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「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑨ [読書記録 一般]

「反乱者であればこそ大塩平八郎ほど徳川家に忠誠心厚い幕臣はない」




今回は 4月16日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門」、9回目の紹介です。



出版社の案内には、


「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
のニッポン・オリジナル。」


とあります。



今回紹介するのは、

「陽明学」
「古学」

についてです。




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☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑨

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◇日本陽明学は情熱的な思想

□陽明学 

 陸象山-王陽明



中江藤樹(1608~1648)日本陽明学の父
朱子学「性即理」

陽明学「心即理」
人の心は自然のままで正しい「良知」
本質的人間関係 人格的平等主義


 身分制度の主体が下の立場の者 = 江戸時代 反主流


 親孝行の心が、全宇宙的な普通の法則として拡大解釈


 愛敬

かなり激しい行動主義 = 知行合一
心の中で正しいと判断されることは即座に行動されなければならない



要は良知をすぐに実現させること = 情熱的な思想


 弟子の熊沢蕃山は積極的に行動したため危険視された








◇江戸時代の社会正義

□幸福感が「身分制度の否定論」にはつながっていない



□大塩平八郎の乱

 大塩平八郎(1793~1837)
 陽明学者-思想の実践 

  優れた幕吏 謹直で行動的

良知を肯定する人間信頼の思想家である

  大虚 = 宇宙全体の普遍的な正しさ


 彼にとって人民とは弱く愚かな存在 = 支配される立場



「良知を十分に発揮するための土台として社会に法整備が必要だ」
君主の人徳とは良い制度によって後から育まれるもの

良知実現 = 人民が幸福に守られること

彼の期待 = 反乱を起こして自分たちの窮状を幕府にアピールする


「反乱者であればこそ大塩平八郎ほど徳川家に忠誠心厚い幕臣はない」








◇古学は新しい学派

□日本オリジナル

 最新式儒教解釈



□古学派 

 儒教の原点 = 最も古い思想に帰る



□山鹿素行 

「古学」 武士道・兵法 

「孔子に帰れ」 - 朱子学批判により配流



□伊藤仁斎(1627~1705)

「古義学」朱子学批判 
  ① 愛ない残酷な教え 仁即愛-論語

  ② 論語のみ 原書原点最大級重視


 弟子に優しい-教え子の人気大

市井の学者 三千人の弟子



□荻生徂徠(1666~1728)

 寒村での暮らし
  「古典は書かれた当時の人間の眼で読め」


 正しい政治の方法論
 「古文辞学」人間中心主義 社会秩序を支える公共心が主

晩年に吉宗の知遇 - 幕政に協力


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