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鷲田小彌太さんはこんなことを ④-「『本』はこう買え!こう読め!こう使え!」大和書房 1996年 (4) /「学習内容は知ってはいるが」 藤森徹氏 [読書記録 一般]

今回は、7月13日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」4回目、
「本はこう買えこう読めこう使え」の紹介 4回目です。




出版社の案内には

「道具として役に立つ読書。元気が出る読書。普段着の読書。この三つ
 のテーマのもとに、情報化社会の現代のための実践的『本』の活用法
 を説く。明るく、迅速かつ積極的に生きるための読書術。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「子供概念は近代社会において初めて生まれた
それまでは子供 = 小さな大人」


・「肉親というのは,底の底まで結びついているから,それを難しい表
  現をとってしか人々に表せない」


・「家族は限りなくクローズされたもの。トップシークレットは夫婦
の間で行われる性的行為、公表してはいけないものとされている。
わざわざ口にする人はすでに夫婦でなくなっている証拠」


・「家族とは? 社会とは?
  家族 = パーソナル - シークレット - クローズド
社会 = ソーシャル - パブリック  - オープン」




もう一つ、わたしの大先輩、藤森徹先生の
「学習内容は知っているが」を載せます。
30年以上も前に教えていただいたことですが、今でも大事にされる
べきことだと思っています。
還暦を過ぎた私は、今でも年に何回か訪ねて教えを受けております。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆鷲田小彌太さんはこんなことを ④-「『本』はこう買え!こう読め!こう使え!」大和書房 1996年 

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◇家族が分かる本

□家族を語ることは難しい
アリストテレス
    「人間は社会的動物である」

  吉本隆明
    「家族は共同幻想(対他関係)や自己幻想(対自関係)と違う独
     自自な対幻想(対関係)の世界である」

     ◎ どう語る場合も中世的,暴露的


□家族を考える三つの視点
三視点 
     ① 何によって結びついているか(本質論)
② 家族崩壊の危機
③ 家族の何が崩壊するか

   近親相姦の禁
     インセント・タブー
  
   レヴィ・ストロース
     『親族の構造』番町書房
① エディプス・コンプレックス 
          オディプスの神話
② 経済システム 
          結婚は「交換」他の親族の女と交換して価値

◎ 近親相姦の禁は人間を人間たらしめる本質


□生産が家族を結びつけた
エンゲルス
     家族 = 生産活動と生殖活動

   子供概念は近代社会において初めて生まれた

◎それまでは子供 = 小さな大人 
大人 = 「働く人」

   柳田国男
     『時代ト農政』ちくま文庫
家族労働を主体とした家族

◎ 近代化 = 「故郷殺し」「家殺し」


□親子という特別な結びつき
向田邦子
     『父の詫び状』文春文庫

   室生犀星
     『あにいもうと』講談社学芸文庫

◎ 肉親というのは,底の底まで結びついているから,それを難
    しい表現をとってしか人々に表せない


□家族が崩壊する
「自然」の崩壊
  古い家族が崩壊してしまっている
江藤淳
       『成熟と喪失-「母」の崩壊』河出書房新社
安岡章太郎
       『海辺の光景』角川文庫
小島信夫
       『抱擁家族』講談社文藝文庫

   ◎ 家族の崩壊
       「母」(=自然)の崩壊
1960年代 
       日本の姿が変わる
母親が自分のパンツを人前にさらしても平気になった

◎ 母親と息子との関係がダメになっていく
→ ただの人間関係に

   産まない性
     増田みず子 『シングル・セル』ベネッセ

   脱家族の可能性
     開高健『夏の闇』新潮文庫

   ◎ 男と女の役割の逆転現象


□家族の可能性と不可能性
家族の中のエロス的関係
家族は限りなくクローズされたもの = 秘密
トップシークレットは夫婦の間で行われる性的行為

公表してはいけないもの
◎ 口にする人はすでに夫婦でなくなっている証拠

   小浜逸郎
     『可能性としての家族』大和書房
家族論として世界的な水準
理論的原型は吉本隆明
エロス的関係「二人のもの」
      
   『道程』に見る高村光太郎の生き方
高村光太郎『道程』角川文庫
父は高村光雲
        脱社会・脱自然
没交渉 智恵子と二人だけのエロス的関係

◎批判
        「エゴイスト」「人非人」「反社会的」

智恵子が精神障害
エロス的関係から医者の立場に
◎家族 パーソナル シークレット クローズド
◎社会 ソーシャル パブリック  オープン

  血を媒介としない家族
森谷今日子『フレンズ』青弓社









☆「学習内容は知ってはいるが」 藤森徹氏


 小学校の先生方は、大学を卒業し、学士号を持っています。


 だから、小学校の学習(教科書)内容は、理解していて当然です。そ
の内容のテストを行えば、先生方は100点を取ることでしょう。


 にもかかわらず、授業で悩んでいる人を見かけます。


 先生方が、分かっていること、知っていることを教えるだけなのに、
苦しんでいる人を見かけます。


 どこに原因があるのでしょうか。


 学士の立場から、学習(教科書)内容を一目見れば理解してしまうた
めに、授業を気楽に考えているのではないでしょうか。


 指導のコツは、どこにあるのでしょうか。

1 子供には、憧れたもの、いいものを真似したい、先生の真似をした
 いという特性があります

  この特性を生かしたいものです。

 (名をなした芸術家・技術者・技能者・スポーツ選手・料理人たちは、
  先代・先輩のまねから入り自分らしさを確立していく。「先輩の技
  を盗め」も、まず真似よということ。)

  教師のすばらしい技(朗読、板書、師範など)を見せることです。


2 どの子も先生に認めてもらいたいという気持ちを持っています。

  まず、良い行動、良い考えなど、見抜く目を養うことです。

  次に、どんな方法で認めたり、称揚するか考えることです。

  話し言葉か、書き言葉か。私は書き言葉を多用しました。

  「ほめて育てる」、指導のポイントではないでしょうか。


3 どの子もしゃべりたい(発言したい)気持ちを持っています。

  話のさせ方を工夫することです。
   
  まず、一人一日1回以上発表に挑戦。

  発表回数の記録。
   
  次に、授業の中で同じ内容でも「僕も同じ考えだけど」を頭に付け
 て発言させる。
   
  更に、「Aさんの考えに付け足しますが‥・」「Bさんに質問します
 が‥」「AさんとBさんの考えをまとめると‥」のような発言ができ
 るようにしていきたい。


4 学習内容の指導ステップ(指導手順)を間違わないことです。

  そのためには、先達に聞いたり、教育番(指導要領、研究図番など)
 を読んだりして勉強することです。
   
  系統化したり構造化したりして学習内容を熟知することです。
   
  つまずいている子など、その子に合った指導手順を考えておくことです。

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