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「教育改革のゆくえ」藤田英典 岩波ブックレット 2006年 ②(後) /「免疫学個人授業」多田富雄 南伸坊 新潮社 1997年 ⑤【再掲載 2015.4】 [読書記録 教育]

今回は、2月29日に続いて藤田英典さんの、
「教育改革のゆくえ」の紹介 2回目(後)です。


出版社の案内には、

「学校選択制の導入、就学援助家庭の増加、『特色ある学校づくり』の
名のもとに広がる地域格差、学力格差。近年、社会のライフラインで
ある公教育が危機にさらされている.海外の事例を参照しつつ,日本
 の教育の特性と、それらに変化をもたらした1980年代以降のさまざ
 まな改革の問題点を明るみに出し、異なる未来への転換を訴える。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『ゆとり教育』(スリム化とセット)と2000『学力重視』、3つの矛盾。
 1つ目は、ゆとり教育改革とグローバル知識社会との矛盾。2つ目は、
 個性重視教育・特色ある学校づくりと新テスト主義・市場競争原理主
 義との矛盾。3つ目は、強者の論理(エリート主義,能力主義,市場競
 争原理主義)による教育の制度的再編。」


・「圧力と自信の揺らぎ,そして相次ぐ理不尽な改革・施策と公立学校
  批判・教師批判が続く中で教育への情熱・希望・気力が萎えていき,
定年前に退職してしまう「優秀」と評判の先生が増えている。」


・「学校選択正には反対。どの学校もよくならないから。児童-保護者
の特徴により左右される傾向が強く、また、希望者が多いと言って
  その学校の教育が本当に優れているとは必ずしも言えない。」
- 偶然の出会いの学校で、多様な人物とふれあうことができるのが公
 立学校の良さだとわたしは思います。どのような出会いにしても。


・「教員免許更新制の弊害。国費負担制度の代償としての更新制の導入
  (アメリカのみ)であり、三位一体改革の一貫として行われた『教師
を信頼しない制度』ともいえる」
- どうして更新制をやめてしまったのでしょう。思いつきの制度だっ
 たのでしょうか。教職志望者の激減が本当の理由としたら、あまりに
 も場当たり主義…。




もう一つ、再掲載になりますが、多田富雄さん、南伸坊さんによる
「免疫学個人授業」⑤を載せます。
なんとわかりづらい要約か! 
わたしは改めてがっかりしています。
あれほど、わかったつもりで楽しく読んだはずなのに。
南伸坊さんのアシストがすばらしく、大変おもしろい本です。





☆「教育改革のゆくえ」藤田英典 岩波ブックレット 2006年 ①(後)

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Ⅲ 解体される日本の義務教育
◇4つの歪んだ改革と義務教育の危機
 ①「学校スリム化」政策(五日制)とセットになった「ゆとり教育」
   改革及びそれに対する反動としての「テスト学力重視」政策 

  ②「強者の論理」「市場原理主義」による教育システムの再編 
 (エリート的中高一貫校,教育特区校,学校選択制,教育バウ
     チャー制)

  ③ 教育による成果主義・統制主義・査察主義の拡大
(教職員の成果主義的な評価・処遇,教育免許更新制,全国一
      斉学力テスト,学校評価の拡大・標準の動き)

④ 無責任な改革至上主義と教育基本法「改正」
(小泉の「聖域なき構造改革」「改革を止めるな」や安倍の
「教育再生会議」設置などが典型例)


◇知識社会の進展と「ゆとり教育」改革との矛盾
1992~ 
    「ゆとり教育」(スリム化とセット)と2000「学力重視」

→ 3つの矛盾 
    ① ゆとり教育改革とグローバル知識社会との矛盾
② 個性重視教育・特色ある学校づくりと新テスト主義・
       市場競争原理主義との矛盾
③ 強者の論理(エリート主義,能力主義,市場競争原理
       主義)による教育の制度的再編 


◇「ゆとり教育」政策と「学力重視」政策との矛盾
テスト学力重視の圧力と自信の揺らぎ
→ 圧力と自信の揺らぎ,そして相次ぐ理不尽な改革・施策と公立
   学校批判・教師批判が続く中で教育への情熱・希望・気力が萎え
   ていき,定年前に退職してしまう「優秀」と評判の先生が増えて
   いる


◇「勝ち組」「負け組」を作り出す「強者の論理」による教育システムの再編
教育の機会均等という理念との矛盾
しかも負け組とされる子供が多くなる
学校の格差化・序列化が進む
→ 振り分けと分断 = 社会的排除


◇習熟度別指導がはらむ危険性
  → 子供を勉強に駆り立てる親


◇成果主義・査察主義と学校の管理的・市場的統制の危険性
当事者評価は指示
   ◎ 学校選択正には反対  
      = どの学校もよくならない       
 ① 児童-保護者の特徴により左右される傾向が強い
(校内暴力やいじめを含む)
② 希望者が多いと言ってその学校の教育が本当に優れて
       いるとは必ずしも言えない
<希望者が多い学校がいい学校と見なされがち>


◇教育におけるモラルハザードの危機
教職員の連携・協力・協働によって支えられ,それが適切に機能
  してこそ成功の可能性が高まる
 = カバー機能が低下し水準が下がる
   = 教育の多面性・総合性の消失


◇教員免許更新制の弊害
国費負担制度の代償としての更新制の導入(アメリカのみ)
三位一体改革の一貫 
      ~ 教師を信頼しない制度


◇地域格差を拡大する国子負担の削減


◇寸断される「ライフラインとしての義務教育」




Ⅳ 21世紀の教育と教育改革の課題
◇知識・人格・規範等のグローバルスタンダード化
学校教育の中心的役割 
   → ① 文化の伝達 
     ② 学力の形成 
     ③ 人材の育成


◇欧米諸国の改革動向 グローバル化
「教育の再構造化」と「基礎学力の向上」
◎日本の教育はモデル
基礎学力形成,ケア機能の充実とそれを支える教職員の資質・力量
    の高さと協働性


◇IEA・TIMSS インパクトとOECD・PISAショック
TIMSS学力かPISA型学力か
※ 韓国・日本・香港のように両方の調査で優れた成績を上げる
    方がよいのか,フィンランドのようにPISAの成績だけがよ
    ければよいのか?


◇フィンランドとシンガポールの教育から学ぶこと
しかし,大半の政治家はイギリスをモデルにしている
◎フィンランドとシンガポールの共通点
① すべての子どもに最善の教育を提供し,すべての子どもを
     伸ばしていこうとしている
② 教師の資質・力量の形成・向上を重視し,教師を大切にし
     ている。  

◇教育バウチャー制の危険性
 「ネイミング・シェイミング・ブレイミング」改革の危険性   


◇教育基本法改正の危険性


<未完のプロジェクトとしての教育>
 1 教育は現在と未来への投資。お金も人出も時間も掛けず
  に,教育がよくなることはない

2 義務教育はすべての子どもと学校,地域社会・日本社会
  にとっても欠くことのできないライフラインである。その
  ライフラインを寸断していくなら,日本の社会も子どもの
  生活・地域も確実に歪んでいく。

3 子どもの生活・学習・成長にとって,安全でケアに満ち
  た空間と安定した豊かな時間のリズムは極めて重要である。

4 すべての子どもは尊厳的存在でかつ有為な人材である。
  子どもたちの夢と希望を大切にしない教育は失敗する。

5 未完のプロジェクトとしての教育を変え続けるのは教職
  員と家庭や地域社会の支援・協力です。その教職員の専門
  性-協働性と誇りを大切にしない社会の教育は失敗する。






☆「免疫学個人授業」多田富雄 南伸坊 新潮社 1997年 ⑤【再掲載 2015.4】

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◇歴史的瞬間
1966年 
   デンバーによる免疫グロブリンE(IgE)の発見
ヘンリー・クレイマンによるT細胞の発見

  免疫(I)グロブリン(g)E

  T細胞 胸腺 ティームス
   10歳ぐらいで最大
         → 急速に小さくなる
       ギリシア人 いけにえ(バージンの牝の動物)
   いい香り 
         タイムに似ている → ティームス

  1961年 
   オーストラリア ウォルター・エライザ・ホール研究所
ジャック・ミラーが鼠の胸腺の実験
     胸腺摘出ネズミには 白血病が起こらなくなった
伝染病に非情に強い一方発育しない ~ 免疫不全
   → ジャック・ミラーとヘンリー・クレイマンが競争で胸腺の研究
       抗体を作る胸はB細胞(ヘルパーT細胞) 骨髄から
      【T細胞 + B細胞】 → 免疫

1960年代後半 
   マクロファージ
1971年
   第一回国際免疫学会
多田氏
      ヘルパーT細胞 B細胞 マクロファージ
→ T細胞はサプレッサー(抑制)T細胞があること
→ このほかにもキラーT細胞
  
 <復習>
造血幹細胞
 (1)リンパ球系
    ①T細胞  ・キラー        白血球
(細胞性免疫)・ヘルパー 白血球
    ・サプレッサー
     ②B細胞 白血球
(液性免疫)
(2)血球系
①単球-マクロファージ 白血球
  微生物の貧食・抗原
②顆粒系-好塩基球 好酸球 白血球
自己防衛 炎症 アレルギー
    ③赤血球
酸素運搬
     ④血小板
血液凝固
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