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「発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編」上野一彦・月森久江 ナツメ社 2010年 ① /「大人がいない」清水義範 ちくま新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2014.12】 [読書記録 教育]

今回は、上野一彦さん、月森久江さんの
「発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編」の紹介 1回目です。



出版社の紹介には


「本書は、発達障害のある子どもたちへの適切な支援法や対処法につい
 て、小学校で日常的に起こりうる様々な具体例を取り上げながら、豊
 富なイラストとともに解説しました。学校と家庭が、連携しながらサ
 ポートするためのヒントも紹介しています。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「対応の基本は? 本人に悪意はないことを理解する。課題をたくさ
  ん与えるよりも本人に合った支援をする。できないことを責めるの
ではなく、手がかりやヒントを与える」
-  どの子どもにも当てはまることですね。


・「障碍に悩む子どもには、特性を認め、つまずいている部分について
は支援し、小さな成果でも褒めることを心がけたい」


・「発達障がいは脳内の情報処理システムに未発達な部分があることで
起こる。しかし、原因は分からない。そのため、現在、根治させる
方法はない」


・「大切なのは、適切な理解と指導によって改善を図ることと、そのま
ま支援をしないことによる二次障害を起こさないこと」




もう一つ、再掲載になりますが、清水義範さんの
「大人がいない」②を載せます。




☆「発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編」上野一彦・月森久江 ナツメ社 2010年 ①

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◇こんな子いませんか?
落ち着きがない  
    多動、忘れ物多 話をしっかり聞けない 
    ADHD

文を読むのが苦手 たどたどしい音読 なぞる       
    LD

  状況に応じた行動が取れない 
    人の意図・気持ちを汲めない 
    アスペルガー含む自閉症


◇こんなとき、どう対応?
感情的に叱る
   → 本人に悪意はない

  課題をたくさん与える
   → 本人に合った支援

  できないことを責める
   → 手がかりやヒントを!


◇子どもの立場は?
「こわい子」と敬遠される

「困った子」という目で見られる

遊びの輪に入れず孤立する

ポイント
    ① 特性を認める
    ② つまずいている部分を支援する
    ③ 小さな成果でも褒める


◇はじめに
  2007年 特別支援教育が制度化
          
  本書
    小学校通常学級に在籍する発達障害児の指導

 
◇発達障害のある子どもたちとは?
発達障害とは?  
    脳機能に不具合
     ~ クラスに2~3人(約6%)
LD4.5% ADHD2.5% 高機能自閉症0.8%

  種類
   ① LD
      「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」など
得意・不得意の落差が極端に大

   ② ADHD
      ⅰ 不注意優位型 
      ⅱ 多動性・衝動性優位型
      ⅲ 混合型

   ③ 自閉症 
       対人関係形成困難、言葉の発達の遅れ、こだわりが強く
      創造することが苦手
7~8割が知的遅れを伴う
      2~3割が知的障害がない (高機能自閉症)

  接し方の基本
    ○ 診断名にとらわれない 
    ○ できることから少しずつ
○ 特性と許容する      
    ○ 自尊感情を傷つけない

  発達障がいは「治る」?
 発達障がいは脳内の情報処理システムに未発達な部分がある
    ことで起こる。しかし、原因は分からない。
 
   → 根治させる方法はない
   ◎ しかし、障がいに早く気付き適切な「治療教育(療育)」を
    行い、日常における子どもへの接し方を親や先生たちが配慮
    すれば、いろいろなことができるようになるし、問題行動も
    減る

  大切
    ① 適切な理解と指導によって改善を図る
② 二次障害を起こさない





☆「大人がいない」清水義範 ちくま新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2014.12】

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◇お子様たちの文化
アニメとゲームの王国 
    「オタク」は国際語
     日本はお子様文化のリーダー
一生おもちゃで遊ぶ 
    おもちゃ文化・おまけ文化
「萌え」は未熟さを好むこと 
子ども文化で世界をリード 
    近頃の日本は国中が遊園地のよう


◇社会現象の幼児化
成人式に成人がいない矛盾
    テレビが騒動を誘発する
携帯電話はドラえもんのポケット
    すべてをおもちゃにしてしまう
     - 絵文字
かわいらしい国
    - 根付けとストラップ


◇「大人でない」が社会を蝕む
大人の判断力が失われていく
2チャンネルの恐ろしさ 
    匿名で自由に発信 
     - 悪意・独善・横暴 = 不機嫌な人々
「自己責任」という子どもの批判  
  教師と父母の不毛の対立
大人でないまま親になると言うこと
  経済的に豊かになると人間は成長しない生き方を選ぶ
→ つまり「大人」にならないまま生きようとする


◇社会の中で「大人」であること
社会の中で個人の確立
   「個人であることは闘い」
大人と子どもの正しい対立


◇「坊ちゃん」考
坊ちゃんは四国で社会に触れる
なぜ「坊ちゃん」なのか 
    坊ちゃん
     = 永久に大人にならなくていい人間
坊ちゃんは次男
「大人」と「大人でない」の対立
  

◇「大人」が必要な苦況の時代
聡いのは知恵ではない 
    高齢化と少子化の社会
苦しさを乗りこえられるのが大人
バランスのとれた健全な社会
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