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(1)「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7 中央公論社 1989年  (2)「藤原正彦の人生案内」中央公論新社 2006年【再掲載】 [読書記録 一般]

今回は、井上ひさしさんのエッセイ集、
「悪党と幽霊」を紹介します。

1989年、娘の生まれた年、随分と前に出版された本です。



出版社の案内には、

「菊五郎の芸談から円朝の人情ばなし、さらに徳川夢声の話術談や戦後浅草の軽演劇論な
 ど、常に民衆の眼を失なわない著者が、大衆芸能の魅力を通して現代日本を語る、井上
 流文化論。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「臆病な人間こそ残酷になりうる」


・「自分自身の主人でありたいと願うこと」


・「親が先ず自分を鍛え直す」





もう一つ、再掲載(2013年9月)となりますが、
藤原正彦さんの「藤原正彦の人生案内」を紹介します。
読売新聞の人生相談コーナーに執筆した回答を相談とともに70余りまとめた本です。
藤原さんらしい解答です。





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(1)「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7 中央公論社 1989年 
 
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◇芸談スクラップ 

□徳川夢声(1894-1971)

 登壇しても黙っている。30秒するとシーン。



 15秒待つと客席が一つになる。(宙づり状態から脱したい)
    |

 一斉に首を伸ばす



そこで軽い冗談か何か言ってガッと捕らえる

  |

「客の自発性に信頼を置け」

「送り手固有の時空間をつくることが先決」
 




◇平等ばやり   

□社会学者ルークス(英・オックスフォード大)

 個人主義 
  1 尊厳を認め合うこと

2 自分自身の主人でありたいと願うこと

3 プライバシーを重んじること

4 自己発達の可能性を信じる
 




◇誰のための教育か

□バーランド・ラッセル

「子供は反射作用と少しばかりの本能をもって生まれてきた」

  = 可能性そのもの

   ↓

 臆病な人間こそ残酷になりうる



子供たちにもってもらいたいもの
「智恵・勇気」

親が先ず自分を鍛え直す
 




◇悪党と幽霊   

□円朝と黙阿弥

 言葉の音と意味との渡り合いに細心の目を向けて生活語を磨き上げること












(2)「藤原正彦の人生案内」中央公論新社 2006年【再掲載】

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◇十代の悩み

・ あなたがどんなに清く正しく生きていても,それを見た人の中には,そのように生き
 ていけないということで傷つく人がいるのです。




・ ロボットでなく個性を持った人間が社会で生きていくということは,無意識のうちに
 他人を傷つけ,また傷つけられると言うことです。




・ 私のような例外もまたありますが,普通内面が磨かれると,それが外に滲み出て良い
 顔になるものです。




・「友達の多い積極的で明るい子がよい子」などという、つまらないうたい文句が学校教
  育でまかり通っているから,あなたのような人が罪悪感や劣等感を持ってしまうので
  す。   




・ 学問で大切なのは,速く理解することではなく,遅くても良いから深く理解すること
 なのです。







◇二十代の悩み

・ 子どもは世界のどこでも人々の警戒心を解かしてしまう魔法の杖なのです。




・ 健康でありながら,学校を出て何年たっても経済的自立をせず,親がかりでいるとい
 う若者が最近よく目に付きます。繁栄の泡のようなものと思いますが,親や健康を失っ
 たり真の不況に襲われれば生き延びることはできません。 




・ 歯を食いしばることなしに生きていくということを胸にたたき込まない限り、今後の
 望みはありません。






◇三十代の悩み

・ お金を儲けるより,真の友人を得る方が遙かに難しいのに,逆に小さな金のために友
 人を失ってしまう結果となりがちだからです。

                ※ 読売新聞「人生案内」1998.10.1~2000.12.19

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