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「死を見つめて生きる」山折哲雄・ひろさちや ビジネス社 2002年 ⑬ /「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ⑥【再掲載 2014.4】 [読書記録 一般]

今回は、10月15日に続いて山折哲雄さん、ひろさちやさんの
「死を見つめて生きる」の紹介 13回目です。



出版社の紹介には


「よりよい人生をおくるためにいま「生・老・病・死」を見直す。現代を生き
る人たちの死生観のあり方、残された時間を大切に過ごす生き方への提言。」

 
とあります。




本日紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「本来、家庭のある人間はホスピタルやターミナルケアは必要ない。キリス
  ト教が行っているのはあくまでも家族や身寄りのない孤独な人々の救い。
  仏教者はまずしっかりと家庭を築くように指導するところから始めるべき」


・「インドの死の迎え方に学ぶものは家族の強い連帯感。インドは最高の『精神
  の輸出国』といえるのかもしれない」


・「『余は今まで禅宗の所謂悟りといふことを誤解して居た。悟りといふ事は
如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りとい
ふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事だった』 - 正岡子規」


・「『人間は生きているだけで迷惑を掛けている』山折哲雄、『迷惑を他人に許
してもらいながら生きている』ひろさちや。学校や家庭での『人に迷惑を
掛けるな』という教育がダメにしている。日本人には人から受ける迷惑を堪
 え忍びながら生きるという自覚が足りないのではないか。迷惑を掛けながら
 死んでよいのではないか。」




もう一つ、再掲載になりますが、増原良彦さんの
「日本の名句名言」⑥を載せます。
増原良彦さんのペンネームが「ひろさちや」です。






☆「死を見つめて生きる」山折哲雄・ひろさちや ビジネス社 2002年 ⑬

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◇死への時間をいかに生きるか(1)

□日本人はいかに死ぬべきか

  仏教とターミナルケア - ひろさちや
ホスピタルの語源 
      キリスト教が家族や身寄りのない人、行き倒れた人を収容し救う
     施設だった
   = 孤独な人々の世話(伝導)
本来、家庭のある人間はホスピタルやターミナルケアは必要ない
   「キリスト教が行っているのはあくまでも家族や身寄りのない孤独な人
    々の救い」

 ◎ 仏教者はまずしっかりと家庭を築くように指導するところから始
     めるべき


  日本人が忘れ去った「死の作法」 - 山折哲雄
ターミナル・ケア=緩和医療   
インフォームド・コンセント=自己決定
→ 言葉のまやかし
  

  「断食死」こそ自分自身によるターミナル・ケア - 山折哲雄
断食往生
         1 木食により火食肉食を断つ
→  2 五穀断ち 十穀断ち
3 塩断ち
4 水断ち = 完全断食断水状態
○完全断食水に入ると人間の生命の残りは7~10日
○やり方を間違えると断食をすることで逆に苦しむことになる
◎心身コントロールの修行が大切
→ 自分自身の手によるターミナル・ケア


  インドの死の迎え方に学ぶもの - 山折哲雄
インド・ベナレス
      石造りの家約20軒
「シャーンティ・ハワン(平和の家)」
「ムクティ・ハワン(解脱の家)」

◎ 病人を連れた家族がやってきて部屋を借り最後の時をともに
       過ごす
        医師も看護婦も宗教家も出入りせず

◎ 亡くなると目前の慕い焼却場 遺灰はガンジス川に
家族の強い連帯感
         インドは最高の「精神の輸出国」
           


   
□迷惑を掛けない死などない

  なるようにしかならないもの それが死である-ひろさちや
正岡子規
     「余は今まで禅宗の所謂悟りといふことを誤解して居た。悟りとい
      ふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違
      ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事だっ
      た」
「平気で生きていくことこそが禅宗であり死に様はどうでもよかっ
      たのだ」


  ボケて死ぬのがいいかガンで死ぬのがいいか - 山折哲雄


  延命治療に隠された医のエゴイズム - 山折哲雄
レーガンとモリス
人間を人格体としてとらえる考え方
人格を備えている限りはつきあうが、そうでなくなったときは接
     しをがらっと変えてしまう(ヨーロッパ医学)


  人間は生きているだけで迷惑を掛けている - 山折哲雄


  迷惑を他人に許してもらいながら生きている - ひろさちや
学校・家庭 
     「人に迷惑を掛けるな」という教育がダメにしている
↓↑
◎インド
       「あなたは人に迷惑を掛けている人です。その迷惑を人に許し
        てもらって生かされているのですから、あなたも人から受け
        た迷惑には我慢しなさい」
= ありがとう 忍辱(にんにく)
◎忍辱(にんにく)
怒りの心を起こさず他人を恨まないでみんなで辛抱し合い
       ましょう
- 日本人には人から受ける迷惑を堪え忍びながら生きるとい
        う自覚が足りない
迷惑を掛けながら死んでよい






☆「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ⑥【再掲載 2014.4】

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◇「いい加減」
□アメリカの飛行機 - 足るを知る精神
早くに航空券を買っておいた方がよい
    - 採算がとれたとなると残りの席は高くして売る
日本の飛行機はガツガツしている
     ダンピングして売る


□仏教の基本精神 - 「足るを知る」


□「フェア・プレイ」
   公平公正よりいい加減
   スポーツマンのフェアプレイ精神
「あまりガツガツしなさんな」
  日本選手はすぐ血眼になりがちがちになってしまうが、それが
      まさにフェア・プレイの精神と正反対のもの
   もっといい加減にやりなさいよ
     人それぞれのいい加減がある。それは足を知る精神から生まれる。
フェアとは… 
いい加減な公平さ



◇「仕方がない」
□アラブ人とのつき合い - IBMの精神(曾野綾子)
I「インシャアッラー」  B「ブラク」  M「マレシ」
  神の御心に   明日 仕方がない


□仏教 -「あきらめ」を説く
仏教語のあきらめ(=真実を明らかにする)は、最初の段階でなされる
  もの
日本語のあきらめに(=断念する)は最終段階でなされる
  = 全く正反対 
     - 日本人の民族性



◇「金が敵」
□井原西鶴「金が敵」-『世間胸算用』
 三つの解釈
  1.人間は金銭のために悩み苦労する
    金はまるでかたきのようなものだ
2.敵をさがしまわってもなかなかめぐりあえない
      金銭をうるのがむずかしいことの例え
3.金を敵のように憎み嫌うべし



◇「和をもって貴しとする」 
□日本人の場合「和」 それ自体が目的視されている事である
  → 日本
      「小異を捨てて大同につく」
→ 中国 
   「小異を存して大同を求む」
和して同せず 和して流せず
   ◎ 自分の主体性を失ってまで他人に迎合し付和雷同するのが「同」
    「流」
~ 日本人の「和」は「同」になり「流」になっているのかもしれない
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