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「輝きMAX」 品川裕香 金子書房 2007年 ② [読書記録 教育]

今回は、11月16日に続き、品川裕香さんの
「輝きMAX」の紹介2回目です。




出版社の案内には、


「特別支援教育が発達障害だけではなく,学力不振,いじめ,非行への対応にもつながり,すべ
 ての子どもがよりよく育つための教育であることを取材を通して実際として伝える。教
 育現場でうまくいっている特別支援の実践や,広島少年院における矯正教育プログラム
 も紹介。」



とあります。





今回紹介文より強く印象に残った言葉は…

・「その子どもが抱える課題を,その子自身に聞く」


・「クラスを『集団が安心できる場所』にする」


・「クラス全体のルール」


・「『配慮という名の排除』になってはいけない」




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☆「輝きMAX」 品川裕香 金子書房 2007年 ②

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◇特別支援教育に於ける集団指導のコツ
 
1.指導の土台となるクラス集団をつくる①

 ~ 一人一人のニーズに応じての指導~

□崩壊寸前のクラスでも個々に応じた支援ができた
まずは,クラスという環境の調整を行う

まず目標を!
     ① △△がパニックをコントロールできるようになること

② 全員が自己コントロール力を付けること

   その子どもが抱える課題を,その子自身に聞く
     
   クラス全体との交換日記   


 → カズヤ 「クールダウンする場所」を決めた
(カズヤだけでなくクラスの誰もが)

        いらついたら窓際のクールダウン席に座る



 一人一人が自分の感情をモニタリングしコントロールするための装置に



□様々な環境を活用した学級経営

 目標 いじめのない民主的な集団を作る


 1学期 
  「コントロール(統制)アプローチ期」

ルールを決める 立ち歩かない 人の話を聞く 手を挙げて言う

違反したら○○ 廊下側のいすに3分間座る


 2学期
  「パーティシパトリー(参加)アブローチ期」


 3学期 
  「エントラスティング(委任・自治)アプローチ期」



□二つの方法

 ① 宇治平等院の戦略モデル 宇治・向井方式

広島少年院の向井義首席


 ② コンフリクト・レゾリューション(フローチャートを利用)

けんかの場合  
   フローチャートに起こすことで自体を視覚化させて原因を確認し,どこで誰が何を
  すれば良かったか,子どもたちに考えさせるようにした


  クラスを「集団が安心できる場所」にする
 個々のニーズを踏まえた上で,集団指導の中に上手に絡めて,全体の底上げを図る
  戦略(具体的目標)を立てられるかどうか







2.指導の土台となるクラス集団をつくる②

 ~ 子どもたち一人一人の自己理解と他者理解を深める~

□支援の土台となる「自己理解」「他者理解」
 
  → クラスの構造化が大切



□診断されていない子への指導は困難を極める
クラスメートとの関係が悪くなり不登校に



クラス全体のルール
・課題児を教室前に

・刺激を与えないように教室の壁には何も貼らない

・声の大きさを示すカードを作ってクラス全体で使う

・呼び鈴を使って静かにする時の合図を決める

・意見は手を挙げてから言うことをルールにする

・板書はできるだけしないで事前にプリント等の視覚的情報を用意する

・指示は短く適切に出し,子どもたちに反復させる

・忘れ物をしたら隣のクラスに借りに行っていい



□自己理解・他者理解を深める授業実践
     
「わたしを知ろう」という授業(学年始めに) 

米国:幼稚園レベル All About Me

  ・何が得意で何が苦手か,何が好きで何が嫌いか

・最初は本人が書き,次に友達が書いて

樹形
 






3.教師が陥りやすい指導① 

 ~ 「配慮という名の排除」になってはいけない ~

□自分と人との違いに気づく子は少なくない

 ADHD,LD 
   席を前にする,

   指示を一度に出さない
   
   視覚情報で補う,掲示物をあまりはらない など  


 ある日を境に「かわいそうなヤツ」扱いに
「配慮」の結果,集団内で「排除」される


 自分の特徴を話して理解してもらう
「ぼくは心と体の行動がバラバラなんだ」
 






4.教師が陥りやすい指導②

 ~ 「支援」という名のラベリングをしない ~

 診断後も「本人の問題では」と言う教育現場



 支援なしの診断は本人を落ち込ませるだけ



 テストや宿題,授業中にできる具体的な支援

□評価する時の工夫 
 ①テストの受け方の工夫

   プリント説明,質問受け

漢字間違いはOKに


 ②レポートや宿題の工夫
・学習スタイルに応じた宿題

・提出遅れは1点減点等児童に連絡

・宿題プリント 基本・応用コース


 
□授業中の指導の工夫

 ①学習スタイルに応じたノートの取り方を指導する

  ・イラスト ・パソコン使用 ・テープ学習 ・黒板デジカメ


 ②教師にできる工夫
  ・事前に板書内容を印刷配布

  ・プリントの漢字にルビ,文字を大きめに,行間空け

・授業内容をウェブアップ

・ブックオンテープ(教科書の内容を録音)を作る

・DAISYを利用

・パソコン音声化ソフトの導入



支援


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