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「宮本常一著作集 42 父母の記/自伝抄」 宮本常一 未来社 2002年 ⑤(最終) /「新しい算数」吉川成夫 小学館 2002年 ①【再掲載 2013.11】 [読書記録 民俗]

今回は、1月3日に続いて、宮本常一さんの著作集から
「42 父母の記/自叙伝」の紹介5回目 最終です。



出版社の著者紹介には

「宮本常一に強大な影響を与えた父、母、祖父、祖母に関する文章および自伝
 的エッセイを収録する。また本巻には、母の葬儀の際に出席者へ配った、
 『母の記』、妻へ向けた文章を含む『我が半生の記録』(『妻たる人に』)、
 郵便局の勤務時代の回想である『私の郵便局時代』、祖母の死去と葬儀の行
 程を記した『祖母の死と葬儀』、父の死のドキュメントである日記など、
 今回初公開となるきわめてプライヴェートで貴重な文章を多数収録。」
 
とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「日本の一つの特色に小土地所有と家族単位の経営でそれが社会的な慣習に
  なっていることがある。それはあくまで制度ではなく慣習である。」


・「日本のかつての家屋が、納戸が寝室近くにあることは、火事が多いことに
繋がっている。ものを一番速く外に放り出せる所、納戸に固めておいたか
らだ。火事が少なくなるにつれ押し入れが発達することにつながった。」


・「民衆の作り出したものは,一つ見ただけでは弱いが,たくさん集めてみる
と不思議な力を持ってくる。民衆の持つ力というのはそれがまとまって一
つになると不思議な力を感じる。」


・「町田市のある小さな遺跡の報告書から、過去から現在まで、断続的に住ん
でいたことがわかる。どうして住んだり住まなくなったりした時期がある
のかはなったかは、『水』に関連があるだろう。また、落とし穴の遺構は定
住していた印であるといえるだろう。」



もう一つ、再掲載になりますが、文科省強化調査官の吉川成夫さんにによる
「新しい算数」①を載せます。
「新しい」というのは20年前の出版当時のことです。
「学力低下」が話題となっていた頃ですが、
現在はそれが解決されたということができるでしょうか。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「宮本常一著作集 42 父母の記/自伝抄」 宮本常一 未来社 2002年 ⑤(最終)

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◇私の民俗学(2)


□日本の一つの特色
小土地所有と家族単位の経営でそれが社会的な慣習になっている。

   ◎ 制度ではなく慣習



□日本は情けない国  
   学派の成立が弱い
↑↓
◎学閥の発達
    (例)邪馬台国論争 
        東京大学 - 北九州説
京都大学 - 近畿説
※ 小林行雄の鏡の研究データは取り上げられない
           ↓
      ◎ 私は新しい学派を作りたくて武蔵美大に有形民俗学を組織化
          生活文化研究会
            - 技術・文化・生活   
 20人の浪人

   納戸-寝室 ←→ 火事が多いことに繋がる
 納戸 … 一番速く外に放り出せる所に固めておく

◎ 火事が少なくなるにつれ押し入れが発達する
  = 日本文化の発達の後

   茶壺  
     湿気遮断のため  狭山の茶

◎ 民衆の作り出したものは,一つ見ただけでは弱いが,たくさん
      集めてみると不思議な力を持ってくる
     
     ◎ 民衆の持つ力というのはそれがまとまって一つになると不思議
      な力を感じる

     佐渡 宿根木 民俗博物館

 ◎ 民衆文化の価値を本当に見つけていく人がぐんぐん育って
        いくことを希望してならない

  

□考古学 
  関俊彦
    - 今までの考古学の測図 
       = 平面(真横)と立面(真上) 

◎ 土器のイラスト(武蔵野美大)
神奈川県町田市の小さな遺跡
現在~過去 
            住んでいたことの報告書

◎ どうして住んだり住まなくなったりなったか
<水>
落とし穴 = 定住

◇解説  田村善次郎







☆「新しい算数」吉川成夫 小学館 2002年 ①【再掲載 2013.11】

[出版社の案内]
4月から実施された新学習指導要領での「学力低下」が叫ばれる中、算数がど
のように改訂され、どんな学力をつけたいのか、当該の文部科学省教科調査官
の著者が趣旨徹底の思いを込めて、一般向けにわかり易く解説。
4月より新しい教育課程での学校教育が始まった。学校週5日制が実施され、
授業時数が2割削減し、学習指導の内容も厳選された。「ゆとり」と「生きる
力」がキーワードになり、一部新聞の報道により、「学力低下」批判が高まっ
た。
本書は、「新学習指導要領」への誤解がなぜ起きたのか、様々な議論の背景に
ついて文部科学省教科調査官の著者が、改訂の経緯と趣旨徹底の思いを込め
て、一般向けにわかり易く解説した。子供たちの学力の現状はどうなってい
るのか、本当の学力を向上させるにはどうしたらよいか、など算数科の指導
のあり方についても言及。「学力低下」を批判する人にこそ、読んでもらい
たい文部科学省からの「本当の学力」を考える待望の反論本。

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◇新学習指導要領
□「ゆとり」と「生きる力」がキーワードに
   計算 
    (1) 計算の意味を理解する 
(2) 計算の仕方を考える    → バランスよく
(3) 計算を用いる(習熟と活用)


□基礎基本とは何だろう
① 連続的に学習を続けていく基になる基礎基本
    各学年の積み重ね-系統性

  ② 生活での活動の基になる基礎基本
  身の回りの事象を的確に捉えたり明瞭に表現したりする基
 見通しをもち筋道を立てて考えを進めたり合理的に判断したりす
     るもと
  

□「内容の精選」
  8割の内容構成 
   
   残りの2割は 
     ① 基礎基本をより確実に(繰り返し)
② より進んだ発展的内容

□学習指導要領の最低基準性 
   必ず教えること と その先の発展



◇新学習指導要領の誤解
台形の面積は教えてはいけない?
    → 教えてはいけないのではない

円周率が3になる?
→ 目的に応じて3.14を用いる

入学試験問題の対応

中学入試の難問とは?



◇算数教育の歴史をひもとく

□算数教育の始まり(明治の国定教科書) 
   黒表紙「ルールを覚えてそれを使い身に付ける」


□欧米での数学教育改良運動(20世紀初頭)
   実験室法


□緑表紙教科書の登場(昭和初期)


□「進歩主義」対「本質主義」(1930年代~)


□国定教科書から学習指導要領へ(1941年~)


□「基礎に帰れ」運動  (1970年代~)


□数学的な問題解決の重視 (1980年代~)


□考える力の位置づけをどうするか


□アメリカの「数学戦争」(計算力 対 考える力)
  計算力 
    ① 筆算 
    ② 暗算
    ③ 見積もり 
    ④ 電卓の活用
        = バランス

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