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鷲田小彌太さんはこんなことを ②-「本はこう買えこう読めこう使え」大和書房 1996年(2) /「教育本44」佐藤学 平凡社 2001年 ⑦【再掲載 2016.4】 [読書記録 一般]

今回は、7月7日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」2回目、
「本はこう買えこう読めこう使え」の紹介 2回目です。




出版社の案内には

「道具として役に立つ読書。元気が出る読書。普段着の読書。この三つ
 のテーマのもとに、情報化社会の現代のための実践的『本』の活用法
 を説く。明るく、迅速かつ積極的に生きるための読書術。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「応神系と継体系の交替で王位継承の約束をしたが、応神の子欽明
(=稲目)がクーデターで王位に立ち、以後応神系が独占した。」


・「継体系の中大兄皇子(後の天智天皇)が大化の改新。壬申の乱で
大海人皇子側が勝利し天武天皇になった。その後、天武天皇から
持統(天智の娘)天皇に。これらのことを正直に記紀に載せなか
  った」


・「内藤湖南が『日本文化史研究』(講談社学術文庫)の中で応仁の乱
で『貴族の文化・政治・経済』が完全に潰れたとする」


・「網野善彦が中世は暗黒でも停滞でもない活発自由な時代だとし、
日本は米一元の社会とする説を批判した。」



もう一つ、再掲載となりますが、佐藤学さんの
「教育本44」⑦を載せます。
佐藤学さんの教育名著解説を読むことができます。



今日は自治会の側溝掃除が予定されています。
天気が心配です。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆鷲田小彌太さんはこんなことを ②-「本はこう買えこう読めこう使え」大和書房 1996年(2)

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◇歴史が分かる本

□日本史の教科書を忘れよう
 
 天皇家の不思議 - 石渡信一郎『蘇我王朝と天武天皇』(三一書房)
大王家の実体
崇神天皇が百済の王族を婿 = 応神(武)にした
応神の弟 = 継体が次の天皇に

◎応神系と継体系の交替で王位継承の約束
しかし,応神の子欽明(=稲目)がクーデターで王位に
     → 以後応神系が独占

   応神系が王位独占 
     用明 = 馬子 = 聖徳太子
蝦夷 入鹿
↑↓
継体系の中大兄皇子(後の天智天皇)が大化の改新
唐を背景に
中大兄皇子(天智)と大海人皇子(天武)との関係

中大兄皇子は668年やっと即位 671年没

直ちに天智の子大友皇子(後の弘文天皇)が即位

  大海人皇子と大乱 = 壬申の乱

   大海人皇子側が勝利し天武天皇に
  天武天皇から持統(天智の娘)天皇に

◎これらを正直に記紀に載せなかった


□応仁の乱で日本が変わる
日本史の断絶 応仁の乱(1467)
山崎正和『室町記』(朝日新聞社)
内藤湖南が『日本文化史研究』(講談社学術文庫)の中で応仁の
   乱で「貴族の文化・政治・経済」が完全に潰れたとする

応仁の乱以降
 歌舞伎,能,お茶,お花,俳句,着物
= 中国との関係が切れる

◎日本独自のもの
ヨーロッパと同様の経済的政治的発展 = アジア離れ

  戦国時代
    日本はポルトガル,スペインのヨーロッパと出会う
= 日本の近代化
明治の近代化は二回目の近代化

  山本七平『日本革命の哲学』(PHP文庫)


□江戸時代とは何か
古代天皇の不思議 
    日本歴史まっぷたつ
大石慎三郎『江戸時代』(中公新書)
純然たる鎖国主義
        島国根性 → 地域主義(ローかリズム)

◎ 今日を生きればそれでよい


□歴史小説を読もう
 歴史は物語である
司馬遼太郎『国盗り物語』斎藤道三

司馬史観とは何か『坂の上の雲』

  秀吉の人間通に何を学ぶか
人間で一番恐ろしいのは嫉妬
秀吉 ~ 自分を茶化すことで嫉妬から逃れた
『新史太閤記』(新潮文庫)

◎ 日本に愛嬌を!


□日本歴史の総体を読み解く基本文献を持とう
日本とは何か日本人の伝統(アイデンティティ)とは何か
 『日本史から見た日本人』渡部昇一(祥伝社)
 『日本外史』      頼山陽(岩波文庫)
 『二千五百年史』    竹越与三郎(講談社学術文庫)

  伝統イメージからの脱却
戦後歴史観
      邪馬台国 = 瑞穂の国 = 単一民族 = 大和朝廷 = 皇室
↑↓
網野善彦(マルキスト)打ち破る
『日本論の視座』小学館
中世は暗黒でも停滞でもない活発自由な時代

『無縁・公界・楽』平凡社
◎ 日本 = 米一元社会説批判

  日本通史の最良の文献
小西甚一『日本文藝史』講談社
『日本文学史』講談社学術文庫

◎ 自分とは何なのか? 
    ◎ 日本と日本人とは何なのか?
 







☆「教育本44」佐藤学 平凡社 2001年 ⑦【再掲載 2016.4】

<出版社の案内>
新しい教育改革の実現が叫ばれている今こそ、問題を考えるヒントが
いっぱい詰まった名著の数々を読み直す必要がある。教育学者、佐藤
学が44冊を厳選!必読のブックガイド
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◇津守真『保育者の地平』 1926~ (出版当時=ハマコウ註)
 「育つ-育てられる」営みを共生の理論で省察
 実践者の保育学へ
     「津守式発達検査」発達検査の指標
  
   保育者の行為とは何か? 
   「存在感」「能動性」「自我」
     「出会う、交わる-表現と理解、現在を形成する、省察する」


◇稲垣忠彦『授業研究の歩み』 1960~1995
 現場に即した授業研究を支える精神は何か

   授業研究の科学化で失われたもの
  「授業研究栄えて授業滅ぶ」

   TC(先生と子ども)授業記録
    → 私的な感情や個性の喪失

   ・授業研究栄えて授業滅ぶ有名を失った子供
・個性を喪失した教師

  ◎ 抽象化され具体性を喪失した授業

   愚直なまでの具体性への執着と学問的先駆性
   教師の専門性と創造性と自立性の確立を目的とする授業研究
    |
  稲垣
     「教師たちの学びの実践の事実に学んだ」

   教職の専門性と自立性の樹立へ
   教職の専門性と自立性の樹立
     → 「子供中心の教育」「個性解放の教育」

   「一人でもできることはいくらでもある」

◎ 一人でもできることを、一人一人が教室で実践し続けること、
    それ以外に教育の未来を拓く道はない


◇アリエス『<子供>の誕生』
「子供期」の発見と学校家族の変容

   17世紀に発見された「子供期」
     中世では子供期という概念は存在しなかった
      = 老いも若きも共存
     ↓
  17世紀に大人と隔離 → 規律の導入

   近代家族の形成
   17世紀まで  共同体の中での生活の比重大
  17世紀以降  共同体の中での比重低下+家族意識

  18世紀 「近代家族」の形成

  親密さとアイデンティティの欲求に対応
「社会との間に距離を持ち始め、絶え間なく拡大していく個人
     生活の枠外に社会を押し出す」

 ◎ 家族と共同体に境界線
    一家団欒、プライバシー、孤独
  
   近代社会の産物を歴史の中で捉える 
  家族も学校教育も近代社会の産物に過ぎない
   |
    子供の見方そのものが既に歴史的に規定されているもの

   ◎ 今日の家族や親子関係が絶対的なものではなく歴史の中
     で代わりうるものだ!

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