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「いまを生きるちから」五木寛之 NHK出版 2005年 ① / 森信三さんはこんなことを④-「修身教授録抄」森信三 致知出版社 2006年【再掲載 2013.7】 [読書記録 一般]

今回は、五木寛之さんの
「いまを生きる力」の紹介 1回目です。




出版社の紹介には

「かけがいのない命の重さを、どう取り戻すか。生きることと向き合う一冊。
 なぜ、日本にはこれほど自殺者が多いのか。古今の日本人の名言を引きなが
 ら、我々はどう生きるべきか、苦しみ悲しみをどう受け止めるべきかを探る。
 『情』『悲』に生命のちからを見いだした一冊。」
 
とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「世界に冠たる長寿大国と同時にかつてない自殺大国。平和な時代のかげで
  見えない戦争が続いている」


・「ユーモアと笑いは渇いたメディア。悲しむ欺く惑う、絶望する、泣く感情、
  人間の情けと悲を排除しがちである。本来は車の両輪のはずなのに」


・「悲しいときには悲しい歌を歌うものだ。たっぷりと泣くと,あとはやめる
しかないだろう。ほんとうの慰めというものは悲しみを共有することなん
  だよ」


・「衣食だけに一生懸命になった結果,礼節の方は置き忘れられてきた。問題
は『こころの不良債権』である」




もう一つ、再掲載になりますが、「森信三さんはこんなことを」④、
「修身教授録抄」を載せます。
国民教育の父と呼ばれた森さんらしい文だと感じます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「いまを生きるちから」五木寛之 NHK出版 2005年 ①

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◇日本人の忘れもの
  
 こころの戦争 
   秋田県 
    - 10年連続自殺率ワースト1 
  日本人の自殺者 7年連続3万人以上
H3 19875人  H4 20893人
H7 22445人  H10 32863人
世界に冠たる長寿大国と同時にかつてない自殺大国
           ∥
        ◎ 平和な時代のかげで見えない戦争が続いている   


 いのちの軽い時代
心が渇いているといのちが軽い
乾いたものは軽く,水分を含んだものは重い
- かけがえのないいのちの実感


 湿式から乾式へ 
鈴木博之東大教授 「建築は渇く」
戦後の日本
       湿式工法から乾式工法へ

   仏教 <我ありて彼あり>
       ユーモアと笑いは渇いたメディア
          ∥
       排除 悲しむ欺く惑う 絶望する 泣く 感情        |
◎ 本来は車の両輪
 人間の情けと悲



◇悲しむことで耐えるこころ

 悲しみのさなかで歌った歌


 悲しんでいる人には悲しい歌を
  「悲しいときには悲しい歌を歌うものだ。たっぷりと泣くと,あとはや
    めるしかないだろう。ほんとうの慰めというものは悲しみを共有する
    ことなんだよ」

マーク・トゥエイン
      「ユーモアの源泉は哀愁である」


 <悲泣せよ>と言った親鸞
  親鸞 
      晩年にたくさんの和讃(歌) 
       和讃
        = やわらぎほめ歌
七五調4行 今様


 励ましと慰め 
   慈悲 = 励まし(頑張れよ)と慰め(頑張らなくていいよ)

◎ 何も言わない 黙っている
ただ頷きながら相手の話を聞くだけ ~ 無言の感情



◇励ましから慰めへ

 泣かなくなった日本人
柳田国男 昭和15年「涕涙史談」
戦後
       強さ 明るさ 前向き 元気 プラス思考を <追究>
↑↓
悲しみ 嘆き 絶望 憂い 人間の情    <毛嫌い>
◎ 排除 浪花節的,歌謡曲的,演歌的,義理人情の世界
  

 <慈>の精神 


 励ましの<慈>と慰めの<悲>
慈父悲母  
     戦中戦後<悲>の世界は絶えず抑圧されてきた
   ドストエフスキー  
         - 人間に大切なものは<共感共苦>


 <慈>の時代から<悲>の時代へ 
    仏教<与楽抜苦>



◇日本人の宗教感覚

 日本に根ざす信仰心
地方で根強く生き続けている日本人の信仰心
     = 和魂


 見えざる大きなものへの畏怖
資本主義・自由競争の背景「見えざる神の御手」
     プロテスタント的倫理 
日本人の原宗教的な感覚
朝日に向かって頭を下げ,夕陽に向かって合掌する感覚<アニミズム>


 「わたしは何者なのか」
和魂洋才
    → 無魂洋才
戦後,日本の繁栄を支えたものは「無魂洋才」

◎問題は「こころの不良債権」
衣食だけに一生懸命になった結果,礼節の方は置き忘れられてきた

こころの不良債権 = 精神のデフレ
◎「わたしは何者なのか」に答えられるものを


 「情」を排除した戦後日本
    情より理








☆森信三さんはこんなことを④-「修身教授録抄」森信三 致知出版社 2006年【再掲載 2013.7】

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◇真実に願うこと

<微言2>
 
・「一日は一生の縮図なり」を心中常に忘れないで一日一日の「生涯」の充実を
  期せねばならぬ。



・結局自分の置かれた現状に対して感謝する気持ちになれたら初めて真の幸福
にいたり得る。



・「義務を先にして娯楽を後にせよ」の真理は,人生を生きる上で最も基盤的
な実践的真理です。



・読書というものは,いわばその人の人生経験の内容とその意味を照らし出す
「光」と言ってよい。



51 人生の真の出発 立志をもって 
… 我いかに生くべきか



52 真の志とは常に支配
 自分の一言一行を慎む



53 真実に願うこと 
二度とない人生だから



54 人生二度なし 
    人生に愛惜尊重



55 生命の愛惜感 
    ろうそくを一本立てて自分の人生と比較する



56 一つの中間目標 
    40になったら一冊の本を書く覚悟



57 生命の鈍化
    負けじ魂は必要



58 大志を抱け



59 気品というもの 
    全人格の結晶 
      - その人から発する内面的香り



60 慎独とは人間が唯一人でいる場合でも深く己を慎むこと



61 魂の新生 
    人間の偉大さ 
      ① 豊富にして偉大な情熱 
      ② 意志力



62 情熱を持ち続ける 
    内に深く燃やし続ける



63 真の哲学とは
    … 澄み切った情熱



64 正味三十年



65 長所と短所 
    外面は長所を伸ばすことから,内面は欠点の矯正から



66 偉人の伝記 
    自己を磨き上げ鍛えていったかの足跡



67 伝記を読む時期は二度 
    ①12~18歳
    ②34~40歳 
    ※ 立志と発願



68 かみしめ味わう 
    自分一人だけではない



69 一時一事 
    即今着手



70 一気呵成 
    思い切って気持ちの白熱している間に一気呵成に



71 良寛禅師 
    修行あってこそ



72 良寛戒語



73 野口英世の母 
    日本婦人の一典型



74 「忍」の一字
    堪忍と隠忍



75 忍の工夫 
    最初に反省



76 自修の人 
   自己を築くのは自己以外にない
    → 読書と実行



77 老木の美 
    風格が滲み出る



78 故人に尽くす一つの途 
    書き残し思い出を印刷する 
    逸話を集めて印刷する



79 下座行を積む
    真の値打ち以下の所で働くこと
     - 自己を識り鍛える機会



80 教育者の真価 
    金原省吾(東洋美術)
      下 - 在校中から信頼がない 
      中 - 学校にいる間は信用される
      上 - 卒業後初めて価値が分かる 
          = 年と共に値打ちが分かる 


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