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「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ① /「教師 大村はま96歳の仕事」大村はま 小学館 2003年 ⑤(最終)【再掲載 2016.1】 [読書記録 民俗]

今回は斎藤卓志さんの、
「世間師 宮本常一の仕事」の紹介 1回目です。



出版社の案内には、

「『忘れられた日本人』などで知られる民俗学者・宮本常一の生涯を
追った評伝。日本全国を旅した宮本の仕事を探索するとともに、学者
的でも民俗的でも高踏的でもない、宮本の人間に対するやさしさと温
かさを伝える。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「鈴木登美さんが宮本から学んだこととして挙げたのは 
  ①対等の立場で聞くこと ②土地の人になりきること」


・「クロポトキンの『相互扶助論』を愛読した。宮本は日常の体験や生
活感覚から自分の問題に」




もう一つ、再掲載になりますが、大村はまさんの
「教師 大村はま96歳の仕事」⑤を載せます。
生涯現役の教師であり続けたともいえる大村はまさん。
- 先生は教えるもの
子どもに力をつけるために自分に厳しく臨む姿勢から教えられます。
教えるためには大変な準備が必要になります。
現役の現場の方に読んでもらいたい本です。





☆「世間師 宮本常一の仕事」斎藤卓志 春風社 2008年 ①

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◇斎藤卓志 
1948年愛知県生 
中央大学法学部卒
安城市教育委員会文化財課長(安城市歴史博物館)

◇奥三河の灯 愛知県北設楽郡名倉村
昭和31(1956)年11月8日 名倉村の大蔵寺で座談会
計3回の調査 
S31.10.6~10.8 S31.11.5~13 S32.5.13~21
相手の関心事,話の広がりに任せた
      ~ 皆で話すことのおもしろみ,話の場の楽しみ
宮本を助けた沢田久夫と鈴木登美夫
鈴木登美夫 
     「宮本は気さくな方」
宮本から学んだこと 
        ① 対等の立場で聞くこと
② 土地の人になりきること


◇出発は郵便局員
郵便局員 15~25歳 
     高麗橋郵便局 T13.5.13~
大阪府立天王寺師範本科第2部 T15.2~
→  修齋尋常小学校訓導 S元年9月
  天王寺師範専攻科 S3.3~4.3
→  田尻尋常小学校訓導 
       東京高等師範の試験には落ちた
神保教子 
    大9(1920)周防大島生 
    久賀のお寺の一人娘
昭和8年9月 
   「口承文学」口承文学の会 
      宮本常一,織戸健造,高田十郎、南要,山口康雄,
      前原貞次郎、鈴木東一
小学校教員時代 
    昭和2年9月から
2人の先生 
      国文学の金子実英(後に金子又兵衛)
        - 関西大学・谷沢永一の師
地理の山極三郎
森信三   
    明治29年愛知県知多生 哲学を学ぶ
森71歳で出版した「日本文化論」校閲を行ったのは宮本常一
「人生二度なし」で知られる
昭和2年 有真香小学校


◇生涯の師・柳田国男
クロポトキン
    「相互扶助論」
     → 宮本は日常の体験や生活感覚から自分の問題に
昭和10年7月31日~8月6日 還暦記念講演会
宮本常一,折口信夫,金田一京助,伊波普猷,岡正雄,
    最上孝敬,大間知篤増、瀬川清子,関敬吾,大藤時彦








☆「教師 大村はま96歳の仕事」大村はま 小学館 2003年 ⑤(最終)【再掲載 2016.1】 

[出版社の案内]
「戦後国語教育の最大の失敗は、“教えない”先生が増えたことです」
と言い切る、〈国語の神様〉大村はま。「子どもの個性尊重」の名に隠
れて“プロとして教える”ことがおろそかになってしまったのではな
いか?  
百人の子どもに百種の教材を用意する。そして人と比べられることの
ない「優劣のかなた」で真の力を身につけさせることを目ざして、ひ
たすら実践を磨いた人の言葉は鮮烈である。国語教師を52年勤め、
96歳の今も新しい教材を作っている大村はまが、この1年間、渾身で
世に訴えた発言(講演、インタビュー)を集成。

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◇講演 「教材をつくる授業をつくる」 2002年12月6日 第5回朝日NIE講座
□能力別グループ学習で新聞を作る
 優秀なグループをいじめて弱いグループに手助け
  - 能力別グループの指導のために新聞に近付いた

□何のためにグループにするのか
戦後の失敗 
   = 1 先生たちが教えることを遠慮するようになった
     2 グループ指導が行われた 
   指導をせずに
3 話し合い指導
   やりっぱなし  
         討議を教えていない

□目的に合わせたグループ編成
4人 ABCDと席を決める 
     Aには必ず司会者
  座席表を配った  
    4人の内1人がその日の当番
◎グループ指導は子どもを理解し教材を理解したところにある
  自由に組むのではなくいろんな意味の配慮をしながら先生が
    指導すべき大切なもの 
     =  教師の腕のふるいどころ

□話し合いこそ戦後民主主義の基盤

□話し言葉を勉強する
 西尾実
   「話し言葉の会」

□話し合いは生きた言葉で指導する
 ◎ お芝居でなくその人になりこの人になり、言い方まで気を付け
   ながら鍛える

□教えることは手を引くこと

□よく読むなんて読み方はない
  ◎「本が呼びかけてくる」

□手引きによって子どもの心を耕す
  勉強っぽくなく

□何をどう書いたかという先生への手紙
  P185 作文に添えて

□楽しく本を探させる手引き 
  教師が子どもを教材を知っていたか

□書きたいものと心にもたせる手引き

□私の生まれた日
私は自分の学校の図書館の本は一冊残らず読んでありました
   - 全員の誕生日を調べて何もない日はないか?

□表現比べ  
  新聞と比べて
   - 花火大会
  
□私の構想する日本語教室
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