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「思春期の心を開く」八ツ塚実 朱鷺書房 1990年 ⑥ [読書記録 教育]

「家庭のことを論じるなら『学習の場』であったかなかったかをまな板にのせなくてはな
 らない」



今回は12月18日に続いて 八ツ塚実さんの
「思春期の心を開く」6回目の紹介です。



八ツ塚さんの本からたくさんのことを教えていただきます。



出版社の案内には、

「心は堅く閉ざされ、さまざまな問題が噴出するかのようにみえる時。思春期のただ中に
 ある子どもを見守るこころ、人間教育の場としての家庭の役割を説く。」

とあります。





今回紹介文から強く印象に残った言葉は…

・「怒ってはならない。正しく叱れ」
「叱るときは子供の発達や個性に関することには絶対に触れないこと」
- 怒ると叱るの違いが分かりやすく書かれています。


・「事が起こっていない日々を大切にする」
- 前始末。「上農は草を見ずして草を刈り、中農は草を見て草を刈り、下農は草を見て
 も刈らない」を思い出します。


・「教師の事勿れ主義」
- 八ツ塚さんは、「様子を見る」と言う言葉でごまかしていないかとわたしたち教員に
 厳しく問いかけます。


・「家庭とは学習の場」





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☆「思春期の心を開く」八ツ塚実 朱鷺書房 1990年 ⑥

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◇いじめの芽を摘み取る

□見逃してはならぬこと

 弁当のおかずをはやし立てる

 このような芽は次々に現れる。その都度もぐら叩きのように芽を取り…



「心から迫力・怒り」
・心が傷つけられている

・人間としての名誉が損なわれている

 ・弱い存在を踏みつけにされている

 ・他人の生き方について不当に介入している




「悲惨な結果」
・このような場面の見逃し

 ・見逃しにつぐ見逃し

 ・事の重大性を考えないで軽くて浅い認識

 ・「しばらく様子を見る」などと言って逃げる
子供の社会のエスカレート性の無視






□叱るのか怒るのか?

「怒ってはならない。正しく叱れ」


<叱る> 
  他人の存在を傷つけるとき、見逃さず説得してそのことが如何に人間として恥ずかし
 いことか分からせること

  事が事なので厳しい様相を呈することがあってもやむを得ない

厳しさ誠実さで事の重大さを分からせることに役立てる


<怒る> 
  自分の感情をひけらかすだけで説得効果の全くない行為のこと

高ぶった感情(怒り)のはけ口として子供を選んでいるだけの行為


<気をつけなくてはならない点>
叱るときは子供の発達や個性に関することには絶対に触れないこと

・できるできない 
  ・上手下手
  ・早い遅い 
  ・多い少ない
  




□トラブルを学習教材にする

「事が起こっていない日々を大切にする」

 ・一旦事が起こったらそれを完全に学習教材にする

 ・雨が降っても地を固める作業に力を注ぐ

   |

  
「事が起こる起こらないではない。大切なことは起こったことを『学習教材』にするかし
 ないか」

 ・マイナス要因をプラス要因に転化してしまう

 ・自分の考え方や生き方、身の回りの関係に常に目を向ける訓練に使う

 ・自分の中にある「美しさ」や「醜さ」に気付かせる

 ・差別やいじめのない集団を作るための知的・情的なエネルギーにする

 ・身の回りに必ず起こるトラブルに対処する態度や方法を身に付ける




「教師の事勿れ主義」

 ・いじめられた子もそれを乗り越えて生きる力をつける

 ・いじめた子もそれを反省して自分を高めていく



「ヒロコの家へ」

 ・登校拒否にすること 

 ・いじめが継続すること
  




□よい家庭とは

「家庭とは学習の場」

 ・命の尊さ 

 ・親子の語らいの大切さ 

 ・人間関係を結ぶ尊敬の心

 ・道徳の基本となる礼儀 

 ・人に対してとやかく言わない態度

 ・物事に誠実に取り組む生き方



 ファミリーレストランのメニューはこれらのことは教えてくれない。

◎親が生き方で示すしかない



 家庭のことを論じるなら『学習の場』であったかなかったかをまな板にのせなくてはな
らない


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