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「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」土井高徳 小学館新書 2014年 ⑥ /「世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集」寮美千子 ロクリン社 2016年【再掲載 2022.1】 [読書記録 教育]

今回は、9月13日に続いて、土井高徳さんの
「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」の紹介 6回目です。



出版社の紹介には


「子どもの言葉が荒くなった。暴力をふるわれた。口をきいてくれないので何
 を考えているのかわからない…。10歳からはじまる思春期。子どもの突然の
 態度の変化に戸惑う親は多い。
 37年間に100人。福岡県北九州市の「土井ホーム」にやってくるのは、ほ
 かの施設では手に負えないほど心に傷を抱えた子どもたち。ともに暮らしな
 がら心の傷を癒し、社会へと自立させてきた日本でただひとりの『治療的里
 親』が、だれにでもできて、どんな子にもすぐによく効く10~22歳、思春期
 の子育ての処方箋を伝授。」

 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「一度に3つの課題を与えて処理能力を観察すると、子どもの作業記憶
  (ワーキングメモリー)の程度が分かる」


・「子どもとの間を詰めすぎて境界を越え、子どもの世界に踏み込んで親のパ
ワーを過剰にふるってしまうのが身体的性的な虐待に結びつきやすい。反
  対に、子どもとの間を取りすぎて、必要な愛情を注がない育児放棄(ネグレ
クト)に結びついてしまうことがある」


・「自尊感情を高める目標の立てるには、『高く遠く大きな』目標よりも『低く
近く小さな』目標にするのがよい」


・「非行少年は不遇少年であり不幸少年でもある。作家・寮美千子さんの『社
会性寛容プログラム』(奈良少年刑務所での)が参考になる」



もう一つ、再掲載になりますが、寮美千子さんの
「世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所」を載せます。
-「刑務所はいいところだ」
の詩を読むととてもつらくなりました。
子どもが育つ環境の大切さを思います。
奈良少年刑務所は旧奈良監獄で2016年度で閉庁されました。
建物は山下啓次郎氏設計により1908年に建てられた赤れんが建築。
お孫さんはジャズピアニストの山下洋輔さんで、
「奈良少年刑務所を宝に思う会」会長として保存運動に尽力されました。
重要文化財に指定され、観光資源として活用されることになりました。
星野リゾートが2026年春までの開業を目指し、
ホテル「星のやなら監獄」や監獄史料館を運営することになっています。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。



☆「思春期の子に本当に手を焼いたときの処方箋33」土井高徳 小学館新書 2014年 ⑥

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◇思春期の子育てにすぐに効く処方箋 子どもとの接し方のテクニック(4)

19 指示は簡単に
   「ワンセンテンス・ワンミーニング」  
     -1回の言葉かけで1回の指示

 〈一口メモ〉
    子どもに問題 
     一度に3つの課題を与えて処理能力を観察
       → 子どもの作業記憶(ワーキングメモリー)の程度が分かる


20 手を掛けずに目を掛ける
前思春期と思春期 
     思春期後期との違い
      - 親子の間が変わる

   ◎ 子どもがSOSのシグナルを出さない限り「注目」はしていても
   「手出し」しない

〈一口メモ〉 
     間を詰めすぎて境界を越え子どもの世界に踏み込んで親のパワー
    を過剰にふるってしまうのが身体的性的な虐待
           ↑↓
     間を取りすぎて必要な愛情を注がない育児放棄(ネグレクト)


21 自尊感情を高める目標の立て方  
手を掛ける
     → 目を掛ける
   ◎ 楽な目標を2~3個に絞って

 〈一口メモ〉
    ×「高く遠く大きな」目標
    ◎「低く近く小さな」目標


22 言葉の力で子どもを変える
    一度言葉のシャワーを浴びた子は、思春期のはしかのような時代を通
   り過ぎたら言葉の豊饒な世界にまるでブーメランのように戻ってくる 

◎ 言葉によってのみ人は考えを整理し思索を深めることが可能
   ◎ 言葉の豊かさは内面世界の豊かさ   

非行少年は不遇少年であり不幸少年でもある                    ※ 作家・寮美千代「社会性寛容プログラム」奈良少年刑務所

 〈一口メモ〉
    臨界期
     - 感受性期  
言語0-9歳 運動能力0-4歳 絶対音感0-4歳 数字的能力1-4歳
臨界期に適切な課題を与えられ、脳が挑戦しておけばその後時
     間が経っても、ちょっと練習をするだけで、ごく自然に同じこと
     ができるようになる







☆「世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集」寮美千子 ロクリン社 2016年【再掲載 2022.1】

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◇はじめに
 2007年~
   夫の松永洋介さんと奈良少年刑務所で詩の授業
◎「人間は基本的にいい生き物だ」
「社会性涵養プログラム」詩の授業を9年間
 

□詩
  「地図」P14 
  「やさしい嘘」P24 
  「ごめんねおかあさん」P26 
  「怒らない父」P28
  「涙」P34 
  「父と母から教わったこと」P40 
  「お金」P42 
  「言葉」P46
  「自分」P57 
  「生きること」P59 
  「最近思うこと」P60
  「思いと行動」P66発達凸凹 
  「人並み」P70 
  「石ころ」P72 
  「刑務所はいいところだ」P78 
  「大阪新世界」P100
  「薬物」P102-104 
  「好きなもの」P105 
  「人生」P106 
  「SILLYR」P122
  「帰りたい」P128 
  「うれしかったこと」P138 
  「ことば」P140-141 
  「中二○の空模様」P146 
  「ばあちゃんを亡くして」P152 
  「光と闇」P159



◇「詩の教室」を開くための12のポイント
 1 安全・安心な「人・場所・時間」を確保する
× 救い合う場
         批判し合う

 2 くつろいだ雰囲気を大切にする
     リラックスする場に
     唯一の約束
       - 他者の発言を邪魔しない = 私語しない

 3 作品の出来映えを評価しない
     プラスも含めて

 4 否定しない
     後ろ向きの内容、過激な内容でも否定しない

 5 無理強いしない
     書くことも、感想の発言も

 6 信用して辛抱強く待つ

 7 指導しない
     指導者としてではなく、思いを分かち合う仲間の一人に徹する

 8 司会者も参加者になる
     一参加者として素直に感想を述べる

 9 心を受け取る
     互いについて今からあることを大切にする

 10 詩を通じて響き合う
     感動したら素直にその思いを伝える

 11 大人を休む
    = ともに遊ぶ
    「~せねばならない」という縛りを外す
      大人を休んで子どもに返る 
 人の輪から生まれる「場○」を存分に楽しむ

 12 「ありがとう」「うれしい」を大切にする


 「北風と太陽」
    社会性涵養プログラム



◇「子どもを追いつめない」
  ◎ 親が立派すぎると子どもが苦しくなる

  ◎ 虐待は「高い理想」から生まれる

  ◎ 人に甘えることのできる子に育てる

  ◎「甘やかす」と「受けとめる」の違いを見る

  ◎ やさしさはリスク

  ◎ 心のうんち

  ◎ 「あなたのため」は「だれのため?」

  ◎ 世間の物差しで語らない

  ◎ 評価しない

  ◎ 泣けること・弱音を吐くことの大切さ

  ◎ 見方を変えてみる

  ◎「しあわせ」を一番上に置く

  ◎ 子どもらしさを解放する

  ◎ 教育からのメッセージ
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