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山本夏彦さんはこんなことを⑯-「完本 文語本」文藝春秋④ [読書記録 一般]

今回は、4月21日に続いて、わたしの要約ノートから、
キーワード「山本夏彦さんはこんなことを」16回目の紹介、
山本夏彦さんの「完本 文語本」④です。




出版社の案内には、

「祖国とは国語である。日本人は文語文を捨てて何を失ったか。明治以来流入した欧米の
 文物は、混乱と活気と迷惑をもたらした。中江兆民、二葉亭四迷、樋口一葉、萩原朔太
 郎、佐藤春夫、中島敦たち諸家の名文を引き、失った父祖の語彙を枚挙し、現代口語文
 の欠点を衝く。 」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「十読は一写に如かず」
- 要約して記録していると、頭の中にのこるものです。


・「『廣辞林』(大正14年)までは『いろは』順」
- いろは順だと時間が掛かりそうです。


・「黙読するようになった →「国語力の低下」」





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☆山本夏彦さんはこんなことを⑯-「完本 文語本」文藝春秋④

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◇訳詩集

□平安 

 漢文 返り点おことてんなし当時の音で

    ↓ 本国との交通途絶えた

 訓読 返り点を打ち日本語に



□詩歌邦訳 

 上田敏『海潮音』 永井荷風『珊瑚集』 西条八十『白孔雀』

 堀口大學『月下の一群』

 上田敏 
 - 逐語訳は必ずしも忠実な訳にあらずと言い,雅俗の語彙を縦横に駆使して美しい日
  本語にした



□文語文の殿(しんがり) 

 佐藤春夫 芥川龍之介



□井伏鱒二『厄よけ詩集』



□生田春月

『泰西名詩名訳集』大正8年 越山堂



十読は一写に如かず
        『文藝春秋』1997.3~4

 






◇字引

□旧制中学生 

 戦後 新村出『広辞苑』(岩波書店)


 戦前 金澤庄三郎『廣辞林』(三省堂)

   英語字引 井上十吉の英和和英
岡倉由三郎,斎藤秀三郎


    漢和   簡野道明,小柳司気太,宇野哲人



□『廣辞林』(大正14年)までは「いろは」順



□大槻文彦『言海』(冨山房)17年

   ∥

 字引は一人で作るものだった → 個性的        『文藝春秋』1993.11

 





◇中島敦

□中島敦 『文学界』昭和17年2月号 
  
『古譚』を書いてデビュー

 明治 漢文つぶし

 生前活躍期間一年間
  ~ 『山月記』教科書に


 代表作『李陵』
・日本語の失ったリズムがここに躍動

   ・分からなくてもリズムがあれば分かる
司馬遷 宮刑 腐刑 男でなくする刑 → 『史記』
口語文は意味は分かっても朗読に耐えない

小中学校では昭和初年以来次第に暗誦させなくなった


  黙読するようになった
→「国語力の低下」       『文藝春秋』1996.4~5


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