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「人類の進化と親心」宇宙は我々を信頼してゼロ歳児を与えた -子育ての体験が人間性や善性引き出す- 松居和 (中日新聞 2003.1.19) /「なごや十話」中日新聞社 2002年【再掲載 2012.5】 [読書記録 教育]

今回は、松居和さんの
「人類の進化と親心」を紹介します。


19年前の中日新聞の記事です。


もう一つ、再掲載になりますが、中日新聞社の
「なごや十話」を載せます。

浜松には中日新聞東海本社があることもあり、
ずっと中日新聞を読んでいます。
ドラゴンズファンでもあります。




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☆「人類の進化と親心」宇宙は我々を信頼してゼロ歳児を与えた -子育ての体験が人間性や善性引き出す- 松居和(中日新聞 2003.1.19) 


 欧米で3割、4割の子どもが未婚の母親から生まれ、離婚率を考えれば実
の両親そろって育てられる子どもの方がすでに少数派になろうとしている。


 人間社会から親心が消え始めています。

 社会に親心が育たないということはモラル・秩序が育たないということ。

 人間は絶対的弱者である幼児と接しそれを育てることによって、善性、や
さしさ、忍耐力を自らの中から引き出され、同時に手に入れやすい幸福の物
指し、「親心」というものを天から授かるのです。


 家庭崩壊が始まると警察や司法で取り締まろうとしても焼け石に水です。

 家庭崩壊とは、親が子どもに無関心になること、子どもが病気になっても
親が知らない、居ない、といった状況をいいます。


 今年アメリカでは生まれる子どもの20人に1人が一度は刑務所に入りま
す。

 これはアメリカ政府の発表です。

「囚人の95%が幼児虐待の犠牲者といわれ、現在、親、義理の親、里親に
 虐待を受けている子どもたちを施設に収容しようとすると、二百万人の子
 どもを収容する施設を作らなければならない」

といわれます。


 里親制度や母子家庭における幼児虐待・犯罪率の高さゆえ、8年前アメリ
カの連邦議会に提出された「タレント・フェアクロス法案」は、「21歳以下
の未婚の女性が子どもを産んだ場合には生活保護費を出さず、その予算で狐
児院を作って子どもを収容して育てよう」というものでした。


 母子家庭が必ずしも悪いわけではないのです。

 母親の働く姿を見て、両親がいる家庭以上にしっかりした優しい子どもが
育つことなどいくらもあったのです。

 しかし、少年法で服役している少年たちの70%が母子家庭から来ている、
という数字が出てしまうと、将来犯罪を取り縮まるためにかかる費用、刑務
所の建設費を考えれば、孤児院で子どもを育てた方が安上がりだ、と言い始
める議員たちが現れたのです。


 この法案は否決されました。

 しかし、これに賛成していた当時の下院議長が、「孤児院と考えずに24時
間の託児所と考えればいい」(同)と言ったのを私は覚えています。


 下院議長が言うように、母子家庭から子どもを取り上げ政府が育てれば確
かに一時的に犯罪は減るでしょう。

 子どもが虐待される確率も下がるでしょう。

 子どもには確かにその方がいいのかもしれない。

 しかし、その先にさらに大きな、決定的な家庭崩壊の波がやってくる。

 「幼児を育てること」を親が体験することの意味が見えていない。

 親が子育てを体験しないことの社会的損失が見えていないのです。


 私は、こういう発言が、先進国といわれるアメリカで下院議長にまでなる
政治家によってされているのだ、ということを日本の親たち、保育者たちに
知ってもらいたい。

 そうすれば、今まで政府がやって来た少子化対策や親のニーズに応えよう
とするエンゼルプランがきわめて危険な増税対策であり、学者たちの経済対
策がいかに幸福論をともなっていない場当たり的なものかが見えてくる。


 宇宙は我々を信頼してゼロ歳児を与えた。

 ほとんどの人間が幼児を任せるに価する優しさ、忍耐力を心の底に持って
いると信じた。

 そうした人間の進化に必要な人間性・善性を引き出してくれるのが、幼児
たちと過ごす時間、子育ての体験だったのです。


 自分たちから人間性、善性を引き出してくれるものたちを自ら生み出す。

 この素晴らしく不思議なサイクルがいまシステムや権利意識によって崩さ
れようとしている。


 日本だったらまだ間に合うかも知れません。

 先進国社会で奇跡的に家庭崩壊が進んでいないこの国が、欧米の失敗から
学び、どういう方向へ向きを変えるかが人類の進化の鍵を握っているとさえ
思うのです。


 やり方は簡単です。


 すべての人が幼児と出会う機会を少しずつ取り戻していけばいいのです。
                       (中日新聞 2003.1.19)






☆「なごや十話」中日新聞社 2002年【再掲載 2012.5】
 
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◇経済力にふさわしい文化力を 梅原猛

□弥生の前線基地としての名古屋
  ○ 三河以東は縄文人  縄文人(東夷)
    三河 = 境川,矢作川,豊川

弥生人          

  ○名古屋は弥生族の陸軍最前線基地 
     ヤマトタケルの霊剣

  ○伊勢は海軍の前線基地


□名古屋と三人の英傑  
  ○破壊  信長

  ○試行錯誤創造 秀吉

  ○それを完成  家康


□柳田国男  
   日本人で神としてまつられるのは刑死あるいは流罪となり怨恨の思い
  を残して死んだ人に限られていた

   桓武天皇は神として祀られなかったが,同母弟の早良親王が死後まも
  なく神として祀られた
早良親王 桓武天皇への抗議の自殺

天変地異 怨霊の祟り 上下御霊
  |
   以後様々な無実の罪で流罪・死罪になった尊い人の霊が怨霊になり,
  祟りをなすか,それらの霊も御霊神社に合祀された
  ↓
祇園祭り


□名古屋人のケチ精神と派手好き
  ○[勤勉精神と実利主義] + [華美]   = [ケチ] + [派手]

  ○徳川宗春
     吉宗の政策に反した名古屋繁栄政策
  

□近代日本文学と名古屋 
  ○坪内逍遙と二葉亭四迷 江戸出身作家とともに
   逍遙「当世書生気質」新戯劇運動  小栗風葉



◇モノづくり・人づくり・国づくり  豊田宗一郎

□豊田佐吉 - 豊田喜一郎 - 豊田章一郎


□モノづくりを基盤とした技術創造立国 
  我が国の唯一の資源は「人」である
  

□物・人・情報の地球大交流時代 
  「大競争」←→「大交流」
    ~ 自然の叡智


□大交流時代のモノづくり


□モノづくり・人づくり・国づくり



◇快男児たち 城山三郎

□堅実・質素・勤勉   
   奥田正香 福沢桃介 青木鎌太郎



◇名古屋人・名古屋弁  清水義範

□喫茶店がサロンのようになっている  
  ツレ・コネクション


□お値打ち 
  得することが名古屋人の幸せ-クーポン券大好き 名古屋の主婦
  

□保守的かつ大胆な変化
  

□名古屋弁 
  仲間内の時にだけ
    - 他の地方の人と話す時には使わない  

  主婦の名古屋弁 
    「~みえる」「~でしょう」「やらしい」

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鷲田小彌太さんはこんなことを ⑳-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (8)最終 /「怒るヒント」ひろさちや 青春出版社 2011年 ③ 【再掲載 2012.5】 [読書記録 一般]

今回は、10月21日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」20回目、
「新学問のすすめ」8回目の紹介 最終です。




出版社の案内には

「楽しく生きるために、何をどう学び活かしていくか。仕事と生活に役立つ
『新・学問』の快楽的修得法。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「教養は雑草だ。雑草雑学がなくなれば,美しいだけで生命力のない世界
ができあがる」


・「博覧強記よりも人間通を。知識や技術を一人の人格が,実生活で様々
な仕事で活用できて初めて教養と呼びうる」


・「学問の根幹は比較にある」





もう一つ、再掲載になりますが、ひろさちやさんの
「怒るヒント」③を載せます。
自分の弱さを知ることは大切だと思います。




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☆鷲田小彌太さんはこんなことを ⑳-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (8)最終 

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◇高度教養時代に学ぶ

□一億総学問の時代
 教養の上に専門が花開く  
    カルチャー=耕す

  教養は雑草だ  
    ◎ 雑草雑学がなくなれば,美しいだけで生命力のない世界ができ
     あがる 
    = 雑学の王は哲学


□教養を専門にする
高度教養専門大学がほしい

  一人で書く事典

  博覧強記よりも人間通を
◎ 知識や技術を一人の人格が,実生活で様々な仕事で活用できて
     初めて教養と呼びうる
教養学 = 人間学


□異領域を学ぶ - 教養学原論
司馬遼太郎の歴史小説

文化人類学の魅力
哲学の廣松渉,歴史の山口昌男,文学は柄谷行人、越境組の栗本慎一郎

  多田富雄『生命の意味論』の威力 生命科学


□日本語・日本文学の効用
日本語の達人になると自ずと教養人となる

コピーにしてオリジナル

学問の根幹は比較にある








☆「怒るヒント」ひろさちや 青春出版社 2011年 ③ 【再掲載 2012.5】

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◇「怒るのもアホらしい」ことをきっちり仕分ける術
   この手の人とは喧嘩する価値なし
     世の中には相手にしなくていい人や店がたくさんある
     損得の考慮外 
       最初に変な席に案内された時点で断ればよい


  十回怒る内の九回はムダ?  
    自分の役割ではないことまで怒るのはムダ
    管理職に言えばよい


  改善の余地があるなら断固怒るべし


  トラブル処理と怒りを区別する  
    ◎トラブル処理はドライに!
 × うやむやに済ませてしまうから限界を超えたところでドカン


  怒る相手を間違えない
   ・現場の人に言ってもムダ
   ・赤穂義士
      → 幕府に討ち入ればよい
        本来は殿様のアホさ加減 - ただの暴力集団


  「自己責任」の大嘘




◇「その相手を許せるか許せないか」を本音で考える

  仏教の「三毒」とは?
    「貪欲(むさぼり)」
    「瞋恚(いかり)」
    「愚痴(おろかさ 仏教の教えに対する無知)」


  その怒りは正当か?
   ・正当性は見る立場によって違ってくる


  許せる相手許せない相手
   「許し」の存在 
     損得が基準であれば「許し」もなにもない


  それはあなたが知ることではない




◇仏教、キリスト教、イスラム教は「怒り」をこう扱った(前半)

  キリスト教徒ユダヤ教の「怒り」の違い
    宗教というものは道徳とはまったく違って、ユダヤ教のような一
    部の民族宗教を除いて、あらゆる怒りというものが基本的に「悪」
    だと教えている

     ・キリスト教  
        怒る権利は神のみ持つ
  復讐も神の権限

     ・ユダヤ教   
        ユダヤ人にとっての民族宗教であり神さまがユダヤ人に「敵
       を殺せ」と命じている 
「隣人を愛し敵を憎め」

キリスト 「汝の敵を殺せ」


  無理と知って「敵を愛せ」と説いたイエスの本心
    ・キリスト教 
       「汝の敵を愛せ」は理想として棚上げにしておいて、現実は平
       気で「道徳的」な振る舞いをする
= 時と場に応じて怒ったり怒らなかったりする

    クリスチャン
      ~ 一週間に一日だけ教会に行くパートタイムのキリスト教徒 

     イスラム、ユダヤの基本原理
          「汝の敵は憎み、隣人を愛しなさい」


  イエスの本心 
    ◎「自分が如何に弱い人間であるかに気付きなさい」

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「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ②(後半) /「子どもの民俗学」大藤ゆき 草戸文化 1982年 ②【再掲載 2012.8】 [読書記録 一般]

今回は、11月1日に続いて、三浦雅士さんの
「石坂洋次郎の逆襲」の紹介 2回目(後半)です。


石坂さんと民俗学がつながるようには思いませんでしたが…



出版社の案内には、

「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
 らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
 せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
 行本化」  

とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「民俗学に裏打ちされた石坂の手法」


・「宮本民俗学 ~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!」


・「『エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女たちの
エロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを意味している』  
                             宮本常一」


・「白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴明をもう
  けたが、正体を知られ古巣に帰った … 葛の葉伝説」



もう一つ、再掲載になりますが、大藤ゆきさんの
「子どもの民俗学」②を載せます。
ここに書かれていることを自分が子どもの頃、よく聞きました。
しかし、この頃では…。
記録することの大切さを強く感じます。




<浜松のオリーブ園>

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ふじのくに魅力ある個店
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ②(後半)

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◇民俗学徒・石坂洋次郎

1 宮本常一との共通性
  同級生・奥野信太郎の眼  
      石坂 ~ 純文学かつ大衆文学
   
    柳田國男の弟子 齋藤吉彦
    
    中央アジアにつながる「草を刈る娘」
      民俗学に裏打ちされた石坂の手法

    あるべき日本文学史においては  
宮本常一「土佐源氏」 
        坂本長利の一人芝居 1967(S42)~
        オーラル・ヒストリー = 聞き書き
         ~ 民俗学の手法
      宮本民俗学
       ~ 庶民の生活の歴史がなくて何が歴史学というのか!
         女系制 - 母親の祖母とのつながり   

祖母の話の中にこそ
宮本常一 1907(明40)年生  石坂の7つ下
  「エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのもおもしろい。女
       たちのエロばなしの明るい世界は女たちが幸福であることを
       意味している。」



2 俯瞰する眼
「楢山節考」を読んで

石坂洋次郎にあって、深澤七郎にないもの  
      俯瞰する眼がない深澤

    その奥には暗さが潜んでいる 
母系制
       - 内婚制に結びつくいとこ婚
    
    「ある丘の小さなほこら」

    神話空間「無銭旅行の巻」

    「日本残酷物語」に先駆ける



3 異族の論理
柳田國男 折口信夫 石坂洋次郎

思想的血脈として
柳田國男、折口信夫から
       →  保守 - 小林秀雄
→ 革新 - 宮本常一 - 谷川健一 網野善彦

    折口信夫「古代研究」 
折口信夫「信夫墓の話」
白狐が葛の葉姫に化け安倍○○と契りを結び、一子安倍晴
       明をもうけたが、正体を知られ古巣に帰った
        … 葛の葉伝説

外婚

略奪婚

川端康成の「若い人」評

   <大幅略>



◇あとがき 
「東奥日報」2017.7.29~2018.5.19  
    毎週土曜日朝刊文化面 43回連載


◇三浦雅士
1946年生
 1970年代「ユリイカ」「現代思想」編集長
1980年代 評論家に転じ、文芸、芸術を中心に活動
 1990年代 「ダンスマガジン」編集長
 1994年  思想誌「大航海」創刊








☆「子どもの民俗学」大藤ゆき 草戸文化 1982年 ②【再掲載 2012.8】

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◇農業・女・子育て(2)

□人の一生のとらえ方    
 折り目
   - 通過儀礼(社会的承認+本人の自覚)
大勢の人々の共力を得ること
  共食 … 大勢の人々と同じ食べ物を食べ強い結合

 
  子どもを育てる目標 「一人前の大人になること」15歳
  第一期 子どもの時代  ~ 7歳 多くの祝い

  第二期 少年少女時代 7~15歳
          一人前の準備期 群れの中でもまれる
      体の成長の著しい時
      
    第三期 男15歳 一人前 
           若者組への参加 = 成年式 

    第四期 成人としての人生の盛りの時代 15~40歳代 青壮年期
    結婚して一家を構えて一軒前となり社会人として働く
         時期で,結婚という大きな儀礼により完全な社会人とな
         る。  

    第五期 40~50歳代
   長老として指導する中年期 長男が15歳くらい=跡継ぎ

    第六期 61歳以後 老年期
    多くの祝い 還暦・古稀・喜寿・米寿

    第七期 死 葬式
    
   
  厄年
     男 2 5 7 13 15 25 42 61 77 88
 女  3 7 9 13 19 33 61 77 88


  儀礼 - 祝いは子供期と老年期に集中
   = 人生の始めと終わりには人手を借りねば生きていけない弱い時期



◇妊娠に伴う儀礼  

□身ごもると言うこと
身ごもる「子どもは神からの授かりもの」
神と自然に対して敬虔なおそれと慎みの心
 
  「子どもは授かりもの,男でも女でもいいんだ,七つまでは神の子だからよ」
↑↓
  ◎ 人間の不遜さ - 「生命でも自由にできる」
不自然な出産は人間のいのちに対する敬虔さを失わせるものに
     なっているのではないか?


□水子地蔵の光景
以前にはなかったこと 
   - 簡単に中絶が行われることは命を粗末にする考えの源
  

□子授けの願い 
子安講 = 安産,子育て,子授け
 
   ホーコーサン(サルボ,くくり人形)-赤布

祈願 + 話し合い 子授けのお守り

子授け祈願の神
  氏神,子育て地蔵,子安観音,子授け観音,塩釜様,淡島様,
    水天宮、山の神,稲荷,道祖神,鬼子母神,孕石,子持ち石,
    子得る岩,子持ち杉

◎ 子授けと同時に安産や子育ての神

  昔 ~ 「産は棺に片足」
  モライゴしてはらむという例も多い
モライゴ…タネゴ セリゴ
実子…エセゴ,イジワルゴ,セラタンゴ


□帯祝い 
  社会の子ども,帯祝い 
   - 一人の子どもとしての生存権
= 妊婦の社会的承認

  共食(共同飯食)集まった人々の力を朝メルコとができる
オビとウブ


□妊娠・いのちへのおそれ
忌みの生活
ハレの物忌み
ケガレの物忌み   
      出産 = 危機
       ~ ◎ 生と死は表裏一体
  
  妊娠の忌み
行動上の禁忌・食事上の禁忌
行動上 神前に出ること,葬式を見ること,火事を見ること

◎ 妊娠の精神的な安定を第一

食物の禁忌  
    塩気,辛いもの,脂っこいものを避ける
 - 難産をおそれる


□胎教 
  帯祝い後胎教を厳しくした


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「風狂という生き方」ひろさちや 佼成出版社 2008年 ①(前半)  / 有田和正さんはこんなことを ③【再掲載 2012.4】 [読書記録 宗教]

今回は、ひろさちやさんの
「風狂という生き方」1回目(前半)の紹介です。

ひろさちやさんの宗教についての本がわたしは好きです。
わかりやすく、気を楽にさせてくれました。

出版社の著者紹介には

「宗教評論家。1936年大阪府生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大
 学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。1965年から85年まで気
 象大学校教授をつとめる。退職後「宗教文化研究所」を設立し、本格的に
 評論活動に入る。自ら「仏教原理主義者」を名乗り、膨大で難解な仏教思
 想を逆説やユーモアを駆使してやさしく説く語り口は、年齢・性別を超え
 て好評を博している」
 
とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「社奴でも社畜ではなく、徹底して自由人であれ」


・「人生とは一回限りではない。御浄土に持って行けるのは『この世の中で
の美しい思い出( = 苦しんで辛くて涙を流したこと)』のみ」


・「請求書の祈りはしないで領収書の祈りを!
『ありがとうございました』と」


・「学校教育も企業型資本主義の教育(勝った者が幸せになれる。負けた者
は幸せになる権利がない = 競争原理)にゆがめられている。今の日本
は仏さまから見ればおかしな社会」


・「自分のものさしで測るな」





もう一つ、再掲載になりますが、
「有田和正さんはこんなことを」③を載せます。








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☆「風狂という生き方」ひろさちや 佼成出版社 2008年 ①(前半)

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◇まえがき  

 風狂 - 一休禅師  

 聖徳太子
  「世間虚仮・唯物是真」


1 「今,ここでわたしが生きている」
 
   即今・当処・自己 
     「今ここでわたしが生きている」
 
   ◎ 過去を悔やまず,未来を思わず
 
   ◎ しっかりと自分を生きる 
    毎日新しく誕生する  
     → しっかりと自分を



2 人間の本質は「生まれ,苦しみ,そして死ぬ」
 
   困難こそがいい
 
   ◎人は「生まれ,苦しみ,そして死ぬ」(サマセット・モーム『人間の絆』)
 
   人生に値打ちがあるのか?
 
   徹底して自由人であれ
     × 社奴 
     × 社畜
 
   自分らしく生きるとは? 
     人生は無限の中の一コマ
 
   倶会一処(くえいっしょ)
     極楽浄土(真宗) 
     密厳浄土(真言宗) 
     霊山浄土(日蓮宗)
 
   美しい思い出とは? → 人生とは一回限りではない
  御浄土に持って行けるのは「この世の中での美しい思い出」
 美しい思い出 
      = 苦しんで辛くて涙を流したこと



3 人生の価値は「増えも減りもしない」

   欲があるから生きにくい 
    - 小欲知足

   商品価値が下がっていく
◎ 徹底して自由人であれ = 欲望の奴隷となるな
「あらゆる欲望の中には渇愛」がある
2種類の欲望
       ① 自然的な欲望
  ② 奴隷的な欲望 
          無財餓鬼・少財餓鬼・多財餓鬼

   ◎ 請求書の祈りはしない
       → 領収書の祈りを! 「ありがとうございました」と
   
   人生の価値は変わらない  
     ◎ 仏さまのものさし
         10億69と10億7千の違い
     ◎ あるがままに拝み合う



4 物事を因果で見ない 

働くことの意味を見つめ直す

みんなが幸せになれない競争原理 
     日本は企業型の資本主義社会
     
   学校教育も企業型資本主義の教育にゆがめられている  
◎競争原理
     「勝った者が幸せになれる。負けた者は幸せになる権利がない」    ∥
     ◎ 今の日本は仏さまから見ればおかしな社会
   
   まともににるための大きな転換期  

   幸せだから努力できる

   すべては相関関係で決まる 
因縁生起 → 縁起
縁 … 間接原因
    因 … 直接原因                        
 
一つの因があっても,縁によって結果は様々に違ってくる

パレートの法則(アリの法則)
    - 相関関係
   
   ◎ 自分のものさしで測るな 

   仏教の教えは「バスの時刻表」

   この世界はデタラメと知る
     出たら目
仏さまのはからいを受け取る
     デタラメなのがほどけたよ










☆有田和正さんはこんなことを ③【再掲載 2012.4】

[著者紹介-出版社の案内より]
1935年、福岡県生まれ。玉川大学文学部教育学科卒業。1958年に福岡県
の公立小学校の教諭となり、1967~1976年福岡教育大学附属小倉小学校、
1976~1992年筑波大学附属小学校で教壇に立つ。1976年より社会科・生
活科の教科書(教育出版)を執筆。1992~1999年愛知教育大学教授。1999
年に教材・授業開発研究所を立ち上げ代表に。2006~2010年東北福祉大
学子ども科学部教授、2010年からは同特任教授を務めた。2014年逝去。

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◇二つの力
  1 しっかり考える子

  2 書いて書きまくる子


◇笑いのある学級
□どのクラスにも問題はある(適当なところで手を打つ)

 全員の居場所があればよい
   → 「何よりも笑えるクラスを創る」

  ◎ 「形式的な笑いの練習」 + 「笑い話」


□笑いの三機能
  ① 助け合い 

  ② 磨き合い 

  ③ 牽制し合い


□人間関係づくり
  ① おもしろい係をつくる 
      係 = 奉仕
     学級委員 … クリントン・サッチャー  
      修理   … ○○組 
      配達   … クロネコヤマト

  ② どうぞ・ありがとうの精神を
    プリント配布のとき「どうぞ」「ありがとう」
       … 教師も

  ③ 友達のいいところをほめる
    A君が上手な音読をしたとき
     「この列起立。A君の音読のうまいところをほめなさい。」



◇落ちこぼれ観

□子ども 
  1 学年としての知識量が少ない

  2 調べたり読みとったりする学習技能が身に割いていない

  3 学習力・意識欲の差が大きい

  4  学ぶことに喜びを感じている子が少ない


□原因と対策
  1 語彙の貧弱さと対策
    落ちこぼれといわれるような子供は言葉への関心が弱く言語能
     力が低い

     ◎ 言葉への関心を高める
        例 おもしろい短文づくり

  2 学習技能(勉強の仕方)の欠如
    国語事典のひき方
        ※ 引いた言葉に付箋

  3 指導する  
     ・ 意欲を引き出す
   ・ 勉強の仕方を教える
   ・ 見えないものを見えるようにする



◇考える技能
□思い出す技能 
  - 書く  
    字を 
    ストーリー漫画として


□考える = 関係づけること


□はてな 発見力



◇笑い話大会

□笑い話大会をしよう  
  二人ずつ交替で笑い話 
   → 一つずつ準備

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「図説 日本のうつわ」神崎宣武 河出書房新社 1998年 ① /「学問のすゝめ」福沢諭吉 檜谷昭彦 三笠書房  2001年 ②【再掲載済み 2022.11】 [読書記録 一般]

今回は、神崎宣武さんの
「図説 日本のうつわ」の紹介 1回目です。




出版社の案内には、

「わん、はち、さら、ぜん。日本は、多種多様の食器をつくりだしてきた。
 食器の豊かなかたちと色彩を紹介し、縄文から現代までの食器の歴史をた
 どり、日本人の食器文化を探る。」
とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「日本での食器の原型は坏 
  ワンと皿に分化して発達」


・「折敷(おじき)は板、掻敷(かいしき)は紙。高坏も膳(盆)であると同時に
食器でもあった。手づかみの食事形態表している」


・「箱膳の箱の中に飯ワン,汁ワン,小皿,箸がしまわれる。蓋を逆にして
  箱の上におくと膳になる」


・「平椀とは蓋付きの平たいワン。主に煮物盛り合わせに使われる。オヒラ、
ヒラとも呼ばれる。現在は宴席専用」





もう一つ、檜谷昭彦さんによる現代語訳の福沢諭吉さんの
「学問のすゝめ」②を載せます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「図説・日本のうつわ」神崎宣武 河出書房新社 1998年 ①

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◇「うつわ」様々
□世界の食器を大別すると 
  ① ワン(椀・碗)  
      ボウル

  ② サラ
      プレート

 しかし,日本には鉢(ハチ)
  皿鉢(さわち)
      浅鉢 - 皿の傍系であり鉢の傍系

 日本での食器の原型は坏 
  → ワンと皿に分化して発達

□日本 
  膳の発達
  折敷(おじき)  -板
掻敷(かいしき) -紙

  高坏も膳(盆)であると同時に食器であった

手づかみの食事形態



◇膳
□一枚の紙から卓袱台まで
掻敷(かいしき) - 紙
  折敷(おじき)  - 板

  平膳・両足膳・四足膳・箱膳  他に盆
武士 … 四足膳
庶民 … 両足膳

  箱膳
   - 農山村中心に発達



◇膳と食器
□膳組み - 塗りもの膳と器が基本
本膳
    … 飯椀,汁椀,平椀,坪椀,皿

  庶民
    … 一汁一菜(二ワン一皿)


□箱膳  
  箱の中に飯ワン,汁ワン,小皿,箸
蓋を逆にして箱の上におくと膳になる


□飯台  
  明治以降 
  膳から卓袱台,飯台




◇漆器の技法
□木地轆轤 
 = 立面上の回転  
  → 高台が必要



◇わん
□飯ワンと汁ワン
飯ワン
   口径15㎝以上はドンブリ
標準 
    口径11.8~12.5㎝ 高さ4.5~5㎝ 中サイズ
口径13.2㎝ 高さ5.5㎝    大サイズ 
 平型と丸型
主流は磁器
薄手でなめらかな器が望まれる
     → 陶器より磁器

  汁ワン 
   現在も主流は漆器
= 熱の伝導性  
       漆器 < 陶器 < 磁器 

  宴席
   漆器の飯椀例伝わる
    ~ 仏事
  

□平椀 
  蓋付き平たいワン
主に煮物盛り合わせ  オヒラ・ヒラ
現在は宴席専用


□四ツ椀 
  東北地方のいれこ式椀組
野外 重箱からの取り分け
  壺椀 
   小鉢状  中央 和え物・酢の物








☆「学問のすゝめ」福沢諭吉 檜谷昭彦 三笠書房  2001年 ②【再掲載済み 2022.11】

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◇二編 - 勉強しない人ほど損な人はいない

□ただの「知識の問屋」ではいい飯は食えない
 学問の目的
   … 知識・見聞を広め,ものの道理を理解し,人間としての責任を自
    覚することである 

  文字を知ること 
   ~ 道具

「知識の問屋」 
  ◎ 飯を食う字引であり,国のためには無用の長物・国家経済にとって
   は有害な穀潰し


□なぜこの「平等」を大いに活用しないのか


□他人の迷惑にならない「欲望」はすべて善である
  権利の平等
   = 生命を尊重し財産を守り,人格と名誉を大切にすることである


□自分の職務を尽くすことの意味 「責任と義務」
国民
   … 税を払い固く国法を守る
  政府
   … 税を正しく運用し,人民を保護する


□「無知」ほど怖いものはない
人民の義務 
   = 細かく注意を払い慎み深く法を守らねばならぬ

  ◎一国の圧政の原因はひとりの暴君のせいではなく人民の無知が自ら招く
 


◇三編 - 独立の「気風」をいかに育て守るか

□努力は「天命」さえ変える
権利通義
   ~ 権義「ライト」


□日頃より精神(気力)を鍛えておくことがいかに大事か
第一条
    独立の精神がない国民は,国を愛する心も浅くいいかげんである


□自由・独立の「気風」をいかに育て,守るか
第二条 
    自分自身に独立の自覚がない者は,外国人と交わっても自己の権利
   を主張できない

  第三条
    独立の気力なき者は,他人の権力に頼って悪に走ることがある

全人民がともに独立して国を守らねばならない
                           明治6年12月



◇四編 - 「人の上に立つ人」の責任とは何か

□どうすれば日本は「真に」「独立」できるのか


□政治力と民力のバランスが大事


□権力だけでは文明も文化も進歩しない
気風(役人根性・事なかれ主義)に押される


□人民はいても「国民」はいない情けなさ
  「役に立たないもの」には必ず害がある
民間 
    ~ 私立のほうがよい


□やってもみないで事の成否を疑うな


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「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ①(前半) /キーワード「家庭訪問」(わたしの教育ノートから) [読書記録 一般]

今回は、三浦雅士さんの
「石坂洋次郎の逆襲」1回目(前半)の紹介です。

学生の頃よく読んでいた石坂さんの作品。
さわやかな話が多かったような記憶があります。
「変しい変しい」はよく知られていますね。

えっ、折口信夫?宮本常一?
どんなつながりがあるのだろうと読んだ本です。


なお、三浦雅士さんは『ユリイカ』『現代思想』の元編集長とのこと。


出版社の案内には、

「石坂洋次郎は少しも終わっていない、むしろ今こそ話題にされなければな
 らない−。折口信夫、宮本常一、エマニュエル・トッドらが浮かび上がら
 せる、おもしろくも深い石坂文学の新世界。『東奥日報』連載を加筆し単
 行本化」  

とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「石坂洋次郎の作品は70年代、売れ行きが一気に落ちた。忘れられた作
  家といえるのかもしれないが、明朗健全に女を主体として描いた」


・「折口信夫の民俗学の影響を受けた石坂は、津軽の女は強くて主体的だが、
じつはその方が人間本来の姿であり、日本古来のものだと考えた。その
  上で石坂はユーモアをもって伝えた。女が強いのは日本古来の姿だと考
えていた。石坂洋次郎と宮本常一の類似性」


・「石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かという
根本的な問題にまで行きついたのである」


・「一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心主義のよ
うにも見える」



もう一つ、わたしの教育ノートから「キーワード家庭訪問」を載せます。
家庭訪問を行わない学校が増えてきました。
煩わしさ、時間を合わせる大変さはわかるのですが…
要約を読み直し、家庭訪問のよい面を懐かしく思い出しました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
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☆「石坂洋次郎の逆襲」三浦雅士 講談社 2020年 ①(前半)

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◇はじめに
 
□忘れられた作家 70年代、売れ行きが一気に落ちた
 明朗健全
   「女を主体として描く」 
強い女 
       ① 東北  
          女なしの生活はあり得なかった
② 慶応で視野を大きく広げた  
          柳田國男と折口信夫

 石坂洋次郎 
   折口信夫の民俗学
 津軽の女は強くて主体的だが、じつはその方が人間本来の姿だ
     と考えた

     → 日本古来のもの
     - 石坂はユーモアをもって伝えた

 ◎ 女が強いのは日本古来の姿だと考えていた
家付き娘の婿
        - 柳田國男 斎藤茂吉 折口信夫の父
   
   ※ 石坂洋次郎と宮本常一の類似性
 


□半世紀を経た「逆襲」
70年代石坂最後の三作品
     「ある告白」
     「血液型などこわくない」
     「女そして男」
※ 明朗健全な近親相姦
     ~ 小説としては無類におもしろい
→ 問われているのは近親相姦というより戸籍制度そのもの

  ◎ 石坂は主体的な女性を追究した果てに、戸籍問題、家族とは何かと
   いう根本的な問題にまで行きついたのである
   
  忘れるには惜しい作家、いや忘れてはならない作家
 
  女の強さにおいて東南アジアこそ日本の源流だと考えていたに違いない
石坂の一歳年下に女性文化人類学者マーガレット・ミード
                  「サモアの青春」1928
    
  ◎ 女とは何か、男とは何かを追究してゆく石坂はどこか人類学に近い
   
  ※ 石坂は過激な小説家
 


□石坂洋次郎 
1900年弘前生 
  弘前中学 - 慶応国文科卒 - 旧制弘前高等女子高に勤務
  「青い山脈」1947  
  「若い人」S33 
  「麦死なず」S36
  
 「百万人の作家」 
   1966菊池寛賞受賞  
   1986伊東市の自宅で没




◇誰もかもわかっていない

1 折口信夫の影 
  「若い人」 
     女の支配 
     選ぶのは女 ― 私生児  
     フロイスの報告  
     昭和前期の民俗
    ◎ 日本の女性は昔から極めて自由であった
    ◎ 母系制の神話 
       「感傷的少女小説」の背景に潜むもの
    ◎ 現代に息づく古代の発想 ← 折口信夫
    ◎ 仏文から国文への転科 
       「信夫妻の話」の奥行 
        しかし触れはしない
    ◎ 母なるものは父系性の成立とともに・・・


2 無意識にして根底的な左翼批判
  優柔不断の意味  
      一つの社会は見る眼によって男性中心主義のようにも女性中心
     主義のようにも見える

    自己欺瞞を暴く
      「麦死なず」の期せざる射程  
        弱さ、ひねくれ、開き直り
    
    石坂は戦前から戦後民主主義


3 驚くべき一貫性 
ぶれなかったのは男女同権 
      フェミニストに嫌われるマルクス主義批判
    ベストセラーと知識人  
      小林秀雄の評 
      「卑屈な無気力な田舎の教員」の底力
 
   <中略>









☆キーワード「家庭訪問」(わたしの教育ノートから) 


◇家庭訪問

目的 : 子どもがどういう家庭環境で生活しているかを知る
    = 家庭環境チェック


◇家庭訪問
  学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
 1 時刻を守る
 2 子供を交えての時間を持つ
 3 教師は聞き役に回る
 4 玄関で

◇家庭訪問グッズ
 子どもに調査カード
    ① あなたの得意なことを教えてください
  ② 帰ってからどんなことをしていますか
③ 一番の友達はだれですか
④ おうちでしているお手伝いは何ですか

  二つのことを聞く  
    ① 望んでいることは何 
② 一番力を入れて欲しいことは何


◇八ツ塚実さんの詩

 「家庭訪問」
    みんなが書いた地図をたよりに
    ぼくは一人 テクテク歩く
    できるだけ人にたずねないで
    一軒一軒さがしあてる

    ひどい地図もあって
    行ったり来たり
    どうしてもわからない家もある
    迷路のような山手の坂道
    重いカバンを背おって
    大きなカバンをさげて
    みんなが毎朝あるく道
    毎夕たどる道
    それと同じ道を ぼくもたどる
    一歩一歩 坂道をのぼる
    坂道をくだる

    こんな遠くから通ってくるのか
    この坂道をのぼっているのか
    通いなれたみんなの道を
    ぼくが今あるいて行く
      (後略)


◇絆のないところに教育はない(八ツ塚実さん)
  家庭訪問
    … 家の人の話を聞きに行く 環境、教育理念

  「うちの子暗いでしょう」(父)
     30点取ったとき叱りとばした

  テストの点数という魔物
 
  家庭訪問の後 
   → 個人面談

  ◎ 親と子供の心がつながっていてくれることが教師としての仕事を
   進める上で一番
  
  ◎ 大切なこと
     「絆なきところに教育なし」



<家庭訪問>
双方に気が重い家庭訪問

家庭訪問を通して見えてくるもの
家庭や親がこんなにも変わってしまったのか

  どの家庭も母親がとても強い・エネルギッシュである

◎ エネルギッシュな母親と優しいパパの中で翻弄される子供
自立が最大のテーマ


◇家庭訪問
くれぐれも交通事故に遭わない

親から学ぶ姿勢 
   根底にある子供を思う姿勢はだれより強い


◇家庭訪問
  学校での子供の良い働きや学習での頑張りを話す
 1 時刻を守る
 2 子供を交えての時間を持つ
 3 教師は聞き役に回る
 4 玄関で

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