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「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ① /「駄菓子屋楽校」松田道雄 新評論 2002年 ①【再掲載 2016.10】 [読書記録 一般]

今回は、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」1回目の紹介です。



出版社の案内には、


「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
 望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
 史の実像が浮かびあがる。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「桓武天皇による政治の立て直し
  奈良時代の天平文化から平安時代の国風文化へ」


・「皇室と上層農民がともに賀茂祭りとかかわることを通じて成長しつつある庶
民を朝廷の側に取り込もうとした」


・「なぜ遷都が必要だったのか
貴族を押さえ、国司郡司の取り締まり強化する政治改革のため」


・「鴨氏と秦氏が協力して、東漢氏の後退をねらい、都を奈良盆地から引き離
して、天皇家を古き神々に向けさせた。」






もう一つ、再掲載となりますが、松田道雄さんの
「駄菓子屋楽校」①を載せます。
20年前に出版された、駄菓子屋の教育性を示した本です。
本書に啓発されて、退職したら駄菓子屋的なものを開きたいと思いましたが…
世界的感染症が発生するとは思ってもいませんでした。
また、これほどまでに子どもの数が減少するとも…。







<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ①

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◇平安遷都で実現した貴族政権の復興(1)

□一大転機となった平安遷都

 桓武天皇による政治の立て直し
奈良時代  天平文化

平安時代  国風文化


 光仁天皇   官吏減員して政治刷新


 桓武天皇   
   781年 即位
784年 長岡京 貴族寺院山林所有禁止
794年 平安京
◎ 仏教を排し素朴な神々の祭りを重んじる(復古的政策)

◎ 平安京の守り神として賀茂神社
皇室と上層農民がともに賀茂祭りとかかわることを通じて成長し
      つつある庶民を朝廷の側に取り込もうとした
    
   (= 武士の時代のきざし)



□なぜ遷都が必要だったのか

 貴族を押さえ、国司郡司の取り締まり強化

 = 政治改革



 政治改革への不満
他戸(おさべ)(おさべ)親王の廃太子事件 772年
早良親王の廃太子事件 785年
薬子の変       810年


 嵯峨天皇の治世(809~823)に安定



□平安初期文化の特徴とは

 質素で復古的な文化 

 → 弘仁・貞観文化(貴族趣味)



□平安京が辺地に造られた理由

 4㎞四方の盆地
   - 木津川流域の奥(北方)辺地

 山城国内
   - 鴨氏などの住民と大和朝廷



□遷都を後押しした二大豪族

 ◎鴨氏  
    鴨川流域本拠地

上賀茂神社 下鴨神社

    古代「葛城鴨」高鴨神社(奈良県御所市)と関連


 ◎秦氏  
    桂川流域に勢力

5世紀末日本に移住 渡来系二大勢力(東漢(やまとあや)(やまとあや)氏-飛鳥)

     大堰(おおい)(おおい)ダムをつくり嵯峨野一帯を支配

     秦河勝の広隆寺、松尾大社、伏見稲荷



□鴨氏と秦氏のねらいは?

 ◎鴨氏  
    代々殿部(とものり) 
     - 儀式でかがり火を焚く役目

    鴨の神の祭り
     = 朝廷で古来の神事を担う豪族尊重


 ◎東漢氏
    5世紀以来秦氏と対立


 ※ 鴨氏と秦氏が協力して、東漢氏の後退をねらい、都を奈良盆地から引き離
  して、天皇家を古き神々に向けさせた。









☆「駄菓子屋楽校」松田道雄 新評論 2002年 ①【再掲載 2016.10】

<出版社の案内>
駄菓子屋。子ども相手におばあちゃんが開いていたこのなつかしい店が、放課後
の子どもたちにとって、もう一つの学びと育みの場であった。これが『駄菓子屋
楽校』というタイトルの意味。
 小さな駄菓子屋のなかに明日の社会を作るヒントが隠されていたことを掘り起
こし、これからの生き方やまちづくりへの視点を提言したユニークな本。
 著者は大学院の修士論文のテーマを駄菓子屋に決め、地元・山形で教育との関
係を調査、これが元となって実践の場としての「だがしや楽校」へと発展、思索
と実践の中から、こども・大人・地域の未来のあり方まで含めた射程の広い提言
が可能となった。
 中学校教員の経験と現代のゲームやケータイなどの文化との比較し、「ダガシ
ヤ・チルドレン」「隣人類/遠人類」「ボランチャー」「生活作り方運動」「世界
駄菓子屋運動」といった新しい概念を生みだした本書は、研究書としてだけで
なく、知的に楽しめる読み物としても秀逸である。
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◇駄菓子屋から見た世界 

 加藤理
  「子どもの文化・社会に果たしていた駄菓子屋の役割について」



◇駄菓子屋の想古学

 それは番小屋から生まれた
番太郎(木戸番)の副業


「番太郎」という職業(低い仕事)


「荒物屋」という店(生活の店)
生活の店 VS 企業の店


「副業」というライフスタイル(余生の営み)
「路上のエデュケーター」


「番小屋」という家(公私混同)


 辻 という場所(ケニウス・ロキ)
ラテン語 コニ・ウス・ロキ(精霊)
辻 …公界
辻店…万屋


 交番店・駄菓子店・コンビニ
番小屋 → 治安維持+防火

明治7(1874)年 交番所 番屋・制度化

お巡りさんが日用品屋・駄菓子屋同様


 福田アジオ 
   東日本は「番」と呼ばれる家が単位で
  西日本は「衆」と呼ばれる個人が単位
  

 値段の形容史     
 「一文菓子(江戸)
   → 一厘菓子(明治)
   → 一銭菓子(昭和初期)
   → 十円菓子(昭和中期)」
  

「文久店」
  文久 = 文久銭  
   何でもある十円店

 下層階級の子 - 不相応な沢山の小遣い
 
◎「子どもをよりよく成長させようとか、子どもの躾方について心を労せずに
  自分たちの邪魔になれば、おあしを与えて追い出す」
  
     ~ 追い出された子ども  


 一文菓子とみかん箱


 10円ボランチャー
  「三文みせ」  
    一銭託児所 - 子どもは日雇いの遊び人


 ボランティア+アドベンチャー = ボランチャー
  「一文」「一銭」 = 「子ども通貨」 チルドレンズ・マネー

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「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ③ /「日本の旅・文化事典」辻原康夫 トラベル・ジャーナル  2000年 ④ 【再掲載 2011.12】 [読書記録 教育]

今回は、2月24日に続いて竹内隆夫さんの
「自問活動のすすめ」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、


「道徳教育を自発的なおこないの中で、行動力と生きがいをとりもどそうとして行った具
 体例を紹介する。自らの生き方を問い、徳性の向上をはかろうとした『自問活動の教育』
 の実践例。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「待つことのできる教師に」


・「点数には現れない人間の値打ちは『気働き』」


・「『人生の目的は知識ではなく行動である』パスカル」







もう一つ、再掲載となりますが、辻原康夫さんの
「日本の旅・文化事典」④を載せます。
旅、文化に関わることがコンパクトにまとめられており、
わたしには、たいへんわかりやすい本でした。




<浜松のオリーブ園>

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☆「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ③

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◇特性を養う実践活動の条件

□知行合一の体験活動

 1 自発性を信じて待つこと

     授業研究発表会 
       ~ 悪い芝居?

     待ちに徹する場としたい
       → 待つことのできる教師に


 2 知行合一の場

    人間性 
    … 自問しつつ行動し、その行動を自己評価しつつ徐々に高まるもの

◎ 行為の中で精神的な喜びを覚える方策を生むこと!


 3 自分の弱さが自覚される場

    もっと自分の弱点が見え、それを克服しようと努めるような場を考案設
   定すること


 4 気働きが育つ場

    子どもは「なすことによって学ぶ」

   ◎ 学力はなくても、よく仕事が分かり、人の心がくみ取れる気配りが在
    れば社会人として長く重用されよう
(例え有名校を卒業し有名企業に就職できたとしても、気働きに欠けてい
    たならばそこで行き止まりとなる)

◎ 点数には現れない人間の値打ちは「気働き」

   → 現状は公徳心欠如の「徳やせの国」
    

 5 感謝と正直な心が育つ場

    人間
    … 思いやりの心があるからこそ
  
    コンニャクのような子ども
 箸が通りにくいように説得が心に刺さらず、味を付けるにも時間が
    が掛かる

    感謝の気持ちをもつことが大切
実践活動 ~ 感謝の心と正直な心

    フランスのフレネ学園
「イニシアチブの時間」
一人一人が何でもよいから自分で考えている園のために役立つ
      作業をする時間

◎ 誰からも管理されない自発的実践活動

    体験は百万の他人の経験より値打ちのある財産である




◇自立のための5つの柱

 1 心にブレーキをもつこと

    民主主義の自由
     ~ じゃまをしないという意味

第一資格      自由をわきまえる
我慢を続ける訓練をすること


 2 人の心がくみとれること

    ハンドル操作

    トインビー  世界の偉人は「よく人の心がくみ取れる」


 3 想像発見に努め有用感・存在感を

    最新の注意力
     役に立ったことの有用感・存在感


 4 謝恩の気持ちをもつこと 

    感謝の心で運転する


 5 裏表のない正直な心

    人が見ている見ていないにかかわらず

    「正直に生きる」徳性

    「人生の目的は知識ではなく行動である」パスカル








☆「日本の旅・文化事典」辻原康夫 トラベル・ジャーナル  2000年 ④ 【再掲載 2011.12】

[出版社の案内]
懐石料理と会席料理はどう違うの。神社参拝の正しい作法は。絵馬や招き猫の
由来は、等々、素朴な疑問がすぐに解ける、日本文化物知り事典。さまざまな
文化財の見方も詳しく図説したハンドブック。
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<祭りと芸能>

◇祭りと図式

□祭りの定義 

 祭り = 祀り

 神人合人
  - 神秘霊力を分けていただく

 アルコールで神懸かり状態に

 柳田国男
   「祭り」と「祭礼」を区分け
賑やかさ・部外者


□祭りの分類
 
 ① 例祭・縁日

② 豊作祈願祭 
     えんぶり(八戸市) 竿灯(秋田市) 風の盆(八尾市)

③ 供養
     盆踊り 阿波踊り(徳島) 郡上踊り(郡上八幡)  
     エイサー

④ 厄払い・疫病除け
     ねぶた(青森) なまはげ(秋田) おけら詣り(京都)
裸祭り(各地)

⑤ 年占
     相馬野馬追(原町など) 玉せせり(福岡)
川内綱引き(川内市)  けんか祭り系統も

⑥ 季節祭り  
     収穫祭 節会系統

⑦ 火祭り
     吉田の火祭り(豊橋市)  大文字五山送り火(京都)

⑧ 偉人英雄祭り 
     百万石祭り

⑨ 市民祭り
     町の活性化と商業が目的
□□市民祭り □□フェスティバル


□祭りの構造
 
 ① 神迎え 
     依り代,巨石,巨木,幟,鉾,御幣
神の来臨は深夜 = 宵の宮

② 神人合一 
     神態(かみわざ) 
     神楽 = 神が人に乗り移る
神が一休みする場所「御旅所」
「直会」なおらい 
        - 霊力を身体に取り込む

③ 神送り 
     特別な神事は行わない 


□祭りの用語
  
 禊,御幣,神饌(お供え物),渡御(とぎょ=お渡り) 
風流(ふりゅう=神事芸能),御旅所(お仮屋)宮だし・宮入り
宵の宮(宵祭り・宵宮)



◇民俗芸能の仕組み

□民俗芸能のタイプ

① 神楽
   ○巫女神楽  
      - 巫女,鈴,扇  舞いながら祈祷する
○採物神楽  
      -「採物の舞+仮面舞踏劇(神話)」-出雲系神楽
○湯立神楽  
      大釜に湯 - 笹を振りつつ周囲の人々に湯をかける
-伊勢系神楽
○獅子神楽  
      獅子舞 - 悪霊払い・火伏せ

② 田楽
    稲の豊作を祈って行う諸芸能
○田遊び   
      年間の稲作作業を物まね的に演じる
○田植踊り  
      早乙女が田植えの様を踊る
○田楽踊り
      豊作祈願の舞 

③ 風流  
    獅子舞,念仏踊り,雨乞い踊り,太鼓踊り,鷺舞,盆踊り
~ 風流芸

④ 祝福芸 
     語り物芸,万歳,獅子舞,猿回し  

⑤ 外来芸
     舞楽や伎楽 → 延年
能楽,歌舞伎,人形浄瑠璃 



◇古典芸能を楽しむ

□能  
  旋回動作による「舞」の芸能

   14世紀観阿弥・世阿弥が物まね芸の猿楽に歌舞や音曲を取り入れて完成
  した
◎ 「舞」 + 「謡(うたい)」 + 「噺」
◎ すり足
       水平的な静かな歩行(運び)が多い
◎ もとは屋外


□歌舞伎 
   跳躍動作による「踊り」の芸能

「奇異な」「突飛な」 = 「傾(かぶ)く」の名詞形

  「歌(音楽)」+「舞(舞踏)」+「伎(演技)」当て字

   17世紀末 元禄期 演劇性高く

   日本特有のショー
    「荒事」と「和事」
時代物・世話物・所作事・新歌舞伎(明治~)

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「浜松古跡図絵」神谷昌志 明文出版社 1987年 ⑧ /「教育大混乱」プロ教師の会 洋泉社新書 2007年 ②【再掲載 2012.3】 [読書記録 郷土]

今回は、2月22日に続いて、神谷昌志さんの
「浜松古跡図絵」の紹介 8回目です。


浜松の郷土史家・神谷昌志さんが浜松の歴史を多数の図や写真を使って
教えてくれます。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「鈴木織機が導火線の日楽争議」
- 大正時代らしいですね


・「馬車と軽便鉄道と乗り合いバス」
- いろいろあったのが今は遠州鉄道に・                                  


資料が理解を助けてくれます。




もう一つ、再掲載となりますが、プロ教師の会による
「教育大混乱」②を載せます。

 - 教委と学校を支えるシステムと裁判・マスコミ対策の仕組み
 - 改革は現場の教師を信用するところから始めなければ…
 - 「無限のサービス」の要求という問題
 - 何が職務で何が職務でないのか線ひきを!

早急に対応しないと日本の教育がそれこそ「教育大混乱」とならないか?
と心配になります。





<浜松のオリーブ園>

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  ものづくりのまちとも言われる浜松。
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☆「浜松古跡図絵」神谷昌志 明文出版社 1987年 ⑧

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◇日清日露と浜松駅の凱旋門

 日露戦争の凱旋祝賀 

   昼夜接待 - 国光館(のち元城小附属体操場)



◇商店引札と広告暦

 引札 = 商店の広告



◇浜松歩兵連隊

 1907(明治40)年10月 第67連隊



◇馬車と軽便鉄道と乗り合いバス

□1907(明治40)年 浜松鉄道 

  ① 板屋町~西鹿島

  ② 板屋町~中野町 軽便路面鉄道

 → 大日本軌道(株)

 → 遠州電気鉄道(株) 

 → 遠州鉄道(株)
  

□1913(大正3) 浜松軽便鉄道(株) → 浜松鉄道(株) 

  ① 浜松~奥山間

  ② 元城~金指 → 板屋町~奥山


□タクシー 1920(大正9)


□バス 1923(大正12)



◇鈴木織機が導火線の日楽争議

□労働争議 

 1916(大正5) 日楽と帝国制帽のストライキ

 1926(大正15) 100日余りの日楽争議

4~8月 開明堂支配人殴られる



◇浜松御巡幸

□昭和5(1930)年5~6月 5/30~6/1の3日間

 第一連隊 

 → 凧揚げ

 → 浜松工業

 → 帝国制帽

 → 浜松工場

 → 浜松市公会堂 

 → 日本形染

 → 日本楽器

 → 練兵場 

 → 服部中村養べつ場

 → 井伊谷宮



◇巡礼日記

 画人・黄鶴 鈴木黄鶴  
  鈴木朝二 大瀬生まれ



◇有年楼大米屋

  駅前の旅館大米屋 棟瓦、瓦造りの鯱
元は伝馬町 明治25(1892)年の入桝座の火事で焼失



◎駅前に移転 
    法雲寺南側に新築移転 
    
    花屋も駅前に移転









☆「教育大混乱」プロ教師の会 洋泉社新書 2007年 ②【再掲載 2012.3】

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5.「教育再生会議」はどこへ行こうとしているのか  河上亮一
  
□教員、教育学者への不審


□最大の問題は「学力低下」なのか?

 
□「生活力低下」こそ問題ではないのか!

「生活の仕方をきちんと身に付ければ、嫌なこと、難しいことにぶつかると簡単
 に参ってしまう生徒達が増えている。ちょっとしたことで大きく傷つくように
 なった。他方、欲望を抑えることをしなくなり、他人と一緒に生活することが
 難しくなった。傷ついたとき、自分を守るために暴力的になることも出てきた。」

 ○日本の学校

  ① 生活教育
      集団生活、生活習慣、社会性(道徳性) → 年々難しく

② 教科教育



◎ 生活力の低下

 ○ただ時間数を増やすのは…
     
    ▲生活力低下、気構えの低下、教師の忙しい毎日


□「出席停止」は切り札になるのか

  必要なのは 

 → ◎ 教委と学校を支えるシステムと裁判・マスコミ対策の仕組み

   ◎ 混乱の原因は教師にあるのか?

 ※ 混乱の根本的な原因は、社会の大きな変化の中で子どもが変わり学校に合
  わなくなってきていること   

  ◎ 優秀な教師ばかりが集まったら子どもたちにとっては地獄になるのではな
   いか
            |
  ◎ 改革は現場の教師を信用するところから始めなければ…



6.市場の論理と教師査定で学校は活性化するか   喜入 克
  
□市場主義的な学校改革とは何か?

 ① 新しい時代がやってきた

② 顧客を満足させるためのきめ細かなサービス

③ 競争と評価、選択の時代


□学校はどう変わっているか?

 ① 子どもは教師と五分の意識を持つようになった

「分かるように教えてほしい」
  
  「やる気の出るように教えてほしい」

  「一方的に押しつけないでほしい」

 ② 新しい学力観、教師の自己申告書
    
 ③ 学校評価、学校選択制、教員免許の更新制度
  

□「無限のサービス」の要求という問題

①「無限のサービス」の要求とは何か

② 問題点と解決の方法
 問題1 彼らが学校に対して過大な幻想を持っていること

 問題2 彼らは特定な責任者を持とうとする

 問題3 教師にとっての倫理的な責任が職務としての責任にすり替わ
       ってしまうこと 

    →  ◎ 何が職務で何が職務でないのか線ひきを!

 ③ 教育行政の役割は「有限のサービス」を示し、顧客と契約すること

◎ 学校について現実的で有限な前提に立って損害賠償的な「特定な責任者」
   はいないと考え、教師の倫理的な責任と職務としての責任と区別する。


□メンバーズシップの問題

①「家庭教師モデル」の問題点

誰にとっても満足のいくサービスを無理に目指すことで結局は誰にとって
  も満足できないサービスに…
    
 ② メンバーズシップという観点 
 私立 ~ 逸脱した生徒へのペナルティはかなり厳しい
    
 ③ 昔のものへの積み増しという発想
  

□教師の評価の問題

①「私」と「教師としての私」  
 
 ② 年配の教師と若い教師
 
 ③ 時代のニーズ

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「深谷昌志さんはこんなことを」②-『子どもをどれだけ知っているか』 明治図書 1993年(1)  /「子どもの本のカレンダー」鳥越信・生駒幸子 創元社 2009年 ③【再掲載 2014.3】 [読書記録 教育]

今回は、2月15日に続いて、わたしの「教育ノート」から
「深谷昌志さんはこんなことを」の紹介2回目、
『子どもをどれだけ知っているか』1回目の紹介です。


深谷さん、静岡大学教育学部に長くいらっしゃいました。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「教師は子どもをとらえにくい
一日の中で何時間も教師の知らない生活を送っている」
- 当然のことですが、知っていて当たり前だと思う方もいます。


・「データを持つことの大切さ 学級は子ども研究の宝庫」


・「親が節度を持ってテレビに接しテレビ以外の余暇を持つ」
- 今は、ゲーム、ユーチューブ等テレビ以外のものが増えましたが‥。


・「群れ型遊びの再生を」


・「日本の女子は女の子らしさに安住して自信に欠ける
欧米の男子に勢いがないのが気になる」




およそ30年前に出版された本だと思わせられる言葉がたくさんあります。
この30年の間に子どもを取り巻く状況が大きく変わりました。
良くなったなと思うこともあれば、残念だなと思うこともあります。
それを再確認することができる要約でした。




もう一つ、再掲載となりますが、鳥越信さん、生駒幸子さんの
「子どもの本のカレンダー」③を載せます。
366日、その日に関連のある本が紹介されています。
読み聞かせ等に役立つほんであり、よい読書案内になっています。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
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ふじのくに魅力ある個店
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休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「深谷昌志さんはこんなことを」②-『子どもをどれだけ知っているか』 明治図書 1993年(1)

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◇子ども研究の必要性

□教師は子どもをとらえにくい

 一日の中で何時間も教師の知らない生活を送っている

◎ 子どもの素顔は分かっていないという自覚を持とう
◎ 子どもは教師に仮面で接している(教師からよく思われたい)


□子ども理解の進め方

 ① マークした子の半日を追う
友達 
     遊び方 
     気付いたことをメモ

 ② テーマを限定して子供たちから話を聞く
スナック 
     好きな番組 
     テレビゲーム 
     小遣い額

 ③「遊び仲間」「文房具」などテーマを決め、一学期、半年とクラスを追いか
  け

 ◎ データを持つことの大切さ

 ◎ 学級は子ども研究の宝庫
 


◇テレビ
     小学校       中学校
昭和50年 2時間20分    2時間02分

昭和55年 2時間32分    2時間13分

昭和60年 1時間55分    1時間54分

 平成 2年 1時間57分    2時間01分

 ○テレビを自由に観る子
遊びはうまいかもしれないが生活がだらしなく勉強も苦手

 ○テレビを観ない子
きちんとしていて成績もよいかもしれないが友達づきあいが下手で遊
   びたい相手がいない


 ◎ テレビについてのしつけが大事
     
  = 親が節度を持ってテレビに接しテレビ以外の余暇を持つ

 

◇遊び 「昨日遊んだ子は13%」

□「群れ」から「孤立」へ
 ① 屋外で

 ② 何人かの友達と

 ③ 体を動かし

 ④ 玩具を使わず

 ⑤ 自然的に遊ぶ

   ↓
 
 ① 室内で

 ② 一人きりで

 ③ 体を動かさないで

 ④ メカを玩具として

 ⑤ 受け身で遊ぶ


□群れ遊びの期待

 ① 体が丈夫になる

 ② 友達とのつきあい方を覚える

 ③ やる気が育つ

 ④ 創造力が芽生える

 ⑤ 手先が器用になる

 ⑥ 情操が豊かになる

 ⑦ 気晴らしになる


□豊かな遊びから貧しい遊びへ

 ① 体力の低下 

 ② 直接体験低下

 ③ 人間関係未成熟

 ④ 自尊感情矮小化

 → ◎「群れ型遊びの再生を」

 
◇性差 ファイヤーファイターになりたい

□女の子らしさと男の子らしさ

 アメリカは若い国なのでよいと思ったことを徹底的に実行していく



 しかし、性差の問題は、その社会の文化や伝統を背景にしている



 子供たちは「行動的なのが男子 内気なのが女子」というコンセプト
性的な社会化



・日本の女子は女の子らしさに安住して自信に欠ける
・欧米の男子に勢いがないのが気になる










☆「子どもの本のカレンダー」鳥越信・生駒幸子 創元社 2009年 ③【再掲載 2014.3】

<出版社の案内>
「自分の誕生日が出てくるお話の本が読みたい」九州のとある公共図書館への子
どものリクエストに応えて、1年間366日毎日の日付の入った子どもの本を紹介
する。「○○ちゃんのお誕生日の本はどれかな?」「次はお父さんのお誕生日の
本を読んでみようか」会話が広がり、自然と本好きになる楽しい本。本書は、
1996年にゆまに書房で刊行されたもののリニューアル版。紹介する本を、現在
書店や図書館で入手可能な本に改めた。
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◇3月
 2日 「水族館のクジラ博士」 北川幸比古 小峰書店 1993年 


  8日 「おじいさんのランプ ごんごろ鐘」 新美南吉 大日本図書
                              1982年


 10日 「猫は生きている」 早乙女勝元 理論社 1973年
       東京大空襲  


11日 「大石内蔵助」 浜野卓也 岩崎書店 1998年


 12日 「麦原博士の犬語辞典」 原田京子 岩崎書店 1991年


 13日 「ほのおの夜」 今江祥智 理論社 1984年
       大阪大空襲


15日 「猫と海賊」 なだいなだ 偕成社 無人島調査


 16日 「玉虫とんだ」 菅原千夏 講談社 1993年 
       ライト兄弟に先を越される


 21日 「毒矢 長周丸の最期」 川村たかし 国土社 1983年 
       最初の捕鯨船


 22日 「飛べ赤い翼」 こんどうちあき 小峰書店 1991年
       1936アントレ・シャピーン墜落

 24日 「野に出た小人たち」 メアリー・ノートン 岩波書店 2004年
       アリエッティ 


30日 「ヘンリー・ブラウンの誕生日」 エレン・レヴィアン 
       鈴木出版 2008年


 31日 「たまごやきとウィンナーとおじいちゃんと」 村中李衣 
       偕成社 1992年


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「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ② /「すごい和食」小泉武夫 ベスト新書 2011年【再掲載 2017.7】 [読書記録 教育]

今回は、2月19日に続いて竹内隆夫さんの
「自問活動のすすめ」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「道徳教育を自発的なおこないの中で、行動力と生きがいをとりもどそうとして行った具
 体例を紹介する。自らの生き方を問い、徳性の向上をはかろうとした『自問活動の教育』
 の実践例。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「本来道徳教育はまず行動力や意志力を身に付けることを本命とすべし」


・「教育の目的は知らざるを知らせることではなく、新しい行為ができるように
することである」 ライキン


・「小さな過失でも責任をとることを教えた」


・「林竹二さんの授業行脚『カエルの子はカエルか』」
- ただの講義のようにも見える授業ですが、そこに学びがある。
  ほんとうの学びとは何かとわたしに考えさせてくれました。




もう一つ、再掲載となりますが、小泉武夫さんの
「すごい和食」を載せます。
和食の良さを感じることができました。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ②

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◇現代道徳教育の問題点

1「処理」でよいのか日常問題 

    発生する事件への対処こそ道徳問題


2 問題は知見か意志か 

    日本の教育の抽象性・観念性

    本来道徳教育はまず行動力や意志力を身に付けることを本命とすべし


3 暗すぎる導入資料

    明るい授業でありたい


4 観念先行の道徳二十二項目

    レベルが高すぎる
     - 聖人さえ到達できない目標

    各項目感に重複が多い

 ◎望ましさ
① 短時間であっても毎日向上を目指す実践活動の時間を設ける。
         
   ② 集団活動の中で互いに気働きが育ち成長が認められるものにしたい。

   ③ 脚下照顧目標を絞って自分の行為を常に自問し、心の高まりが自覚
    できるものにしたい。
         
   ④ させられる活動でなく自発的行為をする為に作業の量や結果の成否
    は問わない時間にしたい。
         
   ⑤ 教室における道徳の授業は、その行動を見返す時間とし、互いに啓
    発し合い明るく明日の実践に結びつくものにしたい。     



※「教育の目的は知らざるを知らせることではなく、新しい行為ができ
     るようにすることである」 ライキン



◇心に生きる指針を抱くこと

 日本の最大の問題 
   ①「公害」 

   ②「人間性の喪失」


 遠山啓
  「学校における教育の役割」
①「術」
     体育・美術・工作・音楽などのように推論を経ないで幼年期から全
    教科に関わる土台をなす領域

    - 戦後すっかり軽視されてきたもの 
         
   ②「学」
     知的な教科の学習
         
   ③「観」
     人間としての生き方、人生観を追究する学習
※ 今、最も必要でありながら欠落している


1 自問する構え

   人間性の教育の不毛が非行を生んでいる

~ 甘えは底なし - 家出しても親が迎えに来てくれると思っている

   失敗したときの処理の仕方をからだで教えること
最初に…
「君たちは伸び盛りなので検討が来るって失敗しやすい年頃です。この
     程度なら大丈夫と思ってぶつかったらガラスが割れてしまったとか腰
     板が壊れたとかということが起こるだろう。そうしたら、すかさず校
     長に謝りに来なさい。謝り方はこうするのです(と具体的に練習させ)
     だれも見ていないからと黙って隠そうとすると自分がダメになる。人
     が見ていなくても自分が見ているのです。あとで思い出すたびに汚れ
     た心が見えて後悔するでしょう。しかも、その汚れは永久に消せませ
     ん。わたしは、きっと許すから早く謝って心の汚れをぬぐうことです。
     それが、若者の生き方であり勇気のある人間になる道です。」



     ◎ 小さな過失でも責任をとることを教えた

      = 自分に目を向け責任のとれる人間にすること



2 民主主義の担い手

   自由が放縦の意味にはき違えられてきた

   平等は「尊厳と権利について平等」と但し書き 
     ~ 福祉的な意味

しかし悪平等 → 勝手放題や下克上が横行
        
             ∥
              
        ◎ えせ民主主義    


3 人間にとって一番大切なもの

持田美弘教諭の授業
    「人間にとって一番大切なもの」



4 ヒトでなく人間として

   教育基本法
    「真理と正義を愛し、個人の価値を尊び」

   脳細胞の数は同じ
→ 成人するまでに個人差 成人式頃まで発達

   林竹二 授業行脚 
      「カエルの子はカエルか」
◎ヒトと人間との違い










☆「すごい和食」小泉武夫 ベスト新書 2011年 【再掲載 2017.7】

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◇和食はこんなにすごい

□東北には日本の食生活の原点がある
  
  日本人は「粒食」
   ヨーロッパ人は「粉食」 

  日本 粒麹   アジア 餅麹


□アジアの食文化事情 
   
  中東は粉食民族 
   
  東南アジアは粉粒混合民族


□日本人が「粒食」になったわけ

  完全粒食文化は日本のみ
   ~ 水田

  日本人は「焼く」民族ではなく「煮る」民族


□和食文化の原点  

  塩 … 山から海から


□山紫水明の日本 

  山が多い = 豊かな水流 

  80年経ってから地面に


□「水食い」の民族

  水心 水くさい 水入らず 誘い水 水掛け論 水を差す びっくり水

  生食100gの米
   → 160gのご飯(60gは水)


□ガソリンより水が高い


□水を取り巻く環境の変化

 「五感」で味わう和食 
  - 視覚 味覚 聴覚 触覚



◇和食のもつ魔法の力

□和食のシンボル 

  梅干しの驚異のパワー 
  = 梅干しはオールマイティ


□漬け物は最強の整腸剤  

  野菜をたくさんとれる+繊維


□繊維食で便秘知らず  

  紙餅


□すばらしき干物文化  

  植物性「乾物」 
  魚類「干物」

  干すことにより水減 
   - 微生物の繁殖が抑えられ腐らない

  素干し 塩干し 焼き干し 調味干し(みりん干し)


□鍋料理は人と人を結びつける 

  囲炉裏


□佃煮に見る日本人の英知  

  佃島の漁師


□大豆食品は万能である


□日本人よ「酒道」に学べ


□「酒の十徳」に見る酒飲みの心


□和食のアクセントは和菓子とお茶の最高のコンビネーション

 ① 甘酒を絞って煮詰めたのが強い甘みをもつ水飴

 ② 甘茶蔓と甘草 → 奈良時代にはお菓子


□秋田県は発酵食品の宝庫 

 「きりたんぽ」「いぶりがっこ」



◇和食の土台骨発酵食

□保存食品の王者「発酵」

  保存法
   ① 乾燥
 
   ② 塩蔵 
 
   ③ 煙で燻す
 
   ④ 灰でまぶす
 
   ⑤ 葉で包む
 
   ⑥ 発酵


□「発酵」は「腐らせたもの」ではない
 <微生物>
   ・悪玉  腐敗菌 病原菌

・善玉  乳酸菌 納豆菌 酢酸菌 麹黴 パン酵母 酒酵母

 ◎発酵食品
 
  = 善玉菌が食品の原料に作用しそこで増殖するときに人間に有益ないろい
   ろな物質を作り、それを食品に残してくれたもの

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「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ③ /「私の日本地図1 天竜川に沿って」宮本常一 未来社 2016年【再掲載 2018.11】 [読書記録 教育]

今回は、2月18日に続いて、辻本雅史さんの
「学びの復権-模倣と習熟」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、


「近代教育が普及する以前、日本人はどのように学んでいたのか。江戸時代の寺子
 屋、藩校、内弟子制度などにおける学びの実態と学習方法を具体的に解き明かし、
 荒廃する現代教育社会の中で学ぶことの意味を問い直す。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「貝原益軒の教育は『模倣と習熟』、『予(あらかじめ)する』教育」


・「『礼』の教育としつけ - 身体規律化」


・「職人の教育法は『見習う-見る」』=言葉では教えられないもの」


・「『個性尊重教育』のまやかし」
「『学校社会』から『学習社会』へ」



もう一つ、再掲載となりますが、宮本常一さんの
「私の日本地図1 天竜川に沿って」を載せます。
懐かしく感じる写真が多数載せられています。
遠州山間地のかつての様子を知ることができました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

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☆「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ③

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◇貝原益軒(1630-1714)の思想

 1 貝原益軒とは 
     福岡藩士右筆役の五男 
     自己学習の体験 
     福岡藩儒学として


 2 気の思想   
     朱子学 - 東アジアの眼 

     気のコスモロジー、気の生成論

心とは何か 「理」の哲学

  
 3 益軒の思想 
    「天地に事える」自己抑制の道徳論

    「術」の学

「物理」の学
       学習書を表した益軒

    「総論」の思想
       「養生訓」「和俗童子訓」



◇貝原益軒の教育論

 1 近世庶民の学習意欲 
    「和俗童子訓」出版の背景 1710年(81歳)

     教育史上の評価


 2 模倣と習熟 
    「予(あらかじめ)する」教育

何を教えるか 
      「あらかじめ教える」
     立志の重視
  

 3 教師の役割 
     益軒の教師論 
      「見ならふ所の手本」
  

 4 身体での学習
    - 礼としつけ -
「礼」の教育としつけ-身体規律化

  作法としての礼 
        身体から心へ



◇徒弟制と内弟子

 1 職人の教育法  
     職人の徒弟制

宮大工・西岡常一の場合
       見習う-見る 言葉では教えられないもの


 2「教えない」教育  
     能動的な学習 

     「我執を去る」 = 素直さ 
       「志」の重視



◇現代の学校と学習文化

 1 自己学習の文化 
     学校化社会を学習文化から透視する 

     学校教育の肥大化

     通信教育 
「宿題」という習慣 
         自己学習の学習文化
受験勉強の学習原理 
         受験参考書 = 自己学習用
            
    「立志」の欠落

     なぜ学びの意味を実感できない
  

 2 公文式学習   
     丁度の学習 
       自学自習形式-計算力・処理能力の重視

意欲(やる気)の重視 
       海外への展開
  

 3 教科書信仰   
    「教科書を教える」授業
  

 4 教師と子どもとの関係
「友達関係」の教師と子ども

     信頼感の欠如

     子どもが先生を選ぶ制度を
  

 5 学校の規律主義 
     学校生活の「礼」のマニュアル

     道徳教育としての「校則」

     礼法文化

     経済成長の文化的基盤
      - 礼法文化の再生産

    「個性尊重教育」のまやかし
            
     学校社会から学習社会










☆「私の日本地図1 天竜川に沿って」宮本常一 未来社 2016年【再掲載 2018.11】 

<出版社の案内>
原書は昭和42(1967)年刊。長野県の諏訪湖に水源を発し伊那谷を南下、多くの
支流を合わせ静岡県浜松市の東で太平洋にそそぐ天竜川。昭和17年から39年の
あいだにいく度かさまざまな機会に訪れた沿岸周辺の見聞を、遠州平野・二俣か
ら秋葉道=信州街道を経て諏訪湖まで、川筋をさかのぼってあるく旅の目で記す。
一本の川の下流・中流 ・上流の景観、事物にきざまれたそれぞれの特色ある暮
らしと文化形成の歴史をよみとる。写真264枚。宮本常一『旅に学ぶ』、田村善
次郎『歩くニュース』掲載の付録『日本の旅1』を収める
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◇はじめに

□天竜川 

 ① 上流文化地帯 と ② 下流の先進地帯

 ③ その間に他の河川に見られないような閉ざされた世界


□天竜川左岸

 遠山地方の遠山祭り

 水窪・西浦の田楽

 竜戸・草木の神楽

□天竜川右岸

 新野の盆踊り・雪祭り

 坂部・大谷の冬祭り

 設楽郡の花祭り



◎ 日本中世の神事芸能が古い姿のまま行われている


□新しい文化 - ダムが造られたため

 泰早(やすおか)ダム・平岡ダム・佐久間ダム・秋葉ダム


□日本屈指の林業地

 ◎山岳信仰の霊場
    秋葉山・山住神社

一本の川の沿岸の生活を見た



1 遠州平野

 東海道  大正15(1926)年12月 最初に通った(東海道線)


 平野の民家の特徴
点在 後ろに林を背負い前には生け垣
◎ 皆南向き


 松並木


 浜名湖 
   鰻養殖 東岸に多い
えさは鰯


 弁天島 
   州ができ宝永5(1708)年弁天様の祠

白い砂の上に松 → 別荘地・海水浴場

周辺にのりの養殖


 畑の境の木 
境にマサキやムクゲ → 共同開墾

飛砂防止のワラ


 小さい田 
   小さな田 - 牛馬スキに不適


 七島藺(しちとうい=畳表の材料)  


ビニルハウスと温室


茶畑 掛川より東
多くの武士による帰農の努力のあと


 街道の町 アスファルト


 掛川の町


 平野の民家 
   切妻の家が多い  


 天竜川治水 
   金原明善



2 天竜川を遡る

二俣  
  杣仕事


 天竜杉 


秋葉街道 
   雲谷の道 
   森町からの道


 秋葉ダム


 中部(なかべ)


 佐久間ダム
  100人近い犠牲者



3 水窪の谷

水窪へ
  昭和34(1959)年7月
 
  ~ P62まで



◇解説 なぜ驚くんだろう 魅かれる自分って何だろう 香月洋一郎

 宮本常一 
 「目の詰んだ民俗誌を書け。
  つまみ食いの調査をまとめて終わるようなことはするな」

『山に棲む民俗誌 序章』 未来社 1995
土佐山中の焼き畑の村の記録
← 大原富枝氏(作家)より手紙

「テーマ」と「モチーフ」


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「浜松古跡図絵」神谷昌志 明文出版社 1987年 ⑦ /「齋藤孝の朝読書にはこの名作を! 小学校教師のための 子どもを伸ばす最強ブックガイド」齋藤孝 小学館 2014年 ① 【再掲載 2017.7】 [読書記録 郷土]

2がたくさん並んだ日。
今回は、2月11日に続いて、神谷昌志さんの
「浜松古跡図絵」の紹介 7回目です。


郷土史家・神谷昌志さんが多数の図や写真を使って浜松の歴史を教えてくれ
ます。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『七科約説』 上下二巻翻訳刊行 明治12(1879)年」
- 「しちかやくせつ」は日本最初の西洋医学書とのことです。
  出版は高校の新聞部時代にお世話になった浜松の「開明堂」さんです。


・「金原明善の人名録」
- 治山治水で全国に知られていました。
  昭和26年~昭和33年まで、光村図書の小学校4年生国語教科書に、
  『四品の人』として彼の治水事業が掲載されていました。


・「浜松電灯株式会社」
― 浜松市富塚地区には多くの発電のための水車があったそうです。
  安定性に課題があり次第に統合されていったようです。うろおぼえですが。





もう一つ、再掲載となりますが、「読書」でおなじみの齋藤孝さんの、
「齋藤孝の朝読書にはこの名作を!」①を載せます。
教員対象となっていますが、子どもと関わるすべての方にお薦めです。
作者別というのがいいですね。
先日、特別支援学級の子どもたちに「手袋を買いに」を読みました。
静かに集中して聴いてくれました。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「浜松古跡図絵」神谷昌志 明文出版社 1987年 ⑦

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◇明治年代医学士の浜松往来

 浜松病院附属医学校教員として太田用成を招へい 
「七科約説」 上下二巻翻訳刊行 明治12(1879)年

 福嶋豊策 明治12(1879)年浜松病院長 
   のち開業
日楽(現ヤマハ)の山葉寅楠を浜松に呼んだ

 ベルツも浜松に 明治25(1892)8.28



◇金原明善の人名記と印章

 中央政財界と交友 
   上下二巻『人名記』(記念館) - いろは順
  
 多くの書



◇東海道線浜松停車場と機関車 

 東海道線全線開通 
   明治21(1889)年7月

 浜松駅
   明治21(1888)年9月
浜松-豊橋間の完成が早かったため 
     天竜川架橋に手間取る

 明治31(1888)年時刻表
   浜松-名古屋間 3時間55分
一日のダイヤ = 上り3本 下り3本



◇浜松電灯の創業とその役員

 浜松電灯株式会社
   明治35(1902)年9月(伝馬町)
明治37(1904)年1月 発電所(砂山町)
明治44(1911)年
     日英水電(株) → 早川電力 → 東京電灯



◇俳人・松島十湖と百人一句塚

 豊西町 卸嶽神社境内に「百人一句塚」
     「撫松庵」



◇国立銀行と浜松商業会議所

 明治6(1873)年 資産金貸付所(半官半民)

 明治22(1889)年 資産銀行(伝馬町)

 明治10(1877)年 
   第28国立銀行
→ 明治22(1889)年 第35国立銀行に合併
   → 静岡銀行に一本化

 浜松商業会議所
   明治26(1893)年創立 鶴見信平



◇遠州出身力士

 最高位は天竜三郎(大久保町出身 昭和5年に関脇位)



◇木橋の時代

 天竜橋
   1876(明治9) 金原明善 たびたび流失

 1882~1883(明治15~16)
   池田橋、豊田橋、浜名橋

 音作橋(宇布見~馬郡)
   中村音作による - 補修費莫大

 掛塚橋
   明治39(1906) → 大正14(1925)年県に買い取ってもらう 
1955(昭和30)年~1970(昭45) 鉄橋化に向け伴い有料化








☆「齋藤孝の朝読書にはこの名作を! 小学校教師のための 子どもを伸ばす最強ブックガイド」齋藤孝 小学館 2014年 ①【再掲載 2017.7】

<出版社の案内>
小学校教師のための最強ブックガイド
学力の基本は国語力。子どもたちに国語力を身につけさせるためには読書習慣の
確立と的確な読書指導は欠かせません。本書は小学生を読書の魅力に目覚めさせ
るためのノウハウ満載の小学校教師のための齋藤孝流名作文学ブックガイドです。
朝の10分間読書、家庭学習指導に最適! 好奇心と社会性を育てるために小学生
にぜひ読んでほしい日本と世界の名作文学の魅力と読みのポイントを齋藤孝氏が
伝授します。宮沢賢治、芥川龍之介からトットちゃん、ムーミンまでバラエティ
に富んだ作品群が登場。先生が気に入ったページをそのまま子どもたちに読んで
あげてください。
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◇宮沢賢治①

◎日本のアンデルセン 

 童話~詩的   
 池水火風 4元素
 オノマトペ


「セロ弾きのゴーシュ」
  イライラ → 成長  
  全文音読を!
 

「いちょうの実」  1・2年生  
  一人一人の子どもの巣立ち 
  音読で!


「よだかの星」 2・3年
賢治の魂の清らかさが入っている


「貝の火」 2・3年 
  持ち主の心の状況が現れる玉 



◇宮沢賢治②  高学年

「注文の多い料理店」
9作 動物の命を奪うのは平気だが自分の命を奪われるのはイヤ
→ 殺される動物の気持ちがちょっと分かっただろう
ユーモア


「グスコーブドリの伝記」
  自己犠牲


「銀河鉄道の夜」 4・5・6年  
  不思議  
  友だちと別れて自分一人が戻る
  ◎ 妹(トシ子)への思い  
  音読を!


◎ 「齋藤孝の音読破 銀河鉄道の夜」宮沢賢治 小学館



◇イソップ 前620~前564 古代ギリシア

◎イソップを読まずに大人になった人々が増加している。
 「親子でやる齋藤式まとめ力を付けながら読むイソップ」
                 齋藤孝 マガジンハウス


「ウサギとカメ」


「肉をくわえたイヌ」
  欲望は×


「金のたまごを生むメンドリ」
  欲望は×


「北風と太陽」
  北風式VS太陽式


「アリとキリギリス」 
  ~ 「セミとアリ」
    セミがあまりいない地方でキリギリスに


「キツネとブドウ」
  ひがみ・負け惜しみ


※短い話 + 教訓 = 人生訓話 寓話



◇新美南吉 1913~1943 半田市

「ごんぎつね」
  悲しくても心があたたまる 
  情緒力 「惻隠の情」


「手袋を買いに」
  母子の通い合い


「おじいさんのランプ」
  時代の流れを乗り越える


◎ ちょっと辛い目にあったり、ちょっと引け目を感じたり、そういう人の気持
 ちが、うまく描かれている

 ※「いぼ」「うた時計」など短い作品も


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小浜逸郎さんはこんなことを24-「いまどきの思想 ここが問題」PHP 1998年 (3) /「生涯一年生教師物語第9章 阪神大震災時代」 鹿島和夫 月刊『少年育成』より ①【再掲載 2012.11】 [読書記録 教育]

今回は、2月7日に続いて、
「小浜逸郎さんはこんなことを」24回目、
「いまどきの思想 ここが問題」3回目の紹介です。


今回はわたしには分かったような、分からないような…。



出版社の案内には


「日本人はさまざまな社会問題をどう感じ取り、思想としてどう考えているのか。本書は、
 戦後ニッポンの思想的問題点をとりあげた評論集である。テーマは戦争総括、歴史教科
 書問題、大江健三郎のノーベル賞問題、オウム、援助交際論、フェミニズム、クローン
 技術への危機意識など多岐にわたる。 例えば、昨今、物議をかもした『歴史教科書問
 題』。自虐的な歴史観を超えよ、という風潮の中、著者は、政治イデオロギーの対立と
 して考えること自体が間違いだ、と語る。慰安婦がいた、いないを論じるよりも、戦時
 に人間は何をするかわからない存在だ、という文学的想像力を育てることが先決ではな
 いのか。また、大江健三郎ノーベル賞問題とは何か。美談としてでしか報じられなかっ
 たことに、この国の批評精神の貧困さを嘆く。マスコミに流布される言説から、一歩引
 いた視点で捉え直し、自前で考える必要性を説いている。日本人の無邪気な知性を論駁
 した意欲作である。」

とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『恨み節』は『知の北朝鮮』だ
お勉強ばかりしていないでちょっと巷に出てごらん」


・「ミスコンは共通了解下のこと 差別ではない!」


・「別姓問題は、個人の権利さえ訴えていけばすむような夫婦だけの問題ではなく
て、『平等性の彼岸』にある家族空間の問題に関わるから割り切れない。別姓
  を使う権利さえ認められればよい」


・「日本人は『他者依存性』から脱却できない。独特の相互依存の精神構造をもつ」




もう一つ、再掲載となりますが、月刊『少年育成』より、鹿島和夫さんの
「生涯一年生教師物語-第9章 阪神大震災時代」①を載せます。
淡々と具体的に記されていて恐ろしさと準備の大切さを教えてくれます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg




<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆小浜逸郎さんはこんなことを24-「いまどきの思想 ここが問題」PHP1998年 (3)

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◇フェミニズムの旗手たちを論駁する

□フェミニストが陥る陳腐な被害者意識

 社会的差別をなくしていこうという主張はくめる
↑↓
性差そのものがけしからん
男女が個別につるむこと自体が問題という主張

◎ 共同体(性)としての狡猾さ


□男と女が引きつけ合うエロス的関係性は?

 美しく「見られる(見せる)」ことに喜びを見出して、自分を磨こうとする女性
が圧倒的に多いという事実をどう解釈するか?


□政治的なフェミニスト・上野千鶴子を斬る


□ミスコン反対議論から「ストロベリー・シーズン」削除問題まで

 「どろんこ祭り」も消えた

→ 男らしさ、女らしさのイメージを固定化してしまうから


□「恨み節」は「知の北朝鮮」だ

 お勉強ばかりしていないでちょっと巷に出てごらん


□吉澤夏子の可能性


□「男対女」という図式自体が間違っている


□夫婦別姓は、子供・家族の問題まで考えるべき

 別姓問題は、個人の権利さえ訴えていけばすむような夫婦だけの問題ではなく
て、「平等性の彼岸」にある家族空間の問題に関わるから割り切れない

◎ 別姓を使う権利さえ認められればよい


□「家族」の原理論的追及  

 家族 = 絶対的運命的空間


□「ミスコン」は果たして差別か?

 ◎ 共通了解下のことは差別ではない!


□「差別」を規定する原則とは?

  女性のエロス的身体的価値と人格的価値はあいまいに重なり合う
 



◇クローン技術や生命操作をそれほど危惧することは…

□私たちの周りには生命操作があふれている

 人間に関する「生命操作」をやってきている
避妊、中絶、不妊手術、人工早産、未熟児哺育、人工栄養 
排卵促進、人工授精、体外受精、延命措置、メガネ…

   ◎ 人間はそういった業を負ってきている


□遺伝子決定論への盲信

 遺伝子は人間の形態的側面を方向付ける一条件ではあっても、意志や人格や生の
あり方を絶対として決定づける

   可塑性を持つ


□クローン技術の気持ち悪さはどこから来るのか


□クローンは個体的な主体としての統覚の自明性をぐらつかせる

 ◎ 大半の人はクローン技術などにかかわりたくないと感じている




◇新たな共同体のヴィジョンを目指して

□物差しを失った日本人の精神

 ソビエト社主崩壊に伴う知識人のアイデンティティ喪失

 日本に対するアメリカの支配力の相対的な後退

 天皇制の弱体化


□日本人は「他者依存性」から脱却できない

 日本人は西欧並みに強い「個」を確立することは無理

独特の相互依存の精神構造


□個人と社会との関係を生き生きとさせる条件は何か
 
 ① 人は、個人のみによっては生きられず、関係によって生きる

 ② 人が関係に於いて重要視しており、しかも、これを捨ててしまっては関係そ
  のものが成り立たないと考えられる条件は二つである
    (a)相手から気に入られること
(b)何らかの役割に於いて生きること

 ③ エロスの原理 (a)

 ④ 社会の原理  (b)

 ⑤(a)(b)は排他的である

 


◇卑怯な言説者の登場
 
 芹沢俊介 VS  佐藤通雅(高校教師・歌人)
吉本隆明  「そんなに言うなら、あなたがここに来てやってみなさい」
芹沢俊介はお子様教
  「芹沢は自分は逃げ腰のくせに人に向かって神になれ仏になれと要求してい
   る」

 斉藤二郎(お子様教)
コーヒーを入れながらカタストロフィを見据える







☆「生涯一年生教師物語」第9章 阪神大震災時代 鹿島和夫 月刊「少年育成」より ①【再掲載 2012.11】

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第9章 阪神大震災時代

1 その日のこと

 その日の朝、ぼくは、何か眠れずに起きてしまっていた。


 昨夜、岸本さん夫妻や春川さんが遊びにきて、久し振りに歓談のひとときを過
ごしたものだった。


 酒をしこたま飲み、酔っぱらって早くから床につき熟睡できるはずだったのに、
早くから目を覚ましてしまっていた。


 階下の自分の部屋に入り、ワープロを入力し始めた。


 昨夜は、痛飲したため、子どもの作品を学級通信に整理するのが残っていた。


 確か小さな地震があったように思ったが、みんな楽しく語らっていたために、
さほど気にならなかった。


 そういえば、夕方の6時頃だったか、やらないで過ごしてしまっていた。


 やがて、5時46分ぐらいであっただろうか。


 全部の入力が終り、印刷にかかろうとした時だった。


 ドドッと音の津波が西の方角から聞こえてきたかと思うと、部屋の電気がバシ
ッと消えてしまった。


 とたんに、真っ暗闇になった部屋が揺れだした。


 地震だ!


 ぼくは、咄嵯に、左手を伸ばして都市ガスの火を消していた。


 闇夜の中で、部屋が右に揺れ左に揺れる。まるで、大嵐の中をさまようヨット
の船底でいるようだ。

 ワープロが投げ出され、プリンターの台が横に倒れ、押し入れの道具が飛び出
て本棚がドタドタとぼくの体にかぶさってきた。


 手で上にあげようとしても、ガンとして動かない。


 ぼくは必死の思いで本棚の下から這いずり出てきた。


 そして、散らばった本の上を這いながら人目のドアの所にやってきた。


 開こうとノブを引くがなにか道具がさえぎっていて開かない。


 どうしてなんだろう。


 引けども押せどもビクともしない。


 ぼくは焦った。


 ガタガタと震えが止まらない。


 そのうちに地震は、収まっていた。


 とたんに静寂がやってきた。あたりはシーンとして人声も聞こえない。


 「オーイ」


 ぼくは、大きな声で怒鳴ってみたがだれも答えない。


 2階で寝ている家内はどうしているんだろうか。


 3階で寝ている娘は。


 ともかく、脱出しなければ。


 闇の中、手さぐりで、何かあるのか、探ってみた。


 南側の雨戸は、きちんとしまっている。


 電動シャッターで動く西側の窓はぴしっと閉められている。


 真っ暗な密室というのは、恐怖の世界のように思える。


 明りが欲しい。


 懐中電灯はどこに置いていたのか。

 

 そうだ、廊下の物入れにあるはずだ。


 ぼくは必死で机やプリンター台を押しやり、ドアを開こうとした。


 すると、神の助けか、ほんのと数センチほど開いたではないか。


 あわてて足を差し入れ、体を押し入れてみた。


 なんとか、ぼくの肥満体が抜け出ることができた。


 廊下も真っ暗。


 手さぐりで物入れの場所にいってみた。


 物入れの中も散乱している。


 確か棚の中ぐらいに置いていたから、このあたりに落ちているはずだ。


 やっと、手に懐中電灯があたった。


 あわててスイッチを入れてみる。


 さっと光線が光る。


 「わっ、これは、何だ」


 あたりは雑具がばらまかれているではないか。


 本棚は、真っ二つに割れて、ガラス戸は粉々。


 ワープロは転がり、プリンターはコードが引きちぎられている。


 本やらフロッピーやCDが、足の踏み場もないぐらいに散乱している。


 ひどい。


 ひどい、これはひどい。


 その時になって、あわてて家族の事を思い出す。


 「お-い。だいじょうぶか!」


 「だいじょうぶ!」と家内の声。


 ぼくは、あわてて、階段を駆け上った。


 2階の居間に入ると、そこにも、すさまじい修羅場が展開されていた。


 ピアノは、壁と何回か衝突を繰り返したのだろう。


 横転している。


 ぼくの自慢のオーディオセットも、応接セットもみごとに粉砕されている。


 家内と台所へ。


 なんと、システムキッチンの食器棚に入れてあった道具や大きな皿や日常的に
使っている茶わんや食器が、観音開きの戸棚からすべて投げだされていた。


 それも、ふるいにかけたように茶碗が割れているため、まるで、砂利のように
粉々になって。


 「これは、酷い」


 家内は、泣かんばかりに眩く。


 とたんに、また、ドドドッと建物が揺れる。


 「怖い、余震だ。早く、外へ逃げよう」


 ぼくたちは、あわててパジャマ姿のまま外へ飛び出した。


 「わっ、これは、なんや」


 ぼくは、驚きの声を上げてしまった。


 そこで見た外の景色が一変していたからである。昨日までに見ていた、あの風
景は、どこにもなかった。


 向かいの鉄骨の建物が前に移動している。その隣の文化住宅が道路側に落ちて
いる。


 下には、家を支えるようにして、トラックがひしゃげていた。


 奥まった所に建てられていた古いアパートは、1階がなくなってしまっている。


 西側の建物も、ほとんどぶっ倒れている。


 東側の金持ちの総ひのき造りの豪邸が、無惨な姿に変貌している。


 瓦が落ち壁が落ち、建っていることで、かろうじて以前の姿をとどめている。


 ぼくは、再び震えがきて止まらなくなってしまった。


 ぼくの家だけは、建ち残ったんだ。


 これは、特異な出来事なのだ。


 ぼくは、いままでにも何回か地震を体験しているが、家が倒壊したような事実
を実際に見たことがないし、経験したこともない。


 だから、地震を体験しても、家が建っているということは、別に不思議なこと
でなかった。


 外に出たとき、わが家が、建ち残っていることには、なにも疑念を抱かなかっ
た。


 ところが、外に出た途端に、周りの家は、ほとんど壊滅状態になっている。


ということは、わが家だけが残ったということは、特別なことだったのだ。


 再び、ゴオーッと轟音が聞こえる。


 道路に出ている人が、「余震だ」と叫ぶ。


 とたんに、道路がミシミシと揺れ始める。


 「わあ、こわい」と嬌声があがる。


 暫くすると、静かになる。


 向かいの文化住宅に対して、L字型にアパートが立っている。


 奥をみると、完全に崩壊している。


 ぼく自身、放心状態になりぼんやりと見つめていたのだが、その時、奥から、


「だれか、助けて。助けてやって」


という中年婦人の声が聞こえたのである。


 そして、その狂乱した様子から、初めて気がついたのだった。


 「そうか、埋もれている人がいるんだ」


 ぼくたちは助かったけど、生き埋めになっている人がいる。


 そういえば、あのアパートには、独り身の人たちが多く住んでいたように聞い
ていた。


 交友はなかったから、名前も知らないし顔も知らない。


 そこに往んでいた人たちはだれも出てきていない。


 ぼくの右前の家の木造家屋は、ちょうど一年前頃に引っ越ししてきた人の筈だ。


 その家の息子が右往左往している


 「お父さんとお母さんと妹が埋まったままなんです」


 必死に助けを求めるがぼくには、どうしてやったらいいのか手の打ち様がない。


 懇意にしている三軒隣の酒店も崩壊している。


 おばあちゃんが寝ているはずだが、どうなっているのだろう。


 裏手の家も、すべてぺっしゃんこだ。


 ぼくは、マンションからふらふらと表通りを出て、国道二号線沿いを西に向か
って歩いていた。


 通りの木造家屋は、すべて倒壊していた。


 よく食べにいった食堂、毎朝、買っていたパン屋さん、なじみの散髪屋さん、
みんなみんな無残な姿を呈していた。


 助けてと泣いている男がいる。


 必死になって家屋を除けようとしているが、ほとんど動かないい。


 まわりが、こんなに崩壊してしまったのに、ぼくたち家族は、よく助かった
ものだ。


「子どもが、埋もれているんです。助けてやって」


 人々が、狂乱のように泣き叫んでいる。


 ぼくは、あてもなく西へ西へと歩いていった。


 しばらく歩くと、毎日、通勤時に見慣れていた巨大な宮地病院が崩壊してい
た。

 鉄筋コンクリートの一階部分が崩れ落ちている。


 何人かの職員や看護婦さんたちは、入院患者を運び出していた。


 そして、二人の当直看護婦さんが閉じこめられていると聞いた。


 ぼくは、唖然として急ぎ足で家に帰ったのだった。





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「信ずる宗教,感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ④(最終) /「教育の論点」文藝春愁編 文藝春秋 2001年 ④ 【再掲載 2013.2】 [読書記録 宗教]

今回は、2月17日に続いて、山折哲雄さんの
「信ずる宗教、感ずる宗教」4回目の紹介 最終です。




出版社の案内には、


「現代日本人にとっての信仰とは? 宗教とは? 明治以降日本が受け入れてきたキリス
 ト教的な価値判断でははかれないわれわれ日本人の信仰心を、歴史をさかのぼって探る
 宗教エッセイ」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「福沢流  … 脱宗教生活のススメ → 富国強兵 殖産興業への道
内村流  … 宗教原理主義 → 精神
柳田方式 … 世俗信仰への傾斜 → 民衆の知恵に学ばずして何の」


・「『殺すな』は黄金律 → 『生命を大切に』ではなく『殺すな』と!」


・「斎藤宗次郎と『雨ニモマケズ』 デクノボーは木偶の坊人形」


・「日本人の意識の底にあるものは『天然の無常』」


・「一神教の『信ずる宗教』と多神教の『感ずる宗教』」





もう一つ、再掲載となりますが、文藝春秋の
「教育の論点」④を載せます。
20年前の本ですが、大きな論点から細かな論点までいろいろです。
自分に合った考えと合わない考えといろいろです。





<浜松のオリーブ園>

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☆「信ずる宗教,感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ④(最終)

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◇日本人の信仰心

□宗教生活のすすめ

 福澤諭吉「学問のすすめ」 → 「脱宗教生活のすすめ」
  
      ↑
 ◎ 批判したのが内村鑑三 
  「文明開化は西欧文明の根幹を成すキリスト教を置き去りにしたままの軽佻
   浮薄な政策である」 

 柳田国男 「生活第一、信仰第二」

 ◎ 福沢流 … 脱宗教生活のススメ

 ◎ 内村流 … 宗教原理主義

 ◎ 柳田方式… 世俗信仰への傾斜


□「沈思黙考」を身に付けよ

 姿勢を正し、呼吸を整え、沈思黙考する


□「殺すな」は黄金律 

 ×「生命を大切に」

 → ○「殺すな」


□人生80年、90年時代の人生モデル


□長寿の手本はブッダ、西行、芭蕉、良寛に学べ


□西行、芭蕉、良寛の桜に込めた光景  
   
  大阪南河内 弘川寺に西行の墓


□古典に学ぶ日本人の信仰心 

 「万葉集」「源氏物語」「平家物語」

 ◎ 宗教教育の源に古典教育を!  
     もののけ


□日本から「大物」が消えた
 - 伊勢神宮のこころと阿久悠さん

 知の巨人たちは大物ではない
   中村元、白河静、梅棹忠夫、梅原猛

 大物は本物とは違う

 生まれ変わることで本物が誕生する 
   遷宮

 阿久悠はムカシの栄光を殺し続けた


□デクノボーへの道

 「雨ニモマケズ」最後の言葉

 人間はいかに無力であるか 
   デクノボー = 木偶の坊人形

 農耕社会が突きつけたジレンマ
   食うか食われるか


□斎藤宗次郎今何処

 内村鑑三と宮澤賢治 

 斎藤宗次郎 - 雨ニモマケズ

 斎藤宗次郎
   明治10(1877)元花巻市生
小学校訓導 - 内村との出会い → 退職
明治38(1905)年 求康堂   賢治とも勾留
「花巻非戦論事件」
賢治との精神的交流  
     宗次郎-新聞取次業
賢治の父政次郎と宗次郎との仲


□頻発する自然大災害に仏教僧侶は何が説けるか

 戦争の世紀から災害の世紀へ
   地震信は宗教的自然災害である

 宗教家の出番たり得る地震問題 
   被災者の穏やかな表情に思う
    
 寺田寅彦の「自然観」に学ぶ 
   日本人の意識の底 
「天然の無常」


□知的な宗教的論争を離れ共存の現実直視を


□「心の伝統」に学べ 

 グローバルスタンダードの脅威

 心の教育3つの位相
   ① 心の領域 
   ② 教育論
   ③ 心の伝統に学ぶ学校教育




◇宗教つれづれ 

□神も悪魔も我にあり 

 正義の感覚とおそれの感覚のバランスとり


□鎌倉仏教は宗教改革か?

 「近代史観」崩壊の危機
  

□「信ずる」と「感づる」の違い 

 自然の○○  - 信ずる宗教 

 自然の恵み - 感ずる宗教


□静かに柔らかく耐える    

 災害孤児に思う二つの物語


□「恨めしは鎮められないか」

 「ヒト」に姿を変えた「人間」
   
 福沢  富国強兵 殖産興業への道

 内村  精神

 柳田  民衆の知恵に学ばずして何の


□日本覆う「無」の包容力  

 悪の研究は親鸞のみ ←→ 西田「善の研究」


□「母」「死」「神様」の凋落


□「象徴」の意味なおざりに

 天皇制 - 血縁原理とカリスマ原理


□「しみじみ」信心で元気


□供養されぬ廃車の祟り

 「超越神」と「契約」の欠落


□賀川豊彦 

 写真供養に見る能の心


□子守歌の悲哀何処


□脱テロ地獄 

 3つの思考
   民主主義、政教一致、形而上学


□翁面 

 美しさの秘密 

 キリスト教こそ本質 

 異能の知識人




◇あとがき

 一神教「信ずる宗教」 ←→  多神教「感ずる宗教」










☆「教育の論点」文藝春愁編 文藝春秋 2001年 ④ 【再掲載 2013.2】

<出版社の案内>
2002年小学校と中学校の学習指導要領が大きく変わります。これは戦後教育が始
まって以来の大改革ともいうべき変更です。新学習指導要領で何が変わるかを精査
した日能研のレポートや、文部科学省の審議官自らが書き下ろした「ゆとり教育の
狙い」といった実際的な論文から、立花隆氏、中西輝政氏、石原慎太郎氏、曾野綾
子氏、西澤潤一氏、渡辺格氏、桐野夏生氏といったきら星のような賢人たちが論ず
る「学ぶことの本質」まで。何が自分の子供にとってよいのか、そのことを考える
ために必携の一冊です。
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◇子供はなぜむかつくのか  桐野夏生1951金沢生
 
□「パクリ」と「一人テロル」 
ムカツク
   - 騒ぎのイベント化
◎ なめてかかるくせに権威は弱い

 「ばれなければ何をしても良い」風潮 = 匿名の暴力性
↑↓
   やられたらやり返す = ◎ オリジナリティの欠如とパクリ
 

□「輪郭は肌色で」
◎ 社会の二極分化 = 富める層と低所得層

ある企業の人間 
  「名前のない大学を出た人間は性格さえ良ければいい」 = 一兵卒

 フリーターが3K

 専業主婦も二極分化 = 富める層とパート労働者



 
<奉仕か自由化>

◇奉仕義務から 曾野綾子

国家とは

ローマ教皇 
  「神の僕の僕」弱い人に使えるのが本質
 
 「与える」よりも「与えさせる」機会を

 子供の教育は強制に始まる
   辛い体験をするメリットは大

 「おぼっちゃま」と「お嬢ちゃま」のなれの果て



◇奉仕の前に「個の確立」を  上坂冬子

 未経験は足手まとい 
  ◎ ボランティアは受け入れ側と参加する側に厳然たる信頼関係があって成り
   立つもの

 恩師の一言 
  「諸君の前途にどんな人生が待っているか分からないが、一人で幾日放り出さ
   れても退屈せず、こころ等しく機嫌良く暮らしてゆける自分であってほしい」



◇子供は本屋に放り込め 重松清

 子供の選んだ本
  - 見えるものがいっぱいある

名探偵コナン?
  ◎ 「死体を前にしてすぐに推理を始めてしまうのはなぜだ?」  

ポケモン?
  ◎「自分では殆ど戦わないで飼っているモンスター同士を戦わせるのはなぜ
    だ?」

 親は「悪書」を忘れてしまう
「バトルロワイヤル」など見せればよい、見せて話し合えばよい
◎ 悪書の面白さ

 漫画本のビニル袋 
   ◎おじさんと悪ガキの「頃合い」感覚が失われていく

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「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ① /「されど彼らが人生-新忘れられた日本人Ⅲ」佐野眞一 毎日新聞社 2011年 ①(前半)【再掲載 2012.2】 [読書記録 教育]

今回は、竹内隆夫さんの
「自問活動のすすめ」1回目の紹介です。



出版社の案内には、


「道徳教育を自発的なおこないの中で、行動力と生きがいをとりもどそうとして行った具
 体例を紹介する。自らの生き方を問い、徳性の向上をはかろうとした『自問活動の教育』
 の実践例。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「古来受け継いできた民族の美点も智恵も、軍国主義と一緒くたに捨ててしまって
  から、日本の今日の混迷は始まった。それを救うには『教育』しかない」


・「『徳やせ金ぶとり』
   … 日本中が他人を責めるに急で反対に己の否を認めようとはしない」


・「教育基本法は『真理を愛し』が大切 = 教科の勉強が好きになるように!」


・「『できる人間はすぐする。できぬ人間は教えたがる。』バーナード・ショー」





もう一つ、再掲載となりますが、佐野眞一さんの
「「されど彼らが人生-新忘れられた日本人Ⅲ」」①を載せます。
『自問活動のすすめ』のマーヴィン・トケイヤーの言葉に
-「‥古来受け継いできた民族の美点も智恵も、軍国主義と一緒くたに捨ててし
  まって‥」
とありましたが、佐野さんは捨てられてしまった美点や知恵を、このシリーズの
本であぶり出しているように、わたしは感じます。




<浜松のオリーブ園>

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休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
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  ものづくりのまちとも言われる浜松。
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☆「自問活動のすすめ」竹内隆夫 第一法規 1991年 ①

◇まえがき

 マーヴィン・トケイヤー
  『日本人は死んだ』 日新報道 2000年
  - 古来受け継いできた民族の美点も智恵も、軍国主義と一緒くたに捨ててし
   まってから、日本の今日の混迷は始まった。それを救うには「教育」しかな
   いとして、教育の在り方を提言し、多くの示唆を与える。75年刊の新版。

 道徳教育
  - 徳性の向上



◇なぜ今自問か

 自由と放縦とをはき違え自省力を欠いた大人社会の反映
諸外国から笑われる
 
  「徳やせ金ぶとり」
   … 日本中が他人を責めるに急で反対に己の否を認めようとはしない

  ① こちらの弱点が見えること
  今の教育は多分に強者に向けて行われていないか


  ② 真理を愛する若者に


  ③ 考えるゆとり


  ④ 「ノー」が言えない
スリーマン
          現代病 - 他人指向型の人間が蔓延

       それぞれ強固な羅針盤をもたせる教育


  ⑤ 個性を生かす
コクトー
      「君が友達からいやらしいと思われる点を伸ばしたまえ、それが君な
       のだから」


  ⑥ 頭だけの異星人
頭と口先だけ達者、身体が伴っていない

「工作科」


  ⑦ 何の為の教科か
教育基本法 
       -「真理を愛し」のみ 
       = 教科の勉強が好きになるように

      せめて教科の存在理由を把握して欲しい

      教師は教科性の哲学をこそ


  ⑧ 何の為の行事か


  ⑨ 何の為の研修か 
      人間臭を払拭して吟味すべき


  ⑩ 教師の三悪・三すくみ
京都大学・井島勉
       「教師の三悪」 = 尊大、卑屈、怠惰 

     ◎ 教師は若さを保ち、努めて身体を泣かせ、行体験による研修を積む
      必要がある
         |
次の世代に希望をつなぐならば、何としても国の将来に責任の持て
      る思想とその教育を自立させなければならない。


 ※「できる人間はすぐする。できぬ人間は教えたがる。」 バーナード・ショー










☆「されど彼らが人生-新忘れられた日本人Ⅲ」佐野眞一 毎日新聞社 2011年 ①(前半)【再掲載 2012.2】

[出版社の案内]
首相候補ナンバーワンだった男の悲劇、ホームレスハウスをつくった元ヤクザ…有
名無名を問わず50の人生に鮮烈なスポットライトを照らすノンフィクション版
「人生劇場」。
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◇鳩山一族

□鳩山一族のマザコンぶりの祖 鳩山春子

 鳩山和夫 - 鳩山春子 インテリ教育ママ ~ 並はずれた過保護

     |

    鳩山一郎


□戦後最大の政治投資家 石橋正二郎

 鳩山安子 - 息子由紀夫に毎月1500万円の子ども手当

   |

父親は石橋正二郎(ブリヂストン創業)
    明治22年久留米生

大正12(1923)年 地下足袋が大評判



□鳩山一族とブリヂストン

 石橋正二郎
   昭和6(1931)に自動車タイヤ

昭和10(1935)にゴルフボール

秩父宮との交流

  麻布永坂町 = 高級住宅街

 ◎ 鳩山兄弟に財力的基盤を与えた石橋正二郎の足跡

  ※ 小渕恵三の原点    群馬県の中之条で製糸工場 - 生糸

  ※ 小泉純一郎の原点   横須賀港と労働者の手配




◇鈴木東民

□読売新聞争議の人物群像

 読売新聞争議(昭和20(1945)10月~)
中心は志賀重義と長文連 → 正力の焦土作戦を批判
五項目の要求      配転人事

   朝日新聞
    - 8月23日 経営及び編集○○の更迭 

   読売新聞 
    - あえて拒む


□反骨のジャーナリスト鈴木東民と正力

 鈴木東民
   1895年岩手県生

東大→大阪朝日→電通(ベルリンでナチス批判)→昭和10年読売新聞

   読売に入ってからも反ナチ論文

 読売新聞 
   アカには現場でバリバリ働いてもらう
↑↓ <経営方針>
◎上は警視庁出身者で固める

  ◎正力松太郎 五項目の要求を断る

  → 労働組合結成方針へとエスカレート


□読売争議 鈴木東民委員長就任

 昭和20(1945)10月22日 労組結成社員大会

↓ 正力 - 戦争を勢力拡大と金儲けの絶好の機会ととらえた 親ナチ

「正力退陣緊急動議と組合結成等の4項目要求」
24時間の回答期限付きで正力へ

→ 24時間後 正力は鈴木東民、坂野善郎に回答 = 馘首(かくしゅ)
退社処分

鈴木東民 自主製作を! 日本初生産管理闘争
最高闘争委員会と従業員組合
武藤三徳経済部次長も


□読売の天一坊・武藤三徳の暗躍-もし鈴木東民が読売株を取得していれば…

 鈴木東民
   自由主義者 > 共産主義者

   味方の中に裏切り者 = 武藤三徳

 昭和20(1945)12月12日 正力松太郎 A級戦犯で巣鴨プリズンに収監
12月11日 AM8:00 労使双方の覚書 解雇撤回

    |

     新社長 馬場恒吾
(もし東民が読売株を持っていたら後の正力支配はなかった)
= 徳田球一の革命ロマンチシズムのせい


□GHQに翻弄された鈴木東民

 GHQにより敗軍の将に

 昭和21(1946)6月12日 → 10月16日退社

 昭和30(1955)年5月
   釜石市長 → 昭和42(1967)年まで三期

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「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ② /江戸時代の「津波避難タワー」 磯田道史(『歴史の愉しみ方』中公新書 2012年 より)【再掲載 2019.1】 [読書記録 教育]

今回は、2月14日に続いて、辻本雅史さんの
「学びの復権-模倣と習熟」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「近代教育が普及する以前、日本人はどのように学んでいたのか。江戸時代の寺子
 屋、藩校、内弟子制度などにおける学びの実態と学習方法を具体的に解き明かし、
 荒廃する現代教育社会の中で学ぶことの意味を問い直す。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「知的言語としての漢文。テキストが漢文。洋字さえ漢文=『漢訳洋書』」


・「学問塾とは師と弟子が共に学問を目指す教育」


・「儒子とは最初から最後まで経書を読む作業に終始する学問であり、『模倣と習
熟の学習法』の原則に則っている」


・「『自得』の重要性」



自問自答の大切さについていろいろな方が指摘していますね。





もう一つ、再掲載となりますが、磯田道史さんの『歴史の愉しみ方』より
「江戸時代の『津波避難タワー』」を載せます。
わたしの町は海の近くなのですが、一番高い建物は3階建て。
女子学生と同じ心配をもっています。
わたしの家から徒歩約30分の高塚駅のすぐ南にある高塚熊野神社。
毎週末妻と徒歩で参詣して週の安全を感謝しています。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
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 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「学びの復権―模倣と習熟」辻本雅史 角川書店 1999年 ②

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◇儒学の学習

 1 基礎教養としての儒学
  知的言語としての漢文 
       テキストが漢文 
       洋字さえ漢文「漢訳洋書」

  藩校の普及は近世後期 
       近世中期 ほぼ18世紀後半
  
 2 学問塾とは
教育の場としての塾 
       咸宜園 - 広瀬淡窓   日田 3000人以上

     学問塾 = 師と弟子が共に学問を目指す教育

    「学問塾」と「手習い塾」
  

 3 儒子の学習
忘れられた儒学の学習形態

     経書を読む学習 
       四書五経 「大学」「論語」「孟子」「中庸」「孝経」

     儒子とは最初から最後まで経書を読む作業に終始する学問

     素読の学習
       素読 - 講義 - 会業過程

     個別学習の原則
      「付け読み」オウム返しに師匠をなぞる
 
     完全に暗唱できるまで自分で稽古「温習」
日頃から繰り返し「温習」

    「模倣と習熟の学習法」の原則
1対1、1対3~4人まで

     登校すると句読師のところに行く
水戸藩・青山塾の「朝読み」の情景

    ◎「朝読み」の素読の声で子どもの頭の善し悪しはだいたい分かったもの
     で大勢の中で「あれは誰さんの声」などと言われるようにはっきりした
     のは必ずしも大きな声ではなくても際だって出来のいい子にきまってい
     たそうです。(山川菊江)

     師弟関係

     読書の順序
       朱子学では「大学」「論語」「孟子」「中庸」

     テキストの身体化 
       素読は真理が詰まっている経書を声を出して暗唱して、丸ごと覚え
      てしまうこと

     現代の読書 
      … 黙読 
        書物の内容を理解するための読書

    ◎「自得」の重要性

     素読課程の修了
       … 四書 10~14歳には終えられる
        「自読」  大きな声を出す 看書

     講義
       読書のパフォーマンス

     集団で行う会業
       会業 = 学生が会集して集団で行う学習形態のこと
数人から10人ぐらいの同程度の学力グループ
会業 = 会読+論議

     闇斎学派の学習法
      「講釈」読書軽視 → 一斉講義スタイル

     徂来学の「読書」主義
      「講釈+害論」闇斎学派批判








☆江戸時代の「津波避難タワー」 磯田道史(『歴史の愉しみ方』中公新書 2012年 より)【再掲載 2019.1】

<出版社の案内>
忍者の子孫を訪ね歩き、東海道新幹線の車窓から関ケ原合戦を追体験する方法を編
み出し、龍馬暗殺の黒幕を探る―。著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発
掘。そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を伝えてくれる。同時に、歴
史は厳しいものでもある。地震史研究にも取り組む著者は、公家の日記などから、
現代社会への警鐘を鳴らす。

高塚熊野神社の古木
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<高塚 熊野神社 - 周りよりだいぶ高くなっています>
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 次に大津波のきそうなところで、しばらく歴史津波の古文書をさがそうと思っ
て、2012年4月から静岡文化芸術大学にうつり、歴史上の津波の講義をはじめ
たら、授業後、女子学生から悲痛な質問メールがきた。


「自分は海岸から2キロの場所に住んでいる。震災後、津波避難所ができたが、
 たいてい2階建ての屋上です。想定される最大11メートルの津波が来た場合、
 それに上がって 助かるものでしょうか。」


 私には「武士の家計簿」やら「忍者の履歴書」やら発見困難な古文書をみつけ
る運があるらしい。


 震災後ためしに地震津波の古文書をさがしてみたらいくつも新出史料がみつか
った。


 平時なら忍者の古文書だけ研究して楽しく歴史に遊んでもいい。


 しかし列島が地震活動期にはいってしまった以上、そうもしていられない。


「磯田さん。あんた古文書捜査がそんなに速いなら地震津波の古文書をみつけな
 よ」


 天に則ればその声が聞こえる。

 それで津波常襲地の大学にうつることにした。



 歴史事例から津波の怖さを学生にさんざん講義したら


「東海地震の怖さは小学生の頃からずっといわれてきたが、先生ほど具体的な話
 をする人はいなかった」


と件の質問がきた。


 内閣府の有識者会議が最大級の南海トラフ連動地震がおきたときの津波の高さ
を公表。


 女子学生の住む町は11メートル超、私の住む浜松は14メートル超の津波が予
想されている。


 人命のかかった質問だ。私はこう答えた。


「3月3日付の『日本経済新聞』(電子版)に『津波は対抗せずやり過ごせ』とい
 う記事がある。浜松に地形がよく似た名取市閖上(ゆりあげ=宮城県)の事例だ。
 閖上の海岸には8.5メートルの津波が襲来。沿岸から2キロ内陸にいた人は高さ
 約 5メートルの歩道橋にあがってギリギリ助かった。しかしこれが11メート
 ルの津波であったら助からなかったと考えるのが自然。貴君が心配するように2
 階建ての屋上は6メートル前後。最大級の津波には最低でも高さ8メートル以上
 の建物屋上への避難が必要ではないか」


 いま、津波避難タワーの建設がさけばれている。


 海岸ぞいで高台のない人口密集地ではまさに命綱だ。


 ふと考えた。江戸時代に津波避難タワーはなかったのか。


 ところが1か月もたたず、私は史料調査中にその現物をみつけてしまった。


 浜松駅の西に高塚という駅がある。


 近くの熊野神社に高い塚があるから高塚だ。


 神社の案内板をみて驚いた。


「此の地の神主さんが高い丘を作って人びとを救えと云う不思議な夢を見たので、
 村人とはかって神社の裏山に土を盛りあげた」。


 それは最古かもしれない津波避難タワーだった。


 高塚地区は海岸から2.2キロ。海抜約5メートル。巨大津波が来れば危ない。


 だからだろう。周囲の地面から高さ8メートルの砂山を作っていた。


 高塚の地名は江戸初期にはすでに見られる。


 砂山の麓には樹齢500年のシイの大木があった。


「大津波のため住んでいた人達が殆ど死んでしまった。村人は津波の犠牲者を此
 の地に葬り沢山の砂を浜から運んで高い塚を作った」。


 これはおそらく明応の超巨大津波(1498)の時のことだろう。


 明応津波は安政地震津波(1854年)の3~4倍の高さとされる。


 巨大津波で高塚集落は一度壊滅したらしい。


 しかし、

「安政の大地震が起り津波のため多くの死者が出たが、高塚の人達は此の丘に避
 難して被害を免れた」。


 このタワーは機能したのだ。


 この集落は、神の声、神主の発案でこの避難タワーを作り「維新頃に至るまで
毎年正月元旦に氏子が土砂を盛っていた(『入野沿革誌』)。



 しばらくして例の女子学生からメールがきた。


「近くに8メートル以上の4階建てがあるからそこに逃げるようにします」。

<熊野神社の由来書き>
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<高塚駅と高塚駅から見た高塚熊野神社>
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「信ずる宗教,感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ③ /「東井義雄一日一言」米田啓祐・西村徹 致知出版社 2007年 ③【再掲載 2016.7】 [読書記録 宗教]

今回は、2月12日に続いて、山折哲雄さんの
「信ずる宗教、感ずる宗教」の紹介 3回目です。




出版社の案内には、


「現代日本人にとっての信仰とは? 宗教とは? 明治以降日本が受け入れてきたキリス
 ト教的な価値判断でははかれないわれわれ日本人の信仰心を、歴史をさかのぼって探る
 宗教エッセイ」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「来迎図に見る『山中浄土観』 - 中央に例外なく山」


・「山の仏教(エリート中心)から(情的な)里の仏教へ」


・「インド人の『天親』と中国人の『曇鸞』から『親鸞』と名づけた
  日本人仏教の否定ちつながるか」


・「無我のインドと無私の日本。日本人のココロイズムを示す心技体」


・「鎌倉時代は日本仏教が『一神教化』する転換期」






もう一つ、再掲載となりますが、米田啓祐さん、西村徹さんの
「東井義雄一日一言」③を載せます。 
教師の教師ともいうことができる東井義雄さんのメモしたい言葉が数多く載せられ
ている本です。米田さん、西村さんに感謝します。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「信ずる宗教,感ずる宗教」山折哲雄 中央公論社 2008年 ③

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◇曼荼羅宗教学(3)

□山岳信仰と3点セット - 山中浄土観(阿弥陀ヶ峰,池,浄土ケ原)
 3点 
   ①阿弥陀ヶ峰 ②地獄谷 ③賽の河原


 道元と寺田寅彦が共有していた感覚
   自然の中にカミ,ホトケを感ずる心


 来迎図に見る「山中浄土観」
  - 中央に例外なく山


□浄土信仰を広めた「聖」
最澄 天台宗 <「法華経」研究 + 浄土観(浄土往生)>

阿弥陀如来 南無阿弥陀仏

昼は法華経に基づく修行 夜は念仏
↓ 阿弥陀聖
◎ 民衆に広げた

   高野山でも弘法大師信仰とともに浄土信仰の人気
山上 <南無大師遍照金剛 + 南無阿弥陀仏>
↓ 高野聖
◎ 浄土信仰

  ◎ 比叡山も高野山もいつのまにか霊山へと変貌


□仏教ホスピスを生んだ源信 - 日本に於ける地獄学,極楽学
  「二十五三昧会」念仏結社
    25人同志 
    毎月15日


□法然の3つの顔 
   ① 山の仏教 → 里の仏教  
       エリート中心 → 情的

   ② 流派の思想課題を批判的に整理した分析家
専従念仏

   ③ 親鸞との関係  
       先覚者・法然


□親鸞の脱日本的意識 9~29歳 比叡山
  名前を3度改める
    綽空 → 善信 → 親鸞  
    非僧非俗

  インド人の天親と中国人の曇鸞から親鸞と名づけた
    ◎ 日本人仏教の否定


□言葉の魔術師道元 
  比叡山 → 入宋 → 永平寺  

  弟子のしつけに全精力

 「正法眼蔵」思
    索の書  ~ 禅文化の祖


□日蓮 
  社会生活に深く浸透


□日本人の「こころ好き」の源流  

  無我のインド・無私の日本


□「心・技・体」を生んだ世阿弥 

  日本人のココロイズム

  無は無限に通じる


□無常と「ノアの方舟」

  無常 = 永遠のものは存在しない


□長期の平和を支えた信仰 
  平和の時代
    ① 平安時代 
    ② 江戸時代  

  神仏習合,国を鎮める
    平安時代350年間の平和 = 神仏習合

  祟りと鎮魂の儀礼 
   - 神仏共存システムによりマイルドに鎮魂


□「動乱」の時代をどう考える 

 平安350年(平和) - 南北朝応仁戦国450年(戦乱) - 江戸250年(平和)


□「一神教」の鎌倉仏教 

  法然、親鸞、一遍 → 「念仏」

  道元       → 「座禅」  

  日蓮       → 「題目」  仏教の一神教化


□信長の危機意識 
  鎌倉時代は日本仏教が「一神教化」する転換期


□乱世が生んだ個性  
  日本仏教 ~ 戦乱期 ~ 「一神教」「個人化」

  独創者
    世阿弥 蓮如 千利休


□変化の世界を演出した世阿弥  
   蓮如と「悪人正機」
   5夫人27子


□禅からの離陸を試みた千利休







☆「東井義雄一日一言」米田啓祐・西村徹 致知出版社 2007年 ③【再掲載 2016.7】

<出版社の案内>
「教育界の国宝」と呼ばれた「いのちの教育」の実践者が残した人生に光をともす
言葉 ― 根を養えば樹はおのずから育つ。
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◇7月
 失敗はわたしにわたしの一番足りない所を教えにきてくれた大切なお使い」

 愛と憎  
   楽しくなるような言葉を
   整理することを
   形を与えることを


 考えること 自分を見えるようにする


 いたわってやる 書くつらさ


 書くことによって伸びる 
   書くという仕事 
   しゃんとする 
   聞くと言うこと


 口と耳の断絶 


 聞くことは吸収すること、伸びること、新しい世界に生まれ変わること


 聞くことは相手の存在を大事にすること 聞くということは相手を理解すること


 「仏法は聴聞にきわまる」(蓮如)
    腹を立てる前にまず聞いてみよう


 耳を育てる 
   問いを育てること、それが耳を育てること


 「自分の生き方をひっさげて読む」


 下農は雑草を作り、中農は作物を作り、上農は土を作る


 喜ぶは全身全霊のもので、褒めるは口先の問題


 清書(互助会)老いの喜び 老い



◇8月
  
 川は岸のために流れているのではない 
   川のために岸ができるのである



 男と女 
   男を男にするのは女だ 
   だんだん男が男でなくなってきているのは、女が女でなくなってきたこと
  である。


 女の値打ち  
   選択・決断 … 人生は何を捨て何を得るかという岐路の連続である


 滅びに向かう 
   欲望や衝動の奴隷 … 自由、民主主義と言いながら他罪主義の鬼


 因果 
 … 逃げて事が済むと思ったら大間違い 
   逃げることは果を果たさずに行くことで因が残っている


「シイ」と「タイ」 

  「~しい」「~たい」に負けてしまっている


 代わる者あることなし
 「身自ら之に当たる。代わる者あることなし」(大無量寿経)


 問題の渦中に身を投じていく
   欲望の主人公に ←→ 欲望の奴隷


 男らしく女らしく 
   男の子は女の子や女の先生の女らしさに慣れて男の自覚を育てられる


 「さん」と「くん」 
   男であること女であること
    … 平等・同権が特質を塗りつぶすことと同義ではない


 人生の卒業という一大事  
   幸せの大きさ … 幸せに小さいのはない、大きいのばかり  


 本番
  … 今こそが本番、今日こそが本番、今年こそが本番 


 スイッチ
  … 仕掛けはどんなに立派でもスイッチを入れなければ灯はともらない


 人生を一日に例える
  - 人生を一日とすると一日の一時間は人生の三年間

  人生 9歳 18歳 27歳 36歳 45歳 54歳 63歳 72歳 

  時刻 3時 6時 9時 12時 15時 18時 21時 24時


 楽しさということ
 … 浦島太郎が竜宮城の楽しさに満足できず戻ってきたということの意義を一度
  考えてみるべきではないだろうか


 自分という責任者
  … 自分は自分を創っていく責任者 

    自分は自分の主人公

  世界でただ一人の自分を創っていく責任者


「女」の人に込められている願い


 自分の人生 
   自分の人生を自分で壊すようなことだけはしてくれるな

  自分の人生を自分で汚すようなことだけはしてくれるな


 負けてはダメ
  … わたしたちの心の中にはいろいろな美しい宝物がしまってある。
 
    でも、それを掘り出さないようにする悪魔もたくさん住んでいる。

    それが、わたしたちにがんばりを忘れさせよとする。でも、それに負けては
   ダメ。


 世界でただ一人の責任者
  亀は兎になれない。しかし、そのつもりになって努力すれば日本一の亀にはな
  れる。わたしも、わたし以外のだれにもなることはできない。日本でただ一人の
  わたしを創る以外にないと願いながらここまで来た。
   
   君は君を立派にするただ一人の責任者。


 呼び水  
   ポンプの水 - 呼び水が必要  

   よろこびは魂の記録


 人間皆兄弟  
   分け合えば喜びは大きくなり悲しみは小さくなる 


 野良猫    
   飼い猫の脳より野良猫の脳の方が発達している


 愛情     
   愛情も相手を本当に分かってあげる知恵と結びついて、初めて真の愛情とな
  る


 形成者    
   平和的な国家及び社会の「破壊者」が育てられていると言っていい


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