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「日本の地名がわかる事典」浅井建爾 日本実業出版社 1998年 ⑬ [読書記録 一般]

今回は、12月22日に続いて、浅井健爾さんの
「日本の地名がわかる事典」の紹介13回目です。


20年も前に出された本ですが、大変勉強になった本です。


出版社の案内には、


「日本にある地名の一つひとつに由来がある。地名に秘められた幾千もの物語-地形、歴
 史、人物、故事、市町村合併など一言では語り尽くせない地名誕生の秘話・由来。楽
 しみながら博識になれる知的ガイドブック。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「日光  二荒山神社 (音読 ニコウ)」


・「武庫川 = ムコに『六甲』の字を当てた」


・「京都は奈良の裏側にあると見られていた
京都府中南部 
   山城 - 古くは『山背』」


・「府中 = 不忠として賤機山に因んで『静岡』と改称」







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☆「日本の地名がわかる事典」浅井建爾 日本実業出版社 1998年 ⑬

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◇地名は化ける

□日光 

 二荒山神社 (音読 ニコウ)

 男体山頂にも二荒山神社の奥の宮

 二荒はフタラク(補陀落=観音浄土-山岳信仰)の訛ったもの



□六甲山 

 武庫川 = ムコに「六甲」の字を当てた → 「六甲」に






◇京都

 京都は奈良の裏側にあると見られていた



 京都府中南部 
   山城 - 古くは「山背」

   山の背 = 大和からは背後  
  
   ~ 古くは山の背後






◇ズバリ由来が想像

 長野県売木村


 東京都田無市  
   水田がなかった


 神奈川県震生湖
   大正12年関東大震災により誕生した


 石川県手取川  
   手を取り合って渡らねばならぬ急流






◇合川・相川

 川の合流地点

  → 転訛して鮎川、愛川








<ブランド志向地名>

◇大阪 → 大坂 

  古代・難波

  → 室町・大坂 上町付近に多くの坂


  → 土に返るのは良くないと大阪に





◇福井になった北庄

□古くは北庄
   1624年越後の高田(元上越)から入封した松平忠昌が北は「敗北」

 「逃げる」に通じるとして「福居」に改称

   1701年 福居 → 福井


□愛知県豊橋市 
   昔「今橋」 

   今川義元が城主になると「忌まわしい」に通じるとして「吉田」に改めた

          ↓

明治2年 伊予(愛媛)の吉田と区別するため「豊橋」と改称



□静岡市 

 「駿府」別称「府中」 

 府中 = 不忠として賤機山に因んで「静岡」と改称






◇不気味な地名

□三陸海岸 

  死骨崎



□北海道千歳市周辺

  古くはシコツ = アイヌ語「大きな窪地・大沢」

  死骨に通じるとして千歳と改称

- 千歳川の水源は支笏湖


  死骨崎と支笏湖は同じ語源か?



□兵庫県生野郡 

  多くの人々を殺した凶暴な神が潜んでいたという言い伝え
  
 「死野」と呼ばれていた → 生野に?


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「授業の展開」斎藤喜博 国土社 2006年(1964年の新装版) ② [読書記録 教育]

今回は、12月21日に続いて、斎藤喜博さんの
「授業の展開」の紹介2回目です。




出版社の案内には、


「この本は今や授業の実践と研究では“伝説”の存在になりつつある斎藤喜博の授業に関
 わる三部作の三作目のもので、もっとも内容が豊富で、理論的にも実践的にも最重要な
 書となっている。」


とあります。

全国に広く知られた実践。
斎藤喜博さんの強烈なリーダーシップ。
現代ではとても許されないような実践。
教員の思いの強さを感じます。



斎藤喜博さんの『君の可能性―なぜ学校に行くのか』(ちくま文庫)、
初版はとても古い本ですが、広く読まれるべき名著だと思います。





今回紹介文より強く印象に残った言葉は…

・「授業の質は最初の発問により決定的に決まってしまうもの」


・「教える = いつでも教師がゼロになって出発していくこと」


・「板書は授業展開の中での発問とか確認の意味を持ってやるべき」


・「子どもの学習の姿がノートにそのまま現れているノート(3年以上)」


・「上級生が下級生の授業を見たり,下級生が上級生の授業を見たりする(島小)」


島小学校は平成の市町村合併により、伊勢崎市立境島小学校と名前が変わりましたが、
3年前に閉校となったようです。
寂しい思いがします。


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☆「授業の展開」斎藤喜博 国土社 2006年(1964年の新装版) ②

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◇展開の技術

Ⅰ 発問・問い返し・説明

 1 最初の発問  

     ピッチャーの第一投と同じ

何が何でも授業に方向付ける
     
      授業の質は最初の発問により決定的に決まってしまうもの    


 
 2 無意味な教師と子どもの問答

(例) 具体的に島に呼び入れる問答



 3 明確な発問

  発問・問い返し ~ いつでも明確で具体的なもの



 4 子どもによりかかっている発問

教える = いつでも教師がゼロになって出発していくこと

  説明すべきことは教師がきちんと説明してやらない限り,よい授業などできる
   ものではない



 5 学級の全員に響いていくような発問

     発問 … 感動を込めて,具体的に明快に単純率直に発問する 

     いろいろな方法

  ・次々に発問

・豊かにゆっくり話して聞かせ
       →  改めて発問・拡大

      ・わざと反対
        → ショックを与えて考えさせる


         ↓

   学級の中に波が起こり,授業に振幅が生まれ,教師の出す発問が、学級全体の子ど
  もの心に生き生きと響いていく






Ⅱ 授業の振幅を大きくする方法

 1 具体的な問題の投げ掛け



 2 根本は教師の教材解釈の力



 3 わざとする子どもの解釈への反対
 





Ⅲ 子どもの思考や発言の取り上げ方

 1 見事な技術



 2 教材から発言思考を展開する



 3 教師の表現力・洞察力の影響






Ⅳ 板書・朗読・ノートなど

 1 板書

    板書は授業展開の中での発問とか確認の意味を持ってやるべき

   → 確認定着

   = 発問・確認の板書



 2 朗読 (1) 読み浸る朗読

(2) 子どもへの反駁の朗読

(3) 読みの確かめの朗読

(4) 新しい問題点・疑問点の出た場合の朗読

(5) 新しい問題を発見する為の朗読

  ×「ここに問題点がある」と指摘

  → ◎ゆっくりとその場所を読む



もっと朗読重視で!


  授業展開の中での朗読

一人が読み取ったものを声に出して伝えるところに意味がある

× 演劇的朗読

    × 何行かずつ,何ページかずつ読ませる,席順に読ませる

読み間違えても指摘させない

        ↓
 
  朗読による授業展開  

朗読者と一緒に全員が朗読し考えている



 3 ノートなど

  <ノート> × 丸写しで綺麗 = 形式的・詰め込み



形式的なノート検閲

   ① まず自分一人で学習

読む・考える・辞書や参考書で調べる



自分一人としての疑問点やまとまった考え方などを書いておく


   ② 自分の疑問点やまとまった考え方などを友達や先生の考え方と付き合わせる



ノートに修正や変更や拡大の姿が書き込まれる

     = 子どもの学習の姿がノートにそのまま現れているノート(3年以上) 

 <練習帳> 授業中のメモ,計算,△印,書き込み
   

 <学級の日誌> 毎日の授業の記録
 
         = どんな思考を出し合い,どんなところに到着したか   


 <教師の予定・記録ノート>

翌日の授業の大体の計画 ~ 教材の核,思考や疑問の予想

  ↓   ノートにあった問題点から

授業後 ~ 大体の様子,目標,結果,重要な発言,残った問題点等 


 <記憶法> 授業から記憶されるものを



 4 教具



 5 表現  教師の演技的・演出的なもの - 身体的表現






Ⅴ 島小学校での方法 

 1 他の学級の授業を見る

  上級生が下級生の授業を見たり,下級生が上級生の授業を見たりする(島小)

~ 合唱,体操,舞踏,演劇

(様々なものを取り入れ,自分たちの今後に)



 2 低学年の教材で授業をする

  展開技術とか学習の方法とか覚えるようにするため



 3 学級王国をつくらない

他学級,他先生,外部との交流  ずっとくっついてばかりいられない

   ~ 皆の力で

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