「よみがえれ霞ヶ関」山口智 展望社 2022年 /「教師の現在 教職の未来」油布佐和子 教育出版 1999年 ②【再掲載 2014.8】 [読書記録 一般]
今回は、山口智さんの
「よみがえれ霞ヶ関」を紹介します。
出版社の紹介には
「統計データ不正処理、忖度官僚の跋扈…。官僚OBが放つ日本再生のため
の緊急提言!」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「国会議員は2浪3浪の人間が社会的にのし上がるひとつのコースになっ
ている。小選挙区制になってから議員の劣化が激しい」
・「安倍氏配下は、保守をうたいながらやっていることはアメリカのポチ路
線であり、格差を助長するグローバリズムと新自由主義。国益を損なっ
ていること甚だしい」
・「戦後、議院内閣制をはき違えた国会議員が、国会議員は行政官である
官僚より偉いと思うようになり、中央官庁を自分たちの下請け機関の
ように扱うようになった」
・「過剰な質問項目への対応が省庁の最優先事項になってしまい、国会議
員を『先生』と呼び、日常的に国会議員にひれ伏すようになってし
まった。『誇り』をなくした状況」
もう一つ、再掲載になりますが、油布佐和子さんの
「教師の現在 教職の未来」②を載せます。
文科省は教職多忙化への取り組みを20年間以上も「調査」しています。
結果が出て対策がとられるのは何十年後でしょうか。
教職志望者が減り続け、質が保たれているとは…
☆「よみがえれ霞ヶ関」山口智 展望社 2022年
◇はじめに
□霞ヶ関は今や泥船
総合職試験
(名称 上級甲種 → 一種 → 総合職と変更になるたびに改悪)
法律職はかつての2~3倍の合格者
インフレ合格
→ 採用は運次第のような不安定な試験になってしまった
国会議員は2浪3浪の人間が社会的にのし上がるひとつのコースになって
いる
◎ 小選挙区制になってから議員の劣化が
経済界も
MK氏
‥ 規制緩和を名目に自分たちの利益を図ろうとする
TH氏
‥ 自分の会社の儲け + 米国ゴールドマンサックス社の利益
= 小泉政権以来の自民党であり維新の会
安倍氏配下
- 保守をうたいながらやっていることはアメリカのポチ路線であり、
格差を助長するグローバリズムと新自由主義
国益を損なっていること甚だしい
□「霞ヶ関」の由来
明治政府により中央官庁や裁判所が置かれた
→ 中央官庁の代名詞
□高等文官制度
戦前においては官僚の天皇及び国家への忠誠心は強く倫理観も高かった
↑
高等文官試験(M27 1894~昭和23 1948)
□多様な省庁
a 財務省
予算編成と租税政策を担った総合的制度設計者
b 旧内務省系省庁
(旧自治省、旧厚生省、旧労働省、旧建設省、旧警察庁、環境省)
c 経済産業省 アイデア提示
↑↓ abc合わせて「千三つ屋」
自己抑制的な法務省、外務省、防衛省
与野党の調整者 法政省、内閣法務局、人事院
※ 賞賛を受け尊敬もされていた霞ヶ関は今では‥
◇現状 現在の惨状
□霞ヶ関の地盤沈下-「天皇の管理」から「公僕」へ ※ 戦後、議院内閣制をはき違えた国会議員が、国会議員は行政官で
ある官僚より偉いと思うようになり、中央官庁を自分たちの下請け
機関のように扱うようになった |
◎ 過剰な質問項目への対応が省庁の最優先事項になってしまい、
国会議員を「先生」と呼び、日常的に国会議員にひれ伏すように
なってしまった
~ 「誇り」をなくした
◎ 戦前派官僚がいた頃の各省庁は誇り高く、国家と国民のために
滅私奉公するという意識があった
= 「三権分立」がちゃんと守られていた
通産省の佐橋滋事務次官
- 歯に衣着せぬ言動
エズラ・ヴォーゲル ハーバード大学社会学者
1979「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
カレル・ヴァン・ウォルフレン(オランダ人ジャーナリスト)
1990 「日本/権力構造の謎」早川書房
三角形
族議員と経済担当官僚と業界団体
□誇り高き内務官僚のエピソード
奥野誠亮
自治事務次官時佐藤栄作総理の要求をはねつけた
怒った佐藤総理
「役人のくせに。俺と対等に口をきくのは議員バッジを付けてから
にしろ」
↓
◎ 政治家になった
終戦時、戦争公文書の焼却を指示
= 戦犯を出さないために
□堕落・三権分立の崩壊
<以下略>
☆「教師の現在 教職の未来」油布佐和子 教育出版 1999年 ②【再掲載 2014.8】
◇疲弊する教師たち-多忙化と荒れの中で 松浦善満(和歌山大学)
□はじめに
バーンアウト症候群に陥る膨大な教師たち
① 多種多様な会議や過多な教育内容に終われる教師たち
② 学習意欲を衰退させた大勢の子供たち
教師の現実
キーワードは「疲弊」「バーンアウト」
その背後
キーワードは「多忙化」「荒れ」「学級崩壊」
□バーンアウトする教師
バーンアウト
一連の身体的・精神的・情緒的性症候群
バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)
対人サービス従事者の職業病
カウンセラー,ソーシャルワーカー,医師,看護婦
|
「優しさ」と「厳しさ」との葛藤
= 背反性を有する仕事
一方では心理社会的感受性,他方では技術的卓抜性
一方では知的に他方では情緒的に振る舞う
6割の教師がバーンアウト状態に
教師のバーンアウトの特徴
① 何らかの身体的症状を伴う 無気力症状
② 消極的になる
③ 固持的態度
④職場での孤立化
□過労死する教師
教職の無定量性と体感不全症候群
□教職の多忙化と形骸化
子供の荒れ・教育困難と多忙化
働きすぎる教師
- 勤務時間を超えて
□学校改革と教師のメンタルヘルス
疲弊を軽減する学校改革
意思疎通を十分に
教育活動・仕事量のスリム化
スローガンが次々に積み上げられる
→ 指導内容のオーバーフロー
↓
外見は活動的に見えるが形式化,ルーティン化し充足感を失っていく
↑
◎ 時間的余裕の吟味と学級定員のスリム化
□メンタルヘルスシステムの確立
教師のメンタルヘルスが学校改革に位置づけられ,その具体化が急が
れる
「よみがえれ霞ヶ関」を紹介します。
出版社の紹介には
「統計データ不正処理、忖度官僚の跋扈…。官僚OBが放つ日本再生のため
の緊急提言!」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「国会議員は2浪3浪の人間が社会的にのし上がるひとつのコースになっ
ている。小選挙区制になってから議員の劣化が激しい」
・「安倍氏配下は、保守をうたいながらやっていることはアメリカのポチ路
線であり、格差を助長するグローバリズムと新自由主義。国益を損なっ
ていること甚だしい」
・「戦後、議院内閣制をはき違えた国会議員が、国会議員は行政官である
官僚より偉いと思うようになり、中央官庁を自分たちの下請け機関の
ように扱うようになった」
・「過剰な質問項目への対応が省庁の最優先事項になってしまい、国会議
員を『先生』と呼び、日常的に国会議員にひれ伏すようになってし
まった。『誇り』をなくした状況」
もう一つ、再掲載になりますが、油布佐和子さんの
「教師の現在 教職の未来」②を載せます。
文科省は教職多忙化への取り組みを20年間以上も「調査」しています。
結果が出て対策がとられるのは何十年後でしょうか。
教職志望者が減り続け、質が保たれているとは…
☆「よみがえれ霞ヶ関」山口智 展望社 2022年
◇はじめに
□霞ヶ関は今や泥船
総合職試験
(名称 上級甲種 → 一種 → 総合職と変更になるたびに改悪)
法律職はかつての2~3倍の合格者
インフレ合格
→ 採用は運次第のような不安定な試験になってしまった
国会議員は2浪3浪の人間が社会的にのし上がるひとつのコースになって
いる
◎ 小選挙区制になってから議員の劣化が
経済界も
MK氏
‥ 規制緩和を名目に自分たちの利益を図ろうとする
TH氏
‥ 自分の会社の儲け + 米国ゴールドマンサックス社の利益
= 小泉政権以来の自民党であり維新の会
安倍氏配下
- 保守をうたいながらやっていることはアメリカのポチ路線であり、
格差を助長するグローバリズムと新自由主義
国益を損なっていること甚だしい
□「霞ヶ関」の由来
明治政府により中央官庁や裁判所が置かれた
→ 中央官庁の代名詞
□高等文官制度
戦前においては官僚の天皇及び国家への忠誠心は強く倫理観も高かった
↑
高等文官試験(M27 1894~昭和23 1948)
□多様な省庁
a 財務省
予算編成と租税政策を担った総合的制度設計者
b 旧内務省系省庁
(旧自治省、旧厚生省、旧労働省、旧建設省、旧警察庁、環境省)
c 経済産業省 アイデア提示
↑↓ abc合わせて「千三つ屋」
自己抑制的な法務省、外務省、防衛省
与野党の調整者 法政省、内閣法務局、人事院
※ 賞賛を受け尊敬もされていた霞ヶ関は今では‥
◇現状 現在の惨状
□霞ヶ関の地盤沈下-「天皇の管理」から「公僕」へ ※ 戦後、議院内閣制をはき違えた国会議員が、国会議員は行政官で
ある官僚より偉いと思うようになり、中央官庁を自分たちの下請け
機関のように扱うようになった |
◎ 過剰な質問項目への対応が省庁の最優先事項になってしまい、
国会議員を「先生」と呼び、日常的に国会議員にひれ伏すように
なってしまった
~ 「誇り」をなくした
◎ 戦前派官僚がいた頃の各省庁は誇り高く、国家と国民のために
滅私奉公するという意識があった
= 「三権分立」がちゃんと守られていた
通産省の佐橋滋事務次官
- 歯に衣着せぬ言動
エズラ・ヴォーゲル ハーバード大学社会学者
1979「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
カレル・ヴァン・ウォルフレン(オランダ人ジャーナリスト)
1990 「日本/権力構造の謎」早川書房
三角形
族議員と経済担当官僚と業界団体
□誇り高き内務官僚のエピソード
奥野誠亮
自治事務次官時佐藤栄作総理の要求をはねつけた
怒った佐藤総理
「役人のくせに。俺と対等に口をきくのは議員バッジを付けてから
にしろ」
↓
◎ 政治家になった
終戦時、戦争公文書の焼却を指示
= 戦犯を出さないために
□堕落・三権分立の崩壊
<以下略>
☆「教師の現在 教職の未来」油布佐和子 教育出版 1999年 ②【再掲載 2014.8】
◇疲弊する教師たち-多忙化と荒れの中で 松浦善満(和歌山大学)
□はじめに
バーンアウト症候群に陥る膨大な教師たち
① 多種多様な会議や過多な教育内容に終われる教師たち
② 学習意欲を衰退させた大勢の子供たち
教師の現実
キーワードは「疲弊」「バーンアウト」
その背後
キーワードは「多忙化」「荒れ」「学級崩壊」
□バーンアウトする教師
バーンアウト
一連の身体的・精神的・情緒的性症候群
バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)
対人サービス従事者の職業病
カウンセラー,ソーシャルワーカー,医師,看護婦
|
「優しさ」と「厳しさ」との葛藤
= 背反性を有する仕事
一方では心理社会的感受性,他方では技術的卓抜性
一方では知的に他方では情緒的に振る舞う
6割の教師がバーンアウト状態に
教師のバーンアウトの特徴
① 何らかの身体的症状を伴う 無気力症状
② 消極的になる
③ 固持的態度
④職場での孤立化
□過労死する教師
教職の無定量性と体感不全症候群
□教職の多忙化と形骸化
子供の荒れ・教育困難と多忙化
働きすぎる教師
- 勤務時間を超えて
□学校改革と教師のメンタルヘルス
疲弊を軽減する学校改革
意思疎通を十分に
教育活動・仕事量のスリム化
スローガンが次々に積み上げられる
→ 指導内容のオーバーフロー
↓
外見は活動的に見えるが形式化,ルーティン化し充足感を失っていく
↑
◎ 時間的余裕の吟味と学級定員のスリム化
□メンタルヘルスシステムの確立
教師のメンタルヘルスが学校改革に位置づけられ,その具体化が急が
れる