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「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ① /「駄菓子屋楽校」松田道雄 新評論 2002年 ①【再掲載 2016.10】 [読書記録 一般]

今回は、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」1回目の紹介です。



出版社の案内には、


「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
 望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
 史の実像が浮かびあがる。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「桓武天皇による政治の立て直し
  奈良時代の天平文化から平安時代の国風文化へ」


・「皇室と上層農民がともに賀茂祭りとかかわることを通じて成長しつつある庶
民を朝廷の側に取り込もうとした」


・「なぜ遷都が必要だったのか
貴族を押さえ、国司郡司の取り締まり強化する政治改革のため」


・「鴨氏と秦氏が協力して、東漢氏の後退をねらい、都を奈良盆地から引き離
して、天皇家を古き神々に向けさせた。」






もう一つ、再掲載となりますが、松田道雄さんの
「駄菓子屋楽校」①を載せます。
20年前に出版された、駄菓子屋の教育性を示した本です。
本書に啓発されて、退職したら駄菓子屋的なものを開きたいと思いましたが…
世界的感染症が発生するとは思ってもいませんでした。
また、これほどまでに子どもの数が減少するとも…。







<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ①

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◇平安遷都で実現した貴族政権の復興(1)

□一大転機となった平安遷都

 桓武天皇による政治の立て直し
奈良時代  天平文化

平安時代  国風文化


 光仁天皇   官吏減員して政治刷新


 桓武天皇   
   781年 即位
784年 長岡京 貴族寺院山林所有禁止
794年 平安京
◎ 仏教を排し素朴な神々の祭りを重んじる(復古的政策)

◎ 平安京の守り神として賀茂神社
皇室と上層農民がともに賀茂祭りとかかわることを通じて成長し
      つつある庶民を朝廷の側に取り込もうとした
    
   (= 武士の時代のきざし)



□なぜ遷都が必要だったのか

 貴族を押さえ、国司郡司の取り締まり強化

 = 政治改革



 政治改革への不満
他戸(おさべ)(おさべ)親王の廃太子事件 772年
早良親王の廃太子事件 785年
薬子の変       810年


 嵯峨天皇の治世(809~823)に安定



□平安初期文化の特徴とは

 質素で復古的な文化 

 → 弘仁・貞観文化(貴族趣味)



□平安京が辺地に造られた理由

 4㎞四方の盆地
   - 木津川流域の奥(北方)辺地

 山城国内
   - 鴨氏などの住民と大和朝廷



□遷都を後押しした二大豪族

 ◎鴨氏  
    鴨川流域本拠地

上賀茂神社 下鴨神社

    古代「葛城鴨」高鴨神社(奈良県御所市)と関連


 ◎秦氏  
    桂川流域に勢力

5世紀末日本に移住 渡来系二大勢力(東漢(やまとあや)(やまとあや)氏-飛鳥)

     大堰(おおい)(おおい)ダムをつくり嵯峨野一帯を支配

     秦河勝の広隆寺、松尾大社、伏見稲荷



□鴨氏と秦氏のねらいは?

 ◎鴨氏  
    代々殿部(とものり) 
     - 儀式でかがり火を焚く役目

    鴨の神の祭り
     = 朝廷で古来の神事を担う豪族尊重


 ◎東漢氏
    5世紀以来秦氏と対立


 ※ 鴨氏と秦氏が協力して、東漢氏の後退をねらい、都を奈良盆地から引き離
  して、天皇家を古き神々に向けさせた。









☆「駄菓子屋楽校」松田道雄 新評論 2002年 ①【再掲載 2016.10】

<出版社の案内>
駄菓子屋。子ども相手におばあちゃんが開いていたこのなつかしい店が、放課後
の子どもたちにとって、もう一つの学びと育みの場であった。これが『駄菓子屋
楽校』というタイトルの意味。
 小さな駄菓子屋のなかに明日の社会を作るヒントが隠されていたことを掘り起
こし、これからの生き方やまちづくりへの視点を提言したユニークな本。
 著者は大学院の修士論文のテーマを駄菓子屋に決め、地元・山形で教育との関
係を調査、これが元となって実践の場としての「だがしや楽校」へと発展、思索
と実践の中から、こども・大人・地域の未来のあり方まで含めた射程の広い提言
が可能となった。
 中学校教員の経験と現代のゲームやケータイなどの文化との比較し、「ダガシ
ヤ・チルドレン」「隣人類/遠人類」「ボランチャー」「生活作り方運動」「世界
駄菓子屋運動」といった新しい概念を生みだした本書は、研究書としてだけで
なく、知的に楽しめる読み物としても秀逸である。
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◇駄菓子屋から見た世界 

 加藤理
  「子どもの文化・社会に果たしていた駄菓子屋の役割について」



◇駄菓子屋の想古学

 それは番小屋から生まれた
番太郎(木戸番)の副業


「番太郎」という職業(低い仕事)


「荒物屋」という店(生活の店)
生活の店 VS 企業の店


「副業」というライフスタイル(余生の営み)
「路上のエデュケーター」


「番小屋」という家(公私混同)


 辻 という場所(ケニウス・ロキ)
ラテン語 コニ・ウス・ロキ(精霊)
辻 …公界
辻店…万屋


 交番店・駄菓子店・コンビニ
番小屋 → 治安維持+防火

明治7(1874)年 交番所 番屋・制度化

お巡りさんが日用品屋・駄菓子屋同様


 福田アジオ 
   東日本は「番」と呼ばれる家が単位で
  西日本は「衆」と呼ばれる個人が単位
  

 値段の形容史     
 「一文菓子(江戸)
   → 一厘菓子(明治)
   → 一銭菓子(昭和初期)
   → 十円菓子(昭和中期)」
  

「文久店」
  文久 = 文久銭  
   何でもある十円店

 下層階級の子 - 不相応な沢山の小遣い
 
◎「子どもをよりよく成長させようとか、子どもの躾方について心を労せずに
  自分たちの邪魔になれば、おあしを与えて追い出す」
  
     ~ 追い出された子ども  


 一文菓子とみかん箱


 10円ボランチャー
  「三文みせ」  
    一銭託児所 - 子どもは日雇いの遊び人


 ボランティア+アドベンチャー = ボランチャー
  「一文」「一銭」 = 「子ども通貨」 チルドレンズ・マネー

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「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ③ /「日本の旅・文化事典」辻原康夫 トラベル・ジャーナル  2000年 ④ 【再掲載 2011.12】 [読書記録 教育]

今回は、2月24日に続いて竹内隆夫さんの
「自問活動のすすめ」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、


「道徳教育を自発的なおこないの中で、行動力と生きがいをとりもどそうとして行った具
 体例を紹介する。自らの生き方を問い、徳性の向上をはかろうとした『自問活動の教育』
 の実践例。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「待つことのできる教師に」


・「点数には現れない人間の値打ちは『気働き』」


・「『人生の目的は知識ではなく行動である』パスカル」







もう一つ、再掲載となりますが、辻原康夫さんの
「日本の旅・文化事典」④を載せます。
旅、文化に関わることがコンパクトにまとめられており、
わたしには、たいへんわかりやすい本でした。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ③

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◇特性を養う実践活動の条件

□知行合一の体験活動

 1 自発性を信じて待つこと

     授業研究発表会 
       ~ 悪い芝居?

     待ちに徹する場としたい
       → 待つことのできる教師に


 2 知行合一の場

    人間性 
    … 自問しつつ行動し、その行動を自己評価しつつ徐々に高まるもの

◎ 行為の中で精神的な喜びを覚える方策を生むこと!


 3 自分の弱さが自覚される場

    もっと自分の弱点が見え、それを克服しようと努めるような場を考案設
   定すること


 4 気働きが育つ場

    子どもは「なすことによって学ぶ」

   ◎ 学力はなくても、よく仕事が分かり、人の心がくみ取れる気配りが在
    れば社会人として長く重用されよう
(例え有名校を卒業し有名企業に就職できたとしても、気働きに欠けてい
    たならばそこで行き止まりとなる)

◎ 点数には現れない人間の値打ちは「気働き」

   → 現状は公徳心欠如の「徳やせの国」
    

 5 感謝と正直な心が育つ場

    人間
    … 思いやりの心があるからこそ
  
    コンニャクのような子ども
 箸が通りにくいように説得が心に刺さらず、味を付けるにも時間が
    が掛かる

    感謝の気持ちをもつことが大切
実践活動 ~ 感謝の心と正直な心

    フランスのフレネ学園
「イニシアチブの時間」
一人一人が何でもよいから自分で考えている園のために役立つ
      作業をする時間

◎ 誰からも管理されない自発的実践活動

    体験は百万の他人の経験より値打ちのある財産である




◇自立のための5つの柱

 1 心にブレーキをもつこと

    民主主義の自由
     ~ じゃまをしないという意味

第一資格      自由をわきまえる
我慢を続ける訓練をすること


 2 人の心がくみとれること

    ハンドル操作

    トインビー  世界の偉人は「よく人の心がくみ取れる」


 3 想像発見に努め有用感・存在感を

    最新の注意力
     役に立ったことの有用感・存在感


 4 謝恩の気持ちをもつこと 

    感謝の心で運転する


 5 裏表のない正直な心

    人が見ている見ていないにかかわらず

    「正直に生きる」徳性

    「人生の目的は知識ではなく行動である」パスカル








☆「日本の旅・文化事典」辻原康夫 トラベル・ジャーナル  2000年 ④ 【再掲載 2011.12】

[出版社の案内]
懐石料理と会席料理はどう違うの。神社参拝の正しい作法は。絵馬や招き猫の
由来は、等々、素朴な疑問がすぐに解ける、日本文化物知り事典。さまざまな
文化財の見方も詳しく図説したハンドブック。
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<祭りと芸能>

◇祭りと図式

□祭りの定義 

 祭り = 祀り

 神人合人
  - 神秘霊力を分けていただく

 アルコールで神懸かり状態に

 柳田国男
   「祭り」と「祭礼」を区分け
賑やかさ・部外者


□祭りの分類
 
 ① 例祭・縁日

② 豊作祈願祭 
     えんぶり(八戸市) 竿灯(秋田市) 風の盆(八尾市)

③ 供養
     盆踊り 阿波踊り(徳島) 郡上踊り(郡上八幡)  
     エイサー

④ 厄払い・疫病除け
     ねぶた(青森) なまはげ(秋田) おけら詣り(京都)
裸祭り(各地)

⑤ 年占
     相馬野馬追(原町など) 玉せせり(福岡)
川内綱引き(川内市)  けんか祭り系統も

⑥ 季節祭り  
     収穫祭 節会系統

⑦ 火祭り
     吉田の火祭り(豊橋市)  大文字五山送り火(京都)

⑧ 偉人英雄祭り 
     百万石祭り

⑨ 市民祭り
     町の活性化と商業が目的
□□市民祭り □□フェスティバル


□祭りの構造
 
 ① 神迎え 
     依り代,巨石,巨木,幟,鉾,御幣
神の来臨は深夜 = 宵の宮

② 神人合一 
     神態(かみわざ) 
     神楽 = 神が人に乗り移る
神が一休みする場所「御旅所」
「直会」なおらい 
        - 霊力を身体に取り込む

③ 神送り 
     特別な神事は行わない 


□祭りの用語
  
 禊,御幣,神饌(お供え物),渡御(とぎょ=お渡り) 
風流(ふりゅう=神事芸能),御旅所(お仮屋)宮だし・宮入り
宵の宮(宵祭り・宵宮)



◇民俗芸能の仕組み

□民俗芸能のタイプ

① 神楽
   ○巫女神楽  
      - 巫女,鈴,扇  舞いながら祈祷する
○採物神楽  
      -「採物の舞+仮面舞踏劇(神話)」-出雲系神楽
○湯立神楽  
      大釜に湯 - 笹を振りつつ周囲の人々に湯をかける
-伊勢系神楽
○獅子神楽  
      獅子舞 - 悪霊払い・火伏せ

② 田楽
    稲の豊作を祈って行う諸芸能
○田遊び   
      年間の稲作作業を物まね的に演じる
○田植踊り  
      早乙女が田植えの様を踊る
○田楽踊り
      豊作祈願の舞 

③ 風流  
    獅子舞,念仏踊り,雨乞い踊り,太鼓踊り,鷺舞,盆踊り
~ 風流芸

④ 祝福芸 
     語り物芸,万歳,獅子舞,猿回し  

⑤ 外来芸
     舞楽や伎楽 → 延年
能楽,歌舞伎,人形浄瑠璃 



◇古典芸能を楽しむ

□能  
  旋回動作による「舞」の芸能

   14世紀観阿弥・世阿弥が物まね芸の猿楽に歌舞や音曲を取り入れて完成
  した
◎ 「舞」 + 「謡(うたい)」 + 「噺」
◎ すり足
       水平的な静かな歩行(運び)が多い
◎ もとは屋外


□歌舞伎 
   跳躍動作による「踊り」の芸能

「奇異な」「突飛な」 = 「傾(かぶ)く」の名詞形

  「歌(音楽)」+「舞(舞踏)」+「伎(演技)」当て字

   17世紀末 元禄期 演劇性高く

   日本特有のショー
    「荒事」と「和事」
時代物・世話物・所作事・新歌舞伎(明治~)

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