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竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)③-「小一プロプレム」を知っていますか? 竹原泰三 ジャーナリスト /「他人支配をやめると幸せになる」黒岩貴 小学館 2010年 ③(最終)【再掲載 2013.12】 [読書記録 教育]

今回は、10月30日に続いて、かつての月刊『少年育成』誌のコラムから、
「竹原泰三さんはこんなことを」③を紹介します。


次の文章が強く印象に残っています。

- 子育ては本来手間ヒマがかかるものである。
- だからこそ楽しさ、おもしろさもあるのではないか。
- 子育ての責任を放棄して、学校に頼るのは安易ではあるが、真の解決には
 ならない。



もう一つ、再掲載になりますが、黒岩貴さんの
「他人支配をやめると幸せになる」③を載せます。







☆竹原泰三さんはこんなことを(月刊「少年育成」より)③-「小一プロプレム」を知っていますか? 竹原泰三 ジャーナリスト

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 今年の春から新しい学習指導要領が導入された。


 授業時間数も学習内容も大幅に削減され、学力の低下につながるのではない
かと懸念されている。

 そこで、土曜日の過ごし方が大きなテーマになる。


 マスコミ各社は学校や地域のユニークな取り組みの紹介に躍起になっている。


 最初は新しい学習指導要領に批判的だったマスコミも、いざスタートした後
は、新指導要領の応援団に加わったかの感さえある。


 しかし、その学習指導要領の改訂が早くも話題になっているだけに、学校に
とっても子どもを持つ家庭にとっても議論の行方が気になるところである。


 そんな中、名古屋のNHKがちょっと変わったニュースを流していた。


 舞台は三重県津市の公立の小学校。


 一年生の教室で、小学校の先生と幼稚園の先生の二人が一緒に授業に当たっ
ている。


 「小一プロプレム」を解決しようという全国でも珍しい試みだという。


 「小一プロプレム」は、小学校に入学したばかりの一年生が新しい環境にな
じめず突然、授業中にたって歩いたり、先生の話を集中して聞くことができな
い現象を言う。


 子どもが、活動が由由な幼稚園と規則的な小学校との違いになじめないこと
に原因があるとされている。


 こうした、授業がまともにできない状態は、年齢がもう少し高くなると「学
級崩壊」と言われるのだろうが、小学校一年生の場合は特別に「小一プロプレ
ム」と呼ばれている。


 読者のみなさんは「小一プロブレム」という言葉をご存じだっただろうか。


 わたしは世の中の出来事を丹念に見ているつもりだが、残念ながら「小一プ
ロブレム」というい言葉を知らなかった。


 そこでインターネットのヤフーで検索してみると43件のページが見つかっ
た。


 そこには全国各地の小学校や幼稚園の先生たちが、一生懸命「小一プロプレ
ム」に取り組む姿が読みとれる。


 ここでは、大阪府同和教育研究協議会の調査・研究をもとに見ていきたい。
 

 そもそも「小一プロプレム」が意識されるようになったのは90年代半ばから
だという。原因について協議会では三つあげている。


 (1)社会の変化で、地域での群れ遊びやけんかの体験不足、少子化で子ど
    もたちが人間関係を学ぶ場が決定的に不足している。


 (2)子育てが「母子カプセル」といわれる閉塞感の中で孤立しがちで、親
    からも子どもからも自尊感情を奪っている。


 (3)就学前の幼稚園・保育園と小学校の教育のギャップ、段差の拡大。


 このように見てくると 「小一プロプレム」は、形のあるものが崩壊してい
る「学級崩壊」とば違って、いつまでたっても集団を形作れない「学級集団の
未形成状態」だと協議会は指摘している。


 それでは対策はどうなっているか。


 最初に紹介したNHKのニュースにも出てきたように、幼稚園と小学校の先
生が一緒に授業を担当するのも一つの方法である。


 地域のお母さんたちに協力を求めているケ-スもある。


 幼稚園児と小学校の児童との交流会を開くところもある。


 これらはいずれも幼稚園と小学校の段差を解消しようというものである。


 このほか、一クラスの児童数を減らそうという提言もある。


 こうした活動の成果か、二、三カ月で「小一プロプレム」は解消するという。


 「小一プロプレム」は学校教育に原因があるように思われるかもしれない。
しかし、ちょっと待ってほしい。


 我々団魂の世代が小学校に入学した昭和30年前後には、こうした問題はほ
とんどなかった。


 しかも、いまでも入学から2、3カ月よけいに手間ヒマをかけて面倒を見れ
ば問題が解決するのであれば、問題の原因は小学校にではなく、入学以前にあ
るのではないだろうか。


 入学前に親が子どもにかけるべき手間ヒマをかけなかったことが真の原因で
はないか。


 ましてや一クラスの児童数が多いのが原因だというのは暴論だ。


 一クラスが55人を超えていた団塊の世代は問題児ばかりだったとでもいう
つもりだろうか。


 小学校や幼稚園の先生には、今後もがんばってもらわなければならないだろ
う。


 しかし、責任を論ずるのであれば小学校のせいではなく、大阪の協議会も指
摘している原因の(1)や(2)をもっと真剣に考えるべきである。


 子育ては本来手間ヒマがかかるものである。


 だからこそ楽しさ、おもしろさもあるのではないか。


 子育ての責任を放棄して、学校に頼るのは安易ではあるが、真の解決にはな
らない。


 責任を転嫁して子育てはできない。






☆「他人支配をやめると幸せになる」黒岩貴 小学館 2010年 ③(最終)【再掲載 2013.12】

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◇あらゆる人間関係に潜む「他人支配」(後)
5 仕事関係における他人支配
職場の「べき」はなくしにくい
「ジョブ・ディスクリプション」と「コンピタンシー」
  職務記述書       能力技能の明確化

ジョブ・ディスクリブション(職務記述書)
     この仕事は何をするかと言うことを明確化した文書

文書できちんと作っておくことが大切

   コンピタンシー(自分の能力・技能を明確化したもの)
  上司との付き合い方
  職場には職場ならではの特別な付き合い方がある

淡々と実行してさえすればよい

「上下左右の法則」上(上司)下(部下)左右(同僚)

   人と人との関係がすべて
     会社というのは「人」
部下や同僚との付き合い方 
       面倒見とコミュニケーション
部下の立場にも立って考えてみる「ダイバーシティ」



◇自分も他人も受け入れることが幸せの鍵
人生は寛容になるためにある
「他人支配をすると自分が苦しくなる」
   人生の成長とは、どれだけ人に寛容になれるか、どれだけ人を許
     せるか、どれだけ人に優しくなれるかということに尽きます。人生
     はそのためにあります。

  寛容になる3つのステップ
① まず、相手を許す
    ② 次に自分を許す
    ③ すると自信が持てる
   
  「べき」は捨てるべき?
  究極の寛容さとは?
  ダイバーシティ
        - 百人いれば百通りの考え方があってよい

  マインドフルネス 
    あるがままに感謝し受け入れる
弁証法で

  人生は繰り返している



◇黒岩貴 
  1961年生 サイコドクター(心理学専門家)
  慶応大学文学部心理系卒
  ハーバード大 → ワイス研究所 → カリフォルニア心理専門大学院修了
  前世療法
   ~ ブライアン・ワイスに指事
  麻布サイコ&カウンセリングクリニック院長
  「いつも幸せな人の心のルール」(フォレスト出版)
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