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「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ② [読書記録 一般]

今回は 1月1日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門2回目の紹介です。



出版社の案内には、


「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
のニッポン・オリジナル。」


とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『古事記』『日本書紀』のキーワードは天皇」
「二書に語られる古代日本人の心『天皇は尊い』テーゼ 自然に受け入れられる」


・「(聖徳太子は)『和』を社会の究極的な目的とした」


・「聖徳太子は『思想の革命児』」




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☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ②

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◇「天皇はエライ」という主張

□「古事記」「日本書紀」のキーワードは天皇 = 天皇の根本の意義を決定

    ∥

  当時の天皇家が日本の正統な支配者であることを証明するための資料集




□「古事記」 - 第33代推古天皇まで

 文学・様々な神話の集合体
         
 日本の神々
   - 八百万の神についての大胆な解釈


天皇家の祖先は「高天原」の統括者であった神・天照大神


 すべての神々は彼女を中心に系統的にまとめられる
         

 津田左右吉「100%事実だと言うことはあり得ない」




□「日本書紀」 - 客観的データのしっかりした歴史資料

 第41代持統天皇まで


 内外に向けたプロパガンダ 大化の改新の理念を形にする文化事業



二書に語られる古代日本人の心 
「天皇は尊い」テーゼ 自然に受け入れられる










◇日本史上思想家第一号

□聖徳太子(574~622)

 第31代用明天皇 第一子 厩戸皇子


 第33代推古天皇
   20歳で摂政 その後30年間政治家として活躍


「憲法第17条」制定
 目的 天皇家を中心とした中央集権国家

そのバックボーンとして仏教を取り入れた

①「天皇」という要素を社会正義の中心に据えて考えた

②「和」を社会の究極的な目的とした

③仏教と儒教という二大外来思想を取り入れ,底から独自の思想を紡ぎ出した
    仏教 - 高句麗出身の僧・彗慈から
儒教 -  博士・覚哿から




□憲法十七条

「共同体への同調」という道徳観
日本的社会観に仏教の思想を合わせた  

  人は皆「凡夫」


 仏教を「人類普遍の善の教え」として解釈 = 現実的な道徳として


 遺言 「世間は虚仮にして,唯だ仏のみ是れ真なり」



仏教の教えに日本人にとって新たなそして彼にとっては唯一真実の「死生観」までも見
出した = 聖徳太子は「思想の革命児」

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