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齋藤孝さんはこんなことを ⑤ / 東井義雄さんの言葉 21 「母のいのち子のいのち」探究社 1984年 (4) 【再掲載 2014.1】 [読書記録 教育]

今回は、11月2日に続いて
「齋藤孝さんはこんなことを」5回目、
『子どもの日本語力を鍛える』1回目の紹介です。


出版社の案内には


「『声に出して読みたい日本語』で朗読の魅力を、『三色ボールペンで読む日本
語』で文章読解のコツを、『理想の国語教科書』で素材を提供した齋藤孝。
 本書はこの3作を家庭で使いこなすために、「齋藤メソッド」のノウハウを
 提供した本である。
『国語力はすべての学力の基礎』と著者は主張。長年の現場での経験から、
 小学4年生から中学2年生ぐらいまでは飛躍的に国語力が伸びる『ゴールデ
 ン・エイジ』だという。この時期に良い文章をたくさん読ませると、子ども
 の国語力はぐんとアップし、育ち続ける。ところが現在の小学校の国語教科
 書は、素材として貧弱すぎる。そこで『理想の国語教科書』を、親が家庭で
 子どもの国語力をのばすツールとして使ってほしい、というわけだ。
 前作を読んだ人にはおなじみの『要約力』『コメント力』『三色ボールペン方
 式』については簡単にふれている程度。本書で初めて齋藤メソッドに触れる
 人も、要点はわかるだろう。といってもこれはあくまでも応用編なので、実
 際に齋藤メソッドを試してみたい場合は前の3作をあわせて読むことをお
 すすめしたい。
 本書の目玉は、齋藤メソッドの授業の模様を紙上で再現した最終章だ。子ど
 もたちに夏目漱石や坂口安吾の文章を読ませる齋藤先生の名講義ぶりと、子
 どもたちの生き生きとした反応が手に取るようにわかる。」


とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「これからの国語教育は読書が基本となる」


・「対話の原理は沿いつつずらす。要約力のレベルの高い人になると各人各様
  のコメントになる」

・「三色ボールペン方式 青はまあ大事 (客観)、赤はすごく大事(客観)、緑
  はおもしろい(主観)」


・「今の子どもに足りないのは『量』」


・「国語で教えるべき『生の美意識』。大切なのは生きる美意識,価値観,人間
に対する寛容な理解力」




もう一つ、再掲載になりますが、投資喜生さんの言葉21
「母のいのち子のいのち」(4)を載せます。
要約を読み直し、以前より増して言葉が身に沁みます。






☆齋藤孝さんはこんなことを ⑤

◇「子どもの日本語力をきたえる」齋藤孝 文藝春秋 2002年 (1)

1.jpg

□はじめに
「日本語力こそが全教科の基礎である」
    → 身体を使いながら日本語力を鍛えていく読書ができない子
    = 日本語力が低い

  人間同士のコミュニケーションにおいても理解力が低い
→ 「これからの国語教育は読書が基本となる」



□子どもの日本語力を鍛える 子どものゴールデンエイジを逃さない
  「要約力」 
    ~ 対話の向上 
      間主観性 - 正しい理解 

「要約力」と「コメント力」の関係性
対話の原理 
      = 沿いつつずらす
要約力のレベルの高い人になると各人各様のコメントになる

  三色ボールペン方式という型
三色ボールペン方式  
      ◎青 … まあ大事 (客観)  
◎赤 … すごく大事(客観)
◎緑 … おもしろい(主観)

  ◎「時間内に課題の文章を要約できて,しかも自分のコメントも言える
    能力」

  国語教科書の問題
    レベルが低い・おもしろくない
  子どもはおもしろいものと出会いたがっている
国語授業 
     … 児童も教師も驚いていない 
        = 出会いになっていない

  今の子どもに足りないのは「量」

  小学4年から「ゴールデンエイジ」が始まる
小学4年生ぐらいが分水嶺
     = 飛躍的に国語力が伸びる時期
  (ゴールデンエイジ)
10歳からある程度の量がOKに
  ◎量質転化
      … 教師は量質転化のラインを相手に分からせる

  優秀児童は反復練習に強い 
   スポーツは1万~2万回

日本語も同じように鍛えればよい



□力強い日本語を子どもにぶつける
テキストの選び方 
   = テキスト選択ポイント 
      ① すごみ
      ② あこがれ
      ③ 生の美意識
(子どもが文章の筋をつかんで味わえるか)

  大文学者の作品をおもしろいと感じる大切さ
    ラフレー「ガルカンチュア物語」

  大人の読書との壁をなくす 
    児童文学ばかりでは物足りない

  国語で教えるべき「生の美意識」
◎生の美意識
      … 美意識・価値観・人間感情
大切
      - 生きる美意識,価値観,人間に対する寛容な理解力






☆東井義雄さんの言葉 21 「母のいのち子のいのち」探究社 1984年 (4) 【再掲載 2014.1】

1.JPG

◇ここに幸あり
「何が間違っても絶対に間違いなくやってくることは,そのかわいいものた
  ちとお別れしなければならない日がやってくるということだ。それなのに,
  こうして今,親と子が共に戯れることの幸せを幸せと受け取らずに,いっ
  たいこれ以上のどんな幸せがあるのか」


◇本当の子供を見失わないように
本当はいい生徒になりたいのにすることが逆になってしまう…
→ 悔しさを逆のしぐさで表現


◇「態度で示そうよ」という歌のように
月給制のお小遣いはやめよう

   「お金はみんなのものだ。欲しい物があったら,みんなで相談して…」
= 態度で導く


◇草木が自分で伸び太っていくように
お父さん・お母さんを見て呼吸

 
◇お父さんの目
西宮市・戸田唯巳先生 
   「職場のお父さん」の作文

 
◇日本一のビリッ子
ビリッ子も「日本一」ならたいしたもの
ランドセルのマラソン 
    卒業式で展覧会
銀杏の実のお年玉
夕焼けの小便
大いなるものへの目覚め 
    大いなる不思議
守君から学んだこと
仲良くなるきっかけ 信じてくれることがスタートに
  愛と知恵
   ◎ 愛情は知恵と一つになって本当の愛情に育つ
  川になって岸をつくる
キカンジュウのお母さん
  - 川の流れを無視し,勝手に岸をつくって流れをそれに従わせよ
      うとされているのですが無駄骨に。
       = 子供は「物」ではない
 「小さい勇気」をこそ
教育 
    = 人間を「欲望の僕」にではなく「欲望の主人公」に育てること
ところが今,日本の子供たちはどんどん「欲望の僕」にされ
       てしまいつつあるように思われてなりません
      自律の力 ①ブレーキをかけることができる
②ハンドル操作が間違いなくできる
◎ 欲望の下僕ではなく欲望の主人公に!

   詩 「小さい勇気をこそ」


◇雨の日には雨の日の生き方がある
  運動会の前日に…
米田先生「もしも明日雨が降っても,天に向かってブツブツ言うな。      
        雨の日には雨の日の生き方がある。」
      -  一人の先生のすばらしい生き方が,縁のある大人や
          子供をどんどん変えていき,生きる喜びや勇気・自信を
          育ててくれることになった
 

◇耳は二つ口は一つ
考え直しが少なくなった
「しかし」「けれども」が多くなった
「私たちの口は一つですが耳は二ついただいております。これはこちらか
   らもあちらからもよくよく聞きなさいということではないでしょうか…」


◇「生きる」ということ
子供の背負っている「荷」を軽くしてやろうと考えるだけでなく,「荷」
を背負う背負いのあり方を指導してやってほしい…


◇汚れたパンツ
すばらしい耳の持ち主が一年生の担任に!
 - 女の人の耳は男とは違う


◇本物は続く,続けると本物になる
◎ 「ほんものはつづく,つづけるとほんものになる」


◇本物の学力と偽物の学力
「詰め込んだ知識でもペーパーテストの点は取れます。でも,それは本物
   ではありませんから,これからの厳しい世の中を生き抜く力にはなりま
   せん。」


◇勉強の喜び
平野婦美子先生「女教師の記録」
ひとつながりにつながりあっている私たち


◇ワーズワース(イギリス)
詩の中に
   「子供こそは大人の父ぞ」
= 「太陽に一番近い国」の住人たち
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