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キーワード 読書について57-「子どもの本の作家たち」西本鶏介 東京書籍 1982年(1) / 読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを ⑰-「愛する勇気が湧いてくる本」 三笠書房 1998年 ⑤【再掲載 2014.9】 [読書記録 一般]

今回は、11月27日に続いて、
「キーワード 読書について」57回目、
「子どもの本の作家たち」の紹介 1回目です。


およそ40年前の本ですが、わたしにはピンポイント‥
それからわたしがあまり進んでいないことが分かります。

今回は、石森延男さん、椋鳩十さんの項の要約です。


出版社の案内には、

「リアリズム小説、ファンタジー、幼年童話等、さまざまなジャンルに
 わたる作家たちの作風を、作家ごとにエピソードをまじえながら豊富
 な作品解説によって描く、現代児童文学作家・作品論。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「人生の教師としての文学」


・「心の地下水を掘り当てよう。地下水はどこにでもつながるから。」

・「山窩小説『鷲の唄』は反戦のことをひとことも書かずに生命のすば
らしさを教えてくれる」


・「椋鳩十さんは鹿児島県立図書館長を務め、昭和34年からは『母と
子の20分間読書運動』を進めた」



もう一つ、再掲載になりますが、遠藤周作さんの
「愛する勇気がわいてくる本」⑤を紹介します。




☆キーワード 読書について57-「子どもの本の作家たち」西本鶏介 東京書籍 1982年(1)

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◇石森延男
  「人生の教師としての文学」
 戦後十年
       「赤とんぼ」「銀河」「子どもの広場」「少年少女」

「冒険王」「漫画王」「おもしろブック」「太陽少年」

  昭和32年 
    「コタンの口笛」救世主-第一回未明文学賞(昭和33年)
第五回サンケイ児童出版文化賞
差別貧困
      - はち切れそうな明るさ
→ 人間の本質に根ざした思い怒り

  石森延男 
    明治30年生 北海道 キリスト教に帰依
「石森芸術は家の血脈親子の愛情をその純粋な力としている」
大正5年   札幌師範卒 
            → 市内小学校へ
大正8年   東京高等師範
大正12年 東京高等師範卒 
            → 愛知県成章中学校
大正15年   渡満 
            → 教科書づくりに没頭
GHQ    公職追放にならず
毎日のように司令部通う 
             国語教科書づくりを訴える
昭和23年 最後の国定教科書(文部省へ)
「わかれ道」「白い手袋」「ぼくとなこちゃん」
昭和25年  文部省退官
昭和26年  昭和女子大教授
「コタンの口笛」
           「パトラとルミナ」
「親子牛」
           「ラバンドの死」
「パンのみやげ話」

※ 自らの自然に対する澄んだ目と人間に対する深いいたわりあい
   「心の地下水を掘り当てよう。地下水はどこにでもつながるから。」

 
◇椋鳩十
「ヒューマニズム溢れる動物文学」
「月の輪熊」「片耳の大鹿」
  平明で格調の高い文章 
     人間と動物の葛藤をヒューマンタッチでドラマチックに
      → 生命の尊さ
 昭和13年 「少年倶楽部」に「山の太郎熊」
 厳しい自然の掟の中で勇気をふるい知恵を持って
         生きようとする動物のありのままの姿
戦時中
         「大造じいさんと雁」
         「月の輪熊」
         「金色の川」
日本アルプスの麓の村生まれ 家業は牧場経営
昭和8年 山窩小説「鷲の唄」
反戦のことを一言も書かずに生命のすばらしさを
         教えてくれる
「マヤの一生」
       昭和45年
        = 第一回赤い鳥文学賞
静の文学の代表作
「白いオウム」
       オウムと猫の愛情 
       昭和33年
「カワウソの海」
           科学物語 + 動物小説
椋鳩十(久保田彦穂)
明治38年 下伊那郡喬木村阿島生まれ
飯田中 → 法政大
卒業後 鹿児島県に 
                県立加治木高等女子校教師
※ 教師と作家
昭和22年 鹿児島県立図書館長
昭和34年「母と子の20分間読書運動」
昭和42~53年
鹿児島女子短大教授
昭和56年 椋鳩十全集(ポプラ社)







☆読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」⑰-「愛する勇気が湧いてくる本」 三笠書房 1998年 ⑤【再掲載 2014.9】 

[出版社の案内]
遠藤周作が、ときに軽妙に、ときに深遠に語る愛の本質。その作品から
愛に関わる言葉を抜き出してまとめた一冊。恋をしている人、嫉妬に苦
しんでいる人、夫婦円満の人、生き方を見つめ直したい人に贈る本。

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◇どう死ぬかを考える
 ・ 老いるということは人生の寂しさを噛みしめることができるよう
  になったことである。

 ・ 私たち人間を包んでいる大きなものの大きな世界。その大きな世
  界が我々の日常に囁きかけている微かな声。それに耳傾けるのが老
  年だと思うようになっている。

 ・ 人間は死を二回体験する。
     出産時と本当の死
・シュタイナー 
    人生の三期
 ① 青年期 
         肉体で生きる
      ② 壮年期
         知性で生きる
      ③ 老人
         霊性で生きる


◇またあの人にいつか会える
  蘇生患者 
    ① 自分の肉体が見えた
② 死んだ愛する者たちが傍らにいるのを感じた
 ③ 愛の光に包まれる

  キューブラー・ロス
    「あなたたちはこの世に繭(肉体)を残して蝶々になる」


◇だれかに生かされて生きる
   神は怖れの対象ではない。我々を包み我々を生かす大きな命とし
  て畏敬すべきもの。

  神とは存在でなくて働きである。
   二つの宗教 
     ① 父なる宗教
        - 悪を責め怒り裁く
     ② 母なる宗教
        - 悔いたものを許し愛してくれる

     ※ 日本には父なる宗教は育たず,母なる宗教が栄える
 

◇遠藤周作先生のこと 加藤宗哉(作家)
 苦しみの連帯 苦しみを通して他人と結びつく
愛とは苦しみを通して他人と結びつくこと
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