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「鎮守の森は泣いている」山折哲雄 PHP 2001年 ④(最終) /「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ③【再掲載 2015.8】 [読書記録 一般]

今回は、3月2日に続いて、山折哲雄さんの、
「鎮守の森は泣いている」の紹介4回目、最終です。


出版社の案内には、

「いま日本人は自らの『心』の在り処を見失いつつある。何に感動し何
 を悲しみ、日々をどう生き、死に際して何を考えたのか。この国に連
 綿と繋がる感性を取り戻す事が強く求められている。
 本書では『日本人の信仰のかたち』を見つめてきた著者が、人々の感
 性を掘り起こしていく。
 西行、芭蕉という『日本をさまよう』求道者がいた。彼らは蔑まれ孤
 独の中に生きる『こじき』に憧れ、そうなる事で悟りを開こうとした
 のだ。つまり私を無の状態にしたとき、ものがよく見えてくると信じ、
 そういう心の在り方、生き方にどこまでもこだわった、と著者は言う。
 また日本には『人間は一度死を通過する事で神になることができる』
 という独自の死の感覚があり、そこから死の世界の近くにいる『老人』
 が神にも等しい存在として崇められてきたのである、と述べていく。
 日本人の行動規範をユニークかつ大胆な視点から論じていく、眼から
 ウロコが落ちる日本人論。」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「『平家物語』の中で切腹するのは源氏のみ(東北のマタギ文化)。他
方、平家は身を水に投げると千葉徳爾が指摘している。」


・「『判官贔屓』という東北感覚。後白河法皇に上手く利用されて追放
 された義経をあたたかく迎えたのが東北」


・「生命は自らの死を経験することにより、かえって子孫を無間につく
  りだしていく。永遠に死ぬことのない神(独り神)-天つ神 と 
死んで葬られる神(配偶神)-地上に立った神々」


・「『癒やし』という言葉は、『共生』と似たうそ寒くいやらしい言葉。
甘ったれたうさんくささを感じる。自らの足で立とうとしない人、
神を殺し、仏を殺し、自分まで殺す日本人のように感じる。」



もう一つ、再掲載になりますが、池上彰さんの
「みんなの学校問題」③を載せます。





☆「鎮守の森は泣いている」山折哲雄 PHP 2001年 ④(最終)

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◇野性的「武士道」の精神
 会津武士道と「葉隠」武士道の違い
   松平容保(かたもり)と会津武士
    ~ 素朴で野性的 

 マタギの文化から生まれた切腹の方法
「平家物語」 
     ◎ 切腹は源氏のみ(東北のマタギ文化)
↑↓
◎ 平家は身を水に投げる(千葉徳爾が指摘)

 弱者に対する深い負い目の感覚
 
 「判官贔屓」という東北感覚  
  義経 
      後白河法皇に上手く利用されて追放された
- あたたかく迎えたのが東北
 
 自覚的にキリスト教徒になった支倉常長
 
 神秘さと合理性を兼ね備えた千葉周作の剣
   千葉周作
     「北斗の人」司馬遼太郎 3千人の門弟
      合理性 一夜秘伝
       「それ剣は瞬息、心気力の一致」   


◇遺伝子時代の「生老病死」観
 寿命のカルテを知ることの恐怖

DNA研究に解明されるも

 DNAを実感できる人できない人

 「生き急ぎ死に急ぎ」時代の死生観
   受精卵から脳死まで

 日本人の中にある「翁の思想」
   老人こそ人生の主役 翁

「不老長寿思想」と「翁の思想」との違い
   松尾神社
    - 酒の神さま
◎ かつては恐るべき祟り神
   人間は一度死んで神になる
 
 「人間は一度死を通過せねばならない」  
   世阿弥   
     翁 ~ 神曲

 日本神話と最先端科学の奇妙な対応
単純な生命は死ぬことはない (例)ミジンコ
  生命は自らの死を経験することにより、かえって子孫を無
    間につくりだしていく
◎永遠に死ぬことのない神(独り神)
天つ神
    ◎死んで葬られる神(配偶神) 
地上に立った神々
 
 混沌から秩序を生み出すユダヤ・キリスト教的発想
 
 「白紙に戻して」エネルギーを得る日本
 
 「共生」から「共死」の発想へ 
共生
     ~ 生きたい 
     = 生きたい人間のエゴイズムの大合唱
◎ 真の共生思想には共生共死の覚悟が必要
    
 「生き残り」理論 
ノアの箱舟  サバイバルセオリー
◎ 共生共死論への軸足の転換を
 
 「癒やし」という言葉のいやらしさ
「共生」と似たうそ寒いもの
癒やし
      ~ 甘ったれたうさんくささ
     癒やされる ~ 受動 
自らの足で立とうとしない人
       神を殺し、仏を殺し、自分まで殺す日本人
 
 高齢社会に真に必要なのは「宗教介護」 
老人介護の究極の問題は宗教介護の領域の中にある
 
 老人たちの願いが生んだポックリ信仰
   吉田寺(浄土宗) 
ポックリ信仰スポーツ






☆「みんなの学校問題」池上彰 講談社 1999年 ③【再掲載 2015.8】

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<教科書って何だろう
◇日本の出版物の一割は教科書
  1998年度 1226種類 合計162340000冊 

◇タダだけど400億円 
  1963年 無料で配る法律
 小学校 1年分 2975円
中学校 1年分 4336円

◇教科書会社が減っていく
  中学国語 1961年 17社 → 1997年 5社
音楽 11社 → 1981年 3社 → 1997年 2社
  ◎国定教科書に限りなく近づく

◇教科書の内容は文部省がチェックする

◇教科書を教えるか教科書で教えるか



<いい先生はどうやって生まれる>
◇三人に一人は担任を辞めたい
 
◇先生になるのは狭い門

◇大学の教育学部は二種類  
  「教育学」部 と「教育」学部

◇介護の経験が必要に

◇初任者研修
  週 2日 年間 60日以上 校内研修

◇先生の給料は他の公務員よりちょっと高い
  1997年 小62% 中40%以上が女性

◇夏休みと言って休めない
 
◇進む先生の組合離れ 
  1996年10月 55.3%
日教組 33.0%  全教 9.6%
 
◇抵抗から協調へ 
  日教組の方針転換
勤務評定 ~ 主任制 ~ 日の丸・君が代
  ◎1995年方針転換 中教審に前委員長が参加



<親がやりたがらないPTAとは何だろう>
◇PTAと保護者会は別なもの

◇日本の教育の民主化のためアメリカが導入

◇PTAに参加・不参加は自由 
  A=アソシエーション(任意団体) 

◇各学校から全国組織まで

◇T抜きのPTA

◇PTAは学校に寄付をするもの?

◇学校の教育は地域の親が支えるもの
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