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「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ③ [読書記録 一般]

今回は、1月14日に続いて、武光誠さんの
「地名から歴史を読む方法」3回目の紹介です。





出版社の案内には、


「由緒ある地、港町、農村からあなたの住む町まで、どんな地名にも日本の歴史が秘め
 られている。大和朝廷の土地開発にちなむ地名、中世の荘園制度が生んだ地名、江戸
 時代の城下町の町づくりがわかる地名など、“歴史の生き証人”たる地名を手がかり
 にこの国の成り立ちを明らかにする。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「山村の多くが古代以来の地名を持つ」


・「『さと』地名は『むら』地名より少ない =『さと』は『むら』より新しい」


・「和田=海神信仰 西日本の海岸沿い」


・「ヘビ地名  長、宇賀、美馬、竜の字を含むもの」

昨日、中日新聞(東海本社版)朝刊・県内版のページに、
ジオラマ作家・山田卓司さんによる「三方ヶ原の戦い」作品の記事が出ていました。
浜松市中区「ザ・ゲート・ハママツ」で10月末まで展示されているそうです。
下記紹介の「浜松ジオラマファクトリー」とあわせて是非お訪ねください。


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1月16日 中日新聞(東海本社版)朝刊・県内版 より




<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。

浜松ジオラマファクトリー





☆「地名から歴史を読む方法」武光誠 河出書房新社 1999年 ③

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◇農村地名

□中村 - 農村中心部



□山村の多くが古代以来の地名を持つ

 人家の集まるところ「むら」「さと」
むら - 村、邑

さと - 里、郷  中国の法律用語を借りた


 
□低湿地に田、家は小高いところ
= 丘の上に集落 

   → 村岡、村山、村上
岡村、山村、上村、高村


 
□里地名 大里、中里、里中、小里、美里
「さと」地名は「むら」地名より少ない

   =「さと」は「むら」より新しい



□奈良に田中地名が多いわけ

 3~4世紀の奈良盆地のめざましい開発による
本宅での生活「村居」 

   田のそばの仮小屋「田居」



村居、村井、田居、田井、田伊、鯛地名



  田居での新田開発終了 
    定住するようになった=「田中」


 古代の田中地名 = 新田開発地
  飛鳥時代 新墾(にいばり) 新治(にいばり) → 田中


 
□「田」のつく地名と海神信仰とは

 田地名ベスト10

  新田、山田、和田、吉田、田代、町田、田中、太田、高田、福田

和田 = 海神信仰 西日本の海岸沿い

  古代人 海神 = 「綿津見の神」海部(あまべ)

  神戸市 和田岬-大和(輪)田泊



   福原








◇動物名地名

□精霊信仰が生んだ動物地名 

 縄文時代の精霊信仰 
  オオカミ - お犬様



□ヘビ地名 

 長、宇賀、美馬、竜の字を含むもの

= 巳や蛇の字以外でヘビを表した

長  -  ヘビが長いから → 那珂、那賀へ

宇賀 -  ウミヘビの古代名の「ウガ」から

美馬 -  蛇神の古語「ミヅチ」からの転
  


□古代人にとってニワトリとは 

 常世国の鳥 = ニワトリ
   時を告げるから(朝を告げる鳴き声)



   魔が活躍する夜の終わりを告げるので常世国の鳥


 大和朝廷の葬儀担当の土師氏 - ニワトリ信仰
「鷺宮」地名

  土師宮 → 鷺宮 → 大鳥神社(酉の市)

     天穂日命  日本武尊
  


□鵜の付く地名と漁民 

 漁民 - ウが常世の鳥と考えた


 鳥取県 - 鳥取部 = オオハクチョウを捉える鳥取部

 古代には「鳥取郷」
  元和3(1617)年池田光伸が領主、栄えた

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