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(1)「新聞を作ってみよう」古舘綾子 童心社 2013年 (2)「広辞苑は信頼できるか」金武伸弥 講談社 2000年【再掲載】 [読書記録 教育]

今回は 古舘綾子さんの
「新聞を作ってみよう」を紹介します。


NIEがしばしば話題に取り上げられます。
わたしは新聞が大好きで、ときどき新聞を取り入れた授業も行ってきました。
教員になったばかりの頃は、
「家から新聞紙を朝刊分もってきてください。」
と言うと、ほとんど集まったのですが、新聞をとっている家も減り、
このごろは言えない状況となっています。
自分が子どもの頃は、一年生の頃からルビがふられていない新聞を読んでいたのに。

新聞が国語力を支えている面は大きかったのではないかと思います。
ぜひ、子どもたちには新聞を読んでほしいと願っています。



出版社の案内には、

「自分たちで新聞を作る時に、どう取材するのか? どう資料を集めるのか? など、具
 体的に学べます。」

とあります。


今回紹介文から強く印象に残った言葉は…

・「新聞づくりのラッキー7」
- 何がよいかを知らせることは大切ですね。


・「壁新聞と印刷配付新聞」
- 学校でしか見る機会の無いような壁新聞。
  小中学校の頃、友達と作った思い出が残っています。





もう一つ、再掲載となりますが、金武伸弥さんの
「広辞苑は信頼できるか」を紹介します。
わたしは、辞書も好きなのです。



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(1)「新聞を作ってみよう」古舘綾子 童心社 2013年

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◇新聞づくりのラッキー7

1 自分たちの意見を知ってもらえる 


2 読者がいる


3 直接感想を聞くことができる


4 チームワークがよくなる


5 自分の考えを分かりやすく伝えられるようになる


6 作文がうまくなる


7 褒められる






◇学校の新聞

□学校新聞 学級新聞 学習新聞


□壁新聞と印刷配付新聞


□流れ

 ①編集会議 テーマ

 ②割付

 ③テーマの取材  
   資料集め・インタビュー

 ④次の編集会議  
   記事は4~5個

 ⑤記事を書くには
見出し・本文・イラスト(写真)・グラフ
  
 ⑥校正 

 ⑦清書  
   鉛筆書き→マジック

 ⑧校正

 ⑨発行・配付

 ⑩新聞発行会






◇紙面構成

 発行日、号数、欄外、大事、発行者など













(2)「広辞苑は信頼できるか」金武伸弥 講談社 2000年【再掲載】

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◇始めに

 言葉の堂々巡り 
   トートロジー(国語反復)


 辞書にはそれぞれ個性があり一長一短がある




◇この本の読み方・使い方

□国語辞書 
  ①正しい書き表し方(漢字,仮名遣い,送りがななど)

②正しい意味,使い方


□利用者の立場で徹底検証 20種以上

 ランキング 
  1位 三省堂国語辞典 61.5点 

2位 大辞林 59.0点

  3位 大辞泉 57.5点

4位 広辞苑 52.5点

5位 日本大辞典  6位 新撰国語辞典 

  7位 新明解国語辞典 8位 現代国語例解辞典






◇辞書 見坊豪紀
     
 辞書は「鑑=手本」であり「鏡=反映」の二面を持つ






◇誤用

 おぼつかない → おぼつかぬ,おぼつくまいは誤用


一姫二太郎  → 「最初は女の子,二番目は男の子がよいが本来


 気が置けない → 心からうち解けることができる仲のこと


(流れに)さおさす → 本来は「(流れに)従うこと」


 情けは人のためならず  
  → 人に情けを掛けておけば,巡り回って自分にも良い報いがあるものだ


 役不足 → 割り当てられた役が軽すぎた場合に使う
         「力不足」の意は誤用


 なにげに  → 「なにげに」は誤用 1985年頃から


 他力本願  → 本来の他力は阿弥陀仏の本願


「見れる」「着れる」 →  ら抜き言葉「~られる」が本来 


 怒り心頭に発する  →   怒り心頭に達するは× 


 押しも押されぬ  →  「押しも押されもせぬ」の誤用


 玄人はだし  →    素人はだしの誤用

             玄人が裸足で逃げ出す意から


 歴任  →  官職に限る

 



◇語源の説明

あられもない =   あられるの名詞形「あられ」


稲妻  = 稲の夫(つま)
       
     = 稲が稲妻により霊的なものと結合し穂を実らせると信じられていた(古代)

古くはイネが雷と結合し穂を出すと信じられていた


 言語道断  = 言語同断は×
言葉が表現される道が断たれる意


さばを読む = サバは腐りやすいので急いで数を数え,その際,しばしば数をごま
         かすことから
          ~「鯖読みをする」


 せわしない   = 「ない」=意味を強める働きを持つ接尾語
   他に「せつない」「はしたない」


「哲学」の誕生 西周 
  賢哲を愛し希求する意味で「希哲学」→哲学に
「哲」=大智を意味する


 みっともない  = 見とうもないからみっともない
   見たくない → 見苦しい


 蛤   = 学研「浜栗」の意 形と色が栗に似ているから





◇大辞書になく小辞書にある言葉

 セイセイシュクシュク  → 正々粛々がよいのでは?


ため  → 新しい俗語


目出し帽  → 目出帽


陰府  → 冥府のこと
 

 まったり  → 関西言葉 味わいがまろやかでこくがある


解熱剤か下熱剤か? → 解熱が正解




◇微妙な意味や使い方の違い

□「夫婦」と呼べない「夫妻」もいる 
  夫婦 - 結婚している一組の男女

  夫妻 - 他人の夫婦にやや敬意を含ませた表現


□羽と羽根
  羽根 
  羽をバラバラにしたもの = 一本一本


□「が」と「は」
 「が」上に来る語をまだ知らないもの,新しいもの 
上が不確定で不確実


 「は」上に来る語を知っているもの
  上が確実


 「が」主語を示して叙述


 「は」他と区別して説明する


 足と脚  → 足は足首から下,脚は足首より上


 暖と温  → 温-温度 暖-気温


 環流と還流  
   
  環流<流れて元に戻る> 銀行券・資金

  還流<流れ廻る> 血液の循環





◇新聞の書き換え表現

 超伝導と超電導


 実況見分と検分 
   現在「実況見分」に統一


 勾留と拘置   
   勾留の勾が常用漢字にないので新聞は「拘置」と
   
   言い換え - 汚職,騒乱も





◇辞書の親切度

「標準標記」が示してあるか

「送りがなの扱い」は辞書によりかなり違う 本則・許容の扱い

「常用漢字かどうか」を示しているか

「歴史的仮名遣い」は表示しているか
現代仮名遣い 1946年内閣告示 1986年一部改訂
王様おうさま 狼おおかみ 稲妻いなずま 人妻ひとづま

「用例の示し方」実字で示すのは少数派「-」が多い

「単漢字の扱い」漢和辞典も兼用できるか

「固有名詞」がどこまで載っているか

「共通語のアクセント」がわかるのは

「動詞の自他の区別」を示しているか






◇辞書別ランキング

日本国語辞典  40万語全20巻 各8800円 小学館
1976年第一版


国語大辞典   24万6千語 2642ページ 7573円 小学館 
漢字表記数多い 古語豊富 引用例実字で
文化系大学生・専門家向き


大辞林 20万3千語 2960ページ 6952円 三省堂 
1999年 新装版 広辞苑のライバル


三省堂国語事典 オススメ  1976ページ 2400円
               1992年 第四版


◇金武伸哉 1932年 名古屋生

 1955年 早稲田大学 → 読売新聞社

1993年 成城大学短期 講師

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