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第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024開催中!  「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ③ /「友だち地獄」土井隆義 ちくま新書 ②(後半)【再掲載 2016.10】 [読書記録 教育]

今回は3月17日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介 3回目です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「批判的読書から批判的議論へ。非難でなく建設的な批判。よりよく
  するための案にするための代案・厳密にできる方法を」


・「自分自身が賛成か反対かとは別に相手の立場に立って考えることが
複眼的思想を身に付ける上では大切なトレーニングになる。ひとり
ディベートをやることがよい練習となる」


・「レポートに『考えた形跡があるかどうか』がアメリカでは第一の評
価の対象となる」




もう一つ、再掲載になりますが、土居隆義さんの
「友だち地獄」②を載せます。


第11回ハイスクール国際ジオラマグランプリ2024 HiD2024


本日22日から24日の日曜日までジオラマの甲子園が開催中。
観覧は無料、直接投票もできます。
会場はザザシティ浜松 西館1階特設会場です。
ぜひ、足をお運びください。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ③

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<考えるための作文技法>
◇論理的に文章を書く
□STEP1 批判的読書から批判的議論へ
非難でなく建設的な批判に
  代案・厳密にできる方法 
   = よりよくするための案を


□STEP2 書くことと考えること
書く
   = もやもやしたアイデアに明確な言葉を与えていくこと


□STEP3 接続の言葉の役割を知るSTEP2
ポイント
① まず結論を先に述べ、それからその理由を説明するスタイ
     ルをとる
② 理由・説明を数字であらかじめ示す
③ 根拠をはっきり示す
④ 推定か断定か分かるように書く
⑤ 文と文の関係を明確に
        接続の言葉に気を配る

◇批判的に書く
□STEP1 反論を書く
ディベート 自分自身が賛成か反対かとは別に相手の立場に立って
       考えるということが複眼的思想を身に付ける上では大切
       なトレーニング
→ ひとりディベートを


□STEP2 違う前提に立って批判する
① ひとりディベートをやろう
② 自分で仮想立場を複数設定してそれぞれの立場から批判や反論
   を試みよう
③ 様々な立場に立った反論を書くことで、書き手がよって立つ複
   数の前提も見えてくる。
④ 反論や批判は、頭で考えるだけでなく必ず文章にする。文章に
   すると、論理の甘さも見えてくる。

 ※ アメリカの大学での優れたレポート
高評価 
     = 「考えた形跡があるかどうか」による
       ◎ 問題の立て方の独創性と、それを説明するときの論
        理、展開の精密さ・緻密さ、さらには、論理の根拠を
        きちんと示しているかどうかが重視される






☆「友だち地獄」土井隆義 ちくま新書 2008年 ②(後半)【再掲載 2016.10】

[出版社の案内]
誰からも傷つけられたくないし、傷つけたくもない。そういう繊細な
『優しさ』が、いまの若い世代の生きづらさを生んでいる。周囲から
浮いてしまわないよう神経を張りつめ、その場の空気を読む。誰にも
振り向いてもらえないかもしれないとおびえながら、ケータイ・メー
ルで、お互いのつながりを確かめ合う。いじめやひきこもり、リスト
カットといった現象を取り上げ、その背景には何があるのか、気鋭の
社会学者が鋭く迫る。

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◇リストカット少女の痛みの系譜
高野悦子と南条あやの青春日記
高野悦子 『二十歳の原点』1971
南条あや 『卒業式まで死にません』2000
自分と対話する手段としての日記
ウェブ日記を書く若者達の心理
自分をつなぎ止める思想と身体
若者の対抗文化と世代闘争の消失
抽象的な他者と具体的な他者 
    それぞれの自傷行為が語るもの
「変わりゆくわたし」から「変わらないわたし」へ
「自立したいわたし」から「承認されたいわたし」へ
束縛感と浮遊感を巡る生きづらさ
「より望ましい自分」をめぐる格闘


◇ひきこもりとケータイ
「自分の地獄」という悪夢
「優しい関係」という大きな壁
コミュニケーションへの過剰な圧力
  反面カーストシステム
脱社会的な純愛物語
純度100%を願う若者達
生まれ持った純粋さへの憧れ
    障害系と壮絶系
「善いこと」から「いい感じ」へ
「まなざしの地獄」の新たな価値


◇ケータイによる自己ナビゲーション
ケータイは電話機ではない
    「ふれあい」のためのメディア
触角器官としてのケータイ端末
  身体性を協調するコミュニケーション 
リセット可能なネット上の関係
ケータイ可能なネット上の関係
ケータイメールによる地元つながり
自己確認のための常時接続ツール
    不安の強さが生み出す過剰反応
ジレンマを克服するケータイ空間
    メールで繋がる「本音の関係」
自己承認としてケータイする若者達


◇ネット自殺のねじれたリアリティ
ネット集団の自殺が見せる不可解さ
    現実世界のリアリティの希薄さ
 死のイメージをまとうゴスロリ少女 
    現実回帰のためのトラウマ物語
人間関係の多元化とリアリティの喪失
  市場化するコミュニケーション能力  
リアリティの確認目指した
自己期待値の高さと自己肯定感のもろさ
現実世界とネット世界の融合


◇終わりに
「自分らしさの檻」からの脱出へ
生きづらさを正面から迎え撃つ
比類なき「優しい」人々の時代


◇土井隆義 
  1960山口県生 筑波大学大学院教授(社会学)
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