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「致知」2003年3月 ① /「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ②【再掲載 2014.7】 [読書記録 一般]

今回は、月刊誌「致知」2003年3月号から紹介します。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「紳士の条件 ①恥を知り潔くある ②礼節をわきまえて謙虚である
  ③社会正義に対して自己犠牲をいとわぬ心構え」
- 自分を見つめる指標になります。


・「特定郵便局は地域社会のへそ。コミュニティサービスのワンストッ
プセンター」
- 郵政民営化によりそれが壊されてしまった地域があります。

・「我慢力、忍耐力不足の原因は何十年かの子ども中心主義である。子
どもをとにかく大事に大事にして激しい試練を与えない、個性尊重
といって子どもの何もかも全部を尊重してしまうことが観られるよ
うになってしまった。 悪いことまで個性と認めてしまい、強制する
  ことがなくなっててしまった」
- 「詰め込み教育」への反動から「ゆとり教育」となり、、その反動
 としての「詰め込みすぎ教育」になり、今は「ゆるみ教育」になって
 しまったようにわたしは感じます。


もう一つ、再掲載になりますが、いぢちひろゆきさんの
「都道府県の急所」②を載せます。
この20年間でどのようにかわっているのでしょうか。



☆「致知」2003年3月 ①

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◇鍵山秀三郎 「品性を取り戻す」
未だ各地に存在する至誠の人
紳士の条件 
    ○ 恥を知り潔くある
○ 礼節をわきまえて謙虚である
○ 社会正義に対して自己犠牲をいとわぬ心構え

◇信念の力
松下幸之助 
   - ダム式経営論
人材も資金もダムのようにプールした経営
余裕をもった経営
一業を成す人の二要素
①「価値を見出す力」
②「価値を信じる力」
松下幸之助
「根無し草に花は咲かない。信念がなければ人生に花は咲かな
     い。」1

◇日本の力をどうよみがえらせるか 牛尾治朗 生田
「青春朱夏白秋」
「君子豹変 大人虎変」
特定郵便局
 ~ 地域社会のへそ
コミュニティサービスのワンストップセンター
日本民族は国際化に強い
改めるべき意識と文化
日本にはまだチャンスがある
効率が課題
付加価値 人間の質
辛い時代をどう過ごすか
◎悪いときにどう過ごすかが大切
◎運のいいときに幸運を逃さない謙虚さ
経営者には祈りが必要
常にリスクに掛けないと生き抜けられない

◇日本の教育に信念をもて 藤原正彦 橋本聖子
理数離れ、読書離れが国を滅ぼす
大問題 
①理数離れ
②読書離れ

活字文化を復活しないと日本はつぶれる
<理数離れ><読書離れ>の原因は
我慢力、忍耐力不足にある(藤原)
- 理数科には耐力が必要
- 読書にも忍耐が必要
◎ゆとりよりも夢や希望を
我慢力、忍耐力不足の原因は何十年かの子ども中心主義
 - 子どもをとにかく大事に大事にして激しい試練を与え
       ない
- 個性尊重と言って子どもの何もかも全部を尊重してし
       まう
※ 悪いことまで個性と認めてしまう
 強制することがなくなった

「試練に耐えて、それを頑張るエネルギーに変えていける子ど
     もを、国がしっかりつくりあげることができないから、代わ
     りにゆとりという言葉を使ってきてしまったのか」
理屈ではない行動規範は伝統の力
GHQ … 日本が立ち上がって、二度とアメリカに刃向かわ
        ないようにという方針で、日本の昔からのよいもの
        をすべて否定した。残されたものは経済だけ。
→ 人間には何か基軸となる座標軸が必要
         <夢><行動基準><判断基準>が必要  
[大切]問答無用「ならぬものはならぬ」
    ◎人間というのは論理、理性、合理だけではダメ。
    ◎座標軸のない場合の論理というのは自己正当化に過ぎない。     
  <伝統の力>はすごい
それなのに最近の日本の教育改革は伝統のない国アメリカのま
   ねをしている。
    アメリカは実験国家 
      ゆとり教育は80年代にすでにアメリカで失敗している
      - 伝統を全部壊してしまう  
      - 慎重にやるべき       
父親から教わった武士道精神
父・諏訪高島藩足軽の家系
武士道教育
小3の時 
      父
      「いじめを見たら必ずそのいじめられている弱い者を身を挺
       してでも助ける」
  暴力は肯定<弱い者を救うときだけ>
父親
     … 武士道精神 卑怯を憎む心とか勇気 正義
母親
     … 現実的な地に足を付けた考え方
※ものすごい夫婦げんか(2つの価値観)
開拓者魂をたたき込まれた父親にそだてられて
父 … やりたかった学問
牧場の手伝い
豊かな時代だからこそ、あえて強制が必要
強制は必要
     - 我慢力 忍耐力
美に対する感動力は教育でしか生まれない
誤った教育理論はアメリカのもの
→ 読み書き算が大切
    「美しいものに感動する心」は感動することによってしか伝えら
    れない 
- 源泉は自然
国語こそ国家であり文化の中核である
国語の重要性(藤原)
① すべての知的活動の基礎
語彙を増やすことが大切
② 論理的思考
③ 情緒 文学作品から
「クオレ」
④ 日本人としてのアイデンティティ
結局国家は国語。国語を失ったらその国は滅びてしまう。
かわいそう - アイヌ・琉球
ユダヤ人 … ヘブライ語を保ったからこそ生き延びた
体力は精神力から、頑張る力も体力から
藤原 
     国語を小学校のうちに徹底的にたたき込む必要がある
真のエリートを育てないと国家はつぶれる
真のエリート 
     ◎ 文学、歴史、思想といった役に立たない教養をしっかり身
      に付けて、すばらしい総合判断力をもっている。
◎ いざとなれば国のために命を投げ出す
生まれつきはダメ 
    庶民の中からこれぞと思う人を選んで教育する
英国のパブリック・スクール
       <古典・数学・スポーツが三本柱>






☆「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ②【再掲載 2014.7】

1.jpg

◇日本一 生活習慣病 
  ①沖縄
  ②埼玉
  ③神奈川
  ワースト ①秋田  ②高知  ③山形


◇日本一 海外旅行好き 
  ①東京
  ②神奈川
  ③千葉 
 
  ワースト ①秋田  ②高知  ③青森


◇日本一 車好き  
  ①群馬
  ②富山
  ③栃木 
 
  ワースト ①東京  ②大阪  ③神奈川

  群馬 
   … 短気で威勢のいい県民性


◇日本一花を買うのは
  ①鹿児島 
  ②福島
  ③栃木

  ワースト ①沖縄  ②徳島  ③静岡

  鹿児島県民は先祖を敬う


◇日本一広い家  
  ①富山
  ②福井
  ③石川

  ワースト ①東京  ②神奈川  ③沖縄


◇日本一子どもに仕送り
  ①山口 
  ②長野
  ③静岡 

  ワースト ①埼玉  ②東京  ③大阪

 富山はコツコツ勤勉


◇日本一交際費  
  ①和歌山
  ②山形
  ③佐賀

  ワースト ①神奈川  ②静岡  ③埼玉


◇日本一早婚  
  ①香川
  ②岡山
  ③和歌山

  ワースト ①東京  ②神奈川  ③山形
         
  瀬戸内海と早婚
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「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ⑨ /「学力低下の実態」苅谷剛彦・志水宏吉・清水睦美・諸田裕子 岩波ブックレット№578 2002年 ④【再掲載 2014.2】 [読書記録 一般]

今回は、1月25日に続いて橋本治さんの
「橋本治の古事記」の紹介 9回目です。



出版社の紹介には


「読みつがれてきた魅力。あなたのそばに古典を。第一線で活躍する作
 家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ!日本最古の本『古事記』
 が新しくよみがえる。イザナギ、イザナミの国生み、天の岩屋戸、八
 俣の大蛇因幡の白うさぎ……など、だれもが知っているようで知らな
 い日本神話が、いきいきとした現代語で語られる。」

 
とあります。



今回は
「オオクニヌシの神」の項の紹介です。
次から次へと神が増えていくことがわかります。



もう一つ、再掲載になりますが、
「学力低下の実態」④を載せます。
およそ20年前に書かれたものですが、
改善されたというよりも、むしろ深刻になっているように思います。




☆「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ⑨

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15.オオクニヌシの神とその妻たち
オオクニヌシの神
 80柱兄弟の一番上 
       強さにより「ヤチホコの神」
地上世界(葦原の中つ国)を支配する最初の神
妻 
    ① スセリ姫
② ヤカミ姫(因幡) 
       スセリ姫を畏れて子を残し因幡に帰る
子はキヤタの神(ミイの神)
③ ヌナカワ姫(越)
       沼の河 新潟県・沼川
求婚の歌を歌っても家の戸を開けず 
       翌日戸を開ける


16.オオクニヌシの神とスセリ姫の命
オオクニヌシの悪い癖
    - 土地に住む美しい女を妻にする
遠征理由「葦原の中つ国をきちんと治める」
神語(かみがたり) 
    オオクニヌシの神の二つの歌
ヌナカワ姫の歌,スセリ姫の歌


17.オオクニヌシの神とスクナビコナの神
ウケイ - アマテラス剣からの3女神 九州の宗像神社
- タキリ姫の命を妻に 
        子 アヂスキタカヒコネの神 
          カモの大御神
タカ姫の命(シタデル姫の命)
   神殿を守る女神 カムヤタテ姫の命を妻に
     子 コトシロヌシの神
ヤシマムジの神の娘 トトリの神を妻に 
     子 トリナルムの神 
子供は180柱との伝
   美保岬 
    カミムスヒの神の子スクナヒコナの神 
カミムスヒの神
      「お前は私の息子のスクナビコの神と兄弟になり,その葦
       原の中つ国を立派に発展させていくのだぞ」
豊かな国に変えるとスクナビコの神は常世の国へ帰った
海から「協力して国造りを助けよう」
三輪山のオオモノヌシの神
 オオモノヌシの神を大切にお祭りしてオオクニヌシの神
      は葦原の中つ国を豊かに発展させて治めていった
  大神神社(おおみわじんじゃ)
オオモノヌシを祀る - 桜井市






☆「学力低下の実態」苅谷剛彦・志水宏吉・清水睦美・諸田裕子 岩波ブックレット№578 2002年 ④【再掲載 2014.2】  

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◇第二部 教育の階層差をいかに克服するか(1)
1.教育の階層差という問題
    家庭の文化的環境による格差の存在
  - 学校の努力と工夫次第では、「この程度」と縮小できる
      可能性がある

2.12年間で何が変わったのか
   12年間
     = 「新学力観」型教育改革積極的推進期
   ◎「子どものよさを生かす」教育への転換を目指し,「子どもた
    ちの主体的な学習」を中心にした教育への取り組みが本格化し
    た。
    教師は「支援者」
     - 指導者でなく
   「子ども中心主義」
     - 関心・意欲・態度重視         
    学校現場
      ・生活科の導入
   ・「調べ学習」「体験学習」が幅広く
    ◎ 点数で子どもを評価し序列づける教育から,「子どものよ
     さ」を称揚しようとする個性尊重の教育が,小学校を舞台に
     拡大していった。
<子どもの実態変化>
     小学校1989 2001 変化  中学校1989 2001 変化(分)
   家で勉強  53.6 40.7 -12.9 43.7 29.1 -14.6
   TV視聴 140.6 136.2 -4.4 126.2 158.7 +32.5
   TVゲーム 34.5 56.9 +22.4 23.8 51.9 +28.1
   読書 29.4 25.2 -4.2 29.9 26.4 -3.5
<家での勉強の仕方>
小学校1989 2001 変化  中学校1989 2001 変化(%)
学校宿題 1.5 2.1 +0.6 11.4 33.0 +21.6
学校復習 43.3 46.7 +3.4 43.6 60.2 +16.6
学校予習 59.2 60.8 +1.6 63.4 74.1 +10.7
塾予復習 71.2 67.6 -3.6 48.5 59.6 +11.1.

◎「ゆとり」が子どもたちの生活の「しばり」を緩めた
    - 宿題を減らし,学習や努力の価値を否定する言説が広まっ
     た時代と「新しい学力観」が実施され続けた十年間は重なる。       
◎曖昧な自己イメージ  中学生
   「子どものよさを生かす」教育,個性尊重の教育の推進は,子ど
   もたちに劣等感を抱かせないようにと,自己イメージの改善を図
   ろうとしたが,現代の子どもたちは自分自身を鍛えたり試したり
   するチャンスや体験を持ちにくいのかもしれない
 
    子どもたちの学習離れは進んだ。勉強以外の面で,自分を鍛え
   る機会が拡大したのなら良いが,それもないまま,学習面で要求
   されることも弱まれば,「子どものよさを生かす」教育は,自分
   に対し肯定も否定もできない,曖昧な自己イメージを膨らませる
   だけかもしれない    
  ※自己イメージが曖昧な子が増えていく
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