「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終) /「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】 [読書記録 一般]
今日は3月28日木曜日です。
今回は3月25日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介5回目 最終です。
出版社の案内には、
「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
奥義!!
全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
正解を見つける力より問題点を見出す力を。
真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「ものごとの二面性(多面性)に注目する」
・「価値はあくまで人々の関係の中に現れる」
・「偏差値教育批判を関係論的に見直すと、『偏差値さえなくせば』
という発想が問題。変えなければいけないのは試験問題の中身
であり、入学試験などの選抜のやり方やそれに向けての進路指
導の方法の問題があったのに。」
・「日本は決して平等社会ではない。日本は出身階層による教育の不平
等を抱えた社会であり、『生まれ』による不平等が…」
もう一つ、再掲載になりますが、吉崎誠二さんの
「行列ができる奇跡の商店街」①を載せます。
☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終)
<複眼思考を身に付ける>
◇関係論理的ものの見方
□STEP1 ものごとの二面性(多面性)に注目する
(例)「就職難」「過労死」
□STEP2 関係の中でものをとらえる
社会科学「関係論」
マルクスの「貨幣論」
◎ 価値はあくまで人々の関係の中に現れる
□STEP3 偏差値教育批判を関係論的に見直す
偏差値の実体論
→ 「偏差値さえなくせば」 逆立ち発想
→ 変えなければいけないのは試験問題の中身であり、入学試験
などの選抜のやり方やそれに向けての進路指導の方法の問題
→ 試験問題出題の工夫、採点の方法の議論を抜かしたことに問
題がある
□STEP4「ひとり歩き」を止めて考える
□STEP5 関係論的見方を導く手立て
①「○○化」として問題をとらえる
→ ○○を主語として語らない
② プロセスを見るために関係を見る
◇逆説(パラドツクス)の発見
□STEP1「行為の意図せざる結果」へのまなざし
マックス・ウェーバー
「禁欲」的な生活態度が資本主義を生んだ
計画的・合理的会社の経営
-「逆説の発見」
□STEP2 当初の狙いと実際の比較
(1) 副産物・副作用への視線
(2) 抜け道の誘発
- 裏をかく人々への視線
(3) 小さな出来事の大きな意味
(4) 当たる予言・外れる予言
◇問題を問うことを問う
□STEP1 問題の流行り廃り
何でも「いじめ」に
メタの視点
~ ひとつ違うレベルで当の問題自体をずらして見る
□STEP2 作られる問題・隠される問題
「いじめ」「セクハラ」の一人歩き
◎ 日本は決して平等社会ではない
- 日本は出身階層による教育の不平等を抱えた社会
=「生まれ」による不平等
しかし、日本の平等神話は変わらない
- ある問題(成績による序列化や学歴差別)が脚光を浴びる
ことで、その問題に関連はあるもののその問題の陰になっ
て目立たなくなってしまう問題(出身による教育の不平等)
◎ 逸脱者は作られる
- ラベリング論
米国社会学者 ハワード・ベッカー教授「ラベリング論」
~ ものを見る視点によってその意味が違ってくる
□STEP3 問題とその文脈
□STEP4 メタを問う問いのかたち
「ある問題を立てることでだれが得をするのか、だれが損をするのか」
☆「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】
◇商店街の歩んできた道
似たような景色が広がる地方都市
地域の独自性のない店舗が広がる日本の郊外
なぜ人は郊外に憧れたのか
衰退の理由
= 商店街近隣住人の減少
総合スーパーの進出が衰退に拍車を掛けたのは本当か
スーパーマーケット
① チェーンストア
② セルフサービス
③ 最寄り品がそろう
④ 安価
食料品・衣料品・住宅関連品
それぞれ10~70%
= 総合スーパー
どれかが70%以上
= 専門スーパー
都市
2大都市以上
= 全国スーパー
4都道府県以上
= 地域スーパー
3都道府県以下
= 地方スーパー
流通の革命
① セルフサービス方式
② チェーン方式 他店舗化・大型化
1号店
1953(S28)年
「紀ノ国屋」東京・青山 セルフサービスレジ
イメージ変化
「ダイエー」1857.9 大阪・千林商店街
大きな反対運動は起こらず
「主婦の店・ダイエー薬局」
1964年 関東に進出
← 反対運動
1973年 大規模小売店舗法
商店経営者が直面した内なる事情
後継者問題
復活への足音が聞こえ始めた
2006.5
中小企業庁「がんばる商店街77選」原動力は商店主
・自分たちができることは何か
・この商店街だからできることは何か
◇「ここに来れば何か楽しいことをやっている」大須商店街(愛知県名古屋市)
多彩なアイデアでにぎわいを取り戻した商店街
「気付いたときには手遅れ」という教訓
地下鉄:上前津駅
矢場とん・青柳・大須ういろ・コメ兵
まだどこもやっていないことをやる
空き店舗 70年代後半~80年代
→ テナント調査活動
→ 着手 ① 商店街マップの作成
② アーケード整備
③ 公衆トイレ設置
→ 店のトイレ使用(トイレ協力店)
資金がないからこそできたこと
1975・1976 「アクション大須」
1978 「大須大道町人気」
1977 鶴舞線 アメ横
人の流れを変える仕掛け
イルミネーション
「世界コスプレサミット」2003~
如何に話題をつくるか
如何に知恵を絞るか
祭り委員長は一人1年限り
枯れることのない発想力の源泉
「大須案内人」
案内、質問に答える 16人のボランティア
大須検定受検者の中から希望者を募る
商店街の検定
「20%でも改善されれば20%の成功」
万松寺「身代わり餅」
信長が朝倉攻めの帰路、杉谷善住坊の銃弾が万松寺の和尚
からもらい受けた平餅にあたり難を逃れたとの伝
- 加藤清正命名
→ 毎月縁日は災難・厄よけとしてつきたてのもちを無料で振
る舞う
今回は3月25日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介5回目 最終です。
出版社の案内には、
「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
奥義!!
全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
正解を見つける力より問題点を見出す力を。
真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「ものごとの二面性(多面性)に注目する」
・「価値はあくまで人々の関係の中に現れる」
・「偏差値教育批判を関係論的に見直すと、『偏差値さえなくせば』
という発想が問題。変えなければいけないのは試験問題の中身
であり、入学試験などの選抜のやり方やそれに向けての進路指
導の方法の問題があったのに。」
・「日本は決して平等社会ではない。日本は出身階層による教育の不平
等を抱えた社会であり、『生まれ』による不平等が…」
もう一つ、再掲載になりますが、吉崎誠二さんの
「行列ができる奇跡の商店街」①を載せます。
☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終)
<複眼思考を身に付ける>
◇関係論理的ものの見方
□STEP1 ものごとの二面性(多面性)に注目する
(例)「就職難」「過労死」
□STEP2 関係の中でものをとらえる
社会科学「関係論」
マルクスの「貨幣論」
◎ 価値はあくまで人々の関係の中に現れる
□STEP3 偏差値教育批判を関係論的に見直す
偏差値の実体論
→ 「偏差値さえなくせば」 逆立ち発想
→ 変えなければいけないのは試験問題の中身であり、入学試験
などの選抜のやり方やそれに向けての進路指導の方法の問題
→ 試験問題出題の工夫、採点の方法の議論を抜かしたことに問
題がある
□STEP4「ひとり歩き」を止めて考える
□STEP5 関係論的見方を導く手立て
①「○○化」として問題をとらえる
→ ○○を主語として語らない
② プロセスを見るために関係を見る
◇逆説(パラドツクス)の発見
□STEP1「行為の意図せざる結果」へのまなざし
マックス・ウェーバー
「禁欲」的な生活態度が資本主義を生んだ
計画的・合理的会社の経営
-「逆説の発見」
□STEP2 当初の狙いと実際の比較
(1) 副産物・副作用への視線
(2) 抜け道の誘発
- 裏をかく人々への視線
(3) 小さな出来事の大きな意味
(4) 当たる予言・外れる予言
◇問題を問うことを問う
□STEP1 問題の流行り廃り
何でも「いじめ」に
メタの視点
~ ひとつ違うレベルで当の問題自体をずらして見る
□STEP2 作られる問題・隠される問題
「いじめ」「セクハラ」の一人歩き
◎ 日本は決して平等社会ではない
- 日本は出身階層による教育の不平等を抱えた社会
=「生まれ」による不平等
しかし、日本の平等神話は変わらない
- ある問題(成績による序列化や学歴差別)が脚光を浴びる
ことで、その問題に関連はあるもののその問題の陰になっ
て目立たなくなってしまう問題(出身による教育の不平等)
◎ 逸脱者は作られる
- ラベリング論
米国社会学者 ハワード・ベッカー教授「ラベリング論」
~ ものを見る視点によってその意味が違ってくる
□STEP3 問題とその文脈
□STEP4 メタを問う問いのかたち
「ある問題を立てることでだれが得をするのか、だれが損をするのか」
☆「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】
◇商店街の歩んできた道
似たような景色が広がる地方都市
地域の独自性のない店舗が広がる日本の郊外
なぜ人は郊外に憧れたのか
衰退の理由
= 商店街近隣住人の減少
総合スーパーの進出が衰退に拍車を掛けたのは本当か
スーパーマーケット
① チェーンストア
② セルフサービス
③ 最寄り品がそろう
④ 安価
食料品・衣料品・住宅関連品
それぞれ10~70%
= 総合スーパー
どれかが70%以上
= 専門スーパー
都市
2大都市以上
= 全国スーパー
4都道府県以上
= 地域スーパー
3都道府県以下
= 地方スーパー
流通の革命
① セルフサービス方式
② チェーン方式 他店舗化・大型化
1号店
1953(S28)年
「紀ノ国屋」東京・青山 セルフサービスレジ
イメージ変化
「ダイエー」1857.9 大阪・千林商店街
大きな反対運動は起こらず
「主婦の店・ダイエー薬局」
1964年 関東に進出
← 反対運動
1973年 大規模小売店舗法
商店経営者が直面した内なる事情
後継者問題
復活への足音が聞こえ始めた
2006.5
中小企業庁「がんばる商店街77選」原動力は商店主
・自分たちができることは何か
・この商店街だからできることは何か
◇「ここに来れば何か楽しいことをやっている」大須商店街(愛知県名古屋市)
多彩なアイデアでにぎわいを取り戻した商店街
「気付いたときには手遅れ」という教訓
地下鉄:上前津駅
矢場とん・青柳・大須ういろ・コメ兵
まだどこもやっていないことをやる
空き店舗 70年代後半~80年代
→ テナント調査活動
→ 着手 ① 商店街マップの作成
② アーケード整備
③ 公衆トイレ設置
→ 店のトイレ使用(トイレ協力店)
資金がないからこそできたこと
1975・1976 「アクション大須」
1978 「大須大道町人気」
1977 鶴舞線 アメ横
人の流れを変える仕掛け
イルミネーション
「世界コスプレサミット」2003~
如何に話題をつくるか
如何に知恵を絞るか
祭り委員長は一人1年限り
枯れることのない発想力の源泉
「大須案内人」
案内、質問に答える 16人のボランティア
大須検定受検者の中から希望者を募る
商店街の検定
「20%でも改善されれば20%の成功」
万松寺「身代わり餅」
信長が朝倉攻めの帰路、杉谷善住坊の銃弾が万松寺の和尚
からもらい受けた平餅にあたり難を逃れたとの伝
- 加藤清正命名
→ 毎月縁日は災難・厄よけとしてつきたてのもちを無料で振
る舞う