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「幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法」渡部昇一 致知出版社 2011年 ③ /「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ②【再掲載 2016.7】 [読書記録 一般]

今日の記事は遅くなりました。
投稿したつもりでうっかり忘れていたました。


今回は、8月14日に続いて、渡部昇一さんの
「幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法」3回目の紹介です。




出版社の案内には、

「第一回文化勲章受章者であり、代表作『五重塔』で知られる作家・幸田
 露伴(1867~1947)。かつて慶大塾長小泉信三博士に『百年に一度の頭脳』
 と言わしめた露伴の実績は、現在、全42巻の『幸田露伴全集』として
 結実している。その昔、若き露伴は電信技師として北海道へ赴任する。
 しかし、文学への思いを断ち難く帰京を決意。連絡船で青森へ渡った後、
 徒歩にて帰京をするが餓死寸前にまで至る。その間の野宿で、露を伴っ
 て寝たので『露伴』と名乗った。所謂出世コースとは無縁だった露伴は、
 その人生航路において、自己修養の重要性を認識し実践していたのであ
 る。本書は、当代随一の論客として活躍を続ける渡部氏が、露伴の思想
 と実践とに、自らの実体験を重ね合わせて綴った、すべての現代人に贈
 る自己修養論である。本書で取り上げている作品は、『努力論』『修省論』
 『靄護精舎雑筆』の3作。渡部氏はこれらの作品を文字通り座右に置き、
 数え切れないほど読み返してきたというが、そのいずれにも、露伴独特
 の味わいのある文章中に、万人に共通する人生の機微、生き方の極意が
 述べられている。そして、それらは今日のような時代状況の中では、前
 途に立ちはだかる困難を、自らの手で切り開かんとする人たちの心を奮
 い立たせ、充実した気を注入するものとして大いに役立つに違いない。
 露伴の『生き方の原理原則の言葉』に心底から共鳴し、露伴を敬愛して
 やまぬ渡部氏の手になる本書には、明治から昭和の文壇の巨匠、そして
 現代の碩学が実践してきた自己修養法、生き方のエッセンスがぎっしり
 と詰まっている。」

とあります。






今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「秀吉は惜福の工夫に欠けることはあったが、分福の工夫は十二分であっ
  た。家康は惜福の工夫は優れていたが、分福の工夫はやや不十分であっ
  た」


・「新渡戸稲造『文明とはすべて蓄積である』
文明国と非文明国の違いは蓄積のあるなし」


・「戦後の思想は『蓄積を憎む』考え
アメリカによる家族制度の破壊(財閥解体、土地解体)」


・「学問を志す人の4つの心掛け-正・大・精・深」


・「精密に行うことによって学問は発達する。低きに合わせる教育は『粗』
の人間を生み出す」




もう一つ、再掲載となりますが、射水義範さんの
「今時の教育を考えるヒント」②を載せます。

 - 物があふれかえった社会の中で,皮肉にも精神的には飢餓状
  態
  にある





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法」渡部昇一 致知出版社 2011年 ③

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◇優れた指導者は福を分け与える

□分福は上に立つ人に必須の心得である

  × 「雪隠で饅頭を食ふ」

  アレキサンダー大王
ペルシャ戦争時 
    - もってきたワインが兵士に行き渡らないので川に流して兵士
     と共に飲んだ

◎ 酔うわけがないのに意気があがる


□惜福の人・家康 と 分福の人・秀吉

  秀吉 -  気前よく知行を与える

  家康 -  長生きしたから天下をとれた
   ↓

  しかし滅亡 = 譜代大名に大きな土地を与えなかった
          → 徳川家のために力を貸そうと思ってもなかった  

 「秀吉は惜福の工夫に欠けることはあったが、分福の工夫は十二分であっ
  た。家康は惜福の工夫は優れていたが、分福の工夫はやや不十分であっ
  た」

  分福  ナポレオン
→ 王様になった武将ベルナドットはスウェーデン王国
今ノーベル賞で分福



◇国づくりの源には植福の精神がある

□植福によってもたらされた人間社会の進歩
「福を論じて最も重要なのは植福である」 = 福をつくること 

  植福
   ① 自己の福を植える
② 社会の福を植える りんごの木を例に

  新渡戸稲造「文明とはすべて蓄積である」
関孝和-「和算」 弟子
◎ 文明国と非文明国の違いは蓄積


□家族制度の解体は植福の伝統を破壊した

  戦後「蓄積を憎む」思想

  → アメリカ 
    ※ 家族制度の破壊
◎財閥解体  ◎土地解体

  露伴
  「文明と言うことは曾て或人々が福を植えた結果なのである。災禍とい
   うことは曾て或人々が福を切り扱った結果なのである」
                      (字が読めずに想像して…)



<学ぶ者のための上達の極意>
◇学問を身に付けるために必要な4つの標的

□学問を志す人の4つの心掛け-正・大・精・深
教育には的(目標)が重要 
   「正・大・精・深」


□学ぶ順番を間違えると本当の学問は身に付かない


□まずはオーソドックスなことから学べ
「学問には正道というものがある」
まずオーソドックスなことから学べ


□専門家の時代なればこそ、大きな目標を持つことが必要である
大きな世界を知ると小さな世界もよく見える
通史、概論の大切さ
    → 何が重要か何を軽視して良いのかが分かる 
細分化の時代に求められる大きな視野
小西甚一「日本文芸史」

□専門家の意見はしばしば現実を見誤るものである
「狭いところをよく知っている人の話は人を導くに危険である」
ミミズのようなもの
     - 土のことはよく分かっているが視野は狭い
◎ 政治家は鷲であるべき


□精密に行うことによって学問は発達する
「学問の世界にも精粗の2つがある」
精密に見ることが促した自然科学の発達
「精」 ←→ 「粗」ぞんざい
 ◎ 低きに合わせる教育は「粗」の人間を生み出す
日本人  
    ◎英米で会話は下手だが文章は正確に書ける


□特定分野で頭角を現すには「深く」学ぶといい
限定された世界で能力を活かす生き方もある
広い世界で自らの力を知った上で分野を限定していくこと

「一芸に達した職人」
◎ 一心に打ち込むことが人間の顔をいいものにしていく

◎ 国のレベルは一道に打ち込む人間がどれだけたくさんいるかによって
   測ることができる











☆「今どきの教育を考えるヒント」清水義範 講談社 1999年 ②【再掲載 2016.7】

◇消費文明になった日本人へ
 ◎「王様のような所有欲を持った子供と大人のむかつきはつのる一方」

 物があふれる豊かな国 
  - 物をどかどか消費する社会
    <たった50年で>

 三種の神器
   → 3C → レジャー → リゾート・ライフ


 人々の満足感は物を所有することにしかない。
   しかし,パーフェクトな豊かさはあり得ない

   ◎そこにしか幸せ感がない
  ・イライラしている
  ・子供たちのオタク化


 ◎ 経済をすべてに優先させてしまった結果,日本人はどうもそういう人間
  の誇りというものがない社会を作ってしまった


 ◎ 物があふれかえった社会の中で,皮肉にも精神的には飢餓状態
  にある
エリートでも有名人でもないらしい自分の人生で何を誇りに生きて行けば
  よいのか…



◇生徒の自主性の尊重とは

 ◎「教育者なら,押しつけでなく,話し合って納得させるべきだ」
  |
   教育 - 常に二派に分かれる

 ◎教育を運営しているのは国家
国家はその目的に合うように子供を育てていこうとする



◇教育の背負う宿命

 「大人と子供は憎み合う故に教育は挫折し,人間は進歩する」

  ノーマル
    大人は子供が嫌いであり子供は大人が嫌いである

  ある世代は次の世代を憎むものだ

 次世代はわれわれが形成した社会を壊しに掛かる

→ 人間は社会を変えていく = 進歩をする証

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