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「算数大好きっ子に育てる」志水廣・豊田市立高嶺小学校 明治図書 2005年 ① /「あの人に会いたい」NHK 新潮文庫 2008年 ①【再掲載 2017.8】 [読書記録 教育]

今回は、志水廣さんの
「算数大好きっ子に育てる」1回目の紹介です。


わたしは小学生の頃は「算数大好きっ子」だったといえますが、
中学生頃からはそのようにいえなくなってしまいました。
嫌いではないのですが‥。


毎年算数科の研究発表会を勤めていた頃、出合ったのが志水さんの本。
少しずつ実践に取り入れ行ったところ、
算数好きな子が増えたようにも感じます。
再任用後半日勤務となり、算数科の授業をもてなくなったのが残念です。
「○付け方」は今でも他教科の指導で重宝しています。


算数科の授業をどうしようかと思っている若い教員にお勧めの本です。



出版社の案内には、

「子どもたちの計算力を高めるために、すぐできる実践が満載!
 子どもの計算力を高め、わかる、楽しい算数の授業を目指した高嶺小
 学校。同校の『意味付け復唱法』『じふく学習』『トライアングル学習』
 などの実践を詳しく紹介。またすぐに使える『高嶺っ子計算』の基本
 コース、発展コースを学年別のプリントとして豊富に掲載。」

とあります。






今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「ストップウォッチを持って授業
   - 時間制限をすると授業進行が速くなる」
- あれもこれもと盛り込みすぎてしまいがちですから。


・「復唱法 『復唱法 + 板書むで意識付けを強化する」


・「○つけ法による机間指導
  = 机間指導中声掛けしながらノートに○付け」


・「机間指導での『○付け法』で大事な点は子どもの情報をつかみ、その
  情報を役立てること。頭に入れてすぐに出すことも大切。」





もう一つ、再掲載となりますが、NHKの
「あの人に会いたい」①を載せます。
心に響く言葉を読むと、懐かしいお顔を思い浮かべました。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「算数大好きっ子に育てる」志水廣・豊田市立高嶺小学校 明治図書 2005年 ①

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<示範授業>

◇子どもが「分かる」「楽しい」授業づくり

□問題解決学習
   … 一つ一つ扉が開いていく感じ(ウィンドウズが一つ一つ)
  しかし,ウィンドウズ全体は見えない
 できる子には得意,しかし,できない子にはきつい


□ストップウォッチを持って授業
   - 時間制限をすると授業進行が速くなる


□復唱法
   「復唱法 + 板書」  → 意識付け強化
教師も丸ごと復唱を!

○T(教師)
   「○~○ページ,2分間あげます。パッと見てください。何を勉
    強するのかな。調べます。2分間ですよ。2分経ったら,こん
    な勉強するんだなと言ってもらいます。分かった?」
 
○T 
   「今日は何を勉強するか分かったかな。発表しましょう」

  <復唱法でハッキリ>

○T 
   「今日は何日ですか。○月○日とノートに書いて。今から1分間
    あげるので黒板を写しなさい。」

 <○つけ法による机間指導>机間指導中声掛けしながらノートに○付け
「はい,きれいに書けています」
       「しっかりした字です」
「上手だよ」
       「いいよ」
       「頑張ったね」
       「OK」
◎「まだ○もらっていない人」


□フィードバック法

 まず,読める子を当てて,次にもう一回読めない子に当ててフィードバック

最初に,分かる・分からないをフィードバック

 机間指導
  → ○付け法で大事な点は子どもの情報を掴むこと
      ↓
    ◎その情報を役立てること 頭に入れてすぐに出す       


□○つけ法 
 途中で「スラスラ読むように練習してください」

 途中にだれさせない次の課題を与えられるかどうか 
   「スラスラ」

 ◎大切:黒板の右端に次の指示を書いておく

 より明確化,一般化へ
ゴチャゴチャ → スッキリ ~ あいまいな言葉


□○つけ法変形版
できない子だけチェック

 ◎大切
   ① 復習 
        全体を大事にしながらだけど個を見ていく
 
   ② 子どもの言葉で
        子どもの目標










☆「あの人に会いたい」NHK 新潮文庫 2008年 ①【再掲載 2017.8】

<出版社の案内>
昭和を支えた偉人たちの肉声が聞けると大人気のNHK番組が、文庫で
登場。「自分のためだけに生きるのは卑しい(三島由紀夫)」「贅沢のなか
から本当の文化は築かれない(土光敏夫)」「時代を思い出す最初の扉が、
歌であればいいな(阿久悠)」。どの言葉も知性と感性に溢れ、時を越え
て万人の胸に響く。私たちに明日を生きるための力を与えてくれる。
他に湯川秀樹、植村直己、宇野千代、武満徹、白洲正子など。

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◇三島由紀夫 1925-1970

 「自分のためだけに生きるのは卑しい。」



◇熊谷守一 1880-1977

 「絵なんていうのはねえ、そりゃ何も描かない白ほどきれいなものはな
  いですからねえ。上手なんてものは先が見えちまいますわ。下手はど
  うなるか分からない。スケールが大きいですねえ」

 豊島区立熊谷守一美術館



◇湯川秀樹 1907-1981
 
 「多数というのはもはや独創でも何でもない。」

 「無駄が人生の豊かさ。」
 
 「皆同じではつまらない。」

 「はじめはいつも少数派。」

 「自分で自分の人生を決める。」



◇里見弴 1888-1983
 
 「文章の極意は『過不足なし』」
 
 「『小説家の小さん』」

 「個性と個性がぶつかれば言い争いにもなる。」
 
 「口で言うとおりに書けばいい。」

 「老醜の醜を恐れちゃダメ。」



◇中西梧堂 1895-1984
 
 「野鳥の鳥は野に置けという思想、それが野鳥。」
 
 「放し飼いのカラスがマリ投げを誘ってくる。」 
 
 「自分だけが幸福と言うことではダメ。」
 
 「鳥の解放は人間の解放。」
 
 「ただ右へならへの自然保護ではいけない。」



◇植村直己 1941-1984
 
 「極限の中でこそ人間本来のものに戻れる。」
 
 「われわれ生きるというのは大変なことだと思います。」

 植村直己冒険館(板橋区) 

 植村直己冒険館(豊岡市)



◇加藤唐九郎 1898-1985
 
 「自分が救われるまで焼き物を作る。」
 
 「まだ未成熟。蓋を開けると悲しいかな夢が壊れてしまう。」
 
 「自分の作品がものを言う。」 
   
  1960 永仁の壺事件
    → 肩書きを捨てる
 
 「欲のあるまま救われる。」

  唐九郎記念館(名古屋市守山区)

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鷲田小彌太さんはこんなことを ④-「『本』はこう買え!こう読め!こう使え!」大和書房 1996年 (4) /「学習内容は知ってはいるが」 藤森徹氏 [読書記録 一般]

今回は、7月13日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」4回目、
「本はこう買えこう読めこう使え」の紹介 4回目です。




出版社の案内には

「道具として役に立つ読書。元気が出る読書。普段着の読書。この三つ
 のテーマのもとに、情報化社会の現代のための実践的『本』の活用法
 を説く。明るく、迅速かつ積極的に生きるための読書術。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「子供概念は近代社会において初めて生まれた
それまでは子供 = 小さな大人」


・「肉親というのは,底の底まで結びついているから,それを難しい表
  現をとってしか人々に表せない」


・「家族は限りなくクローズされたもの。トップシークレットは夫婦
の間で行われる性的行為、公表してはいけないものとされている。
わざわざ口にする人はすでに夫婦でなくなっている証拠」


・「家族とは? 社会とは?
  家族 = パーソナル - シークレット - クローズド
社会 = ソーシャル - パブリック  - オープン」




もう一つ、わたしの大先輩、藤森徹先生の
「学習内容は知っているが」を載せます。
30年以上も前に教えていただいたことですが、今でも大事にされる
べきことだと思っています。
還暦を過ぎた私は、今でも年に何回か訪ねて教えを受けております。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆鷲田小彌太さんはこんなことを ④-「『本』はこう買え!こう読め!こう使え!」大和書房 1996年 

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◇家族が分かる本

□家族を語ることは難しい
アリストテレス
    「人間は社会的動物である」

  吉本隆明
    「家族は共同幻想(対他関係)や自己幻想(対自関係)と違う独
     自自な対幻想(対関係)の世界である」

     ◎ どう語る場合も中世的,暴露的


□家族を考える三つの視点
三視点 
     ① 何によって結びついているか(本質論)
② 家族崩壊の危機
③ 家族の何が崩壊するか

   近親相姦の禁
     インセント・タブー
  
   レヴィ・ストロース
     『親族の構造』番町書房
① エディプス・コンプレックス 
          オディプスの神話
② 経済システム 
          結婚は「交換」他の親族の女と交換して価値

◎ 近親相姦の禁は人間を人間たらしめる本質


□生産が家族を結びつけた
エンゲルス
     家族 = 生産活動と生殖活動

   子供概念は近代社会において初めて生まれた

◎それまでは子供 = 小さな大人 
大人 = 「働く人」

   柳田国男
     『時代ト農政』ちくま文庫
家族労働を主体とした家族

◎ 近代化 = 「故郷殺し」「家殺し」


□親子という特別な結びつき
向田邦子
     『父の詫び状』文春文庫

   室生犀星
     『あにいもうと』講談社学芸文庫

◎ 肉親というのは,底の底まで結びついているから,それを難
    しい表現をとってしか人々に表せない


□家族が崩壊する
「自然」の崩壊
  古い家族が崩壊してしまっている
江藤淳
       『成熟と喪失-「母」の崩壊』河出書房新社
安岡章太郎
       『海辺の光景』角川文庫
小島信夫
       『抱擁家族』講談社文藝文庫

   ◎ 家族の崩壊
       「母」(=自然)の崩壊
1960年代 
       日本の姿が変わる
母親が自分のパンツを人前にさらしても平気になった

◎ 母親と息子との関係がダメになっていく
→ ただの人間関係に

   産まない性
     増田みず子 『シングル・セル』ベネッセ

   脱家族の可能性
     開高健『夏の闇』新潮文庫

   ◎ 男と女の役割の逆転現象


□家族の可能性と不可能性
家族の中のエロス的関係
家族は限りなくクローズされたもの = 秘密
トップシークレットは夫婦の間で行われる性的行為

公表してはいけないもの
◎ 口にする人はすでに夫婦でなくなっている証拠

   小浜逸郎
     『可能性としての家族』大和書房
家族論として世界的な水準
理論的原型は吉本隆明
エロス的関係「二人のもの」
      
   『道程』に見る高村光太郎の生き方
高村光太郎『道程』角川文庫
父は高村光雲
        脱社会・脱自然
没交渉 智恵子と二人だけのエロス的関係

◎批判
        「エゴイスト」「人非人」「反社会的」

智恵子が精神障害
エロス的関係から医者の立場に
◎家族 パーソナル シークレット クローズド
◎社会 ソーシャル パブリック  オープン

  血を媒介としない家族
森谷今日子『フレンズ』青弓社









☆「学習内容は知ってはいるが」 藤森徹氏


 小学校の先生方は、大学を卒業し、学士号を持っています。


 だから、小学校の学習(教科書)内容は、理解していて当然です。そ
の内容のテストを行えば、先生方は100点を取ることでしょう。


 にもかかわらず、授業で悩んでいる人を見かけます。


 先生方が、分かっていること、知っていることを教えるだけなのに、
苦しんでいる人を見かけます。


 どこに原因があるのでしょうか。


 学士の立場から、学習(教科書)内容を一目見れば理解してしまうた
めに、授業を気楽に考えているのではないでしょうか。


 指導のコツは、どこにあるのでしょうか。

1 子供には、憧れたもの、いいものを真似したい、先生の真似をした
 いという特性があります

  この特性を生かしたいものです。

 (名をなした芸術家・技術者・技能者・スポーツ選手・料理人たちは、
  先代・先輩のまねから入り自分らしさを確立していく。「先輩の技
  を盗め」も、まず真似よということ。)

  教師のすばらしい技(朗読、板書、師範など)を見せることです。


2 どの子も先生に認めてもらいたいという気持ちを持っています。

  まず、良い行動、良い考えなど、見抜く目を養うことです。

  次に、どんな方法で認めたり、称揚するか考えることです。

  話し言葉か、書き言葉か。私は書き言葉を多用しました。

  「ほめて育てる」、指導のポイントではないでしょうか。


3 どの子もしゃべりたい(発言したい)気持ちを持っています。

  話のさせ方を工夫することです。
   
  まず、一人一日1回以上発表に挑戦。

  発表回数の記録。
   
  次に、授業の中で同じ内容でも「僕も同じ考えだけど」を頭に付け
 て発言させる。
   
  更に、「Aさんの考えに付け足しますが‥・」「Bさんに質問します
 が‥」「AさんとBさんの考えをまとめると‥」のような発言ができ
 るようにしていきたい。


4 学習内容の指導ステップ(指導手順)を間違わないことです。

  そのためには、先達に聞いたり、教育番(指導要領、研究図番など)
 を読んだりして勉強することです。
   
  系統化したり構造化したりして学習内容を熟知することです。
   
  つまずいている子など、その子に合った指導手順を考えておくことです。

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