉阪隆正 篠原一男 吉村順三 桝沢洵 東孝光
菊竹清訓 池辺陽 西澤文隆 林雅子
◇電通世界一
マスコミの恥
= 恥を知れと言う言葉は他を攻撃するためだけであって決して自分
の内部には向かないもの
□花森安治
◎ 耳で聞いて分かる言葉を使え
◎ 全部ひらがなで書いてみてそのままで分かる言葉を使え
◎ いい文章を暗記せよ,写せ
◎ 英和辞典に出ている言葉は日本語だと思うな
□電通は言論を左右する力がある
日本が金持ちだとは思わないが平気で捨てられる時代になった
◇電通以前
□子どもに新聞を禁じる(大正末~昭和初)
新聞は嘘を書く、誇張する、好んで醜聞を掲げる
↓
◎ 読むなと言われれば読む
□電通
通信部が独立して
→ 同盟通信
→ 共同通信
広告部
(同盟広告部を吸収)1割5分の手数料
復員した社員を雇い人脈を生かした
◇筑摩書房の30年
小川菊松
誠文堂 明治45年
筑摩書房
売れなくても良い本なら出し,そのため潰れた。
千曲 から
◇作品社・文淵堂
古本屋こそ本屋の中の本屋
主人の眼鏡にかなった本だけ置いてある
◇赤本
江戸時代の言葉
絵双紙 お伽噺 双六 カルタ
↑
大正7年
「赤い鳥」 鈴木三重吉
昭和11年
「講談社の絵本」 野間
買い切り
◇菊池寛
流行作家
- 通俗小説家
→ ジャーナリスト
父帰る
真珠夫人
文藝春秋
∥
佐々木茂索(文春社長) 戦中和服
戦争が和服を滅ぼした
作者としてより編集者として有名
↓
池島信平
◇中央公論と改造文庫
滝田ちょくいん 千部の雑誌を四万部に
正宗白鳥 谷崎潤一郎 広津和郎 室生犀星 夏目漱石 徳富蘇峰
嶋中雄作
文庫
角川以後 在庫を持たないように
文庫の寿命1,2か月に
→ 中身の善し悪しを問わなくなった