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齋藤孝さんはこんなことを ④ /「もどかしい親と歯がゆい若者の国・日本」クライン孝子 祥伝社 1998年 ②【再掲載 2012.8】 [読書記録 一般]

今回は、10月29日に続いて
「齋藤孝さんはこんなことを」4回目、
『コミュニケーション力』の紹介です。


出版社の案内には


「豊かな会話、クリエイティブな議論は、どのようにして成り立つのか。話
 の流れをつかむ「文脈力」や基盤としての身体の重要性を強調しつつ、生
 きいきとしたコミュニケーションの可能性を考える。メモとマッピング、
 頷きと相槌、会議運営のコツなど実践的な技から、弁証法的な対話の喜び、
 沈黙それ自体の意味など深い考察まで、縦横に展開。」


とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「会話で迷子にならないようにメモをとりながら会話しよう」


・「回し書きで作文をする『一文回し書き作文』」
-  おもしろそうでいつかやろうと思っていましたが、
   やることができませんでした。
   再任用後。国語科をもつ機会がないのが残念。


・「コミュニケーションの基盤、響く身体と温かい身体の原則は次の四つ。相
手の目を見ること。微笑むこと。相手の言葉に頷くこと。また、相槌を打
  つこと。」


・「沿いつつずらす。要約力と再生方式。『たとえば』と『つまり』の言い換
え力」




もう一つ、再掲載になりますが、クライン孝子さんの
「もどかしい親と歯がゆい若者の国・日本」②を載せます。
国による教育のちがいは大きいと想像します。





☆齋藤孝さんはこんなことを ④

◇『コミュニケーション力』齋藤孝 岩波新書 2004年

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□コミュニケーション力とは
  コミュニケーション 
    = 意味や感情をやりとりする行為
= 意味と感情の座標軸
    → ディベート乱用の危険性
  
  クリエーティブな関係性
    インスパイアとインスピレーション

  自分と対話し,言葉を探す
    「~ていうか」症候群

 「文脈力」とは何か 
    会話で迷子になる
     → メモをとりながら会話する

  マッピングコミュニケーション
    人間ジュークボックスにならない
  
  誰とでも会話の糸口を見付けられるか
   - いきなり本題からはいる

  和歌のやりとり 
   連歌 - 座 というスタイル

  回し書きで作文をする
   「一文回し書き作文」

 「句読点で区切っての音読」



□コミュニケーションの基盤
響く身体,温かい身体

原則 
   ① 目を見る 
② 微笑む
- 一分間揺さぶり体操 
③ 頷く
 ④ 相槌を打つ

車座 
   - 自我の溶かし込み 
     ウォーキングの効用

  体温が伝わる方言
    沈黙を感じ分ける



□コミュニケーションの技法
沿いつつずらす  
    要約力と再生方式

  言い換え力
   「たとえば」と「つまり」

  会議を運営するコツ
    ブレイン・ストーミング

  ブレイン・ストーミング
    否定しない 
    ハイテンポ・リラックス

  メタ・ディスカッション 
     数人でディスカッション
      - 他の人の椅子の上から見下ろしながらメモ

  プレゼンテーションのコツ 
    プレゼン
     = 短時間に自分の考えを企画提示
「15秒プレゼント」  
     時間 + 意味
  
  コメント力 
   - コメントが義務 質問力





☆「もどかしい親と歯がゆい若者の国・日本」クライン孝子 祥伝社 1998年 ②【再掲載 2012.8】

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◇ドイツの家庭教育は日本とどこが違うのか

□ドイツにおける親と子のあり方
父親不在
 
   「いじめ」はドイツでも頭の痛い問題
   
   一家の稼ぎ頭としての父親的権威
     月給を運んで黙っているだけでない

   乳幼児には一種の人格も認めない

   他人の子のお小遣いの額にまで干渉するドイツの親

   18歳過ぎれば干渉もしないが面倒も見ない
→  親は大学進学の費用を出してくれない
育英資金制度を利用して 
      ~ ◎ 大人の世界と子供の世界に明確な線

 
□ドイツ家庭独特の危機管理教育
ドイツがオリンピックでたくさんメダルを取る理由

  危機管理教育
  身体を鍛える 
       ギナジューム 
         月~金 午後一時に下校
水のみ 2~3時半 体育
宿題は一時間程度 後は自由時間

   なぜ子供に上手に嘘をつく教育をするのか
「自分の身を守る為に機敏であれ」
      = 弁舌の巧みさ

   家一軒自分で建ててしまうドイツ人
ドイツ人質実剛健のルーツとは
プロイセン国王 フリードリッヒ・ウィルヘルム1世
      - ケチ王
 


◇日本には見られない「社会教育」というシステム

□心の教育を担うのは誰か
◎教師が病気になる日本の学校
 「日本の教師は気の毒ですね。子供の問題が起こると,本来なら社
      会や家庭が解決すべき問題まで,学校に持ち込まれる。そして責
      任を追及される。その点から見ると,ドイツの学校の先生は楽で
      す。恐らく学校の先生が日本流の学校方式を押しつけられたら,
      一日も勤まらないのではな いかと思います。」
      (ドイツ小学校教師)
    ◎ なぜドイツの父兄は教師に強く当たれないのか
    ◎ 先生に生徒の成績判断を下す権利があることでしょう
       → 落第・及第・卒業試験の合否 
           = 情実が利かない(公平)

   何ともうらやましいドイツ人教師の特典
3つの特典
① 解雇されない
 手抜きしようと思えばいくらでも
② 報酬が他の職業に比べて低くない
③ 格段に自由時間が多い
午後一時には家庭に

「おい息子よ,怠けたかったら教師になれ!」

   社会教育という大きな柱
社会福祉機関 赤十字社 教会
助け合いの会
   なぜ教育が社会教育に積極的に挺身するのか
→ ナチスの犯した所業の贖罪
無神論者国家群の浸透にあわてふためくドイツ教会
 


◇自国の歴史をどう教えるか

□バランスのとれた人間を形成する為に
 心の教育「宗教教育」

 
□対話・討論・話術の徹底教育
歴史の授業でダイアナ妃の事故死を取り上げるドイツ
ドイツの歴史授業にドイツ史は存在しない
ドイツ史も世界史の一環として
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