「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ② [読書記録 一般]
今回は、1月11日に続いて、武光誠さんの
「地名から歴史を読む方法」2回目の紹介です。
出版社の案内には、
「由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘め
られている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸
時代の城下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかり
にこの国の成り立ちを明らかにする。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「奈良時代初期に『地名を二字の好ましい字に改めよ』という命令」
・「古代 漢字2字政策 → 中世 漢字3字4字地名も」
・「平仮名地名は 昭和37(1962)年『住居表示に関する法律』により増加」
・「ニュータウン 『丘』『台』地名が多い = 日当たりの良い小高い土地をイメージ」
・「東日本に沢地名が多く、西日本に谷地名が多い=境は長野」
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
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☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ②
◇企業と共に発展した歴史が分かる地名
□豊田市
昭和34(1959)年 挙母市 → 豊田市
挙母 = 許呂(鉄製品の古代語)の母
□全国に広がる企業地名
府中市東芝町
池田市ダイハツ町
日野市さくら町・富士町
旭川市パルプ町
小野田市セメント町
□近代の多用な地名
静岡県函南町 = 「新幹線」
宗教地名
奈良県天理市 昭和29(1954)年
岡山県金光町 大正12(1923)年
◇平仮名や片仮名の地名に秘められた歴史
□なぜ漢字2字の地名が多いのか
奈良時代初期
「地名を二字の好ましい字に改めよ」という命令
国ごとに「風土記」がつくられたとき、国名・郡名・郷名が二字に改められた
例 山口県防府市
「多々良」→「達良」
しかし平安時代末期「多々良」に戻される
□日本最初の平仮名地名
古代 漢字2字政策
→ 中世 漢字3字4字地名も
江戸 漢字2字にこだわらないようになった
しかし全国的には漢字2字を好む
明治時代の北海道地図にも…
□平仮名地名
昭和37(1962)年「住居表示に関する法律」により増加
市 昭和35(1960)年
むつ市 = 大湊町+田名部町の合併による
□市町村合併と仮名書き地名
市町村合併の時、仮名書き地名が増加
滋賀県マキノ町 昭和30(1955)年 公募による
マキノスキー場に因む
いわき市 昭和41(1966)年 5市9町村合併
イメージアップ観光地名
ニセコ町 昭和39(1964)年 狩太町から
えりも町 昭和45(1970)年 幌泉町から
□平仮名の植物名を冠した地名
富良野市の植物地名
豊かな農村になることを願って入植した人々がつけた
ニュータウン
「丘」「台」地名が多い = 日当たりの良い小高い土地をイメージ
丘や台の前に「草木」名をかぶせることが多い
あさみ野 つつじが丘 さつきが丘 たちばな台
◇自然地名
□七種類に分類できる自然地名
①川
②野原
③坂
④山
⑤谷(沢)
⑥海岸
⑦岬
例 江戸=河口を表す
奈良=「ならす」平地の古語
□「川」に因む地名
合流点 … 落合、二俣、川合、河合、川井、合川
急流 … 轟、等々力、土々呂
遅流 … 「とろ」地名
流れ … 「水流(つる)」→「つる」鶴の字も
川のそばの鶴地名 鶴間、鶴舞
川幅の狭いところ … 狭(かい)→貝も、迫、宇土(うど)→鵜戸も
水たまり … 「袋」→福良
深いところ …「釜」地名
川を渡るところ 「越」地名 越川→鯉川
□大と森林に因む地名
山、岳、峰、根、尾
森 → 守、茂里、母里、毛里、毛利
神を祀ったところに森や林の地名も
□その他の自然地名
野 伸びる-原型の「の」→「野」 原=平地
大野、小野、佐野(狭野)
大原、小原
海岸 「浜」「磯」「岬」
「東日本に沢地名が多く、西日本に谷地名が多い=境は長野」
「地名から歴史を読む方法」2回目の紹介です。
出版社の案内には、
「由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘め
られている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸
時代の城下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかり
にこの国の成り立ちを明らかにする。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「奈良時代初期に『地名を二字の好ましい字に改めよ』という命令」
・「古代 漢字2字政策 → 中世 漢字3字4字地名も」
・「平仮名地名は 昭和37(1962)年『住居表示に関する法律』により増加」
・「ニュータウン 『丘』『台』地名が多い = 日当たりの良い小高い土地をイメージ」
・「東日本に沢地名が多く、西日本に谷地名が多い=境は長野」
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☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ②
◇企業と共に発展した歴史が分かる地名
□豊田市
昭和34(1959)年 挙母市 → 豊田市
挙母 = 許呂(鉄製品の古代語)の母
□全国に広がる企業地名
府中市東芝町
池田市ダイハツ町
日野市さくら町・富士町
旭川市パルプ町
小野田市セメント町
□近代の多用な地名
静岡県函南町 = 「新幹線」
宗教地名
奈良県天理市 昭和29(1954)年
岡山県金光町 大正12(1923)年
◇平仮名や片仮名の地名に秘められた歴史
□なぜ漢字2字の地名が多いのか
奈良時代初期
「地名を二字の好ましい字に改めよ」という命令
国ごとに「風土記」がつくられたとき、国名・郡名・郷名が二字に改められた
例 山口県防府市
「多々良」→「達良」
しかし平安時代末期「多々良」に戻される
□日本最初の平仮名地名
古代 漢字2字政策
→ 中世 漢字3字4字地名も
江戸 漢字2字にこだわらないようになった
しかし全国的には漢字2字を好む
明治時代の北海道地図にも…
□平仮名地名
昭和37(1962)年「住居表示に関する法律」により増加
市 昭和35(1960)年
むつ市 = 大湊町+田名部町の合併による
□市町村合併と仮名書き地名
市町村合併の時、仮名書き地名が増加
滋賀県マキノ町 昭和30(1955)年 公募による
マキノスキー場に因む
いわき市 昭和41(1966)年 5市9町村合併
イメージアップ観光地名
ニセコ町 昭和39(1964)年 狩太町から
えりも町 昭和45(1970)年 幌泉町から
□平仮名の植物名を冠した地名
富良野市の植物地名
豊かな農村になることを願って入植した人々がつけた
ニュータウン
「丘」「台」地名が多い = 日当たりの良い小高い土地をイメージ
丘や台の前に「草木」名をかぶせることが多い
あさみ野 つつじが丘 さつきが丘 たちばな台
◇自然地名
□七種類に分類できる自然地名
①川
②野原
③坂
④山
⑤谷(沢)
⑥海岸
⑦岬
例 江戸=河口を表す
奈良=「ならす」平地の古語
□「川」に因む地名
合流点 … 落合、二俣、川合、河合、川井、合川
急流 … 轟、等々力、土々呂
遅流 … 「とろ」地名
流れ … 「水流(つる)」→「つる」鶴の字も
川のそばの鶴地名 鶴間、鶴舞
川幅の狭いところ … 狭(かい)→貝も、迫、宇土(うど)→鵜戸も
水たまり … 「袋」→福良
深いところ …「釜」地名
川を渡るところ 「越」地名 越川→鯉川
□大と森林に因む地名
山、岳、峰、根、尾
森 → 守、茂里、母里、毛里、毛利
神を祀ったところに森や林の地名も
□その他の自然地名
野 伸びる-原型の「の」→「野」 原=平地
大野、小野、佐野(狭野)
大原、小原
海岸 「浜」「磯」「岬」
「東日本に沢地名が多く、西日本に谷地名が多い=境は長野」