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「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ④ /「愛国者は信用できるか」鈴木邦男 講談社現代新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2016.7】 [読書記録 一般]

今日は3月25日月曜日です。

今回は3月22日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介 4回目です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「疑問をいくつかの具体的側面に分け問いにする」


・「『○○はどうなっているのか?』式の投げかけは、答えを調べれば
すぐ解答できるというような答え探しの発想に基づく場合が多い」


・「単眼思考の典型の言葉の例は、『生きる力』『偏差値教育』『青少年
の健全育成』『金融秩序の維持』『自然破壊』『人権』『合理化効率
  化』『報道の自由』など。これらを禁止語にして他の言葉で言い換
  えたい」


・「集団の均質性が高く、その集団への所属が強制されていればいる
ほど、集団内の異質性は集団から排除を受ける。これがいじめ」




もう一つ、再掲載になりますが、鈴木邦男さんの
「愛国者は信用できるか」を載せます。

昨日、本年度のジオラマの甲子園が終了しました。
NHKローカル局の生中継もあり、
雨にもかかわらず多くの観覧者に来ていただけました。
高校生の熱心な姿を見ることができ、話すこともできました。
ありがとうございました。
下のFacebookのページでその様子を見ることができます。
※ 浜松ジオラマファクトリー Fasebook

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☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ④

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<問いの立て方と展開の仕方>
◇問いを立てる
□STEP1「疑問」から「問い」へ 
疑問  
   - 感じるだけで終わる場合が多い
問い  
   - 自分でその答えを探し出そうとする行動につながっていく
  疑問をいくつかの具体的側面に分ける
   = 問いの分解と展開

□STEP2「どうなっているの」?<実態を問う>問い 
◎「問題関心を疑問文で表現する」 
→ 「○○はどうなっているのか?」
答えを調べればすぐ解答できるというような答え探しの
      発想に基づく場合が多い

□STEP2「なぜ」という問いかけ 
◎ 因果関係についての仮説(見込みや予想)を立てることに他な
   らない
→ ステップ1「どうなっているか」以上に考える力を働かせる
- 「なぜ」を上手に展開していくことが新しい問いの発見に
    つながっていく
どこまでいっても終わらない「なぜ」はタマネギの皮むき
 → 自分の視点を見直そう
     ステレオタイプの見方に対して新しい視点につながる可能性
    がある
 6つのなぜ
米国モトローラ社
 ◎ 「なぜかを最低6回は繰り返せ!」
= 徹底的な原因の追究



◇<なぜ>という問いからの展開
□STEP1 因果関係を問う
① 原因の時間的先行
② 共変関係
③ 他の条件の同一性

□STEP2 疑似相関を見破る
ステレオタイプにはまらないために

□STEP3 問いの展開例
◎「大きななぜ」を「小さななぜ」に分ける
=「なぜ」のブレイクダウン
主語を下位の集団に分解する
ポイント 
   ① 最初のグループを複数のサブグループに分ける
②「なぜ」「どうなっているのか」の組み合わせで問いを展開し
    ていく 
③ 問いを分解する場合には、どんな展開の影響があるのかを見
    当をつけながら分けていく



◇概念レベルで分ける
□STEP1 概念のはたらき
問いを立てるときの抽象度や一般性、具体性、個別性のレベルは?
  抽象性と具体性のレベル
   概念低のメリット
    = 共通性を高め個別の細かな事情を切り捨てていくこと
                         (捨象する)

□STEP2 概念とはサーチライトである
米国社会学者
    タルコット・パーソンズ「サーチライト」
概念導入はそれまで見過ごされてきたことに光を当て、新
     しい現象の発見に寄与する

□STEP3 概念・定義・ケース
◎禁止語のすすめ
抽象的概念をこなさず使う例の多さ
       = マジックワード
呪文のように人々の考えを止めてしまう魔力
  → 単眼思考の典型 
「生きる力」「偏差値教育」「青少年の健全育成」
「金融秩序の維持」「自然破壊」「人権」「合理化効率化」
「報道の自由」
   禁止語 
    = 他の言葉で言い換え
社会学者 佐藤健二「社会学入門」

□STEP4 問いを一般化・抽象化する
いじめ
   「集団の均質性が高く、その集団への所属が強制されていればい
    るほど、集団内の異質性は集団から排除を受ける」
◎「何のケースか」を考える 
     抽象的思考のすすめ







☆「愛国者は信用できるか」鈴木邦男 講談社現代新書 2006年 ②(後半)【再掲載 2016.7】

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[出版社の案内]
愛国者は偉いか?
愛国者は信用できるか!?
三島由紀夫が『愛国心は嫌いだ』といった意味は何だったのか?
そして意外にも女帝賛成論だったという事実!
新右翼の大物が書き下ろす全く新しい天皇制と国家論!


◇謙遜の日本史
「ベルツの日記」に描かれた自虐的日本人
     坂口安吾が「堕落論」で語る天皇制
   ベルツを戸惑わせた「謙遜」
   天皇の名の下の「自己否定」
     天皇は円の中心点?
     「古事記」「日本書紀」の日本精神
     もっと自由で人間くさい天皇のはずだった
◎ 謙虚で優しくちょっぴり自虐的なのが<日本精神>  

◇天皇論の革命
「我々には天皇を基にした変革がある」
     三島
  プロレタリア作家を殺した警察の勘違い
  竹中労こそが里見岸雄だった

◇加熱する女帝論議   
右翼少年をテロに走らせたが
皇太子妃は「男の子を生む機械」ではない

◇三島の改憲女帝論
  「皇位の継承は男系子孫に限ることではない」
  人間天皇の怨みごと 
    皇太子妃に押しつける国民のわがまま

◇愛国心の必要ない世界は来るのか
  藩から国へ,自分の家から国家へ
  ◎ 愛国心は小声でそっと言うべき言葉 
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