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「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ④ /「学校の社会力」門脇厚司 朝日新聞社 2002年 ①【再掲載 2015.8】 [読書記録 一般]

今回は、1月13日に続いて、木村尚三郎さんの
「歴史の風景」の紹介 4回目です。



出版社の紹介には


「『進歩と発展』から『調和と連帯』へ、『技術』より『いのち』へ、
 歴史への問いかけが、始まるとき-。創文社の月刊パンフレット
 『創文』の連載に、各年を回想するエッセイ、簡単な年表と著者の
 出来事を添えてまとめる。」

 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「自らの原点が単純であればあるほど豊かな世界が開かれていく」


・「例えば右足を前に一歩出したとき、何も動いていない左足の方は非
番かというとそんなことはない。左足が足を地に着け、右足が踏み
  み出しやすいようにたすけているからだ。 -  作家 長谷川伸」


・「寅さんの映画には、悲しくも美しい日本の風景の美学がそこにあっ
た。懐かしいだけでなく今後掘り起こし、創造し世界にひろめてい
  くべき21世紀の心と風景」


・「生き生きとした知恵こそ必要」




もう一つ、再掲載になりますが、門脇厚司さんの
「学校の社会力」①を載せます。
現在の学校現場が、「だらしない収容所」と言われるようになったのは、
門脇さんの言葉に示されているのではないかと思います。

- かつては家庭・地域の下組織がしっかりしていたから学校の教育力
 が高かったのである。家庭・地域の濃密な人間関係が社会の大本であ
 ると考える。現在(出版当時)は、学習意欲減退,ゲームフリーク,不
 登校など、社会力の大本が育っていない人間に教科授業を施している
 ということができる。教師の質と量を高めれば学校の教育力を向上さ
 せるかと聞かれれば、否と言うだろう





☆「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ④

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◇少則得、多則惑
情報化時代 
   - 現代に対する痛烈な批判
「老子」
   -「少なければ則ち得、多ければ則ち惑う」 
  情報・学問についても正しい
  ◎ 自らの原点が単純であればあるほど豊かな世界が開かれていく


◇左足
  例えば右足を前に一歩出したとき、何も動いていない左足の方は
  非番かというとそんなことはない。左足が足を地に着け、右足が踏
  み出しやすいようにたすけているからだ。             作家 長谷川伸(1884~1963)
  ◎ すべては「右足」と「左足」
         歴史   現在
         日本   外国
  ◎ 互いにたすけあい、奉仕し合いながら認識を深め合う


◇地上3㎝
現実と非現実の境界


◇公時計から私時計へ
天智10(671)年 「漏刻」日本書紀
前近代  
     - 共同体の「全体の時間」に自分の生活に合わせた
    近現代
     - 「全体の時間」からの解放 「時間の私化」 

かつて「全体の時間」
教会の鐘、市庁舎・駅の大時計、自鳴鐘、城内や町の時鐘
家々のボンボン時計(柱時計)

◎ 「聞く公時計」

◎ 「見る私時計」
電子機器が「私時間」の限りない拡大を可能にする


◇かりそめの集い
  小室哲哉 
    「歌って踊れるカラオケ」
    野菜サラダの風味

歌詞にも曲調にも一見の明るさ、激しさとは裏腹に一種の悲
    しみすら漂っている
◎ 今の青少年が全身で体験しつつあるのは「時代の不安」


◇「寅さん」
渥美清 1996.8没
悲しくも美しい日本の風景の美学がそこにあった
          |
      懐かしいだけでなく今後掘り起こし、創造し世界にひろめ
     ていくべき21世紀の心と風景 


◇驚くことから始まる
愛と驚き
   ~ 神秘主義者
       |
  ◎ 生き生きとした知恵こそ「必要」  






☆「学校の社会力」門脇厚司 朝日新聞社 2002年 ①【再掲載 2015.8】

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◇門脇厚司 
  1940年 中国青島生 
  東京教育大学大学院・教育学博士 「教育社会学」
  淑徳大講師 
   → 日本経済新聞社 
   → 東京教育大学講師 助教授
   → 筑波大助教授
   → 筑波大教授



◇はじめに
社会的動物として欠かせない資質や能力が不十分な子の増加
          ∥
  「社会力」の欠如
  他人の存在に全く関心を持たない,愛着がない
不登校14万人 引きこもり100万人とされる
10代3割 
            20代4割 
30代2割
  <原因> 
    メカやモノがあふれ,結果として子どもたちの物理的な自立が
   進み,その分,生きた人間,とりわけ大人達と直接関わる機会を
   著しくなくしたことが原因(門脇)
  |
    若者や子どもたちの社会力の衰弱が,これからの多難な時代障
   害となる
  ↑
<対策> 
    教師の質と量を高め学校の教育力を向上させる?
※門脇 「ノー」
◎家庭・地域の下組織がしっかりしていたからこそ
= 家庭・地域の濃密な人間関係が社会の大本
    ◎社会力の大本が育っていない人間に教科授業を施している
     → 学習意欲減退,ゲームフリーク,不登校

    ◎ わたしたち大人一人一人が,家で地域で学校で職場で子ど
     もたちや若者たちにきっちりと関わることで,意図的な教育
     の下地となる社会力を育てる方向に大きく梶を切ること。
||
    ◎ ヒトの子は人間との交わりの中でしか社会生活をスムーズ
     に営めるような人間にはなれない 
 ◎ 子どもの人間形成にとって本当に必要な大人の関わり
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